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2010年11月 8日 (月)

私の愛聴盤 第4回

Karajan

チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調 作品36

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1971年9月、ベルリン、イエス・キリスト教会での録音

東芝EMI TOCE-13262(廃盤)

またカラヤンか! って思われるかもしれませんが、私はカラヤンの熱烈なる信奉者では決してありません。が、しかし・・・、この曲だけは絶対的にカラヤンでなければダメ! という演奏があります。その一曲が今日ご紹介するチャイコフスキーの交響曲第4番です。

この演奏を初めて聴いた時、やや品のない言葉で言わせて頂きますと、もう~ぶったまげました。壮絶と申したら良いのでしょうか・・・、いや超絶的名演と申したいと思います。チャイコフスキーの交響曲、第4番、第5番、第6番「悲愴」の三曲を俗にチャイコフスキーの三大交響曲と称していますが、人気は第6番、第5番、第4番の順で、第4番が三曲の中ではやや人気が劣るようです。

しかし私はこの演奏を聴いて以来、チャイコフスキーの交響曲・・・いや、今まで聴いて来たチャイコフスキーの作品の中で最も好きな曲になってしまいました。そして同じく今まで聴いて来たカラヤンの演奏の中でもこの演奏が自分にとってのベストワンになっています。

雑誌などで「無人島に持って行く一枚」という特集があったりしますが、私がカラヤンを一枚だけ、と問われたら迷う事なくこの演奏を挙げます。カラヤンはこの演奏があれば他は要らない、と断言出来るほどです。

金管楽器による第一楽章冒頭、イエス・キリスト教会のホールトーンを生かした録音が遠近感を感じさせ、もうここからこの演奏に惹き入れられてしまいます。ヴァイオリンによる第一主題からやや速めのテンポを取っていますが、良く歌う弦楽器の響きがこのテンポこそこの曲を最大限生かす解釈なんだ、そう思わせるほどです。

フォルティッシモでのベルリン・フィルの華麗なる響きにはただただ圧倒されるばかり。1970年代のカラヤンとベルリン・フィルは恐らく両者にとって最高の時代だったのではないかと思わせてくれます。コーダで一気に畳み掛けて来る緻密で圧倒的なアンサンブルのベルリン・フィル、手に汗を握る、そういう表現がピッタリなのではないかと。第一楽章の19分弱を聴き終えた後、こちらはもう疲労困憊の極み。(笑)

その心地良い疲労を第二楽章アンダンティーノの美しい旋律に身を委ねて酔いしれていると、今度は涙が出て来そうなくらいの感動を覚えます。カラヤンはチャイコフスキーの緩徐楽章の解釈が実に上手いですね。甘く切ないチャイコフスキー特有のメロディを実に上手く表現します。

第三楽章、弦楽器はピッチカートだけで演奏される珍しい楽曲です。ここでもベルリン・フィルの緻密なアンサンブルには本当に凄い、と思わされます。そして・・・いよいよこの曲最大のクライマックスが訪れます。第四楽章です。

いきなりオケの盛大なるテュッティで始まると、もう後はカラヤンの術中に嵌るばかり。出来得る限りボリュームを最大にしてお聴き頂きたいです。前述したようにホールトーンを生かした録音が自分も録音会場であるイエス・キリスト教会に居るような心持になります。

とにかく聴き終えた後、「凄い!」のひと言です。

私がこの演奏を知ったのはもう大分前の事ですが、今まで何回、いや何十回聴いているか分かりません。およそこの演奏には聴き飽きるという事がありません。カラヤンはこの曲を英EMI、ドイツグラモフォンに合わせて数回録音しております。どれも大変素晴らしい演奏ですが、ベストワンは今日ご紹介した1971年録音の英EMI盤です。

騙されたと思って是非お聴きになってみて下さい。この演奏の前には評論家諸氏に評価の高い、本場ロシアのムラヴィンスキーの演奏など相手ではありません。・・・と、個人的には思っています。

ちなみに現在この演奏はEMI ミュージックジャパンからTOCE-91010という番号のHQCDで最近再発売されております。HQCDでありながら価格は僅か1,200円という廉価盤ですよ。

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コメント

おはようございます。
「無人島に持って行く一枚」ちょっと思い浮かびません。考えたこともなかった気がします。このままでは何だか淋しい気がしますので(^^;)、ちょっと考えてみましょっと♪ 「無人島に持っていく一冊」だったらよく考えてみることがあるのですがねぇ。

koukoさん、おはようございます。
「無人島に持って行く一冊」、私なら迷う事無く北杜夫さんの「どくとるマンボウ航海記」です。抱腹絶倒のエッセイですよ。(^^)

お早うございます。私にとっては懐かしいレコードです。大分前のドイツグラムフォンの10枚組を引っ張り出してみました。残念ながら4番は入ってません。
5番と6番だけです。4番は全集ものではないのがあると思います。お陰さまで今日はカラヤンを聞く日になりそうです。ありがとうございます。

tetsuさん、こんばんは。
お持ちのグラモフォン盤10枚組には4番が入っておりませんでしたか。やはり一般的に人気なのは5番、6番になっちゃうのでしょうね。
しかしカラヤンのチャイコフスキーはどれも良いです。

こんばんは、奇遇です。
先日、HQCDで4番〜6番、購入したばかりです。
チャイコフスキーのシンフォニーは6番から入っていきましたが元気の出る4番が私も一番の好みです。
カラヤンのチャイコフスキーと同シリーズのクレンペラーのモーツァルトも一緒に購入し、遅まきながらモーツァルトにめざめてしまいました。

Kenclipさん、こんばんは。
そうでしたか、4、5、6番の三枚を購入されておりましたか。
実は今日、HQCDになったので私も新宿タワレコで4番だけ購入しようとしたら、4番だけ売り切れていました。
カラヤンの4番が良いという事が知られていて売り切れたのか、それとも4番だけプレス枚数が少なかったから売り切れたのか、どちらでしょうかねぇ・・・。
クレンペラーはベートーヴェン交響曲全集その他を持っていますが、個性的指揮者ですね。

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