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2007年6月30日 (土)

ワーグナーの毒

「ワーグナーの毒」という言葉が有る。ワーグナーの音楽の魅力に嵌り、そこから抜け出せないでいる事を言う。ワーグナーのような或る意味饒舌な音楽を嫌う人も当然おりますが、私は飽きない口である。ワーグナーと言えばなんと言っても大作「ニーベルンクの指輪」は欠かせない。上演に四夜を要するこの大作オペラ(楽劇)はバイロイト音楽祭の目玉でもあるわけですが、この四部作の中でも傑作は言うまでもなく「ワルキューレ」である事にクラシック音楽を愛する人にとって異論は無かろう。

中でも第三幕冒頭に演奏される「ワルキューレの騎行」はベトナム戦争を扱った映画「地獄の黙示録」で使われて以来、クラシック音楽に特に興味の無い方も知っているはずである。しかし「ワルキューレ」の中で最も感動的な音楽は「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽(さようなら、勇ましい我が子よ)」である。ドイツの名指揮者、ハンス・クナッパーツブッシュが英デッカに録音したワーグナー・アルバムに残された演奏を私は永年愛聴している。写真の二枚の LP レコードがそうで、この二枚を合わせた CD を車の中で聴いており、もう何十回聴いているか分からない。何度聴いても素晴らしい演奏で、およそ聴き飽きる事がない。ヴォータンをバリトンのジョージ・ロンドンが熱唱している。嘗て 50年代から 60年代にかけてバイロイト音楽祭に欠かせないバスバリトン歌手、ハンス・ホッターほどの味はないが、これだけ聴いている分には何ら不満は無く、とても感動的な音楽になっている。

二十代の時にはワーグナーの楽劇を休憩無しにぶっ続けで聴いていたりしたが(レコードで)、さすがに今はその体力も気力も欠けてしまった。(笑) しかし、この CD、LP に収められている演奏は、さすがワーグナー指揮者の面目躍如という感じで、まったくもってケチのつけようが無い。「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死では、これまたワーグナー音楽のドラマティック・ソプラノとして一時代を築いたビルギット・ニルソンがイゾルデを歌っており、これも素晴らしい。
管弦楽だけの演奏では「ジークフリートの葬送行進曲」でクナッパーツブッシュらしい堂々たる名演奏が聴ける。ワーグナー聴くならやはりクナッパーツブッシュ・・・という思いを感じさせてくれる名録音である。

Wagner

クナッパーツブッシュ/ワーグナー名演集 (英デッカ/ロンドン)

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョージ・ロンドン(Br)
ビルギット・ニルソン(S)
キルステン・フラグスタート(S)
1956~1959年、ウィーンで録音

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