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緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ安心出来ません。
北海道と神奈川県は当初目標の数字をクリア出来ていませんし。
黒川検事長の賭け麻雀の一件から、国民の目を逸らす事が一番の「隠れた目的」のようにも感じられます。
ところで先日、テレビの料理番組を見て思ったのですが、説明しながら調理する人、それを見ながら質問等をしている女性、どちらもマスクはしていませんから飛沫が飛び放題ではないかと。もちろん料理の中にも。
最近になって人の「唾液」の中にウイルスが沢山存在している事が発表されていますので、飛沫感染が心配。今、誰が感染しているか分かりませんから。(^^;
気温、湿度とも、日本はこれから上がる季節になりますのでウイルスも増殖しにくくなりますが、感染症の専門家がおっしゃるように第2波が予想される秋冬、インフルエンザとコロナ両ウイルスに襲われるかもしれません。注意が必要です。
小池都知事のロードマップに対し、鳥取県知事を歴任された片山善博氏がこんな事をおっしゃっていました。「小池さんは勘違いしている。緊急事態宣言が出ていたから休業要請が出来たわけです。宣言が取り下げられたら休業要請は出来ないのです」と。ですから接待を伴う夜のお店も、都の思惑とは関係なく今日から営業出来るという事のようで。神奈川県は明日から全業種への休業要請は解除されます。
小池さんはオリンピック延期が決まった翌日から毎日メディアの前に出て、如何にも「やってる感」を強調しておりますが、近付く都知事選を意識してのアピールにしか見えません。もっと早くに感染対策を施していたら、感染者数も死者数も現在の数字より少なく済んだはず。
「メリー・ポピンズ」 アメリカ映画
(原題 Mary Poppins)1965年12月 日本公開
ウォルト・ディズニー映画配給
- 配役 -
メリー・ポピンズ : ジュリー・アンドリュース
バート : ディック・ヴァン・ダイク
ジョージ・バンクス : デヴィッド・トムリンソン
ウィニフレッド・バンクス : グリニス・ジョンズ
ジェーン : カレン・ドートリス
マイケル : マシュウ・ガーバー
エレン(家政婦) : ハーミオン・バドレー
ブーム(元海軍大将) : レジナルド・オーウェン
巡査 : アーサー・トリーチャー
製作 : ウォルト・ディズニー、ロイ・O・ディズニー
音楽 : アーウィン・コスタル
脚本 : ビル・ウォルシュ、ドン・ダグラディ
監督 : ロバート・スティーヴンソン
「サウンド・オブ・ミュージック」で、すっかり魅了されたジュリー・アンドリュース。久しぶりにその美貌と美声を楽しませて頂きました。今日ご紹介の「メリー・ポピンズ」、数年前にWOWOWさんで放送された時に録画していたのですが、そのまま放置し見ていませんでした。で、先日ようやく見ました。(^^;
初めて見る映画ですがディズニー作品らしく、実写とアニメーションを合成した映画で、実に楽しいミュージカル映画でした。細かい事を申しますと同じミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」と比較しますと、音楽に関しては「サウンド・オブ・ミュージック」の方が名曲(親しみやすい曲)が多いように思います。
両者で主演しているジュリー・アンドリュース、本当に素晴らしい女優さんですね。前述したように単に美人というだけでなく、声も実に美しいです。まさに美声。
ストーリーですが、ロンドンの桜通りに邸宅を構えるジョージ・バンクスは銀行に勤務し、性格も気難しく子どもたちの教育はすべて雇い入れた乳母(教育係)任せ。ところがその乳母も子どもたちのヤンチャぶりに嫌気が差して長続きしない。また辞めてしまったので、代わりの乳母を募集する事に。募集文を子どもたちが書いたものの、バンクスは子どもたちの要望のバカバカしさに破って暖炉に捨ててしまう。
雲の上でお化粧をするメリー・ポピンズ。(^^)
暖炉に破り捨てられた募集文の紙は煙突から空へ舞い上がって行き、メリー・ポピンズの元に。それを見たメリー・ポピンズはバンクス家へ。
傘をパラシュートのようにして空から降りて来るメリー・ポピンズ。
「サウンド・オブ・ミュージック」ではトラップ家の家庭教師としてやって来るマリアの役でしたが、「メリー・ポピンズ」ではバンクス家の乳母としてやって来るという事で、両者似たような設定ですね。調べる前、私は「サウンド・オブ・ミュージック」の後に「メリー・ポピンズ」が作られたものと思っていたのですが、逆でした。1964年に「メリー・ポピンズ」が、翌年の1965年に「サウンド・オブ・ミュージック」が公開されています。
メリーの友人、バートを演じているディック・ヴァン・ダイクも素晴らしい役者さんですね。OO7シリーズの作者、イアン・フレミング原作のミュージカル映画「チキ・チキ・バン・バン」でも主演していますが、「メリー・ポピンズ」でのダンスシーンはお見事です。
私でも知っていた名曲「チム・チム・チェリー(Chim Chim Cher-ee)」を歌うメリーとバート。子どもたち、ジェーンとマイケルも一緒に建物の屋上で楽しみます。
そして映画のラストは、親子の絆を感じながら再び空へ舞い上がって行くメリー・ポピンズ。
恥ずかしながら、映画を見るまでは「メリー・ポピンズ」というタイトルが主役の名前だという事を知りませんでした。あははは・・・(^^;;;
外出自粛要請のせいと申しますか、お陰と申しますか、音楽、映画三昧です。(笑)
「飢餓海峡」 東映映画(1965年1月 公開)
- 配役 -
樽見京一郎/犬飼多吉 : 三國連太郎
杉戸八重 : 左幸子
弓坂吉太郎刑事 : 伴淳三郎
味村時雄刑事 : 高倉健
杉戸長左衛門 : 加藤嘉
本島進市 : 三井弘次
本島妙子 : 沢村貞子
樽見敏子 : 風見章子
東舞鶴警察署長 : 藤田進
製作 : 大川博
音楽 : 冨田勲
原作 : 水上勉
脚本 : 鈴木尚之
監督 : 内田吐夢
水上勉さんの代表作(読んでないですが)を東映が映画化した作品です。以前、NHK-BSで放送されたものを録画していたのですが、見たのはつい最近です。(^^;
見始めた時、モノクロとはいえ画質があまり良くないので1950年代初期の作品と思って見ていました。見終えてから調べると、16ミリのモノクロフィルムで撮影し、後から35ミリにデュープしているのだそうです。内田吐夢監督は日本人全体がおかれている飢餓の状況を描くために、ザラザラとした質感を求めたかったとの事。
内田吐夢監督と言えば、私が大好きな宮本武蔵(中村錦之助さん)も撮っています。やはり名匠と言われるだけありますね。映画の冒頭、下記のようなナレーションが流れます。
- 飢餓海峡、それは日本の何処にでも見られる海峡である。その底流に、我々は貧しい善意に満ちた人間の、どろどろした愛と憎しみの執念を見る事が出来る -
この作品のテーマですね。
昭和22年、東北から北海道を襲った猛烈な台風により、青函連絡船「層雲丸」が転覆して多くの死傷者が出てしまう。遺体収容に関わった函館警察の刑事、弓坂(伴淳三郎さん)は遺体の引き取り手のない2遺体に不信感を抱く。両名とも額に打痕の跡が。調べると生存者と遺体の数が乗客名簿より2名多いのである。
青函連絡船転覆の同日、北海道岩内の質店に強盗が押入り、一家を皆殺しにした後に大金を奪い、証拠隠滅のために放火。おりからの台風の強風により、街のほとんどを焼き尽くしてしまう。引き取り手のない2遺体は、質店に押し入った強盗たちの仲間割れの結果ではないかと、弓坂は捜査を始める。・・・そして10年が経ち。
主演は「釣りバカ」のスーさんを演じていた三國連太郎さん。若き日の三國連太郎さんを見ていたら、佐藤浩市さんはお父さん似なんだなぁと、思ってしまいました。三國連太郎さん、やはり名優ですね。凄いです。
東舞鶴の海で遺体となって発見された杉戸八重(左幸子さん)の捜査に関わるのは東舞鶴署の捜査主任、味村刑事(高倉健さん)。杉戸八重は大湊(青森県)で世話になった犬飼多吉が新聞に掲載されているのを見て、感謝の意を伝えたく犬飼が住む東舞鶴に来ていたのです。高倉健さんも若いなぁ・・・(^^)
そして老刑事を演じている伴淳三郎さん、渋いですねぇ。これまた名演技です。弓坂一家の様子に当時の一般的日本家族の生活環境が窺い知れます。
さて、この映画を見終わって、私は松本清張さんの「砂の器」と共通している部分を感じました。設定時代もほぼ同じですし、当時のまだまだ貧しい日本(人々)を描いているという事が、双方の作品に共通しているように思います。と同時に、貧しいながらも必死に生きようとしている人たちに共感を覚えます。
もうひとつ、追い詰められる犯人が時の流れの中、社会的に成功を遂げている設定も双方に共通しています。共に幼少期には想像のつかない貧困と苦労を味わっているという。
杉戸八重の一途な想い。可哀想でした。犬飼多吉が津軽海峡を死ぬ思いで渡った舟を焼いた後の灰、それを見つけた弓坂が布に包むのですが、その灰が大きな伏線となります。
しかし、ラストは思わず「え!」と、声を上げそうになりました。樽見(犬飼)にしたら、もう二度と飢餓(津軽)海峡を渡りたくなかったのかも。
余談ですが、後年テレビの時代劇やドラマで悪代官、悪奉行といった悪役を演じている俳優さんが、この映画では正義感の強い刑事の役を演じていた事が新鮮で、何か微笑ましさを感じました。と同時に、生前テレビの対談番組で三國連太郎さんが「主役を演じている人間にタチの悪い人が多くてねぇ。逆に悪役を演じている人の方が人間的には良い人の方が多いものですよ」と、おっしゃっていた事を思い出しました。
尚、18日(月)の13時から、NHK-BSプレミアムで再放送があります。是非、(録画して)ご覧になってください。素晴らしい作品ですから。
「ミッション:インポッシブル」 アメリカ映画
(原題 Mission:impossible)1996年7月 日本公開
パラマウント映画配給
- 配役 -
イーサン・ハント : トム・クルーズ
ジム・フェルプス : ジョン・ヴォイト
クレア・フェルプス : エマニュエル・ベアール
ジャック・ハーモン : エミリオ・エステベス
サラ・デイヴィス : クリスティン・スコット・トーマス
ハンナ・ウイリアムズ : インゲボルガ・ダクネイト
フランツ・クリーガー : ジャン・レノ
ルーサー・スティッケル : ヴィング・レイムス
マックス : ヴァネッサ・レッドグレイヴ
製作 : トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
音楽 : ダニー・エルフマン
主題曲作曲 : ラロ ・シフリン
脚本 : デヴィッド・コープ、ロバート・タウン
監督 : ブライアン・デ・パルマ
先月だったと思いますが、テレビのチャンネルをリモコン操作で変えていた時、偶然バラエティ番組(番組名と放送局は失念)で「スパイ映画特集」のようなものをやっていたので、途中から見ました。女性司会者の案内でいろいろなスパイ映画の映像を見て、お笑いタレントたちがあれこれ喋っているという。
で、女性司会者が「それではスパイ映画の本家本元、ミッション:インポッシブルをご覧ください」と言ったのです。私は「え!? 本家本元はOO7シリーズでしょう!」と、言ってやりたくなりました。(笑)
そもそも「ミッション:インポッシブル」はOO7シリーズを真似て作られているのですから。番組でも紹介していましたが、元々はテレビドラマとしてアメリカで作られていた「スパイ大作戦(日本放映時の邦題)」がオリジナルで、原題が「Mission:impossible」だったわけです。
「おはよう、フェルプス君」で始まるその「スパイ大作戦」ですが、映画製作に乗り出したトム・クルーズの第一回作品として、オリジナルのタイトルのまま「Mission:impossible」が作られました。
今日ご紹介の作品は第1作ですが、一応全作品のBlu-ray(市販品)を持っています。はい、このシリーズ面白いので、好きです。(^^)
さて、本作のストーリーですが、CIAの極秘部隊 IMF(Impossible Missions Force)のフェルプスが飛行機搭乗中、CAから無理やり映画を見るよう勧められ、その映像カセットを渡される。再生すると「おはよう、フェルプス君」から始まり、プラハのアメリカ大使館からCIA工作員のリストを盗み出そうとしている大使館職員の裏切り行為(リストのコピー)を撮影し、その敵を壊滅するよう指示される。
という事でストーリーは進んで行くのですが、思いも寄らないアクシデントがイーサン・ハントの身に降りかかるのです。映画は快適なテンポで進みますが、「え!?」というどんでん返しが待っています。その結果に、古くからのスパイ大作戦ファンから怒りを買ったそうです。
ところでクライマックスはパリ行きのTGV(フランスの高速列車)が高速走行する中、追って来た敵のヘリコプターがイーサン・ハントによってトンネル内に引き込まれ、そのトンネル内で激しい攻防が繰り広げられる。
そのシーンですが、明らかにCGを駆使して作られた映像という事が分かります。映画そのものは大変面白かったのですが、トンネル内のアクションシーンだけ「ちょっとなぁ・・・」という感想でした。最近の映画、アクションシーンに関しては如何にもCGで作られているという作品が多くなりました。その分、少々リアリティに欠けるという印象は否めません。
出演者の中でイーサン・ハントの取引相手のマックスを演じているヴァネッサ・レッドグレイヴという女優さん、若い頃はお綺麗だったのだろうなぁという感じを受けたので調べてみたら、数々の映画賞を受賞しているイギリス出身のベテラン女優さんだったのですね。恥ずかしながら知りませんでした。「オリエント急行殺人事件」、「大統領の執事の涙」等に出演していました。
お馴染みの軽快な「ミッション:インポッシブルのテーマ」ですが、元々テレビドラマで使われた曲ですね。映画でもそのまま採用していますが、OO7シリーズに「ジェイムズ・ボンドのテーマ」が欠かせないのと同様、ミッション:インポッシブルシリーズにも欠かせません。作曲はラロ・シフリン。ジャズピアニストとして有名ですが、映画音楽もかなりの数手掛けています。クリント・イーストウッド監督もお気に入りですね。
OO7シリーズがイアン・フレミングの原作を離れて以降、最近はミッション:インポッシブルシリーズの方が面白いと思うようになっています。スパイ映画本家、しっかりして頂きたい。ミッション:インポッシブルの次回作は来年公開予定だそうですが、現在コロナの影響でイタリアでのロケが中断しているらしいです。
久しぶりにBlu-rayを取り出して見たのですが、やはり面白かったです。(^^)
ラロ/スペイン交響曲
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ 他
アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
マニュエル・ロザンタール 指揮
コンセール・ラムルー管弦楽団
TOWER RECORDS PROC-2201
フランスの作曲家、ラロのスペイン交響曲・・・交響曲と申しても、実質はヴァイオリン協奏曲ですね。交響的協奏曲といった曲ですが、この曲の演奏で私が好んでいるヴァイオリニストはアルテュール・グリュミオーです。チョン・キョンファさんの演奏と甲乙付け難いのですが。
タワーレコードさんによって、こうした往年の名演奏が高音質盤で復活するのは嬉しいですね。サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」も好きな曲です。
ショパン/ポロネーズ集
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
ESOTERIC ESSG-90208
ピアニストとして大変なテクニシャンで、その演奏はどれも完全無欠という印象のマウリツィオ・ポリーニのショパンです。正直申しますと必ずしも好きなピアニストではありません。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタも付け入る余地のない完璧な演奏で、私には少々冷たさすら感じるくらいです。
しかし、ショパンのポロネーズ集はその完璧さが曲想とマッチして、例外的に楽しめる演奏でした。以前持っていたCDを売却してこのESOTERIC盤を入手した次第。
R.シュトラウス/楽劇「薔薇の騎士」
元帥夫人 : アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)
オクタヴィアン : アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)
ゾフィー : ジャネット・ペリー(ソプラノ)
オックス男爵 : クルト・モル(バス)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ESOTERIC ESSG90215/17
R.シュトラウスの「薔薇の騎士」、初めてCDで聴いた時は「有名なわりにはつまらないオペラだなぁ・・・」という感想を持ちました。ところが、数年前にWOWOWさんで放送(ライヴビューイング)されたものの、録画しっぱなしで見ていなかったメトロポリタンオペラのライヴ映像を、最近になってようやく見たのです。そうしたら・・・、
そうか・・・そういう事なのか・・・と、映像を見て初めてこのオペラの良さ(面白さ)を知ったのです。やはりオペラは実際のステージを見るもの。ただ、外来の歌劇場の引越し公演は目の玉が飛び出るようなチケット料金。なので、見たいと思ってもついつい敬遠してしまいます。なので、映像メディアに頼ってしまいます。(^^;
このところ、録画しっぱなしだったBS放送でのオペラを集中的に見ています。外出自粛要請ですからね。
さて、ご紹介の演奏はカラヤンにとって二度目の録音で、最初は英EMIでのステレオ初期の録音でした。それと同時期での映像(ザルツブルク音楽祭)が残されており、NHK-BSでハイビジョン修復されたものが以前放送されました。元帥夫人はエリザベート・シュヴァルツコップですが、綺麗でした。
音声だけで聴く本SACDも名演ですね。中でもアグネス・バルツァのオクタヴィアンが素晴らしいです。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番、第5番「皇帝」
アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1977年11月14日(No.3)、11月17日(No.5)東京・普門館でのライヴ録音
TOKYO FM TFMCSA-0040(シングルレイヤー)
こちらはカラヤンの日本公演でのライヴ録音。演奏会場所があのバカでかい普門館ですから、必ずしも音響的に満足出来るものではないですが、演奏の方はピアノを伴った交響曲という風情。
カラヤンのシンフォニッックなスタイルの中で、ワイセンベルクは為す術もなし、という印象。ただ、カラヤンが指揮したベートーヴェンのピアノ協奏曲は録音が少ないので貴重な記録かも。
ブルックナー/交響曲選集(1993-2001)
朝比奈隆 指揮
東京都交響楽団
TOWER RECORDS TWFS90014/5(シングルレイヤー)
1993年から2001年にかけて、東京都交響楽団を指揮した朝比奈隆さんのブルックナー選集。5番、7番、8番、9番の4曲ですが、7番のみ年月違い(1997年と2001年)の二つの演奏が収録されています。
その7番、テンポの違いが大きく、大変興味深かったです。以前、大阪で二夜連続で聴いたベートーヴェンの第9交響曲、二夜それぞれテンポの違いが大きく、少々驚きを持って聴いた事を思い出します。
二日目の演奏会終了後、楽屋で直接朝比奈さんに「先生、今日は昨日とは違い、かなりテンポが遅かったですね?」と尋ねると、「うん、日本のオケも今日みたいな遅いテンポでも充分持ち堪えられるようになったからね」とのお返事でした。もちろん演奏は二日目の遅いテンポの方が素晴らしかったです。
しかし、ベートーヴェンの場合はテンポの大きな違いも楽想から納得出来るのですが、ブルックナーのような交響曲では比較的珍しいですね。
東京都交響楽団はNHK交響楽団に負けず劣らずオケのレベルが高いので、このブルックナー選集も楽しめます。但し、この選集は以前CDで発売されていたものをリマスタリングし、SACDとして発売されたものです。
OO7/ムーンレイカー
(原題 : MOONRAKER)1979年12月 日本公開
英イオン・プロ制作 ユナイト映画配給
- 配役 -
ジェイムズ・ボンド : ロジャー・ムーア
ホリー・グッドヘッド : ロイス・チャイルズ
ヒューゴ・ドラックス卿 : マイケル・ロンズデール
ジョーズ : リチャード・キール
コリン・ダフォー : コリンヌ・クレリー
M : バーナード・リー
Q : デスモンド・リュウェリン
マネーペニー : ロイス・マクスウェル
主題歌 : シャーリー・バッシー
音楽 : ジョン・バリー
原作 : イアン・フレミング
脚本 : クリストファー・ウッド
監督 : ルイス・ギルバート
「カジノ・ロワイヤル」の後に、ロジャー・ムーアの「ムーンレイカー」を見ました(同日ではないですけど)。拙ブログにロジャー・ムーアのOO7が登場するのは今回が初めてです。何故かと申しますと、大好きなOO7シリーズにも関わらず、ロジャー・ムーアのボンドはあまり好みではないからです。理由のひとつはムーアのボンドにまったく緊張感を感じない事。もうひとつは格闘シーン、アクションシーンでの動きにキレを感じない事。要するに演技がイマイチで、ただコミカルというだけなので。
拙宅にはシリーズ全作のBlu-ray(市販品)がありますが、ロジャー・ムーア出演作品は一度見たきりです。ムーア以外の作品は繰り返し見ているのですが。(^^;
で、他のボンド役者とあまり差別をしてもいかんなぁ・・・という事で、久しぶりにムーアのOO7を見る事に。選んだのは今日ご紹介の「OO7/ムーンレイカー」です。選んだ理由のひとつに、音楽をジョン・バリーが担当しているからです。しかし、映画終盤にボンドが宇宙に飛んで、まるで「スターウォーズ」のような映画になってしまっています。さすがにこれはやり過ぎですね。
イアン・フレミングの原作(小説)は、英国の大富豪であるヒューゴ・ドラックス卿が、自費を投じて開発したロケット「ムーンレイカー」を国家に寄贈するという。ところが政府派遣の人間が変死したため、代わりにボンドが派遣される事になる。ドラックス卿の正体はナチスの生き残りで、寄贈するというロケットは英国の首都ロンドンを攻撃する事が目的だった。
とまぁ、小説の方はそうしたストーリーなんですが、映画の方はロケットの代わりに当時話題になっていたアメリカのスペースシャトルに変えています。アメリカからイギリスへ空輸中のスペースシャトル「ムーンレイカー」が何者かの手によって奪われてしまう。
不審な点がある事から政府はMを通じ、ボンドをそのムーンレイカーを製造したヒューゴ・ドラックス卿の工場へ派遣する事になる。ボンドはベニス、アマゾンへと飛んで調べていくうちに、ドラックス卿の本当の目的を知る事になる。
メインタイトル前、ガンバレル・シークエンスの後は恒例のアクションシーンがありますが、本作はなんと空中でのアクションです。飛行機から突き落とされたボンドが先に飛び降りていた敵のパラシュートを奪うという活劇シーン。現代ならCGを使って幾らでもそういったシーンを作り上げられると思いますが、この時代はそんな技術はないですから、生身の身体を使って本当に撮影。
もちろんプロのスカイダイビングチームを使っての撮影でしょうけど、あの僅かな時間のシーンに撮影は何日も掛かったらしいです。難しい撮影でしょうから納得です。映画ではジェイムズ・ボンドのテーマが流れる中、遥か下を降下する敵を目掛けて、ボンドは出来るだけ空気抵抗を受けないように降下して行きます。
で、メインタイトルではシリーズ三回目のお務め、シャーリー・バッシーの歌声を聴く事が出来ます。本当は「OO7/サンダーボール作戦」の主題歌も担当する予定で録音も済んでいました。その録音が使われていれば、シリーズ四回の主題歌担当となっていたわけです。
ちなみにお蔵入りした「OO7/サンダーボール作戦」の主題歌は「ミスター・キス・キス・バン・バン」という歌なんですが、プロデューサーが歌詞に「サンダーボール」という言葉が入っていないという事で、作り直される事に。結果、「サンダーボール」という歌がトム・ジョーンズによって録音され、映画のメインタイトルに使われました。
お蔵入りしたシャーリー・バッシーの「ミスター・キス・キス・バン・バン」の録音ですが、拙宅にCD(廃盤)が有ります。シャーリー・バッシーらしく、とてもダイナミックな歌唱を聴く事が出来ます。今思うと、エンドタイトルに使えば良かったのに・・・と。
さて、脱線しましたが今日の映画「ムーンレイカー」、クライマックスでスペースシャトルに乗ったボンドとグッドヘッドは、ドラックス卿が米英に対し秘密裏に製造していた宇宙ステーションに潜入し、地球から応援でやって来た米軍の兵士らと共に宇宙ステーション内でドンドンパチパチ。あ、機関銃や拳銃ではなく、「スターウォーズ」で使われていたようなレーザーガンでピュンピュンと撃ち合います。(笑)
まさに「OO7/スターウォーズ」のような映画になっています。(^^;
この「OO7/ムーンレイカー」ですが、ボンドが宇宙に行く前まではそこそこ良いストーリーだったのに、という思いが私には強く、とても残念な作品ですね。
原作通り、ロンドンを攻撃する事がドラックス卿の目的だった、というストーリーだったら、それなりに評価していたのですが(おお、生意気)。要するにボンドが有り得ない宇宙なんぞへ飛ぶ事なく、ロンドン攻撃を事前に防いでメデタシメデタシ、ラストはグッドヘッドとのラヴシーン、そして「JAMES BOND WILL RETURN」で終わっていれば良かったのです。(笑)
配役について簡単に私見を。ヒューゴ・ドラックス卿を演じているマイケル・ロンズデールは敵役としてはイマイチですね。ホリー・グッドヘッドのロイス・チャイルズ、博士の肩書を持っている設定なので、頭の良い美人という感じ。殺し屋ジョーズは前作から続いての登場ですが、漫画ですね。大ヒットしたパニック映画「ジョーズ」の影響ですが、歴史あるOO7シリーズは他の作品の真似はやめて頂きたいです。
OO7/カジノ・ロワイヤル 2006年12月 日本公開
コロンビア映画、MGM映画配給
- 配役 -
ジェイムズ・ボンド : ダニエル・クレイグ
ヴェスパー・リンド : エヴァ・グリーン
ル・シッフル : マッツ・ミケルセン
M : ジュディ・デンチ
フェリックス・ライター : ジェフリー・ライト
ルネ・マティス : ジャンカルロ・ジャンニーニ
ディミトリオス : シモン・アブカリアン
Mr. ホワイト : イェスパー・クリステンセン
音楽 : デヴィッド・アーノルド
原作 : イアン・フレミング
脚本 : ニール・パーヴィス 他
監督 : マーティン・キャンベル
外出自粛なので、本家(英イオン・プロ)制作の「OO7/カジノ・ロワイヤル 」のBlu-rayを取り出して久しぶりに見ました。で、ダニエル・クレイグが登場した瞬間、「若い!」と。(^^;
当初4月公開予定だった新作「OO7/ノー・タイム・トゥ・ダイ(11月20日に公開延期)」でボンド役を降りるダニエル・クレイグですが、約13年の年月は隠せないものですね。人間、誰しも13年経てば顔つきは変わるもの。そろそろボンド役も引退時期だったのでしょう。
ところで、英イオン・プロはまだOO7シリーズを続けるのでしょうか? ハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリによって設立された英イオン・プロダクションは、イアン・フレミングのOO7シリーズを映画化する目的のために設立されたプロダクションでした。両名はすでに亡くなられており、ブロッコリの娘と娘婿によって継続されていますが、原作の全てがすでに映画化済みです。
よって、ティモシー・ダルトンの「OO7/消されたライセンス」以降、本作の「OO7/カジノ・ロワイヤル 」を除いてオリジナル脚本で映画が作られているわけですが、私にはもう「普通のアクション映画」という印象しかありません。ストーリーの面白さよりアクションの派手さで見せる映画になっているように思います。改めてイアン・フレミングの原作は面白かったなぁという思いが。
OO7シリーズの面白さは、原作を生かしたストーリーにジョン・バリーの音楽が被さってこそが私にとってのOO7シリーズなのです。
愚痴めいた事を言っても仕方ありません。(笑)
さて、本作はイアン・フレミングのOO7シリーズ全作品(小説)で唯一映画化の権利を持っていなかった英イオン・プロが、様々な経緯があって初めてイアン・フレミングの処女作を映画化する事が出来た作品です。ボンド役も前作までのピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグに変わる事もあってか、それまでのシリーズをリセットし、新シリーズとしてスタートしました。
映画のストーリーは原作を生かしておりますが、時代に合わせて脚色しています。OO(ダブルオー)という「殺人許可証」を得たばかりのボンドはプラハで英国を裏切った支局長を射殺。
その後、マダガスカルでテロ組織の爆弾密造人を追っているうちに、密造人の携帯から「ELLIPSIS」というメッセージを知る。そこには国際的武器商人が絡み、さらには世界各国のテロ組織から預かった大金でマネーロンダリングをしていたル・シッフルという男に行き当たる。しかし、ル・シッフルはアフリカのテロ組織から預かった大金をボンドによって失う事に。
ル・シッフルは失った巨額の金を稼ぐために、モンテネグロの「カジノ・ロワイヤル 」で開催されるポーカー・ゲームに参加する事に。ボンドも後を追って参加し、巨額の金を賭けた対決の結果は如何に?
OO7のナンバーを取得したばかりのボンドがMI6(エム・アイ・シックス)を辞職して結婚を考えるヴェスパー・リンド(MI6の財務担当)を演じているフランスの女優さん、エヴァ・グリーンです。正しい発音はグリーン(Green)ではなく、グレーンだそうですが、英語読みだとグリーンになるのでしょう。
OO7シリーズ登場のボンド・ガールにしては珍しく「知性を感じる美人」ですね。この人ならボンドでなくても男なら誰もが惚れそう。(^^)
さて、配役について。前作までのシリーズをリセットしたなら、ボンドの上司「M」を演じる役者さんも変えた方が良かったのでは? という感想を持っています。後の作品から登場するQやマネーペニーの役者さんもピアース・ブロスナン時代とは違うのですから。ジュディ・デンチの年齢を考慮したのか、後の作品で死なせる設定も無理がありましたし。
ボンドカーについてはアストンマーチン DBS、そしてディミトリオスの乗っている車としてアストンマーチン DB5が登場。
そのディミトリオスと出会う場所がバハマのナッソーです。OO7シリーズファンならお分かりでしょう。「OO7/サンダーボール作戦」の舞台となった風光明媚な地ですね。海が綺麗です。実に久しぶりのロケになるのですね。
お馴染みのガンバレル・シークエンスはオープニングではなく、メインタイトル直前に見られるのですが、前作までとは違い、かなりデジタイズされた画像になっており、「ええ・・・!」という印象。
ダニエル・クレイグのボンド、最初は随分違和感を感じていましたが、見慣れて来たと思ったらボンド役を降りてしまったようで。シリーズを続けるとなると、また役者探しですね。
映画のラストはMr. ホワイトを前にしてボンドが、
「The name is Bond, James Bond」と名乗るところで終わるのですが、このまま次回作「OO7/慰めの報酬」に珍しく話しが続きます。
ところで原作はすべて映画化が済んでいる事は前述しましたが、個人的にはロジャー・ムーア時代の作品をリメイクしてもらいたいと思っています。ロジャー・ムーアの作品は原作とは程遠い漫画的な作品が多かったですからね。特に「OO7/ムーンレイカー」は酷かった。ボンドが宇宙に行って宇宙ステーション内で「スターウォーズ」に負けじとレーザーガンでピュンピュン!と撃ち合うという。あまりのバカバカしさに・・・以下自粛。(笑)
「街の灯(原題 : City Lights)」1931年 アメリカ映画
- 配役 -
浮浪者 : チャールズ・チャップリン
盲目の花売り娘 : ヴァージニア・チェリル
花売り娘の祖母 : フローレンス・リー
街の富豪 : ハリー・マイヤーズ
警官 : ハリー・エイヤース 他
製作、監督、脚本、音楽、編集 : チャールズ・チャップリン
多分、どなたもよくご存知のチャップリンのサイレント映画です。ただ、この作品はサイレントですが、音楽のみ入っています。サイレント映画に拘っていたチャップリンですが、玄人筋ではチャップリンの最高傑作と評されているようです。私もこの作品は大好きです。
私が初めてチャップリンの映画を観たのは大分前、地元横浜の名画座で「チャップリン祭り」といった記念上映があった時で、週替わりで作品を替えての上映でした。観た順番まで覚えておりませんが、この「街の灯」と「ライムライト」、「モダンタイムス」が印象に残っています。
先月からNHK-BSプレミアムで毎週、チャップリンの映画が放送されておりまして、私はタイマー録画し、外出自粛要請なので自宅で見ています。
で、その放送画質ですが、どうやらデジタル修復した映像を放送に使っているようで、どの作品もその見事な高画質に大変感嘆しております。まるでつい最近、モノクロフィルムを使って撮影したのではないかと錯覚するくらい、素晴らしい画質です。古いフィルムに見られる雨が降っているかのような擦り傷が原因のノイズは皆無です。
大雑把にストーリーを記します。遊んでいる子供たちにもからかわれてしまうような街の浮浪者(チャップリン)が、偶然出会った街の花売り娘(ヴァージニア・チェリル)に一目惚れ。ところがその花売り娘は不幸にも盲目だったのです。娘が落とした一輪の花、目が見えないため手のひらで探るように探す花売り娘。
浮浪者がその花を拾って娘に渡してあげると娘は感謝の意味で浮浪者の上着の襟を探して刺してあげます。浮浪者は持っていた小銭を渡すと、娘がお釣りを用意した直後、別の男が車に乗って走り去って行く音を聞き、親切にしてくれた男がお金持ちなんだろうと勘違いしてしまうのです。時代が時代だけに、車に乗れる人は限られていたのだと思います(個人的想像)。
浮浪者はお金が入る毎に花売り娘の為に使います。花売り娘も自分に好意を持ってくれるお金持ちの男(と勘違いしている)が自宅を訪れてくるのを楽しみにしている日々が続きます。やがて、浮浪者は街で出会った泥酔した富豪にもらった大金を娘に渡し、目を手術してくれる医師を紹介。
しかし、浮浪者は無実であるのに強盗容疑で収監されてしまうのです。日は流れ、出所した浮浪者が街を歩いていた或る日、目の手術に成功し、今は花屋を営んでいる嘗ての花売り娘と遭遇する事に。今は目が見えるようになった娘は、自分に手術費用を渡してくれたお金持ちの男が再び訪れてくれるのをひたすら待ち続けています。
なので、目の前に偶然現れた浮浪者がまさかその相手だとは思いません。前にいる浮浪者を気の毒に思い、
娘は浮浪者に花を一輪どうぞと、さらには親切心で小銭を恵んであげる事に。なんという悲劇でしょう!
しかし! 恵んであげようと浮浪者の手に硬貨を握らせてあげた瞬間、目が見えない時に何度も触っていた男の手の感触が今!
そして浮浪者の上着の襟に触れて確信を。
はにかむ浮浪者。そして一言。
・・・・・。
この後、ふたりはどうなったのでしょうか?
※ 今日の画像はNHK-BSPで放送されたものを使わせて頂いております。
3月14日から京浜急行線の一部駅で駅名の変更がありました。以下の通り。
大師線 産業道路駅 → 大師橋駅
本線 花月園前駅 → 花月総持寺駅
本線 仲木戸駅 → 京急東神奈川駅
逗子線 新逗子駅 → 逗子・葉山駅
空港線 羽田国際線ターミナル駅 → 羽田空港第3ターミナル駅
空港線 羽田国内線ターミナル駅 → 羽田空港第1・2ターミナル駅
以前、産業道路駅を久しぶりに掲載しましたが、駅名が変わる前に「仲木戸駅」と「花月園前駅」も撮影しておきました。
こちらの駅名は大分昔、「花月園遊園地」が在った事からの駅名のようです。その後、遊園地の跡地に出来たのが「花月園競輪場」。花月園競輪場が在った事は知っていましたが、その前に遊園地が在った事は今回調べてみて初めて知りました。
2010年3月31日付で競輪場は廃止されています。ですから、競輪場が廃止された後も「花月園前」という駅名は10年続いていた事になります。
花月園前駅の踏切です。JR線が並行して走っています。
踏切前から左を見ると、花月園前駅のホームがこのように見えます。
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