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2010年10月 1日 (金)

ティーレマンのブルックナー

Bru8

ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調 「ハース版」

クリスチャン・ティーレマン指揮
ドレスデン・シュターツカペレ

2009年9月14日 ドレスデンでのライヴ収録

MDR FIGARO 2 SACD PH10031(輸入盤)

先日日本初、バイロイト祝祭劇場からハイビジョンで衛星生中継されたワーグナーの楽劇「ワルキューレ」で指揮をしていた、クリスチャン・ティーレマンのブルックナーを初めて購入してみた。私の大好きな曲、ブルックナーの交響曲第8番という事で、非常に興味を持って聴きました。

結果から申しますと第一楽章と第二楽章が大変優れた演奏で、それほど期待していたわけではないので少々ビックリ。特に第一楽章が全四楽章の中でも一際優れていると思います。冒頭、ヴァイオリンのトレモロから低弦による呻くような第一主題の出からして、もうブルックナーの深遠な世界に入り込んでしまいます。

実はつい先日カラヤン指揮ベルリン・フィルによる演奏を聴いて大変がっかりした後だけに、余計ティーレマンの指揮が素晴らしく聞こえます。展開部でのクライマックスの作り方、テンポの落とし方、第一楽章はこうでなければ・・・という自分の好みの通りの解釈にすっかり魅了されてしまいました。唯一、極些細な不満を申しますと第三主題がややあっさりと進んでいましたが、もう少しじっくりと歌わせてくれたら・・・という思いがあります。

そして第二楽章、第8番は大好きな曲ですからいろいろな演奏で相当聴き込んでいるのですが、或る箇所で「え!?」と思うくらいビックリした解釈があり、久しぶりに書棚からスコア(総譜)を引っ張り出して楽譜を確認してしまいました。

それは49小節から52小節に掛けての僅か4小節なのですが、

Bru8_02

ご覧のようにスコアにはフォルテが三つ、フォルテ・フォルティッシモの指示ですから多くの指揮者はここでオケを盛大に鳴らすわけですが、ティーレマンはなんとこの4小節をディミヌエンドしてからクレッシェンドする方法を取っているのです。ここでこんな解釈を聴いたのは初めてです。もちろん繰り返しの部分では同じ解釈を取っています。う~ん・・・、こういう解釈もありかな・・・。

第一楽章、第二楽章の出来の良さから後半も期待していたのですが、崇高なまでに美しい第三楽章アダージョ、そして弦の刻むようなリズムに乗って盛大に開始される終楽章、いずれも食い足りない気持ちで終わってしまうのが自分的には少々残念です。指揮者が疲れてしまったのでしょうかねぇ・・・?終楽章などは勢いだけで曲を進めているような感じで、朝比奈さんの解釈に比べると数段落ちてしまいます。

ブルックナーの第8番、幾つか名演奏が残されておりますが、私の場合はやはり朝比奈隆さんを第一に挙げます。その他シューリヒト指揮ウィーン・フィル、クナッパーツブッシュ指揮ミュンヘン・フィル等、それぞれ個性的で素晴らしい演奏が残されていますが、今回初めて聴いたティーレマンの解釈を聴く限り、今後の演奏に期待を持てそうです。

朝比奈さんだって最初はいろいろ実験的試みをしていたくらいです。ティーレマンもこれからブルックナーを一層研究して演奏を重ねて行けば、素晴らしいブルックナー指揮者になるような気がしております。第7番や第9番も聴いてみたいですねぇ・・・。

クラシック音楽がお好きな方ならブルックナーの交響曲を演奏する場合、使用するスコアの問題がある事をご存じだと思いますが、この第8番については私はハース版を支持します。支持するというと大袈裟になりますが、ノヴァーク版よりハース版の方が好きだ、という事であります。

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コメント

おはようございます。
楽譜も取り揃えていらっしゃるのですね。何事も深く追求されているご様子、感心してしまいました。写真、映画、音楽、私は何事も浅いかな~^^;

KONDOH様

はじめまして、ななと申します。

KONDOH様のブログは話題が豊富で、いつも楽しみにしております。
ブルックナーの8番、私は朝比奈さんとN響の演奏が好きです。
クナッパーツブッシュとミュンヘン・フィルの演奏もいいですね。

これからも時々お邪魔したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

koukoさん、おはようございます。
スコアまで持っているのは単なるもの好きなんです。(^^;
深く追求かどうか自分でも分からないのですが、何事ものめり込む性格である事は確かです。お恥ずかしいです。

ななさん、はじめまして。
拙ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。あっちこっちと話題が飛んでしまう・・・、タイトル通り自由気ままに書いておりますので、お気軽に覗いて下さいませ。
朝比奈さんとN響の演奏、フォンテック盤ですね。私も大好きな演奏です。朝比奈=N響シリーズはどれも良いですね。中でもベートーヴェンの「英雄」は大変な名演だと思っています。
クナッパーツブッシュとミュンヘン・フィルもこれまた名演で、少々乾いた録音がマイナスですが、8番では欠かせない演奏ですよね。
どうぞ、こちらこそよろしくお願い致します。

おはようございます。
相変わらず深いですね・・・いつも勉強させられます。
まだとぶ物を撮影する筒が手元にきておらず、待っております。

ramble-leicaさん、こんばんは。
いえいえ、ただただ音楽が好きなだけであります。
長玉を購入されたのでしょうか? お手元に来るのが楽しみですね。

こんばんは。

私は、残念ながら音楽の素養がなくて分析的な聴き方はできません。演奏の善し悪しは、経験を頼りに自分が気に入るかどうかだけです(笑)。

ティーレマンは最近では珍しく下積みをきちんとしてきたドイツの伝統を引き継ぐ指揮者のようですね。
CDを買うべきかどうか迷う人ですが、どうもナチの親衛隊のように見える風貌がじゃまして買う気が失せてしまいます(笑)。

クナは古いCD(スタインバーグ指揮の第7番とセット)で聴いていたため、あまり好きではなかったのですが、試しにリッピングして同じCDプレーヤーのDAコンバーターを使って聴いたところ、音がとてもクリヤーになったのには驚きました。
現在出ているクナの8番は音が改善されているのでしょうね。

yymoonさん、こんばんは。
音楽は自分のフィーリングに合うか合わないか、それで良いと思います。
ティーレマン、最近の指揮者とは大分違うようで、なかなか期待出来そうです。
クナの8番、ウエストミンスターレーベルがあちこち周っていますから、オリジナルテープが残っているのかどうか・・・、ですねぇ。

少しレスが遅れておりますが、
私もブルックナーの8番は大好きです。

ヴァントとチェリビダッケのものを
愛聴しています。
楽器を(コントラバス)を弾いていた学生時代は
マーラーの方がずっと好きだったのですが
だんだんブルックナーを好きになりました。
歳をとったのかなー、、、

swingphotoさん、おはようございます。
コントラバスを弾いていらしたのですか。昨日、街でコントラバスを台車に載せて歩いている女性を見掛け、「おお~・・・」と感動してしまいました。
私、マーラーは苦手なんですが、ブルックナーはクラシックを聴き始めた十代の頃から親しんでおります。ですからブルックナーの演奏は結構好き嫌いが激しいです。(笑)

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