初めての田園交響曲
ベートーヴェン/交響曲全集
エルネスト・アンセルメ指揮
スイス・ロマンド管弦楽団
UCCD-4147/52 ユニバーサル ミュージック
田園交響曲というとイギリスの作曲家、ボーン・ウィリアムスにもありますが、今日採り上げる田園交響曲はもちろんベートーヴェンの作品の方。
クラシック音楽を聴き始めた17歳の時、記憶を辿ってみて当初どういう曲をどの演奏で聴いたかを思い出してみました。最初がカラヤン指揮による「運命」「未完成」。これだけはハッキリ覚えておりますが、二枚目はワルター指揮によるモーツァルトの交響曲第40番、41番、若しくはアンセルメ指揮によるベートーヴェンの「田園」辺りだったと思います。
まぁ、順番はともかくとして、ベートーヴェンの他の交響曲で最初に聴いた盤をハッキリ覚えているのは「英雄」がフルトヴェングラー、第7番もフルトヴェングラー、第9番がイッセルシュテットです。多分、名曲案内みたいな本か雑誌の案内等を見て購入していたのだと思います。
アンセルメというと日本ではバレエ音楽の指揮者として知名度はあるのですが、交響曲指揮者、それもベートーヴェンの交響曲ともなるとほとんど無視されているようです。そのアンセルメの指揮したベートーヴェンの交響曲を当時何故購入したのか。ちなみに当時購入した盤を現在は持っておりません。
自由になる小遣いの乏しい高校生でしたから、欲しいものをそう簡単に購入する事なんて出来るわけありません。或る時、横浜駅西口のレコードショップで輸入盤のバーゲンセールがありまして、そこで見つけたのがアンセルメ指揮、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」の米盤(プレスは英デッカ)でした。日本盤レギュラー価格の半分以下の価格で投売りのような状態。
アンセルメ・・・当時も名前だけは知っていましたし、何より有名な田園交響曲を聴ける嬉しさでその盤を購入しました。初めて全曲を聴く田園交響曲。感動しましたねぇ・・・。演奏解釈がどうのこうのではなく・・・当時はそんな事分かりませんでしたし・・・曲そのものに大きな感動を受けたのです。その盤は繰り返し繰り返し聴きました。
しかしその後いろいろな演奏を聴くうちにアンセルメ盤を取り出す事がなくなり、いつしか売ってしまったようです。昨年暮れ、行き付けのCDショップに行ったら国内盤20パーセントオフセールをやっており、その中にアンセルメ指揮によるベートーヴェン/交響曲全集が入っていたのです。価格を見たら定価6,000円(6枚組み)ですから20パーセント引きの4,800円。
そうだ、クラシックを聴き始めた頃、アンセルメの「田園」を繰り返し聴いていた時代があったんだなぁ・・・という事を思い出し、このCDを購入する事に。しばらく封を切る事無く置いてあったのですが、先日の休みに「田園」を取り出して聴いてみました。
前述したように当時は演奏云々より曲を聴いていたのですが、今改めて聴いてみたら、これがまた名演なのです。終楽章はやや速めのテンポですが、それがまた嵐が去った後の農民たちの嬉しさが表出された演奏に聞こえます。前四楽章も中庸なテンポとダイナミクスによる解釈で、それぞれの楽章にベートーヴェン自身が付けた表題の内容を良く表していると思います。
当時購入した米盤の余白には序曲「プロメテウスの創造物」が入っており、この演奏も良かったのですが、今回購入した全集にはこの曲はもちろん、ベートーヴェンの主だった序曲が収録されています。何の先入観もなしに聴いていた演奏、今改めて聴いてみても気に入ってしまったのですから、他の曲を聴くのが楽しみになりました。
しかし拙宅のベートーヴェン/交響曲全集、これが何組目になるのか自分でもすぐ思い出せません。(笑)
おはようございます。
懐かしい思い出の曲なのですね。若い頃、少ないお財布の中身と相談しながら買ったLPや本は、そのもの自体は失われていても、記憶に残っていますね。私は昔カット盤というジャケットの端が切られた輸入盤をよく買っていました。メーカーなどの在庫処分の廉価版で、内容は問題ないのですから、助かったなぁ~。懐かしい♪
投稿: kouko | 2011年2月 3日 (木) 07時04分
おはようございます。
レコード時代、アンセルメは知的で上品なイメージがあり、録音も良いということで、人気がありましたね。高校生の時、アンセルメを聴いているクラスメイトがいて、羨ましく思ったものです。
ベートーヴェン全集は、探していたのですが、中古でもなかなか見つからなかったので、2009年に販売が再開されたときすぐに買いました。ですから、私は6000円で買ってます(笑)。
印象は、やはりちょっと違うかなという感じでしょうか。でも、田園は良かったですね。
もう一度、聴いてみたくなりましたが、ちょっと探したところ、見あたらず、あっちこっちひっくり返して探さなければなりません(笑)。
なお、田園では、最近手に入れた、クリュイタンスのアナログ盤(イギリスプレス)を聴いて、感動したばかりです。
投稿: yymoon | 2011年2月 3日 (木) 07時17分
koukoさん、おはようございます。
音楽についてはジャンルを問わず、皆さんそれぞれ思い出というものがあると思います。でも、最近音楽をまったく聴かないという人たちがおりますが(身近にも)、自分には不思議です。(^^;
koukoさんも思い出のあるレコードが幾つかあると思います。音楽は自分にとって心の糧となっております。
投稿: KONDOH | 2011年2月 3日 (木) 07時45分
yymoonさん、おはようございます。
おお、CDに埋もれていらっしゃる様子が見えるようです。(笑)
アンセルメのベートーヴェン、日本では長らく廃盤になっていたのでしょうね。やはりイメージ的にはアンセルメのベートーヴェン? となってしまいますものね。
クリュイタンスの田園も昔から定評があって、私も好きな演奏です。一番好きな田園はベーム/WPOなんですが。
投稿: KONDOH | 2011年2月 3日 (木) 07時48分
おはようございます。田園といえば、私はカールベーム指揮のSP復刻CD盤です。昔、NHK FMの早朝に番組テーマとして流れていたような…ウィーン音楽協会ホールでモノラル録音された演奏(観客を入れずに録ったらしい)ですが、実はこれがオーディオセットの判断基準だったりします。良いセットなら立体感溢れる音で鳴り、SPノイズは後ろに引っ込みますが、良くないセットはスピーカの中央から聴こえる盛大なSPノイズの陰に隠れるように音楽が鳴ります。SPの時代は修正無しの一発録音ですから演奏の質が違いますね。
投稿: スカルピア | 2011年2月 3日 (木) 08時02分
スカルピアさん、こんばんは。
ベームにSP盤の田園があるのですか。まったく知りませんでした。
しかしSP録音をオーディオチェックに使われるとは・・・。私は一時スーパーアナログディスクになった歌謡曲を使っていた事があります。ヴォーカルが如何に自然に聞こえるか・・・でした。
SP録音は言わばダイレクトカッティングですから演奏者も真剣勝負ですよね。それだけに良い演奏が多いわけです。
投稿: KONDOH | 2011年2月 3日 (木) 19時51分
私もモーツアルト全曲集140枚 バッハ全曲集などボックスで持っていますが。いっこうに時間がなくて聞けておりません。そもそもネットオーディオはそれらを全部リッピングして管理したいというのが目的なのですが。
マランツ AirPlay アップグレードして快適になりました。
投稿: moonlightgecko | 2011年2月19日 (土) 03時36分
moonlightgeckoさん、おはようございます。
リッピング枚数も大量になるとそれなりの時間が掛かるのが・・・。
私もバーンスタインが米CBSに残した全交響曲集がまだまだ終わりません。(笑)
投稿: KONDOH | 2011年2月19日 (土) 07時41分