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2008年2月11日 (月)

今日のCD (5)

Trio_64_2
TRIO 64

ビル・エヴァンス (p)
ゲイリー・ピーコック (b)
ポール・モチアン (ds)

1963年12月18日、ニューヨークで録音
ユニバーサル(POCJ-9230)

ジャズ・ファンなら誰でも知っているピアニスト、ビル・エヴァンスが米ヴァーヴに録音した「TRIO 64」というアルバムです。エヴァンスの代表盤というと誰でも米リバーサイドの「ポートレート・イン・ジャズ」や「ワルツ・フォー・デビィ」を挙げると思います。もちろん私もこれらのアルバムは大好きですが、最近のお気に入りがこの「TRIO 64」なんです。

ただし実際はこのアルバムの一曲目「リトル・ルル」と四曲目「サンタが街にやって来る」を繰り返し聴くだけのアルバムとなっているのがホントのところ。「リトル・ルル」は有名なアニメのテーマ音楽らしいのですが、恥ずかしながら私はそのアニメを知りません。何しろアニメのテーマというのを知らずに聴いていたのですが、初めて聴いた時から軽快でリズミカルなその音楽がすっかり気に入ってしまった。もう何回聴いているか自分でも分からないくらいとにかく繰り返し聴いています。しかし飽きない。エヴァンスのピアノもノリノリで、本人もスイングしながら弾いているのでは、と思わせるほどの楽しさ溢れる音楽となっている。

そして白眉は「サンタが街にやって来る」である。まさか誰でも知っているクリスマス・ソングをジャズのアルバムで聴くとは思わなかった。しかしエヴァンスのピアノはメロディ・ラインの崩し方が非常に巧く、感嘆してしまう。これもリズミカルに、そしてコロコロと流れるようなピアノの音色が変化を伴って聴こえる様はまさにジャズである。ベース、ドラムスとの息もピッタリで、ピアノ・トリオを聴く心髄に触れる事が出来る名演だと思う。

実はビル・エヴァンスが好きになったのはここ数年で、自分が若い頃はイマイチ良さが分からなかった。ジャズを聴き始めた頃はレーベルでいうとブルーノート、プレスティッジといったゴリゴリのモダン・ジャズにのめり込んでおり、妙な例え方ですが黒人の体臭がムンムンと臭って来るような演奏が好きだったので、やや静的演奏を感じさせるエヴァンスのピアノが良く理解出来なかったのが本当のところ。しかし自分も歳を経て感受性も若い時とは違って来ているので、今は逆にゴリゴリの演奏が苦手になり、エヴァンスのようなピアニスティックな演奏を静かに聴くのが今の自分に遭っているのです。

私がジャズを聴く切っ掛けとなったのは以前書いたようにバド・パウエルのピアノ・トリオで、最初の頃は他のジャズマンも含め、ピアノ・トリオばかり聴いていた。その後トランペットやサックスなどのジャズマンを聴きながら変遷を重ねて来ましたが、最近はまたピアノ・トリオに戻っている。魚釣りが鮒に始まり鮒に終わる、と言われるのと一緒なのかもしれない。

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