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2012年9月 5日 (水)

私の愛聴盤 第9回

Walter

モーツァルト/交響曲第40番 ト短調 K.550

ブルーノ・ワルター指揮
コロンビア交響楽団

1959年1月13、16日録音

Sony Music Japan SICC 661(CD)

「あれ? このメロディ、聞いた事がある!」と、ほとんどの方がおっしゃると思います。

そうです、そのくらい有名な曲なのです。多分、一度聞いたら忘れられなくなる、まさに心に染みる素晴らしい旋律が第一楽章冒頭の第一主題なのです。俗に短調のモーツァルト、と言うようにクラシック音楽愛好家からは短調で書かれたモーツァルト作品を好む人が多いです。

モーツァルトが作曲した膨大な数の多くは長調で書かれており、短調作品がとても少ないのです。しかしその少ない短調作品がまた素晴らしいのですねぇ。中でも今日ご紹介する交響曲第40番は数少ない短調作品の中でも最高峰、いいえ、モーツァルトすべての作品中でも最高の曲と言っても良いほど長い間親しまれている交響曲なのです。

17歳でクラシック音楽を聴き始め、2枚目のディスクとして購入したのがワルター指揮のモーツァルト/交響曲第40、41番のカップリング。多分、名曲案内などの記事を読んで購入したのだと思います。冒頭のメロディを聴いた途端、何か懐かしさを覚えるような感じと、自分の体がまるで宙に浮いてしまうような不思議な感動を受けたものです。

以来この曲が大好きになり、いろいろな指揮者で現在まで聴きまくって来ました。しかしこのワルターが指揮した演奏以上のものは未だ聴いた事がありません。先日、以前ここでご紹介したトスカニーニのCD BOXにもモーツァルトの演奏が入っていたので第40番を聴きましたが、私の好みとは全く正反対。ワルターとは対照的な演奏です。

ワルターの演奏解釈は全楽章ともやや遅めのテンポを取っています。長年この演奏を聴き通して来た私にとって、第一、第三楽章はもうこのテンポでなければならないのです。第三楽章メヌエット、どの指揮者も私にはテンポが速いです。ワルターのテンポでこそメヌエットの曲想が生きるというものです。

第二楽章の展開部冒頭、ここでワルター独自の解釈を聴く事が出来ます。モーツァルトの書いたスコアにはクレッシェンドの表示はないのですが、ワルターはここで次のフォルテ記号までをクレッシェンドで進めるのです。今までいろいろな指揮者で聴いて来ましたが、ワルターのような解釈を取る指揮者は一人もいません。もう・・・絶品です!

その他、ルフトパウゼが絶妙なところで入るのもまさにワルターの魔術。ルフトパウゼとは簡単に申しますと「間」と言ったら良いでしょうか、メロディの途中で一瞬音が途切れたようになります。作曲者の書いたスコアにはそんな指示はないのですが、そこがまたワルター独自の上手い解釈で、第40番を良く知る人が初めてワルターの演奏を聴いたらビックリすると思います。

とにかく黙って今日ご紹介したワルター/コロンビア交響楽団の演奏を聴いて下さい。感動する事請け合いです。ワルターの残した録音にはモノラル盤の名演奏(ウィーン・フィル、ニューヨーク・フィル)もありますが、私はコロンビア交響楽団(録音を目的とした寄せ集めのオケ)とのステレオ盤を第一に推します。半世紀以上前の録音ですが、ホールトーンを良く効かせた名録音で、現代にも充分通用する音質のステレオ録音です。

余談ですが交響曲第25番も同じくト短調で書かれており、余りにも有名な第40番に対して第25番は「小ト短調」とも呼ばれています。映画「アマデウス」の冒頭でこの第25番の第一楽章がとても効果的に使われていましたね。

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コメント

おはようございます。
私でも知っている名曲ですね(^^;)。絶品と折紙を付けられるワルターの演奏。聴いてみたくなりますね~。KONDOHさんは本当に薦め上手(^^) 高校生の頃からの趣味。もう人生の一部ですよね♪

koukoさん、おはようございます。
曲名を知らなくても、メロディは知っている、という方が沢山いらっしゃると思います。ポピュラー音楽にも編曲されていますし。
高校生の頃から、そうですねぇ・・・あれから何年?(笑)

KONDOHさん、こんにちは。
ワルター指揮によるモーツァルト交響曲40番は、ニューヨーク・フィル演奏のものしか持ってないので、今度聴いてみます。

ワルターは、ニューヨーク・フィル演奏のブラームス交響曲全集(United Archives UAR004)の2番、3番がお気に入りです。
KONDOHさんは、ブラームスの何番がお好きですか。皆、名曲なので答えるのが難しいですね(笑)。

KONDOHさま!愛聴版シリーズも9まで来たんですね。紹介されたCDは購入して楽しんでます!!
今回もアマゾンに「1枚在庫あり」とあったので、すぐポチッと。ジャケットの写真とデザインは同じなのですが、若干マークが変わっている・・・けど、きっと同じだと確信してます。

ななさまの紹介されているCDも、このあと探しに行ってきます。

ななさん、こんばんは。
ニューヨーク・フィル盤をお持ちでしたか。コロンビア盤はニューヨーク・フィルの演奏を少しソフトにしたような感じです。ニューヨーク・フィルとの演奏も名演ですよね。
ワルターのブラームスも大好きです。お尋ねの番号ですが、ワルターに限定するとニューヨーク・フィルとの第2番(CBS盤)を初めて聴いた時には打ちのめされました。もの凄い演奏ですね。後年の演奏とは違い、鬼気迫る・・・という演奏です。お聴きになっていらっしゃるでしょうか?
ブラームス、全4曲から1曲を選ぶとなると昔は断然第1番でした。ですが、今なら第4番を選びます。でも、おっしゃる通り皆名曲ですよね。(^^)

ろだごん(時々JIQ)さん、こんばんは。
今、Amazonを確認しました。同じジャケットのものは内容も一緒ですからご安心下さい。
私の所持するCDは数年前、紙ジャケットでの限定発売だったのです。
ななさんがお持ちのニューヨーク・フィルとの第40番も名演です。録音はモノラルですが、決して聴きづらい録音ではないです。

ウィーンフィル
ニューヨークフィル
コロンビア響
すべて持ってますが、
コロンビア盤は、小学校のとき
自分のお小遣いで最初に買ったクラシックのLPでした。
演奏そのものと、レコードも思い出深いです。
キャンペーンで三角の帯が着いていたのを今も憶えています。(勿論今も持ってます)

こんばんは。
コロンビア響との40番のCDを当然持っていると思っていましたが、見あたりません。52年のウィーンフィルとのライブ盤(CD)とニューヨークフィル盤(LP)はありました。ワルターは、いつもオーケストラに向かって「泣き伏したくなるほど、明るく、明るくなければなりません」と言っていたそうです。ウィーンフィル盤はそんなワルターのモーツァルトに対する愛情に満ちた演奏ではないでしょうか。少しロマンティック過ぎるのが好みを分ける所のような気がします。
その対極にあるのが、シューリヒトのパリオペラ座管の40番で、個人的には、シューリヒトが好きです。カラヤンもそれに近い感じですね。
たぶん、ワルターのコロンビア響盤は、ちょうど良いところにある演奏なんでしょうね。

swingphotoさん、こんばんは。
ワルターの三種ある40番、どれも名演ですね。ウィーン・フィル盤が初登場した時には驚いたものでした。弦のポルタメントにはウィーン・フィルらしさを感じさせます。
ワルターの40番は格別ですねぇ・・・。

yymoonさん、こんばんは。
コロンビア盤はお持ちではなかったですか。是非、コレクションに揃えて頂きたいと思います。(^^)
ウィーン・フィル盤はLPで持っているのですが、CDも一応買っておこうかなぁ・・・と迷っています。(笑)
モーツァルト、ワルターの演奏は40番に限らず良い演奏ばかりで、他の曲も愛聴しています。シューリヒトも良いですが、40番に関しては私の場合どうしてもワルターになってしまいます。

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