
「アメリカン・スナイパー」 アメリカ映画(2014年)
原題 : American Sniper
監督 : クリント・イーストウッド
脚本 : ジェイソン・ホール
原作 : クリス・カイル「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」(原書房)
撮影 : トム・スターン
出演 : ブラッドリー・クーパー(クリス・カイル)、シエナ・ミラー(タヤ・カイル) 他
配給 : ワーナー・ブラザーズ
市販 Blu-ray Disk で視聴
夏休み、劇場へ「ミッション : インポッシブル」を観に行き、自宅では今日ご紹介のBlu-rayで「アメリカン・スナイパー」を観て、その他レコーダーに録画してあった映画を4本観ました。映画三昧の夏休みです。(笑)
さて、「アメリカン・スナイパー」は劇場公開の時に見逃してしまったので、市販されたBlu-rayを購入して自宅で観る事に。
ひと言感想を申せば、「凄い映画」でした。
クリント・イーストウッド監督が描く「反戦映画」ですね。
この映画はイラク戦争に4回、米兵を守るための狙撃手として従軍した実在の人物、クリス・カイル氏(2013年、射殺され死亡)の自伝を元に映画化されています。
映画のキャッチコピーが「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」となっています。
私は原作を読んでいませんので、映画を観ただけの感想です。小さい頃から父に狩猟のための射撃を教育されたカイル。アメリカを狙ったテロ行為をテレビで見てしまったカイルは祖国アメリカを守るため、海軍に志願する事に。
厳しい訓練に耐え、射撃の上手いカイルは特殊部隊ネイビー・シールズに配属され、イラクへ。戦地でカイルの狙撃能力が発揮され、多くの米兵の命を守って来た事によって米軍兵からは「レジェンド」として英雄視されるも、敵からは「悪魔」と呼ばれ懸賞金までかけられるほど恐れられた。
しかし、時には幼い子供や女まで狙撃の対象とする事に。繰り返し任務に赴いているうちに、徐々に自分自身の精神が蝕まれてしまいます。帰国する度に傷心する夫を心配し、妻のタヤは除隊して人間らしさを取り戻して欲しいと懇願するも、カイルと家族との溝は深まるばかり。
4回目の赴任の際、オリンピックの射撃で金メダルを取っている敵のスナイパー、ムスタファを射殺せよとの命を受け、壮絶な死闘を繰り広げる事に。
この映画を観ると、当たり前の事ですが、「戦争」というものが如何に人間の心を変えてしまうかが分かります。子供を射殺する時の心の葛藤。カイルにも可愛い子供がいるのです。
除隊後、心の病を患ったカイルは精神科医の治療を受ける。そして、同様に除隊後、心に傷を負って一般社会に馴染めない元軍人たちとの交流を医師から勧められ、カイルも少しずつ人間らしさを取り戻して行くのですが、
元軍人と出掛けた或る日・・・
戦争映画というのはいろいろな描き方がありますが、この映画はひとりの人間の「心」を描いた作品に私は感じ取れました。
クリント・イーストウッド監督らしい、「しみじみとした」作品になっていると思います。是非、ひとりでも多くの方にご覧頂きたいと思います。
安保法案に揺れる我が日本。戦争に正義など無い事をこの映画が語っているように思います。
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