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2020年4月29日 (水)

私の愛聴盤 第32回

4120

モーツァルト/レクイエム ニ短調 K. 626

1. Introitus(永遠の安息を)〜Kyrie(主よ、憐みたまえ)
2. Dies iræ(怒りの日)
3. Tuba mirum(妙なるラッパの音)
4. Rex tremendæ(みいつの大王)
5. Recordare(憶えたまえ)
6. Confutatis(呪われた者)
7. Lacrimosa(涙の日)
8. Domine Jesu(主イエス・キリスト)
9. Hostias(犠牲と祈りを)
10. Sanctus(聖なるかな)
11. Benedictus(祝福されたまえ)
12. Agnus Dei(神の子羊よ)〜Communio(永遠の光で)

エディット・マティス(ソプラノ)
ユリア・ハマリ(メゾ・ソプラノ)
ヴィエスワフ・オフマン(テノール)
カール・リッダーブッシュ(バス)

カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

1971年4月 ウィーン、ムジークフェラインザールでの録音

独グラモフォン 2530 143(アナログレコード)廃盤
CDで発売中

新型コロナウイルスに感染して亡くなる方が右肩上がりに増えています。だからレクイエム(死者のためのミサ曲)の紹介?

というわけでは勿論ないです。純粋にモーツァルトの音楽曲として、このレクイエムを長年愛聴して来ています。しかし、つい最近不幸に遭遇した後、改めて「死」という事を考えながら厳粛にこの曲を聴いていました。

と言って私は宗教にはまったく関心がない人間なので、レクイエムで歌われる歌詞(ラテン語)を日本語訳で読んでもピンと来ません。(^^;

純粋に絶対音楽としてこの曲の素晴らしさに魅了されているのです。十代、二十代の頃はどちらかというと宗教曲が苦手でした。ですが、モーツァルトのレクイエムだけは例外だったのです。

で、初めて聴いたのが確か19歳か20歳だったと思います、今日ご紹介するカール・ベーム盤でした。もう、最初からこの曲の美しさに大きな感動を覚えました。

当時、演奏が「ラクリモーサ(涙の日)」のところに来たところで、私は全身に鳥肌が立って来るほどの深い感動に不覚にも涙が出てしまいました。今と違って、まだまだ純粋だったのです。(^^;

モーツァルトの遺作となったこのレクイエムですが、まさに自身へのレクイエムとなったわけです。モーツァルトの自筆はこの「ラクリモーサ」の途中までだったそうで、以後は弟子が補筆されたとの事。

「ラクリモーサ」の冒頭、弦が寂しげに短く上昇と下降を繰り返す中、女性合唱が「Lacrimosa dies illa,(その日は涙あふれる日)」と歌われた時、身体に電流が走りました。もう、ダメでしたねぇ。涙が浮かんで来ました。別に曲が「ラクリモーサ(涙の日)」だったからではないですよ。

「天国的美しさ」という表現がありますが、まさにこの「涙の日」がそうです。そしてウィーン国立歌劇場合唱団、特に女性合唱の美しさは「天国的調べの美しさ」と言って良いと思います。

モーツァルトのレクイエム 、中でも「Dies iræ(怒りの日)」が有名ですが、いつだったかテレビ朝日で放送されている「相棒」をたまたま見ていた時に、この「Dies iræ(怒りの日)」が劇中で流れていた事があります。少々驚きましたが、流れていたシーンにピッタリで「へぇ〜・・・」と思ったものです。

さて、4人のソリストたちも素晴らしい歌唱をしています。特にソプラノのエディット・マティスは実に美しいですね。まさに「天使の声」と形容したいくらい。それとバスのカール・リッダーブッシュも「Tuba mirum(妙なるラッパの音)」でのソロが素晴らしいです。その後の四重唱も絶品。

カール・ベームの指揮もまた素晴らしいです。ゆったりとしたテンポを取り、曲の素晴らしさをじっくり味わう事が出来ます。

是非、多くの方にお聴き頂きたい、名曲名演奏です。

※ 余談ですが、この記事を書き上げた後、NHK-BSプレミアムで26日放送されたテオドール・クルレンツィス指揮、ムジカエテルナ(2017年7月 ザルツブルク音楽祭でのライヴ)の演奏を見(聴き)ました。当時、演奏については賛否両論だったそうですが、なるほど・・・という感想です。ユニークな演奏ではありました。しかし、ソリスト4人と合唱は良かったです。

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