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2009年7月 3日 (金)

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(2)

Suwanai_2

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調

諏訪内晶子(vn)
ウラディミール・アシュケナージ指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
2000年9月 チェコ、ドヴォルザーク・ホールで録音

美しい! ホントに美しい演奏です。ですが感動はしなかった。

6月23日の本ブログでアンネ=ゾフィー・ムターのエネルギッシュな素晴らしい演奏をご紹介させて頂いたばかりですが、本日も同曲の・・・今回はCDのご紹介。いつも行っているCDショップで英デッカの輸入盤がこれはまた安い価格で売られていたので、試しに聴いてみるか、と購入したものです。

1990年のチャイコフスキー国際コンクールで全審査員一致による第一位を獲得し、日本のクラシック音楽界の話題をさらったヴァイオリニスト。ところが私は今まで諏訪内さんの演奏を聴いた事が一度もなかったのです。演奏そのものより、「美貌で売っているヴァイオリニスト」、というイメージが先行し、CDを購入した事も、FM放送ですら一度も彼女の演奏を聴いた事がありませんでした。

で、この価格なら、という理由で上述したように初めて諏訪内さんのCDを購入したわけです。演奏そのものは最初に書いたようにとても美しい演奏で、ケチの付けようがありません。従来からイメージするメンデルスゾーンの楽想を十全に出し切った演奏だと思います。

諏訪内さんの解釈はテンポをじっくりと取り、レガート、またレガート、という感じで、メロディをとにかくしっとりと良く歌います。アンネ=ゾフィー・ムターの、時にアタックの鋭い音色とダイナミックな演奏を聴いて打ちのめされた後だけに、諏訪内さんの解釈は今の私には物足りなかったです。でも、初めてメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いてみたいと思う方には、諏訪内さんの演奏はお薦め出来ます。

諏訪内さんは1972年、東京生まれ。海外でも引っ張りだこのヴァイオリニストで、CDもかなりの枚数を出しています。今日ご紹介のCDにはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲もカップリングされておりまして、これもまたメンデルスゾーンと同様の解釈。美しいチャイコフスキーです。俗にメンチャイといって、昔からヴァイオリニストを売り出したい時にレコード会社がこの二曲をカップリングしたレコード、CDを出したがりますね。

ところで諏訪内さんがお使いのヴァイオリンは往年の大ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツが使っていた1714年製のストラディヴァリウス「ドルフィン」だそうで、日本音楽財団から長期貸与されているそうです。

そこで諏訪内さんのチャイコフスキーを聴いた後に、ハイフェッツのチャイコフスキーも聴いてみようと、久しぶりにCDを取り出して聴いてみました。いや~・・・、個性的でまさにハイフェッツのチャイコフスキーです。オケを指揮しているフリッツ・ライナーも流麗とは程遠い個性的な解釈。こういった解釈を新人がコンクールで演奏したら、多分総スカンを食うでしょうね。

しかし同じヴァイオリンとは思えないほど、諏訪内さんとハイフェッツの音色は違います。奏者が違うと同じ楽器で、こうも変わるものなのですね。

最後にアシュケナージの指揮ぶりに触れておきますと、諏訪内さんの解釈をアシストするように、アシュケナージもレガートを多用した流麗な演奏で華を添えています。ムターをアシストしていたクルト・マズアの凡庸な指揮ぶりとは一味違いました。

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コメント

こんばんは。
全く個人的な事情ですが、諏訪内さんは80年代前半から聴いています。大変な才能を持った方と思いますが、なかなか抜きんでるのはむずかしいんでしょうね。
ところで、メンデルスゾーンの協奏曲は、デ・ヴィートのものが一番好きです。フルトヴェングラーが聴き惚れて(*^-^)指揮棒止めたといういわく(誇張でしょう)のあるものです。

おはようございます。
門外漢の私でも諏訪内晶子さんのお名前は知っています。
KONDOHさんの「ホントに美しい演奏です。ですが感動はしなかった。」のお言葉、写真でも同じ事が言えるなぁと思ってお聞きしました。何でも難しいものですね。

kv492さん、おはようございます。
おお、80年代からお聴きになっていらっしゃるのですか。今日はたった一枚聴いただけで感想を述べてしまいましたが、多分他のCDを聴いても同じアプローチの演奏なんだろうな・・・という思いを抱きました。
デ・ヴィートとフルトヴェングラーの演奏ですか。歴史的演奏ですね。フルトヴェングラーは私もレコード、CDでかなりの枚数を持っていますが、ヴィートとのレコードは持っていないです、多分。(笑)
フルトヴェングラーは昔凝っていた事があるので手当たり次第買っていました。協会盤から海賊盤まで。

koukoさん、おはようございます。
ご存知でしたか、諏訪内さん。好き嫌いはやはり人によっていろいろですから熱烈なるファンもいらっしゃるでしょうし、ムターの演奏より諏訪内さんの演奏の方が好み、という方もいるはずです。そこがまたクラシック音楽の良さですし、面白さだと思います。
諏訪内さん、お綺麗な方で、ジャケット写真もグラビア的な撮り方です。

諏訪内さんは、好みの美人でしたので(笑)、デビューしたときにすぐに飛びつきましたが、その後冷静になり、CDは1,2枚、コンサートは一度も行ったことはありません。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲では、往年のクライスラーやシゲティが好きでした。
若い人では、個性的なナージャ、求道的なハーン、確かな技術の後藤みどり、大器ムターの旧盤あたりを聞いています。
この曲は人気がありますが、そんなに良い曲だとも思えないのですが。

同じチャイコフスキーの勝者では、2007年の神尾真由子に注目してます。最近発売の2枚目のアルバムは、パガニーニの「24のカプリース」ですから、実力ぶりがうかがえます。

KONDOUHさん ( ‘∇‘ )ノ” コンチワー

>美しい! ホントに美しい演奏です。ですが感動はしなかった。

さすが、KONDOUHさん とてもわかりやすいひとことです。
絵画も、音楽も 最後は好みの問題になりますので
人それぞれでいいのでしょうけれど。。。
私も 彼女の演奏は KONDOUHさんと同じ感想でした。。。
同じ楽器でも 演奏者によって 全然違う音になる。。。
これって、すごいことですよね~~!!

yymoonさん、こんばんは。
やはり熱中するほどの演奏には出会わなかったという事でしょうか。私は優等生的演奏に感じました。
ひねくれた見方かもしれませんが、美貌で人気があるうちは良いですが、或る程度お歳を召されてから演奏だけで聴衆を惹き付けられるか、ですね。
一枚聴いただけでとやかく言えた義理ではないのですが。

マリアさん、こんばんは。
おっしゃる通り、最後は好みの問題ですね。諏訪内さんの演奏に感動を受ける人も沢山いらっしゃるでしょうし。まして私なんかたった一枚聴いただけですから、何を言ってやがる・・・と言われても仕方ないです。
ヴァイオリンの音色、弾き手で印象が随分変わるものですね。

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