カヴァレリア・ルスティカーナ/間奏曲
カラヤン/オペラ管弦楽名曲集
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック UCCG-5033
イタリアの作曲家、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」をご存知でしょうか? と言ってもこの曲、有名と言えば有名だし、マイナーと言えばマイナーとも言えるし、少々微妙な知名度の歌劇だと思います。クラシック音楽に興味のない方にとっては先ずご存じないかと思います。
ヴェリズモ(日本では「現実主義」と言われている)・オペラの代表作としてクラシックファン、オペラファンに親しまれているのですが、オペラのストーリーとしてはヴェリズモの名に相応しく、非常に毒々しいストーリーで最後は殺人まで起きる現実的なオペラです。同じくヴェリズモを代表するルッジェーロ・レオンカヴァルロの歌劇「道化師」と一緒に上演される事が多い。共に一時間少々の長さなので、アナログレコード時代は二曲をカップリングして三枚組でほとんど発売されていました。
舞台はシチリア島のある村。男女の三角関係による血なまぐさい話しで、主役の一人トゥリッドゥが最後には殺されて幕になるというオペラ。オペラ好きの私としても決して愛好しているオペラではないのですが、ストーリーの中程で演奏される「間奏曲」がとても美しい曲で、初めてこの曲を知ってからは、もう何度聴いている事か。
一幕もののオペラなので幕間はないのですが、最後の悲劇を暗示させるような弦楽器の出から始まり、ハープや物悲しい木管楽器による音楽はこの上なく美しい。もう、この間奏曲だけは何十回と聴いていますが、まったく飽きないですね。今日紹介している演奏はカラヤン指揮、ベルリン・フィルによる「オペラ管弦楽名曲集」というCDですが、この他、ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団(RCA)による演奏も大変素晴らしいです。
演奏時間、僅か三分半程の短い曲ですが、特にクラシック音楽に興味を持っていない方でも、音楽がお好きな方には是非お聴き頂きたい名曲です。ヴェルディの歌劇「椿姫」の第一幕への前奏曲も最後の悲劇を暗示させるような物寂しい響きの弦楽器で曲が始まりますが、この「カヴァレリア・ルスティカーナ/間奏曲」も前述したように同じように弦楽器から静かに曲が始まるとはいえ、こちらの方が数段美しいです。騙されたと思って一度お聴きになってみて下さい。
今日のCDは税込み 1,000円です!
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