
マイクロフォーサーズセンサーで撮影
「35ミリ換算って、何の事ですか?」
つい最近、こういう質問を受けました。
質問主(女性です)はスマホで写真をずっと撮っていたら面白くなり、いっその事専用のデジタルカメラを買って写真を撮りたくなったそうで、私に相談をして来たのです。どうせならレンズが交換出来るタイプが良いというので、私はミラーレスカメラを幾つか紹介してあげました。
で、本人は量販店で私が紹介したカメラも含め、何冊かカタログを持ち帰って家で舐めるようにじっくり検討したらしいです。(笑)
で、レンズの項であちこちに書かれている「35ミリ換算○○mm」という言葉の意味が分からなくて、私に質問して来たわけです。
実は彼女、フィルムで写真を撮った事の無い世代なのです!
もう、デジタルしか知らない世代の人が多くなっているご時世なんだと、私は少々ショックを受けながらも、そういう時代になっている事を受け入れなければならないと悟ったわけです。

APS-Cセンサーで撮影
35ミリフィルムを使った事の無い人から見れば、「35ミリ換算○○mm」の意味が分かるはずないですよね。メーカーの人たち、この事を理解しているのでしょうか。そろそろこの表示は止めても良いのではないかと、私は思うのです。
確かにフィルム世代からしてみれば「35ミリ換算○○mm」と表示があれば画角が掴みやすい事は確かです。しかし、もう多くの人たちはこの表示が無くても、お使いのセンサーがm4/3であろうとAPS-Cであろうと、実際にお使いのレンズ焦点距離を35ミリ換算する事は何も難しくないのでは?
この「換算」というのは、日本の英語教育に良く似ている部分があるように思います。中学、高校と必修で英語を学んでも、ほとんどの人は英会話が出来ません。今は分かりませんが、私の時は中学、高校とも良くやらされたのが、先生が英語の教科書を生徒に読ませ、それを「日本語訳」しなさいという授業。
ペーパーテストでも「以下の英語文章を日本語訳しなさい」という問題の多い事、多い事。(笑)
こういう事を6年間やらされていたので、英語を英語として捉える事が出来ず、英語を一旦日本語に置き換えないと理解出来ないようになってしまうわけです。ですから町でアメリカ人から声を掛けられると(事実私は有ります)、相手が話した英語を日本語に訳して内容を理解しようと必至になるわけです。(笑)

35ミリフルサイズセンサーで撮影
例えが少々極端過ぎたかもしれませんが、なまじ「35ミリ換算」などと表記があるから初心者を悩ませる結果になっているのです。初めて使うカメラがm4/3機として、14mmのレンズって広く写るんだなぁ・・・と分かれば、14mmよりもっと小さな数字の焦点距離は更に広く写る事を知ります。
それで良いのではないでしょうか。要するに自分が使っているカメラのレンズ焦点距離の感覚を知れば良い事ですから。
如何でしょうか? 拙ブログをご覧の方々のご意見などもお訊きしたいです。
最後に今日のタイトルとは少々離れますが、m4/3機やAPS-C機を出しているメーカーさん、交換レンズの焦点距離に関し、やたらと35ミリフルサイズの焦点距離に拘りますね。
一例として挙げさせて頂くと、パナソニックさんが今月発売するライカ銘を冠する焦点距離42.5mmのレンズ。これなどは35ミリフルサイズでポートレートレンズとして人気の85mmの画角に1mmの誤差もなくピッタリ合わせています。
同じく今月発売予定で富士フィルムさんの56mmの単焦点。これはAPS-Cセンサー用ですからフルサイズだとこれまた約85mmの画角に相当です。何故これほどまでにフルサイズの焦点距離に拘るのでしょうか? 不思議です。
センサーサイズが違いますから当然ボケ具合も異なります。であればセンサー独自の焦点距離があって良いはず。なのにフルサイズの焦点距離にやたらと拘るのは、本当のところはフルサイズをやりたいからなのかなぁ〜などと下種の勘繰りをする私です。(^^;
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