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チャイコフスキー/後期交響曲集
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90197/9
チャイコフスキー/後期交響曲集
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
EMI ミュージック・ジャパン TOGE-12050-52
カラヤンはチャイコフスキーの交響曲を繰り返し録音しておりますが、ウィーン・フィルとの録音は昨日ご紹介したブルックナーと同じく、カラヤン晩年の録音になります。対してベルリン・フィルとの録音はカラヤン全盛期と申して良いと思いますが、1971年9月に一気に三曲を録音。
演奏はもう対極的と申して良いかと。特に第4番、ベルリン・フィルとの演奏は攻撃的と言っても良いくらい劇的演奏で、私はもうノックアウトを食らったくらいです。大分前に「私の愛聴盤」で掲載したように、未だにこの録音を凌ぐ演奏に出遭っていません。
ウィーン・フィルとの第4番はオケの違いもありますが、実に落ち着いた演奏で、何か淡々と曲が進んでいくような感じです。しかし、それが功を奏して第5番、第6番「悲愴」はベルリン・フィルとの演奏より更に味わい深い解釈が聴けます。
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 ニ短調、第21番 ハ長調
フリードリッヒ・グルダ(p)
クラウディオ・アバド 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90182
ベートーヴェンの演奏も素晴らしいですが、グルダのモーツァルトも良いですよ。カデンツァはグルダオリジナルを聴く事が出来ます。そういうところはジャズもプレイするグルダならではというところでしょうか。ジャズは即興演奏がメインですからね。
ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調
ピエール・フルニエ(vc)
ジョージ・セル 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
TOWER RECORDS PROC-2025
2017年、PCMデータを改めてDSDにリマスタリング。
ロストロポーヴィチも良いですけど、フルニエのチェロもまた違った良さがありますね。最近のお気に入りディスクです。
ベートーヴェン/交響曲全集
カール・シューリヒト 指揮
パリ音楽院管弦楽団
TOWER RECORDS TDSA-16/21
この全集はアナログレコードでも、通常のCDでも持っているし、第9番「合唱」に至っては仏パテのオリジナル盤(レコード)をも持っているのに、買ってしまいました。セールで30%引きという値札を見たものですから。(笑)
シューリヒトのベートーヴェンはフルトヴェングラーや朝比奈さんのこってりとした解釈と違い、ストレートティーを飲むような、スッキリとした演奏を聴く事が出来ます。
ハイドン/交響曲第2番 ハ長調
ブルックナー/交響曲第0番 ニ短調
朝比奈隆 指揮
札幌交響楽団
TOWER RECORDS TWFS90007
朝比奈さんには珍しい、札幌交響楽団を指揮した時のライヴ盤です。朝比奈さんはブルックナーの交響曲とハイドン初期の交響曲をカップリングして演目とする事が多かったので、曲目合わせとしても珍しい記録となっています。
ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調「運命」、第7番 イ長調
ウィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン TOGE-11003
え!? フルトヴェングラーのSACD?・・・って、思われるかもしれませんね。(笑)
ここに収録されている第7番は大分前に「私の愛聴盤」でご紹介した、新発見のオリジナル・マスターテープからのSACD化なのです。
しかし、「わざわざSACDで聴かなくても普通のCDで充分でしょう、フルトヴェングラーの録音なら」と反論されても言い返せないです。(笑)
でも、一応英EMIの正式なスタジオ録音ですから、残響音などにはSACDらしさが出ています、と言い訳を。(^^;
ベートーヴェン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲 ハ長調
ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
スヴィアトスラフ・リヒテル(p)
ダヴィッド・オイストラフ(vn)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョージ・セル指揮
クリーヴランド管弦楽団
英EMI 9 55978 2
手持ちのCDやレコードをもう増やしたくないという事で、この二、三年はもっぱらハイレゾ音源等をダウンロード購入していました。しかし、昨年オペラ(カラスのビゼー/カルメン)をダウンロード購入して聴いていた時、主だった歌手以外の配役を知りたくなったものの、ファイルのダウンロード購入では調べる事が出来ません。結局スマホを使ってネットで調べる事に。
それを経験してから「やはりディスクの形が便利で良いな」と思い、以後またまたディスク購入に返り咲きです。(笑)ただし、基本的にはノーマルCDの購入は控え、SACDを購入するようになりました。やはりPCMよりDSD(SACD)音源の方がアナログに近い感じを受けています。そこで数回に分けて、私が楽しんでいるSACDを少しずつご紹介したいと思います。
↑ 上記のSACDは東西冷戦時に録音された事でセンセーショナルな話題を呼んだようです。西側からはカラヤンとベルリン・フィル、セルとクリーヴランド管弦楽団、東側(ソビエト連邦)からはピアノ、ヴァイオリン、チェロの世界的ソリストたちが西側での録音に参加したわけですからね。三重協奏曲はアナログレコードで独EMI盤を持っているのですが、SACDではどんな感じ? という事で入手しています。
各曲の演奏については今さら言わずもがなですね。
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
ヘンリク・シェリング(vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット 指揮
ロンドン交響楽団
TOWER REDORDS PROC-2174
アナログレコードから引き続いて楽しんでいる演奏。まさかSACDで発売されるとは思いませんでした。タワーレコードさんに感謝です。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で一番好きな演奏なのです。
シューベルト/ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」
田部京子(p)
カルミナ四重奏団
DENON COGQ-31
以前、「私の愛聴盤」でブレンデルとクリーヴランド四重奏団員の演奏をご紹介した時に、拙ブログをご覧頂いているななさんからコメントでこちらの盤を楽しんでおられるとの事。ではと、私も購入してみました。生憎SACDシングルレイヤーは売り切れでしたが、CDとのハイブリッド盤がまだ残っていました。こちらの演奏も良いですね。
ブレンデル盤はリーダーのブレンデルを目立たさせる録音ですが、こちらは演奏者が一体になって聞こえる録音です。カルミナ四重奏団の演奏はクリーヴランド四重奏団員と違い、ややメリハリをつけた解釈。クリーヴランド四重奏団員はレガート気味に弾いていますので、カルミナ四重奏団との対比が面白いです。
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調
キョンファ・チョン(vn)
アンドレ・プレヴィン 指揮
ロンドン交響楽団
ルドルフ・ケンペ 指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSD-90180
エソテリック盤はオリジナルジャケットに拘っているので、初出時のチャイコフスキーとシベリウスとのカップリング写真になっていますが、この盤はシベリウスとブルッフの組み合わせであります。オリジナル通りのカップリングでも良かったのですが。そう言えばプレヴィンさん、亡くなられましたね。合掌。
しかし、シベリウスもブルッフも私は今迄いろいろなヴァイオリニストで聴いて来ましたが、どちらもこの演奏がナンバーワンと思っています。エソテリックの大間知さんも同じ考えなのかも。
メンデルスゾーン/交響曲第3番 イ短調「スコットランド」
シューマン/交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
オットー・クレンペラー 指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
ESOTERIC ESSW-90159
往年の名指揮者、クレンペラーの名盤です。メンデルスゾーンの「スコットランド」、良い演奏だなぁ・・・。
モーツァルト/ピアノ・ソナタ集(4曲収録)
マリア・ジョアン・ピリス(p)
ESOTERIC ESSG-90189
「私の愛聴盤」で第10番の演奏をご紹介させて頂きましたが、こちらのエソテリック盤は第8、11、14、15番が収録されています。実は2枚のアルバムからソナタを2曲ずつ抜いて1枚としているのです。
したがって、この盤もジャケット写真とは一部収録曲に違いがありますのでご注意を。どの曲もピリスさんの素晴らしい名演奏が聴けますよ!
ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90181
ブルックナー好きの私ですが、カラヤンのブルックナーはあまり好みではありませんでした。しかし、死の前年に録音されたこのブル8は実に素晴らしい演奏です。まさに枯淡の境地と表現したら良いでしょうか。雑味のない解釈はブルックナーの味を充分に堪能させてくれます。特に終楽章の出来は絶好調時の朝比奈隆さんを彷彿とさせます。
終身音楽監督の地位を投げ捨ててしまったベルリン・フィルとの録音ではなく、ウィーン・フィルとコンビを組んだのも曲想にマッチしています。弦楽器の音色の魅力は云うに及ばず、遠くから聞こえるホルンの音色が最高!是非、アンチカラヤン、アンチブルックナーの方々にお聴き頂きたい名演奏です。エソテリックさんのリマスタリングも素晴らしい一枚。
ちなみに今日ご紹介したSACDはすべてCD層とのハイブリッド盤ですので、普通のCDプレーヤーでも再生出来ますのでご安心を。
丁度一週間前、某ショップとアキュフェーズ協賛の試聴会に行って来ました。今更ハイエンド機器の試聴をしても買えない自分(笑)には無駄な労力なんですが、試聴会の趣旨に俄然興味が湧いたのです。
それは、A級とAB級アンプの鳴き合わせという、楽しみな試聴会でした。もう一つはプリメインアンプ単体でスピーカーを鳴らした時と、そのプリメインアンプに単体のプリアンプを繋げた時とで、どう音の変化があるか、という何とも自分にとって興味深いイベントでした。
まさに先月、自分がセパレートからプリメインアンプに替えるか、それともプリアンプだけ替えるかで迷った事を、まるで私のためにやってくれるような試聴会(実際は遅きに失した感がありますが)だったので、これは行かねば・・・と。(笑)
以下の機器を使っての試聴会です。
スピーカー : 英B&W 802D3(¥3,600,000)
スピーカー : 伊ソナス・ファベール エレクタ・アマトール III(¥1,300,000)
SACD/CDプレーヤー : アキュフェーズ DP-750(¥1,200,000)
プリメインアンプ : アキュフェーズ E-650(¥730,000)
プリアンプ : アキュフェーズ C-2450(¥750,000)
プリアンプ : アキュフェーズ C-2850(¥1,280,000)
パワーアンプ : A-75(¥1,200,000)
パワーアンプ : P-7300(¥1,200,000)
パワーアンプ : P-4500(¥550,000)
何とも、溜息の出る組み合わせですよね・・・(笑)
最初にE-650単体とエレクタ・アマトールの組み合わせでSACD(クラシック&ジャズ)を使って再生。小型ブックシェルフスピーカーとプリメインアンプは一般的に最も考えられる組み合わせですね。しかし、小型スピーカーと言えど130万円もしますが。(^^;
不満のない良い音です。と言うより、実に素晴らしい音です。以降の組み合わせを聴かない限り、充分な音楽が聴けますから。
で、その後にプリアンプ C-2450を繋いでE-650のパワー部だけを使って再生。音源は同じSACDです。いや〜・・・やはり変わりますねぇ! 改めてプリアンプの重要性を実感しました。
アキュフェーズさんの方曰く、「プリメインアンプはプリ部とパワー部を同じ電源トランスで共有しているため、どうしてもお互いが干渉し合うので・・・。それとE-650のカタログをご覧頂くとお分かりになりますが、フロントパネルの後ろに一枚の基板が見えますが、あれでプリの役割をしています」と。
ですからアンプはセパレートにしてくださいね、と言われているような感じです。(笑)
ですが、E-650クラスなら単体でも高水準の音を聴けます。いえいえ、私が迷った時に試聴したE-480でも充分満足な音を出していた事を捕捉しておきます。
次はエレクタ・アマトール IIIを片付け、スピーカーは英国産のB&W 802D3(↑ 両脇の黒色)だけに固定。以下の順番で試聴します。
1. C-2450 + P-4500
2. C-2450 + P-7300
3. C-2850 + P-7300
4. C-2850 + A-75
プリアンプC-2450固定でパワーアンプをP-4500から上級機P-7300にした時の音は?
P-7300を固定してプリアンプを上級機C-2850にすると音は?
更にパワーアンプをAB級のP-7300からA級のA-75に替えると音はどう変わる?
1番から2番の組み合わせになると、明らかに音に厚みが出て来ました。それ以上に変化があったのが3番です。いやいや、パワーアンプを交換するより、プリアンプを交換した方が音の変化は大きかったです。
4番のAB級からA級アンプへの交換。これはもう、聞き手の好みに委ねられますね。今回の試聴音源を聴いて私が持った印象は、弦楽器と女性ボーカルはA級のA-75、音の立ち上がり的シャープさを求められるピアノや打楽器などはAB級のP-7300の方でした。金管楽器はどちらも良いですが、若干P-7300かな? という感じ。
オーディオにあまり詳しくない方にご説明しておきますが、A級、AB級というのは品質のクラス分けではありません。カメラの中古だったらABよりAランクの方が外観は良いですが。(笑)
アンプの場合は増幅の仕方の違いを表しています。技術的な事は省きますが、A級はプリアンプからの信号が来ていない時でも常時電気が流れていますので、A級アンプに替えると奥さんから「なんか最近、急に電気代が高くなったんだけど・・・」と言われる事必至です。(笑)AB級は信号が来た時だけ一気に働き始めるのですが。
それぞれの個性を端的に申しますと、A級は真空管アンプのような暖かみのある音で、AB級は如何にもトランジスタアンプという感じでしょうか。アキュフェーズさんもA級の動作そのもは管球式に似ているとおっしゃっておりました。
1番から4番までの組み合わせを同じ音源で試聴した後、今度はプリアンプとパワーアンプどちらを上位(クラス)にした方が音は良いか、というテストです。
5. C-2850 + P-4500
6. C-2450 + P-7300
この比較、私は5番の方が良かったと思います。実に興味深いテストでしたが、アキュフェーズさんの方も、ショップの方も僅差で5番の組み合わせを支持していました。プリアンプの重要性をこのテストで再度確認した思いです。
アキュフェーズ試聴会、なかなか有意義な試聴会でした。
第二部はタワーレコードさんからクラシック担当とジャズ担当のお二方が見えられ、そこへオーディオ評論家W氏が混じっての試聴会。
タワーレコードさんは往年の名演奏(クラシック&ジャズ)をSACD化して独自に販売していますが、そのSACDと発売中のノーマルCDとを鳴き合わせするという、これまた興味深い試聴会です。
試聴に使われた機器は以下の通り。↑ この写真の組み合わせ。
スピーカー : 英タンノイ ウエストミンスターロイヤル/GR(¥6,000,000)
スーパーツイーター : 英タンノイ Prestige GR(¥550,000)
SACD/CDトランスポート : ESOTERIC Grandioso P1X(¥3,500,000)
D/Aコンバーター : ESOTERIC Grandioso D1X(¥3,500,000)
プリアンプ : 米マッキントッシュ C-2600(¥980,000)
モノラルパワーアンプ : 米マッキントッシュ MC611x2(¥4,200,000)
電卓を入れてみてください。全て税抜き金額です。(^^;
ESOTERICはTEACから派生した高級ブランドで、現在は独立採算として別会社となっています。日本のメーカーですよ。SACD/CDトランスポートとD/Aコンバーターとのセットでプレーヤーシステムとなりますが、計700万円のSACD/CDプレーヤーは国内最高価格になります。ちなみに外国メーカーの製品ですが、¥14,000,000のSACD/CDプレーヤーが日本国内で発売中です。
もし、拙ブログをご覧の方で、ESOTERIC Grandiosoを購入された方がいらっしゃったら是非お教えくださいませ。^_^
さて、昨今往年の名演奏(クラシック、ジャズを問わず)を新規にリマスタリング(DSD化)をし、SACDで発売される点数が増えつつあります。ESOTERICを始め、ハイエンドオーディオ雑誌を刊行しているステレオサウンド社も独自に発売していますが、CDショップのタワーレコードさんも以前からSACD化については熱心でした。
タワーレコードさん曰く、「他社さんがPCMからDSD変換している音源も、当社は全てマスターテープからダイレクトにDSD化しております」と。これは良い事を聞きました。やはりPCM(192kHz/24bit等)からDSDに変換するより、ダイレクトにDSDマスターを作った方が良いですからね。
特に米コロンビア、独グラモフォン(あともう一社何処だったか)は2チャンネル・マスターテープのもう一段前、録音時のアンペックス3チャンネルレコーダーの録音テープからDSDマスターを作っていますとの事。これは凄いですね!
3チャンネルで録音されたテープをリミックスして2チャンネル・ステレオテープを作り、それを通常マスターテープとしてカッティング用に使われるのですから。そのマスターテープより新鮮な、正しく3チャンネル・オリジナルテープを2チャンネルにリミックスしながらDSDマスターを作っているとは。
ただ、英デッカだけは3チャンネル・マスターテープを絶対貸し出してはくれないそうです。英デッカも独グラモフォンも今は同じユニバーサルグループなんですけど・・・と申していました。まぁ、英デッカは正しいですね。万一、3チャンネルテープに事故が起きたら取り返しのつかない事になりますから。
長くなりましたが、通常のCDとSACDとの鳴き合わせですが、どれも明らかにSACDの方が良かったです。空間表現が違いますね。タワーレコードさんのSACDは何点か購入していますが、これからは今迄以上に注目したいと思います。
余談ですがタンノイの大型スピーカー、クラシックよりジャズの方が良い鳴りっぷりでした。タンノイと言えばクラシック、というイメージが一般にはありますが、エージングが進んでいないのか、クラシックはイマイチでした。或いはマッキンとの相性でクラシックが合わないのか。アキュフェーズを組み合わせて聴いてみたい。
それと350万円もするESOTERICさんのSACD/CDトランスポートですが、ESOTERICさんご自慢の独自メカニズム上仕方ないのかもしれませんが、トレイの動作音が離れた場所に座っている私のところまで結構聞こえて来て、やや興醒めでした。アキュフェーズ DP-750は実に静かでしたが。
最後に二つの試聴会で聴いた「音」について率直な私の感想ですが、アキュフェーズ試聴会で聴けた音には感銘を受けましたが、タワーレコード試聴会で聴けた音には何の感動も感銘も受けませんでした。スピーカーケーブルやピンケーブルもそうですが、高い方が必ずしも良い(好みの)音とは限らないという事ですね。
モーツァルト/ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330
マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
ピアノ・ソナタ全集からの一曲
1989〜1990年録音
独グラモフォン 4775200(CD 6枚組)
プリアンプを交換してから、ピアノの再生がC-200以上に良くなったので、以前から愛聴しているピリスのモーツァルト/ピアノ・ソナタ全集の中から、取り分けお気に入りの演奏である第10番を繰り返し聴いています。
一般的には次の第11番「トルコ行進曲付き」があまりにも有名なので、第10番は少し損をしているような気がしないでもないですが、私的にはこちらの曲の方が好きなのです。もちろん「トルコ行進曲付き」も名曲名演奏ですが。
ハ長調という調が聞きやすさに繋がっている事もあるかもしれませんね。ドレミファソラシドという、極く当たり前の誰もが口ずさみやすい調ですから。
第一楽章冒頭、第一主題からモーツァルトらしい明るい旋律が溢れ出て来るのですが、これをピリスが実に軽やかに歌うように弾いています。もう何回も聴いているせいか、外を歩いている時など鼻歌交じりに自然とメロディを口ずさんでいたりします。
あ、口ずさむと申しましても、実際にハミングするように声を出しているわけではありません。頭の中でメロディを口ずさんでいるのですよ。(笑)
余談ですが、ピリスのフルネーム表記、確か日本コロムビアから登場した時は「マリア・ジョアオ・ピリス」だったような。その後、「マリア・ジョアン・ピリス」になり、NHKでは「マリア・ジョアン・ピレシュ」と呼ばれています。
欧米の方の名前をカタカタ表記するのは難しいですね。特に初めて紹介される時は最初に名前を読んだ日本人によるカタカナ表記となってしまいますので、その方が誤った読み方をすると、そのまま日本に伝えられてしまうわけですから。
ポルトガル出身の女流ピアニスト、ピリスも英語的発音にしてしまうとPiresをピリスとかピレスとも読めてしまいますよね。ところで彼女も74歳。昨年で現役を引退し、後進の指導にあたっているそうです。ボーイッシュな髪型で若い時の写真を見ると精悍な美人という印象です。
第二楽章アンダンテ・カンタービレ、聞き手に語りかけるようなピリスの演奏を聴いていると、実に心地良くなり、「あぁ・・・良いなぁ・・・モーツァルトは」と、しみじみ思ってしまいます。
第三楽章アレグレットは第一楽章の軽快さが戻って来ます。第一楽章第一主題より更にリズミカルな旋律をピリスは巧みに強弱を付けながら弾いていきます。聴いているこちらの身体が思わずスイングしてしまいそう。(^^)
尚、ピリスはモーツァルトの楽譜指示通り、ソナタ形式提示部の繰り返しだけでなく、展開部から再現部までも指示通り繰り返しています。通常、提示部の繰り返しはしても、展開部以降の繰り返しを楽譜通り繰り返すピアニストは少ないのですが。
ピリスのモーツァルト、良いですよ!
いつも思うのですが、音楽って良いなぁ・・・。
撮影は先月でして、場所は新宿御苑です。
寒桜が見頃を迎えていまして、花の蜜を吸いにメジロが来ていました。
訪れていた人も手持ちのカメラ、スマホで「可愛い!」と言いながら撮影。
私はもう毎年の行事のように撮影しております。(^^)
そして、この福寿草も毎年撮影。
新宿御苑で福寿草を見ると、春が近くまで来た事を実感します。
昨年は新宿御苑のどこを歩いてもツグミがいたのですが、今年は少なかったですねぇ・・・。
かなり広範囲に歩いても、この日は三羽見ただけ。昨年は「もういいよ!」と言いたくなるくらい(笑)、足元をチョロチョロしていたのですが。
Canon EOS 5D Mark IV
EF 100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
EXTENDER EF 1.4x III
もう、8年も経ってしまいました。
今日は静かにしていたいと思います。
シューベルト/ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」
アルフレッド・ブレンデル(p)
クリーヴランド弦楽四重奏団員
ドナルド・ワイラーシュタイン(vn)
マーサ・ストロンギン・カッツ(va)
ポール・カッツ(vc)
ジェイムズ・ヴァン・デマーク(cb)
1977年8月 ロンドンでの録音 CDで発売中
音楽ネタが続きます。先月、アキュフェーズ C-2150を導入してから愛聴盤をあれこれ聴いているのですが、一番驚いたのが今日ご紹介するシューベルトのピアノ五重奏曲で、ブレンデルの旧録音(蘭フィリップス)です。
この録音は蘭フィリップスのアナログレコード、CDと聴き続けて来ている大愛聴盤です。ですからこの録音は、各楽器の響きがすっかり耳(頭)に入っています。C-2150で先ず聴いたのはお馴染みの第四楽章。スピーカーから音楽が聞こえた瞬間、まるで別録音を聴いたかのような錯覚に陥ります。
ブレンデルのピアノがぐっと前に位置し、クリーヴランド弦楽四重奏団員の三名とコントラバスがピアノからやや離れた後方に立体的に明確に聞こえて来ました。おまけにブレンデルのピアノは録音会場に良く響き渡り、反響音をマイクが良く捉えているため、上下の響きが実にリアルなのです。
C-200でもブレンデルのピアノ位置は弦楽器より前に位置しているのはもちろん分かっていましたが、これほどまでに定位が明確ではなかったですし、ピアノの響きの上下はここまで実感してはいませんでした。恐るべしアキュフェーズのプリアンプ、という思いです。
さて、いきなり前段が再生音についての与太話から始まってしまいましたが、シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」は、ご存知のように同名の歌曲「鱒(ます)」の旋律を使った変奏曲が第四楽章となっているため「ます」の副題が付いております。
通常ピアノ五重奏曲と言えば、ピアノと弦楽四重奏との組み合わせですが、シューベルトはヴァイオリンを一挺にし、ビオラ、チェロにコントラバスを加えた編成にしていますので、聞こえる音域が独特な五重奏曲になっています。
ブレンデルは後年、デジタルで再録音しておりますが、私はこの旧盤を愛聴しております。録音当時、若手のクリーヴランド弦楽四重奏団員たちはピアニストとしての大ベテラン、ブレンデルのリードに付いて行ったのでしょうね。ピアノ協奏曲のように、ピアノとオーケストラによる丁々発止のぶつかり合い的演奏ではなく、実に聴いていて安心出来る名演奏です。
そうそう、シューベルトのピアノ五重奏曲は山田洋次監督の寅さんシリーズでも挿入曲としてバックに使われた事が私の記憶だけでも二本あります。一本は竹下景子さんがマドンナ役を務めた「口笛を吹く寅次郎」で、映画のところどころで聞く事が出来ます。
本当に名曲です。
ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」へ長調 作品68
カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1971年5月、ウィーン・ムジークフェラインザールでの録音
ESOTERIC ESSG-90191(SACD/CD Hybrid)
今迄、何十回聴いたか自分でも覚えていないほどの愛聴盤をご紹介させて頂きます。
年代の古い録音で恐縮ですが、演奏録音とも最高です。カール・ベームがドイツグラモフォンに残したベートーヴェン交響曲全集の中の一曲ですが、私は未だにこの録音を超える演奏に出遭っていません。過去聴いて来たLP、CDに限定してという事ではありますが。
「田園」の名演奏というと、古くはブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団とか、アンドレ・クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の録音が有名ですが、私はそれらよりベームの方を上に取ります。
ベームのスタジオ録音って生真面目すぎてあまり面白くないのですが、この「田園」についてはその生真面目さが良い方向に働いたのではないかと思います。まさに楽想にピッタリという感じです。
「田園」のような楽曲はフルトヴェングラーみたいにやたらとテンポが動くと落ち着いて聴いていられません。その点、ベームはインテンポで曲を進めますが、第四楽章ではティンパニを強打させたりして嵐の描写を引き立てています。
ロマン派の作曲家に大きな影響を与えたとされる各楽章の標題。
第一楽章 田舎に着いた時の楽しい気分
第二楽章 小川のほとりの情景
第三楽章 田舎の人々の楽しい集い
第四楽章 雷鳴、嵐
第五楽章 牧歌 嵐の去った後の喜ばしい感謝の気持ち
ベームの演奏解釈はこれらの標題にまさにピッタリ。第二楽章の小川の情景、ウィーン・フィルの弦の音色は例えようがないほどの美しさ。楽章終結部分にはあのお馴染みのフレーズが木管楽器で奏されますが、何とも言えない鄙びた音色が素敵です。フルートがナイチンゲール、オーボエがウズラを、クラリネットがカッコウを模して吹かれる例のところです。
前述したように第四楽章ではティンパニが活躍しますが、実に小気味良いです。この辺りはライヴ録音と間違うほどベームの迫力ある指揮ぶりに感嘆します。
そして第五楽章冒頭の抑えたテンポに乗って奏でられるヴァイオリン群の音色の素晴らしさは、適切な言葉が見つからない、言葉では形容し難い美しさです。ああ・・・、この録音がウィーン・フィルで本当に良かった! そう思わせる演奏なのです。
クラシック音楽ファンにとっては耳タコになっている「田園」だと思いますが、私はこのベームの録音は何度聴いても飽きません。ベームのベートーヴェン交響曲全集、私は「運命」「田園」「合唱」の三曲はいずれも名演奏と思っています。
冒頭のジャケット写真はつい最近、高級オーディオブランドとして名が通っているESOTERICから発売されたSACD/CDのハイブリッド盤です。大好きな演奏なので通常盤のノーマルCDを持っていながらも購入したわけです。
しかし、国内廉価盤も普通に売られていますので、私の駄文に影響されて「ちょっと聴いてみようか」と思いましたら、その廉価盤で充分な音質ですのでお薦め出来ます。是非お聴きになってみてくださいませ。
アキュフェーズのプリアンプ C-2150を最近購入しました。今迄、プリアンプ C-200とパワーアンプ P-300という、初代アキュフェーズブランドのセパレートアンプを愛用していましたが、止む無い事情からプリアンプを交代せざるを得なくなり、いろいろ検討した結果C-2150となりました。
当初はセパレートからプリメインアンプに纏めるつもりでアキュフェーズ E-370とE-480に狙いを定め、ショップでじっくり試聴(自分の愛聴盤持参)させて頂きました。聞き比べてみれば当たり前に上級機E-480の方が良かったので、ではE-480にするか・・・と、決めかかったのですが・・・。
お相手をしてくれたショップのベテラン店員さんに、「実は二案を考えていまして、ひとつはセパレートから思い切ってプリメインアンプへ切り替え。もうひとつは不具合が生じたC-200を現行のプリアンプに置き換える事」と私が申すと、
店員さん曰く、「お使いになっているのが初代アキュフェーズのセパレートですよね? 私もあの音は知っています。プリメインアンプに替えたらあの押し出すような音は出ないですよ。私としては第二案の方をお勧めします」との事。
ひと先ずもう一度じっくり思案します、という事でその日は帰宅する事に。
で、カタログをじっくり見ていたら、或るひとつの事に気が付きました。プリアンプとパワーアンプの二つを一つに纏めたのがプリメインアンプです。上の写真はこれにするかなぁ・・・と考えたプリメインアンプ E-480の内部の写真です。
こちらが単体パワーアンプ P-4500の内部です。どうですか? 両者作りが似ていますよね?
方(E-480)やプリメインアンプ、方(P-4500)やプリアンプが無いと働かないパワーアンプです。プリアンプを内蔵しているプリメインアンプがほとんど見た目はパワーアンプのよう。プリアンプ部分は何処? という感じです。
今やメインソースは出力の大きいCDプレーヤーですから、現在のプリメインアンプのプリ部はほとんどおまけみたいなものなのですね。おまけと言っては大変失礼ですが、あのアキュフェーズさんの製品でもこうなのですから、プリメインアンプのプリ部にあまり大きな期待を持ってはいけないという事かも。まぁ、最上位機(E-650)クラスはまた別かもしれませんが。
要するに、プリメインアンプのプリ部は入力セレクターとボリュームなのだと思えば良いのではないかと。
そういえばCD時代を迎え、プリアンプ不要論を唱える人が増えまして、CDプレーヤーから直にパワーアンプに接続する人が評論家、ユーザー問わずいたものです。プリアンプを介するよりその方が音質的にメリットがあると。しかし、昨秋亡くなられたオーディオ評論家、菅野沖彦さんがそういった使い方に断固否定していた事を思い出しました。プリアンプは絶対必要だと。
いろいろアキュフェーズ・ユーザーさんのブログをあちこち検索していたら、プリメインアンプに別個体のプリアンプを繋ぎ、プリメインアンプのパワー部だけを使ってみたら音が化けたと。その方もプリメインアンプのプリ部に期待をしてはいけないと書いてありました。私が思った通りの事を感じた方がいらっしゃったという事です。
こちらは私が購入したプリアンプの内部です。大きな筐体にプリ機能だけのアンプと、ほとんどパワーアンプのように見えるプリメインアンプとの違いは当然音に大きく出てくるわけです、当たり前の事ですが。
という事で、今回は多少(実際は相当)無理をしましたが、C-200に替わるプリアンプを購入したという顛末です。
現状、最新のアキュフェーズ製プリアンプ(グレードは別として)に最古のパワーアンプ↑を組み合わせて音楽を聴いています。ハイエンド・オーディオマニアからは一笑に付されそう。(^^;
ちなみにアキュフェーズさんのプリアンプは4機種ありまして上から、
C-3850 プレシジョン・ステレオ・プリアンプ
C-2850 プレシジョン・ステレオ・プリアンプ
C-2450 プレシジョン・ステレオ・コントロール・センター
C-2150 ステレオ・コントロール・センター
というグレード別に分かれています。上位2機種にはプレシジョン・プリアンプという命名が。その下はプレシジョン・コントロール・センターと。で、私が購入した最下位機種は「プレシジョン」の付かないただのコントロール・センターです。うう・・・いいんだいいんだ、と僻む。(笑)
C-2150はショップに試聴機が無かったので、「エイヤ!」と、音も聴かずにショップに発注しちゃいました。アキュフェーズさんの製品なら悪いわけないだろうという事で。^_^
カタログのPDFはこちらに。
二日後に配送されて来まして、即設置。しばらく通電して暖気する事もせずに、いきなり電源オンで愛聴盤をプレイ。
一音が鳴った瞬間、「え! 何これ!」と。
予想以上の音の違い(C-200と比べて)に驚愕!
周波数レンジが上下に伸びたのは当たり前として、スピーカーの外側へも広がるステレオイメージ。更には前後の楽器の定位がC-200以上にハッキリとし、おまけに高さまで表現してくれるのです。プリアンプが替わるだけでこれだけ違いが出るんだ・・・と、ただただ驚き、喜びました。
以前、「私の愛聴盤」でご紹介したキョンファ・チョンさんの「コン・アモーレ」、ヴァイオリンの美音に酔いしれてしまい、繰り返し聴いています。C-200も充分素晴らしい音でしたが、C-2150はそれを上回る音を奏でてくれるのです。^_^
最下位機種でこれだけ良くなるなら、上の機種ならもっとだ・・・と、叶わぬ欲が出てしまいました。あははは・・・(^^;
更に驚いた事がアンプのS/N比。C-200は無信号でボリュームを回すと時計の針で10時を回る頃から徐々に残留ノイズがスピーカーから聞こえてくるのですが、C-2150は1時を回っても2時を回ってもノイズが全く聞こえて来ない。
断線しているのか(笑)と、3時くらいの位置で耳をスピーカーにくっつけてみたら、ほんの僅かですが、聞こえました。それ以上は怖くて回せません。いきなりボン! と来たりして。(笑)まぁ、無いでしょうけど。
実際のところは古いパワーアンプの方から出ている残留ノイズでしょう。
そもそも通常聴いているボリューム位置は8時から9時過ぎくらいの間でしか使っていませんから、1時、2時の位置で聴く事は絶対あり得ないのです。もしそんなボリューム位置だったら、とてつもない大音量です。いやいや最新機種のS/N比は凄いですね!
※ 9月21日、パワーアンプ P-4500の記事を掲載しました。
今回の京都行き、二箇所行きたいところがあると申しましたが、常寂光寺は二日間に渡ってご覧頂きました。で、もう一箇所はこちら、錦市場です。
横浜で言えば「弘明寺商店街」や「横浜橋商店街」に似た雰囲気のところでした。
ただ、歩く道幅は上記二つの商店街ほど広くはなく、実に狭い路地を歩くような感じでした。
しかし、そこがまた良い!
ですが・・・驚いた事に、こんなところまで大陸方面の観光客が大挙して来ていたのです。(^^;
まぁ・・・大陸方面の方々の喧騒もこういうところなら我慢出来ます。
京都にもこうした商店街があるのですねぇ・・・。
LEICA M(Typ 240)
Zeiss Planar T* 50mm F2 ZM
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