ショパン/ピアノ協奏曲第1番
ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調
仲道郁代、ピアノ(1841年製オリジナル・ブレイエル)
有田正広 指揮
クラシカル・プレイヤーズ東京(オリジナル楽器使用)
2010年8月2日~6日 東京芸術劇場大ホールで録音
DENON COGQ-49 (SACD & CD ハイブリッド盤)
年も押し迫った昨年暮れ、某CDショップの試聴コーナーで試し聴きしたところ、これは良さそうと思って購入した一枚。CDのコピーにこう記されています。
仲道郁代がこの録音に使った1841年製のブレイエルは、ショパン愛用の楽器と全く同じモデル。ハンマーも含めてほぼ当時のまま保存されていた奇跡的な楽器の真の響きを、仲道は極めてデリケートなタッチで甦らせました。
このCDはピアノ、オーケストラとも現代楽器での演奏ではなく、ピアノは前述のようにショパンが愛用していた当時の楽器を、オーケストラも古楽器を使用しており、現代のオーケストラの響きとは大きく異なります。ただオーケストラは古楽器を使っておりますが、弦楽器の奏法は現代楽器と同じようなボーイングで、多くの古楽器演奏で聴かれるような極端なダイナミクス、テンポではありません。
私は古楽器演奏で良く聴かれる極端に早いテンポ、妙なダイナミクスがどうも苦手で、古楽器演奏のCDはほとんど買いません。しかしここで聴くクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏は現代奏法ですから、実に安心して音楽に浸る事が出来ます。
仲道郁代さんが弾くショパン愛用と同じブレイエルの響き、スタインウェイなどの煌びやかな現代楽器とは違って、なかなか渋い音色。とは申しても仲道さんの奏法によるものでしょうか、時に現代楽器のような音色も聴く事が出来ます。
第一楽章の第二主題、仲道さんの演奏は実に素晴らしいもので、弱音の一音一音に生命を与えられているかのよう。ショパンのピアノ協奏曲はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と同じく典型的通俗名曲で、正直滅多な演奏では最後まで聴く気にならないのですが、今日ご紹介する演奏は古楽による現代奏法とも相まって、なかなか興味深く聴き通しました。
仲道さんのCDは初めて購入しましたが、繊細でロマンティックな演奏はこの曲にピッタリ。多分、現代楽器での演奏だともう少し違った解釈になるのだと思いますが、もう何十回と聴いて来たショパンの協奏曲を新鮮な気持ちで聴く事が出来ました。
尚、ショパンのピアノ協奏曲については後年、いろいろな人がオリジナル楽譜に手を入れたものが使用されて来ていますが、本CDは解説によると初版譜を使用しているとの事です。仲道さんが弾いているピアノは指揮者の有田さんが個人で所有しているブレイエルです。
聴き慣れたショパンの協奏曲とは一味違う今日のCD、クラシック音楽、ショパンがお好きな方に一聴をお薦め致します。
こんばんは。
去年、BSだったと思いますが、仲道さんがマヨルカ島などを訪ねた番組を観ました。そのとき、プレイエルは音が小さい上、現代のピアノとは感触が違うので、普通に弾いてはダメだと言っていたことを憶えています。また、有田さん所有のプレイエルも紹介されていましたが、コンサートをしていたのですね。
最近、私は、仲道さんに注目しており、ベートーヴェンのソナタ全曲のSACDを手に入れましたし(これは演奏、録音共に優秀)、去年発売されたショパンピアノ曲集もとても良かったです。
ご紹介のCDも手に入れることになると思います。
ただし、リサイタルは以前のファン(家族連れなど)を対象にしている企画が多く、まだ行く気がしません(笑)。
投稿: yymoon | 2011年1月10日 (月) 00時28分
おはようございます。
仲道さんの実家が Nakamichi だったのでしょうか?
以前ピアノホールも会社が保有されていたのに、香港資本の会社になってしまいました。
渋谷の本社で修理できたのが筑波に移ったと1000シリーズを落札して自宅まで取りに来た人と話しをしました。
投稿: moonlightgecko | 2011年1月10日 (月) 05時55分
yymoonさん、おはようございます。
そのBS番組、途中から見た記憶があります。確かお子様を連れての訪問でしたよね?
このCDはライヴ録音ではないのですが、実際にコンサートも開かれ、その後に録音したようです。
ベートーヴェンのソナタ全曲を録音していたのは恥ずかしながら知りませんでした。仲道さんというとショパン、シューマンというイメージでしたので。
投稿: KONDOH | 2011年1月10日 (月) 07時49分
moonlightgeckoさん、おはようございます。
仲道さんとNakamichiとの関係はどうなのでしょう? 私には知識がありませんです。
製品のメンテナンス拠点が移動する事は良くありますね。やはり経費の問題なのだと思います。
投稿: KONDOH | 2011年1月10日 (月) 07時52分
おはようございます。
1841年製ですか。「繊細でロマンティックな演奏」と記事にありますが、そんなに古い楽器が今新しい奏法で音を奏でるということ自体も、なんだかロマンチックですね。
投稿: kouko | 2011年1月10日 (月) 09時07分
koukoさん、こんばんは。
1841年製ですよぉ~・・・、音楽はロマンです。(笑)
クラシック音楽の歴史を感じますよね・・・。
投稿: KONDOH | 2011年1月10日 (月) 19時45分
こんばんは
仲道郁代さん
若いですね。私とほとんど歳も違わないんですが、、、
実は、学生時代
競演したことがあるんです。
あの頃は、本当に可愛くて
楽団員のアイドルでした。
投稿: swingphoto | 2011年1月10日 (月) 21時06分
swingphotoさん、こんばんは。
仲道さんと競演された事があるのですか! それは素晴らしいです!
昨年BS放送のショパン特集で番組を見たら、結構大きなお子さんがいらっしゃるのですね。予備知識がなかったのでびっくりしました。(笑)
投稿: KONDOH | 2011年1月10日 (月) 22時32分
私が見たBSの番組は、KONDOHさんが見られたものと同じものです。
投稿: yymoon | 2011年1月10日 (月) 22時50分
yymoonさん、こんばんは。
やはり同じ番組でしたか。
BSは結構良い番組がありますね。
投稿: KONDOH | 2011年1月10日 (月) 23時53分