« 携帯カメラで見沼を | トップページ | カメラ秋モデル »

2010年10月 6日 (水)

カラヤン 普門館ライヴ 1977

Karajan_01

ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調「田園」、交響曲第5番 ハ短調「運命」

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1977年11月16日 東京・杉並、普門館でのライヴ収録

TOKYO FM TMFC-0027

Karajan_02

ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調、第7番 イ長調

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1977年11月15日 東京・杉並、普門館でのライヴ収録

TOKYO FM TFMC-0028

自分が生まれる前に活躍したアーティストや、自分が聴いていないコンサートの演奏を聴けるレコードやCDといったメディアは音楽好きの私としては非常に有り難いです。レコードを発明したエジソンに感謝しないといけないですね。

なんと1977年11月、カラヤン/ベルリン・フィルにとって4年振り、5度目の来日コンサートのライヴ収録、それもベートーヴェンの交響曲全曲を連続で演奏する、所謂ベートーヴェン・チクルスのライヴCD全5枚が発売された。全5枚の内容は上記2枚の他、下記の通り。

交響曲第1番、第3番「英雄」 1977年11月13日 TFMC-0025
交響曲第2番、第8番 1977年11月14、17日 TFMC-0026
交響曲第9番「合唱つき」 1977年11月18日 TFMC-0029

一昨日、私はこの全5枚を購入しまして、当日の夜と昨晩、今日ご紹介の2枚を先ず聴きました。クラシック・ファンならよくご存じの通り、カラヤンのベートーヴェンはやや速めのテンポによるスタイリッシュな演奏。結論から申し上げますと今日の2枚の演奏はいずれもカラヤンのベートーヴェンとして大変な名演揃いです。

カラヤンはスタジオ録音によるベートーヴェン交響曲全集を1950年代、1960年代、1970年代、1980年代の都合4回録音しています。1950年代のモノラル録音のみ英EMIで、後の3回はいずれもドイツ・グラモフォン。私は1980年代以外の三種の全集を持っていますが、年を経る毎につまらなくなる印象を持っています。1980年代の全集については第5番「運命」、第9番「合唱つき」のみ持っていますが、自分の好みではないです。

カラヤン/ベルリン・フィルによる「運命(二度目の全集中の演奏)」「未完成」でクラシック入門を果たした私ですが、この「運命」の演奏以外は聴いていても結構醒めていました。特に1970年代の全集は購入した以上、「義務」で聴いていたようなもので、全然面白くない、感動しない録音でした。

で、この普門館で行われたベートーヴェン・チクルスは何の感動も受けなかった3回目のスタジオ録音を終えてからの来日公演。したがって時期的にはほぼ重なるのに、このコンサートの演奏は凄い!

やはりカラヤンもアーティストなのですね。計算し尽くされ、ミスは何回も録り直しが利くスタジオ録音と違い、一発勝負の聴衆を前にした演奏ではこれほど「燃える」ものだと再認識致しました。

「運命」、ベルリン・フィルによる緻密なアンサンブルと贅肉を削ぎ落したかのようなカラヤンの解釈による演奏は生演奏らしい、曲の迫真に迫るような素晴らしい名演です。特に終楽章は超名演と言っても良いでしょう。

そしてカラヤンのベートーヴェン解釈が一番合っていると以前から思っているのが第4番なのです。いや~・・・この第4番もまた素晴らしいです。晩年、最後の日本公演で演奏したやや遅めのテンポによる第4番も良かったですが、この普門館で演奏された第4番こそカラヤンらしさが充満したベートーヴェンではないでしょうか。私はカラヤン最高のベートーヴェンだと思います。

あまり好みではなかったカラヤンの第7番。スタジオ録音での演奏はどれもただ落ち着きのない解釈に聞こえてしまった演奏でしたが、この普門館での演奏は凄い! 鬼気迫る、というのはこういう演奏を言うのではないかと。初めてカラヤンの第7番に感動しちゃいました。

さて「田園」です。これもいつも通りややテンポの速い演奏。第一楽章に付けられている表題、「田舎に着いた時の楽しい気分」というより、田舎に着いて即ジョギング(笑)、というような趣ですが、これも全曲通して聴いてみるとカラヤンイズムに溢れた演奏ではないかと思います。

こうして2枚聴いただけで残り3枚を残していますが、残りの曲も充分期待を持って良いのではないかと思っています。多分、当時の日本公演はカラヤン/ベルリン・フィルが最盛期、ピークを迎えた時ではないのかと実感した次第。これらの演奏を普門館で聴けた人たちが羨ましいです。

もちろんベートーヴェンの交響曲には朝比奈さん、更には大昔の録音になりますがフルトヴェングラーなど、より一層素晴らしい名演が残されておりますが、1977年の普門館ライヴはカラヤン最高のベートーヴェン演奏を記した記念碑的コンサートだという事を2枚のCDを聴いて思った次第です。

これでカラヤンのベートーヴェン交響曲全集は5種(正規盤に限り)になったわけですが、もし私がどれが好みですか?と訊かれたら、残り3枚を未聴の状態の現状でも文句なく1977年の普門館ライヴです、と答えるでしょう。

これからクラシックも少し聴いてみようか・・・と思っている方がおられましたら、今日の2枚から入門してみて下さい。期待に答えてくれると思いますよ。キッパリ!

最後に今回使われた音源をご紹介しますと、当時のFM東京が2トラック 38cm/sec. でライヴ録音したテープから正規ルートを通ってCD化されております。肝心の音質ですが、左右に広がりがあり、前後の奥行き感も感じられる録音で、鑑賞するにあたってまったく過不足のない名録音である事を付け加えておきます。

« 携帯カメラで見沼を | トップページ | カメラ秋モデル »

コメント

カラヤンのこの演奏会はとても良かったという評判を聞いていましたので、タワレコでこのCDを見たときに、どうしようかと迷いました。音質がちょっと心配だったからです。それで、一回クールダウンすることにしました。

私は、カラヤンファンではありませんが、ベートーヴェン全集は全部押さえていました。70年代は例のシンフォニーエディションでダブっていますし(笑)。

したがって、KONDOHさんの記事で今回のライブCDは無視できなくなりました(笑)。

おはようございます。
キッパリ言っていただきました。クラシック入門には、このCDですね(^^) 人を前にしたときにこそ力を発揮する人、スタジオでこそよい音を出す人、人間て面白いですね。

yymoonさん、おはようございます。
やはりこのコンサートは評判が良かったのですか。2枚聴いただけですが、カラヤンのベートーヴェンとして大変良い印象を持ちました。
70年代の全集は私も中古購入のレコードによる国内盤セット、それとシンフォニーエディションとの二組所有していますが、どちらで聴いても何の感動も受けませんでした。
ご心配されている音質ですが、大変良い音で収録されております。

koukoさん、おはようございます。
はい、キッパリ言いました。(笑)
多分、アーティストの性格にもよるのでしょうが、聴衆を前にしてこそ緊張感から良い演奏が出来る人、聴衆のいないスタジオでリラックス出来る事から良い演奏が出来る人、やはりそれぞれなのでしょうね。
クラシックでもレコードで聴いて良かったのでコンサートに行ってみたら、がっかり・・・という事もありますので。

こんばんは。
カラヤンファンの私はこの5枚のCDは予約して買ってしまいました。
最近はカラヤンのライブを購入してせっせと聴いているのですが、素人でもライブと録音でこんなに違うのかと感動しきりです。
スタジオ録音も好きなのは沢山ありますが、今後もカラヤンのライブが発売される事を期待してます。

Kenclipさん、こんばんは。
おお、予約されてからの購入でしたか。あれだけ完璧のカラヤンもスタジオ録音とライヴで結構違うものですね。ライヴの演奏は緊張感がこちらに伝わって来ます。
多分、これからもいろいろと出て来るものと思われます。

先日テープライブラリーを点検しておりましたら、当時の録音テープを発見(38 2T 多分現地録音のコピー 某国営放送からの流出品と思います)PCM 1979年12月17日普門館 カラヤン ベルリンフイル ムスロブスキー ラベル 展覧会の絵 の記録がありましたので聴いてみました。
30年以上たったものですが、部屋に保存されおりましがマスター巻でしたので、余り劣化してなく、圧倒される音をたのしめました。

鉛筆による記録のため 10月を12月とよみちがえまし。修正いたします。

横浜のおやじさん、こんばんは。
ええ! 当時の録音テープのコピーをお持ちだったのですか!?
これは大変貴重なテープですねぇ・・・。
マスター巻き、なんて知っている方ってここでは少ないと思いますよ。(笑)
実は拙宅にもFM放送の録音テープですが、38cm2トラ、19cm4トラのテープが沢山残っております。残念ながらテープデッキが残っていないので、再生が出来ないのです。
カセットテープも数百本あったのですが、これはほとんど燃えるゴミの日に出しました。確認したらビデオテープとカセットテープは燃えるゴミで出して良いという事でしたので。
テープ、大事にして下さいませ。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 携帯カメラで見沼を | トップページ | カメラ秋モデル »