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2007年9月24日 (月)

初期盤、オリジナル盤

ジャズレコードの世界ではもう随分前からオリジナル盤信奉者がおり(嘗て自分もそうでした)、大枚叩いてオリジナル盤(基本的に本国の初版プレス)を購入するジャズファンが多かった。また雑誌等でそういったオリジナル盤のメリット(ジャケット、音質etc...)を書くのを専門にしているライターもおり、一般ファンを結構煽っていた時代があったのである。

しかし同時代(80年代くらいまでかなぁ・・・)、クラシック音楽を愛好するレコードファンの間では特にオリジナル盤に固執する人はそう多くなかった(はず)。ところがいつの間にかクラシック音楽レコードの世界にもオリジナル盤や初期盤が高く取引されるようになって来た。かなり以前、ジャズファンのお仲間から「クラシック音楽もやはりオリジナル盤とかは高いの?」と尋ねられた事も数回ありますが、その頃は特にそういう風潮はなく、「いえ、全然ないですよ」と繰り返し答えていたものです。

クラシックはジャズに比べるとプレス枚数が圧倒的に多いのと、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカなどで同一音源が売られるので、ジャズほどオリジナルの根源がハッキリしていない事もある。強いて言えば録音したレコード会社本国のプレスがオリジナル盤と言えましょうか。したがってクラシックの場合は同時に発売された他国のプレスなども初期盤と言っているようである。初期盤として売られているレコードは大体1960年代まで、せいぜい1970年代初期くらいまでのレコードのようである。

私の場合、ジャズに関しては結構オリジナル盤を追いかけていた時代が長かったものの、クラシックに関してはオリジナル盤、初期盤を特に探し求めていた事はなかった。ただリアルタイムで発売されるレコードに関しては国内盤より輸入盤に拘っていた。特に独グラモフォンの録音に関しては輸入盤と国内盤に明らかなる音質差を感じていたので、もっぱら独グラモフォン盤を買っていた。

で、ジャズのオリジナル盤に熱を入れていた頃、クラシックの中古レコード店でレコード漁りをしていると随分古臭いジャケットのレコードを時々見る事があった。フルトヴェングラー、シューリヒト、カラヤン他、国内中古盤並みの低価格でそういった一流アーティストのオリジナル盤、初期盤が餌箱(レコードファンの隠語)に時々紛れ込んでいるのである。ジャズのオリジナル盤に執心の私は、「これ、ひょっとしてクラシックのオリジナル?」なんて事を思いながらそういったレコードを狂喜しながら時々購入していた。その頃せいぜい千数百円くらいで購入していたレコードが、その後一万円台から二万円台で売られているのを見て、唸ってしまった。ジャズの影響なんだろうか・・・、何だかなぁ・・・と思い、初期盤ブームになってからそういったレコードに手を出した事は一度もない。

まぁ、カメラの世界でもレアなカメラ、レンズは中古市場で高値で取引されているので、需要と供給のバランス、求める人がいるからそういった常軌を逸した価格でも取引されるのでしょう。今日はクラシックレコードに初期盤ブームが来る遥か前に入手していた初期盤の一部を紹介させて頂きます。

Lp_01

Lp_02

これは大好きな指揮者、カール・シューリヒトがウィーン・フィルを振ったベートーヴェン/交響曲第2番で、録音した英デッカから発売されたオリジナル盤。録音は1950年代初期で、当然モノラル録音。正確にはこの 12インチ盤(30センチLP)が発売される前に 10インチ盤(25センチLP)が出ており、こちらの方が厳密な意味でのオリジナル盤。ちなみに 10インチ盤の方も所有しています。シューリヒト特有のすっきりした解釈のベートーヴェンで、名演です。

Lp_03

Lp_04_2

カラヤン若かりし頃、ウィーン・フィルを振ったチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」です。英コロンビアから発売されたオリジナル盤。その後この録音は英EMI となって引き続き販売された。レーベルの撮影時、手振れしていて申し訳ないのですが、メイド・イン・グレートブリテンと表記されているところが如何にも時代を感じさせる。

Lp_05

Lp_06

フランスの指揮者、シャルル・ミュンシュがボストン交響楽団を指揮したお得意のベルリオーズ/幻想交響曲の米RCA盤。毒々しいジャケットが印象的です。

Lp_07_2

Lp_08

ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団がシューベルト/弦楽四重奏曲「死と乙女」を演奏した米ウェストミンスター盤。古き良き時代の解釈によるシューベルト。

まだまだ他にも所有しているのですが、前述したように初期盤ブームが来る遥か前に入手したものばかりなので、その後の市場価格を考えると馬鹿みたいに安い価格で手に入れている。CD ではジャケット写真を楽しむにはあまりにも小さいですが、その点レコードはジャケットを楽しむ事が出来るので、やはりいいなぁ・・・。
今度は SP レコードを紹介します。

2007年9月 8日 (土)

男はつらいよ 「知床慕情」 1987年作品

Torasan神奈川県に台風が上陸する事は滅多にないのですが、勤務している会社もいろいろと被害があった。天災は忘れた頃にやって来る・・・・でしょうか。

さて、カメラの話しが続いたので今日は映画の話しを。
私がもっとも尊敬する映画監督、山田洋次さんの作品としてあまりにも有名なシリーズですから、先ず知らない方はいらっしゃらないと思う「男はつらいよ」シリーズ中の一本で、第38作になります。

丁度ほぼ一ヶ月前に映画の舞台になった北海道・知床に行ったばかりで、「そうだ、寅さんに知床を舞台にした作品が有った・・・」と思い出し、久しぶりにこの作品を DVD で見た。今回のストーリーは知床に来た寅さんが、三船敏郎扮する風采の上がらない獣医師の家にやっかいになる。そこへ親の反対を押し切って東京で結婚した娘、りん子(竹下景子)が帰って来る。しかしりん子は結婚に失敗して里帰りして来たのです。当然寅さんは一目惚れ・・・。ここから本筋が始まるのです。

すでに故人となってしまった三船敏郎さんは言うまでもなく日本を代表する大スター。個性的な演技で黒沢明監督の作品には欠かせない人でした。今、NHK の大河ドラマは「風林火山」ですが、大分前の映画版「風林火山」では主役「山本勘助」を三船敏郎さんが演じていた。先月末だったか、この映画が BS 放送で再放送されまして、久しぶりに見たら山本勘助役の三船敏郎さんと大河ドラマの山本勘助役、内田聖陽さんとでは、申し訳ないですがあまりにも貫禄が違う事を感じてしまった。他、武田信玄役に中村(萬屋)錦之助さん、上杉謙信役に石原裕次郎さんと映画版は豪華配役だった。

閑話休題。知床慕情に話しを戻すと、映画のワンシーン、ワンシーンに自分が先月見て来たばかりの景色が出て来るので、懐かしくなってしまった。竹下景子さん扮するりん子が斜里駅からタクシーに乗って帰って来るシーンで、タクシーの運転手が「オシンコシンの滝」を紹介すると、「運転手さん、私、知床の人間なんです」と答えるところが出て来るのですが、映画のカットは滝の上からのカメラアングル。

Torasan_1

先月、この滝を下から見上げたのでした。懐かしいです。そして実家に帰ったりん子と寅さんが知床半島を船から見物するシーンが出て来ます。

Torasan_4

Torasan_2

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雄大な知床半島の景色。船上で談笑する寅さんとりん子。三枚目は「カムイワッカの滝」を見物する二人。う~ん・・・、映画を見ながら懐かしくて懐かしくて・・・。(笑)
その他、羅臼岳を背景に直線道路を車が走るシーン、ウトロ港で談笑する寅さんと知床の仲間たち、自分の目に焼きついている風景が次々出て来るのでホント懐かしいです。

竹下景子さんは寅さんのマドンナ役を三回も演じている。この「知床慕情」も良い作品ですが、岡山県高梁市のお寺の娘役を演じた「口笛を吹く寅次郎」も大傑作でした。ご覧になった事のない方は是非、レンタルで DVD かテープを借りてご覧下さい。

山田洋次さんの作品に駄作はないです。最近の作品「武士の一分」も良かったです。

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