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2013年2月 2日 (土)

ヤンソンス/ベートーヴェン交響曲全曲演奏会

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NHK-BSプレミアム放送画面より借用

ベートーヴェン/交響曲全曲演奏会

クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)
藤村実穂子(アルト)
ミヒャエル・シャーデ(テノール)
ミヒャエル・フォッレ(バス)

マリス・ヤンソンス 指揮
バイエルン放送交響楽団
バイエルン放送合唱団

2012年11月26日
交響曲第4番、第3番「英雄」
2012年11月27日
交響曲第1番、第2番、第5番「運命」
2012年11月30日
交響曲第6番「田園」、第7番
2012年12月1日
交響曲第8番、第9番「合唱」

以上、東京・サントリーホールでのライヴ収録

新年早々、大変素晴らしいベートーヴェン交響曲全曲演奏会を視聴する事が出来ましたので、今日はその番組をご紹介させて頂きます。

先月、二週に渡ってNHK-BSプレミアムより放送されたもので、首席指揮者マリス・ヤンソンスに率いられたバイエルン放送交響楽団の来日演奏会の模様で、ベートーヴェンの交響曲全9曲の連続演奏会。なんと全9曲を休憩日を挟んでいるとはいえ、僅か四日間で全曲を演奏するという異例の演奏会です。通常は五日間以上の日程で、最終日は第9番一曲での演奏会が開かれるのが当たり前。

逆に密度の高い一連の演奏会だったからでしょうか、演奏そのものも大変緊張感のある名演を繰り広げておりました。深夜に放送という事もあって二週ともブルーレイディスクレコーダーを使ってのタイマー録画です。その全曲演奏を私は五日間で一気に聴き(見)通してしまいました。

正直、視聴する前はあまり(演奏に)期待しておりませんでした。昨年暮れ、CDショップにドイツで最新録音したばかりの全曲CDが置かれているのを見て、購入を迷った結果、買わずじまいでした。で、この演奏会を視聴した結果でそのCDを購入しようか・・・などと考えたのです。

結論から申しますと大変質の高い演奏会で、中でも第2、5、6、7番が圧倒的名演でした。レコード雑誌を真似た評価を付けるとすれば、以上4曲は「推薦」、第1、4、8、9番が「準推薦」というところ。私の大好きな曲、「英雄」は感動を受けるまでにはなりませんでした。もっともこの曲に関してはフルトヴェングラーと朝比奈さんの超絶的名演を知っている自分にとって、並大抵の演奏では満足出来なくなっているのです。

しかし或る種通俗名曲ともなっている「運命」「田園」で感動させてくれたのには私的にはビックリです。「運命」では一部自分のテンポ感とはズレる箇所がありますが。例えば第二楽章106小節目からの第一ヴァイオリンが奏でる変奏(ドルチェの楽譜指定)が私のお気に入り箇所なのですが、ここをあまりにも淡白に演奏するので私的にはガッカリでした。ここが素晴らしいのはカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏です。あれは天国的とも言える名演奏!

また第四楽章冒頭も、もう少し大上段に構えた解釈でも良いのでは、なんて思いましたが、全体的には近年稀に見る名演奏です。そして「田園」の第二楽章がまさに天国的調べ。いやいや、本当に素晴らしいです。また、この楽章ではバイエルン放送響の木管奏者にブラボーと声を掛けたくなるほどの上手さ。特にオーボエの首席奏者(若い方です)がまた抜群! いえ、木管奏者だけでなく、金管奏者、特にホルンがまた素晴らしいです!

本当にドイツのオケの底力は凄いですね。「本場もの」とかいう言葉は私自身あまり好きではないのですが、ドイツのオケだけは長い歴史を感じる、本当の意味での「本場もの」という表現がピッタリではないでしょうか。バイエルン放送響、弱音が実に素晴らしいです。音がまったく痩せないですね。

第7番も圧倒的名演と評して良いものだと思います。この第7番でヤンソンスはところどころ楽譜には指定の無い箇所で弦楽器に微妙なディミヌエンドとクレッシェンドを指示しているのですが、聴いていて私は「なるほど、こういう解釈も有りだなぁ」と感嘆したものです。

第7番ではラファエル・クーベリック(チェコ出身)が首席指揮者時代、独グラモフォンに録音した演奏が大変な名演奏で私のお気に入りなのですが、ヤンソンスの第7番も負けず劣らずの演奏です。今回の連続演奏会の中でも一番の名演かもしれません。

最後はもちろん第9番「合唱」です。ここではソリストに日本の藤村実穂子さんがアルトを担当して見事なお声を聞かせてくれます。藤村実穂子さんといえば、近年ドイツ・バイロイト音楽祭では欠かせない歌手としてすっかり有名になっていますね。日本の女性陣、スポーツの分野でも大活躍していますし、世界中で日本の知名度を今上げているのは男性より女性の方ですね。(^^)

第三楽章だけがどういうわけか性急なテンポを取っており、私のイメージするこの楽章のテンポ感の倍くらいのスピードで演奏が進み、やや拍子抜けです。何か早く終楽章に行きたくて仕方がない、そういう感じを与える解釈でした。

ところで、バイエルン放送合唱団が実に素晴らしい合唱を聞かせてくれますよ。この連続演奏会を会場で聴いた方々が今は羨ましく感じています。マリス・ヤンソンス、これから注目したいと思います。

私、まったくの個人的感想と申しましょうか、或は好みと申しましょうか、マーラーや近代音楽で名声を上げた指揮者がおりましても、ベートーヴェンやブラームスの交響曲で名演を聴かせてくれる人でないと、私は評価しません。はい、生意気ですが。(^^;

そういう意味では、今や世界の「オザワ」と呼ばれる小澤征爾さんを私は評価していないのですよねぇ・・・。はい、本当に生意気な発言です。(^^;

小澤さんのベートーヴェンやブラームスは譜面通り指揮しました、という感じをいつも受けてしまい、面白味がないのです。聴く前から「こういう演奏だろう」と予測がついてしまうのです。几帳面過ぎるので、或る意味音楽を学んでいる人たちには良いかもしれません。

マリス・ヤンソンスについてはこの連続演奏会を聴いて、これから大いに期待出来る指揮者と認識しました。お父さんのアルビド・ヤンソンスはレニングラード・フィルと共に日本にも来ていますが、指揮棒を持たずに指揮する姿が印象に残っています。

そういえばマリス・ヤンソンスのレコードを一枚だけ持っていたはずで、レコード棚をざっと探したのですが見つからない。今度、休日の時にでも改めて探してみます。(^^;

まったくの余談ですが、今回の放送映像、第一ヴァイオリンとコントラバスにブロンドの美人奏者さんがいらっしゃるのですが、やたらとカメラがこのお二方を捉えるのです。一番アップが多かったように思います。多分、映像監督さんの好みだったのでしょうね、きっと。(^^;

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コメント

こんばんは。
マリス・ヤンソンスの放送は知りませんでした。

この人とミュンヘン・フィルならば、お書きになっているように、かなり高いレベルの演奏でしょうね。

私は、ヤンソンスがロイヤル・コンセルトヘボウと来日したときに、マーラーの第1番を聴いた経験があり、そのレベルの高い演奏に満足した憶えがあります。
RCO LIVEのSACDも何枚か持っています。ドヴォルザークの新世界やマーラーの6番など素晴らしい演奏です。

ただ、今や国際的なスター指揮者という感じなので、ファンになるほど魅力的ではないという位置の人ですね((^-^;)。

yymoonさん、こんばんは。
この放送、ご存知ではなかったですか。
う〜ん・・・、もったいない・・・(笑)
ヤンソンスはニューイヤーコンサートも良かったですし、このところの人気ぶりは大したものですね。
確かに国際的なスターになりつつありますが、カラヤンほどではないにしても、クラシック音楽の分野もスターが必要だと思います。(笑)

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