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2007年3月23日 (金)

フルトヴェングラー

Furt ウィルヘルム・フルトヴェングラー。クラシック音楽ファンならまず知らない人はいないのでは・・・・と思われるドイツの偉大な指揮者。カメラ好きがライカ・ウィルスに感染する人が多いのと同じく、クラシック・レコード・ファンもフルトヴェングラー・ウィルスに感染する人が多い。私もその一人である。1954年に没しているので、残っているレコードは基本的にはモノラル録音である。一部ステレオでライヴ録音されたものも有るとの記録が残っているようですが、私の知る限りステレオ盤(擬似ステレオは除く)は出ていないようである。最新録音の音の良さしか知らない若い音楽ファンがもしフルトヴェングラーのレコード(或いは復刻CD)を聴いたら、どういう感想を抱くのだろう。特にフルトヴェングラーの場合はスタジオ録音より生(演奏会)でこそ真価を発揮する指揮者であるが、残っているライヴ録音は当時の録音機器の品質問題もあって歪が多い。中には客席での盗み録りと思われるテープからの音源も残されているくらいである。逆に言うとフルトヴェングラー・ファンはフルトヴェングラーというだけですべての録音を聴きたい・・・・と思うのである。私は十代の時にクラシック音楽の魅力に取り憑かれてからまもなく、フルトヴェングラーを知る事となる。
最初の出会いは雑誌「レコード芸術」に書かれていた或る記事による。昔、米ウラニアから正規のルートを経ずに発売した 1944年録音のベートーヴェン「英雄」のレコード(演奏はウィーン・フィル)がフルトヴェングラーに訴訟を起こされ市場から消えた。その後、今度は米ターナバウトから同じく 1944年録音の「英雄」が発売された。しかしオーケストラはベルリン・フィル。で、このレコードの記事を評論家の小林利之さんが書いておられ、ウラニア盤とターナバウト盤はややピッチの違いはあるが、同じ演奏であるとの事。なによりこの 1944年の放送録音は超絶的名演と言われているそうで、俄然私も興味が湧いた。レコード芸術誌のレコード店広告を見ていると東京・数寄屋橋に在るレコード店にこの米ターナバウト盤の広告が載っていたので、学校帰りに電車を乗り継いでお店に行ってみた。しかし売り切れとの事でがっかりしたのですが、そのお店の近くに在る別のレコード店に幸い在庫が有り、手に入れる事が出来た。レジで代金を支払いながら何気なく目を壁にやると、なんとそこには「非売品」とタグが付いた米ウラニア盤が飾ってあった。これが発売中止になった貴重なオリジナル盤(?)か・・・・と大変感動した記憶が今でも残っている。俗にこのレコードは「ウラニアのエロイカ」と呼ばれている。
さて、時代を経て著作権切れになっている音源もあるのか、嘗て海賊盤として発売されていた数々のレコードがここ数年正規ルートを通って CD 化されており、ファンには有り難い時代になっている。特にザルツブルク音楽祭での彼が指揮した数少ないオペラ録音が正規盤として発売されるようになったのは喜ばしい事である。昔は著作権など無いに等しいイタリアから随分とフルトヴェングラーのレコードが発売されていた。私も輸入レコード専門店を周りながらそういったフルトヴェングラーのレコードを随分と買い漁っていたものです。今でこそもう血眼になる事はなくなりましが、やはり当時の事が懐かしいです。写真右上が「ウラニアのエロイカ」の元となったオリジナルテープからのレコード。左下はベルリン陥落後、ソ連が占拠したベルリン放送局所蔵のライヴ録音テープをモスクワに持ち帰り、ソビエト国内だけで販売していた一連のライヴ録音盤の中の一枚、「ブルックナー/交響曲第5番」の露メロディア盤。

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コメント

KONDOHさん、今日は。この時代のモノラル録音をきちんと再生できる装置こそ正しいオーディオ装置じゃないかと思っている私ですが、そんなことよりゆっくり音楽に浸れる時間が欲しいです^^;
私は、どちらかと言えばロック寄りなのですが、フルトヴェングラーやトスカニーニのBBCなんかの演奏には、ハードロックバンドもぶっ飛びそうな演奏が沢山ありますね。

スカルピアさん、こんにちは。
モノラルをきちんと再生するのは難しいですよね。ステレオカートリッジは不安定なので、やはりモノラル専用のカートリッジが必要だと思います。フルトヴェングラーの事を書きましたが、最近レコードは再生していないんですよね・・・。若い時はトスカニーニは全然駄目だったのですが、今は楽しめます。フルトヴェングラーとは真反対の解釈ですよね。昔雑誌でフルヴェン派とトスカニーニ派の対談が記事として載っていたこともありましたが、相容れるのは難しいかも・・・。

KONDOHさん、今晩は。
フルヴェン派とトスカニーニ派というのは知りませんでした。でも私は、どちらも好きですよ。
 私の師匠の装置は超ど級ですが、モノラル録音が臨場感豊かに鳴り、あらゆる音楽が「音楽」として楽しめます。そのレベルを目指してますが、私の装置では録音が悪いとそこばかり目立ってしまいますね。

スカルピアさん、こんばんは。
フルヴェン派とトスカニーニ派による対談なんて、一種雑誌のやらせに近いものだと思います。
以前、タンノイのカンタベリーにオルトフォンの古いモノラルカートリッジでレコードを聴かせて頂いた事があるのですが、いい音でした・・・。

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