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2011年9月16日 (金)

「砂の器」松本清張作

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松竹映画「砂の器」1974年製作

出演 : 丹波哲郎、森田健作、加藤剛、島田陽子、加藤嘉、緒形拳、松山省二、内藤武敏、稲葉義男、渥美清、他

原作 : 松本清張
脚本 : 橋本忍、山田洋次
音楽監督 : 芥川也寸志
監督 : 野村芳太郎

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テレビ朝日ドラマ「砂の器」2011年製作

出演 : 玉木宏、小林薫、中谷美紀、佐々木蔵之介、西村雅彦、橋爪功、山本学、米倉斉加年、江波杏子、加藤あい、他

脚本 : 竹山洋
演出 : 藤田明二

松本清張さんの名作「砂の器」が私は大好きなのです。高校生の時に妹が読み終えた文庫本を私も読み、大変な感動を覚えた作品です。

今年元旦に1974年製作の松竹映画(脚本に山田洋次さんが参加!)がWOWOWさんからハイビジョンリマスターによる放送があり、それを録画したものを現在はブルーレイディスクに焼いて大切に保管しています。そして先日の10、11日はテレビ朝日さんから二夜連続のドラマスペシャルで「砂の器」が放送されました。もちろん私は二夜連続録画してから全編を観ました。

双方の主要な配役をご紹介しますと、警視庁捜査一課の刑事「今西栄太郎」を松竹映画では丹波哲郎さん、テレビドラマでは小林薫さんが、西蒲田署の若い刑事「吉村弘」を映画では森田健作さん、ドラマでは玉木宏さんが演じています。作曲家「和賀英良(わがえいりょう)」を映画では加藤剛さん、ドラマでは佐々木蔵之介さんです。

蒲田駅操車場で初老の男性死体が発見され、被害者が直前訪れていたバーでホステスが被害者ともう一人の若い男との会話を聞いており、二人の会話に東北なまりで「かめだは相変わらずですか」という言葉を聞いていた。秋田県に「羽後亀田」という地名がある事を知った捜査陣は「羽後亀田」に飛ぶ。そこで不審な男が目撃されているもこれといった事は掴めない。

捜査が行き詰まっている時、被害者の養子が現れ、被害者の名前が「三木謙一」である事が判明し、同時に三木謙一が島根県の「亀嵩(かめだけ)」で若い頃巡査をしていた事も分かる。三木謙一が巡査をしていた時、お遍路姿で放浪の旅をしていた親子を保護していた。ハンセン氏病を患っていた父を病院へ入れ、子供の方は我が子のようにして三木謙一は可愛がっていた。しかし父を求めて子供は三木謙一の家を黙って出て行ってしまい、その後行方不明となっている事が判明。

物語はこの放浪の旅をしていた親子が事件の謎を解く重要な鍵となっているのです。

映画では原作通り、「ハンセン氏病」を患った本浦千代吉が住んでいた村を追われ、我が子秀夫を連れてお遍路姿で放浪の旅をするのですが、テレビドラマでは或る殺人事件で犯人呼ばわりされ、無実にも関わらず村にいられなくなった千代吉が秀夫を連れて放浪の旅に出た設定に変えられています。恐らくハンセン氏病は差別、偏見の対象となっているのでドラマでは設定を変えたのだと思います。

ただその無理な設定のために、テレビドラマでは親子が住んでいる村を捨て、放浪の旅に出なければならないというのは少々無理があるように感じました。これでは何故秀夫が自分の過去を隠したかったかが希薄になってしまいますから。

さて、クライマックスではこの親子の苦しく辛い放浪の旅が描かれますが、映画の手法が見事です。恐らくどなたも涙を誘われると思います。テーマ音楽ともなっている「宿命」という音楽が映像と重なると、その儚く悲しい音楽が親子の辛い放浪の旅をいっそう哀れに感じ、観る者に同情の涙を誘うでしょう。

クライマックスの作り方は映画の方が圧倒的に素晴らしいと私は思います。まさに映画的効果絶大です。常に家族をテーマに映画製作をして来た山田洋次さんが脚本に参加しているだけの事はあります。親と子の絆が見事に描かれています。そしてハンセン氏病の本浦千代吉を演じている加藤嘉さんが絶妙の演技です。素晴らしいです。テレビドラマでは小林薫さんが良い味を出していると思います。

テレビドラマの方はいずれブルーレイディスクとDVDで発売されるようですが、松竹映画の方はレンタル屋さんにDVDがありますので、これは是非ご覧頂きたいと思います。

日本映画の名作のひとつとして推薦出来ます。
ホントに是非・・・。

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コメント

こんばんは。
野村芳太郎監督の映画版が優れているので、どうもこれまでに観たTV版はどれもイマイチでした。
そんなことで、今回のTV版はパスでした。

 おはようございます。

 妻は学生の時に、映画館で見て以来、「砂の器」が大好きです。
 今までに映画館で、数回見たようで、「砂の器は映画館で見るのに勝るのはない。」と繰り返し言っておりました。

 今回のテレビドラマも見ていましたが、前半の方が良かった。そして、KONDOHさんが指摘されたように、放浪に出ざるを得ない根拠が希薄・・・残念と言っておりました。

 妻は最初に映画館のオールナイトか何かを見ています。「人間の条件」と「砂の器」・・・人間の条件はほとんど寝ていたようですが、砂の器は目が覚めたようです。

 ・・・私はと言うと、映画館で見たはずですが、放浪の時の姿と加藤剛の表情しか印象にないので、どうやら寝ていたようです・・・(笑)

yymoonさん、おはようございます。
まったく私も同感です。
映画版が大変優れた作品なので、その後に作られたテレビ版はどうしても少々落ちますねぇ・・・。

おはようございます。
私も「砂の器」は見逃せないと思って今回のTVも見ましたが、KONDOHさんと同じ感想でした。やはり放浪に出る理由、罪を犯す理由が希薄では、物語が成り立ちませんよね。仕方ないのかな~。なにしろ映画がすばらしかったから、リメイクは難しいですね。

pyosidaさん、おはようございます。
映画版は大きなスクリーンに向いたカメラワークですからねぇ・・・。
放浪の旅に出る理由の根拠、奥様は私と同じような事をおっしゃっておりましたですか。それは嬉しいです。製作された時代の影響でしょうけど、難しい問題ですね。
ところでpyosidaさんは映画館で寝てしまわれましたか。それはもったいないです。(笑)
是非、レンタルで今一度ご覧になって下さいませ。良い作品ですよ。

koukoさん、おはようございます。
おお、koukoさんも同様な事を感じましたですか。時代背景が製作時にネックになってしまったのかもしれませんですね。
昔の小説を映画、ドラマ化するのはいろいろ難しい面があるという事なのでしょうね。

おはようございます。
むかしに、映画館で観たのですがすっかりと中身は脳裏に残っていないのです・・・松本清張、この名だけ・・・

好きな清張作品です。加藤嘉さんの演技が印象に残っています。
10年以上前ですが木次線の亀嵩駅にも出かけました。駅舎というより蕎麦屋にホームが付いているといったような・・・簡易委託駅なのですね。

ramble-leicaさん、こんばんは。
お忘れになられたとの事。それでしたら是非またレンタルなどでご覧になってみて下さいませ。
感受性が変わって、印象が昔と違うかもしれませんよ。

cucchi3143さん、こんばんは。
素晴らしい作品(小説、映画とも)ですよね。加藤嘉さんの演技は称賛に値すると思います。
亀嵩駅に行かれたのですか。映画公開以降、人気スポットになったようですね。

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