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2009年1月17日 (土)

松竹映画 「母べえ」 山田洋次監督作品

Haha

松竹映画 「母べえ」 2008年1月公開

監督 : 山田洋次
原作 : 野上照代
脚本 : 山田洋次、平松恵美子

出演 : 吉永小百合、浅野忠信、坂東三津五郎、壇れい、志田未来、佐藤未来、笑福亭鶴瓶 他

現役の映画監督でもっとも尊敬する人が山田洋次さんだという事は、もう何度も本ブログで書いておりますのでご存知の事と思います。この「母(かあ)べえ」は黒澤明監督作品のスタッフの一人、野上照代さんの自伝を山田監督が映画化した作品です。劇場公開は昨年一月。すでにDVDでも発売されております。

昭和15年の東京、一家四人の野上家、夫・滋(坂東三津五郎)、妻・佳代(吉永小百合)、長女・初子(志田未来)、次女・照美(佐藤未来)はお互いに「父べえ」、「母べえ」、「初べえ」、「照べえ」と呼び合い、毎日地味ながらも幸せな日々を過ごしていた。ところが冬の或る日の早朝、ドイツ文学者の父べえが治安維持法違反により、土足で踏み込んで来た特高(特別高等警察)に検挙され、投獄されてしまう。二人の小さな子供たちの前で縄を掛けられ連行される父べえ。

翌昭和16年、初めて迎える父べえのいない母子三人の正月。しかし母べえは希望を持ち続けながら献身的に我が子二人を育てて行く。そんな中、広島(この出身地が後に悲劇を呼ぶ)から久子叔母さん(壇れい)が来、更には父べえの教え子、山崎(浅野忠信)も野上家に来て健気な母べえと二人の子供たちを支えてくれるのです。

昭和16年12月8日、日本は太平洋戦争へと突入し、いよいよ激動の日々を迎える。そして野上家は思わぬ悲劇へと向かう事に・・・。

山田洋次さんはこの作品で当時の間違った国策と戦争のために悲しくも分断されてしまった家族愛(これは山田さんいつものテーマ)を、そして在り来たりの事かもしれませんが醜い戦争が、如何に多くの悲劇を招いていたかを描いています。今回の作品、子供たちの叔母、久子を演じている壇れいさんと、父べえの教え子山崎を演じている浅野忠信さんが重要な役割ですね。

壇れいさんは山田さんのひとつ前の作品「武士の一分」で木村拓哉さんの妻役を演じていた人で、私は「武士の一分」で初めて知る女優さんでした。宝塚出身の女優さんなんですね。「武士の一分」が初めての映画出演。久子が山崎に愛を告白するシーンは山田監督らしい演出で、とても印象に残りました。その山崎役、浅野忠信さんの出身は何と私と一緒のところでビックリです。

父べえ役の坂東三津五郎さんは「武士の一分」で武士とは思えない卑劣な役を演じており、最後の果し合いで木村拓哉さんに片腕を切り落とされてしまう。しかし今回の作品では妻と愛娘二人をやさしく見守る父べえを見事に演じております。

さて、主役の母べえには吉永小百合さん。さすがの名演技ですね。しかし敢えて注文を付けさせて頂くと、小学生二人の母親役には年齢(映画製作時の実年齢、62歳)が行き過ぎているように思うのですが・・・。何でも原作の野上照代さんの希望で母べえ役に吉永小百合さんが抜擢されたそうな。でも、ホントお綺麗ですねぇ・・・。昔、サユリストという男性ファンを多く作ったようですね。

吉永小百合さんは「寅さんシリーズ」以来の山田洋次監督作品。「寅さんシリーズ」では二回出演しており、いずれも不器用で頑固な小説家の一人娘、歌子を演じていて、二本とも私は好きな作品です。母べえの娘役二人、野上初子の志田未来ちゃん、野上照美の佐藤未来ちゃん、二人も好演しています。

時代劇三部作(たそがれ清兵衛、隠し剣 鬼の爪、武士の一分)を製作した後、久々の現代劇、といっても時代は昭和の太平洋戦争時ですが、大傑作とは言わないまでも、佳作である事は間違いないと思います。今回の作品も淡々と物語が進んで行きますが、是非多くの人にご覧になって頂きたいと思います。

尚、山田組の重要な一人、倍賞千恵子さんが映画の最後に特別出演しています。

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コメント

この映画テレビでコマーシャルしていましたね。
私は、以前に書いたかも知れませんが
邦画はあまり見ないので見ていません。

というか、最近映画はテレビでやる以外見ていないような(汗
今日は、ハリーポッターが有りますね♪

konekoさん、こんばんは。
はい、konekoさんが邦画を見ないのは以前のコメントで知っております。私も邦画はそれほど見る方ではないのですが、山田洋次さんの作品だけは例外なのです。山田洋次さんの作品にはいつも得るものがあるのです。

こんにちは。
吉永さんだから母べえが演じられたのでしょうね。年齢を全く感じさせない人です。
映画の存在は知っていましたが、内容は詳しく知りませんでした。是非、見てみたいです。

ビワさん、こんばんは。
おっしゃる通り、母べえを演じられるのは吉永さんだけかもしれません。それで原作者も吉永さんをリクエストしたのでしょう。
とても良い映画です。是非、ご覧になって下さい。

邦画の魅力は山田洋次監督で消えてしまうのではないでしょうか…

日本人さん、はじめまして。
同感です。日本映画の魅力を伝えてくれる監督は現状、山田洋次さんひとりと言っても過言ではないと思います。

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