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2020年6月27日 (土)

OO7/リビング・デイライツ

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OO7/リビング・デイライツ

(原題 : THE LIVING DAYLIGHTS)1987年12月 日本公開

英イオン・プロ制作 MGMユナイト映画配給

- 配役 -
ジェイムズ・ボンド : ティモシー・ダルトン
カーラ・ミロヴィ : マリアム・ダボ
ゲオルギ・コスコフ : ジェローン・クラッベ
ブラッド・ウィティカー : ジョー・ドン・ベイカー
レオニード・プーシキン : ジョン・リス=デイヴィス
ソーンダース : トーマス・ウィズリー
フェリックス・レイター : ジョン・テリー
M : ロバート・ブラウン
Q : デスモンド・リュウェリン
マネーペニー : キャロライン・ブリス

主題歌 : a-ha
音楽 : ジョン・バリー
原作 : イアン・フレミング
脚本 : リチャード・メイボーム、マイケル・G・ウィルソン
監督 : ジョン・グレン

前作までのボンド役、ロジャー・ムーアの後を引き継いで抜擢されたのは英国でシェークスピアなどの舞台俳優として活躍していたティモシー・ダルトンです。ロジャー・ムーアのボンドを私はまったく評価していない(おお・・・生意気)のですが、ティモシー・ダルトンは良かったですね。愛想は感じられませんが、スパイとしての冷徹さを感じますし、或る意味ショーン・コネリー時の緊張感みたいなものが映画から感じる事が出来ます。

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後のボンド役、ピアース・ブロスナンの抜擢を考えていたものの、当時ブロスナンはテレビドラマ「探偵 レミントン・スティール」で主役を演じており、ブロスナン自身はボンド役を受けたかったものの、テレビ局側が契約が残っているとブロスナンを手放さなかったそうです。で、オーディションの結果、ティモシー・ダルトンに決定。そのオーディションで演技テストの相手役を務めていたマリアム・ダボがそのままボンド・ガールとして出演する事に。

映画はまだ東西冷戦時だった時代のストーリー。ソ連の政府高官であるコスコフ将軍がソ連の重要機密を持って英国への亡命を希望しており、亡命については援助協力にボンドを指名していた。東側チェコスロバキアのブラティスラヴァでのボンドの任務は、コスコフの亡命を援助し、コスコフを狙うKGBのスナイパー(狙撃手)を射殺する事であった。

何やら「ロシアより愛をこめて」でタチアナ・ロマノヴァの亡命をボンドが助けるストーリーと似ていますが、原作の小説では東側の重要機密を持って東ベルリンから東西を仕切る壁を乗り越え、西ベルリンに脱出して来る同僚の英国情報員を守るため、東側のスナイパーを射殺せよという任務の短編です。小説はボンドシリーズの短編を集めた本に収録されており、その本のタイトルは「Octopussy and The Living Daylights」です。

OO7シリーズファンならお気づきだと思います。短編集のタイトルを二つに分け、「Octopussy」と「The Living Daylights」というタイトルで二本の映画が作られたわけです。ロジャー・ムーア時代に「オクトパシー(Octopussy)」という作品がありますね。

ところで「The Living Daylights」って、日本語にしたらどういう言葉が適切なのか私はずっと分からなかったので、或る時、日本に住んで何年も経っているアメリカ人女性に訊いてみました。『映画に「The Living Daylights」というのがあるのだけど、このタイトルを日本語に置き換えたらどういう言葉が適切?』と。

そうしたら彼女はしばし考え、右手の拳を左手の掌にパチンとぶつけ、「こういうふうにビックリする事ね。予期しない衝撃的な事にビックリする事」と申しました。

それを聞いて私は納得しました。(笑)
映画でボンドが東側のスナイパー(女性)を射殺しようと、ライフルのスコープを覗いた際、この女は本物のスナイパーではないと直感し、ボンドは女が構えていたライフルを撃ち抜くのです。

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任務を終えて戻る車中、オーストリア支局のソーンダースがボンドに「女だから、わざと外したな。Mには報告するからな」と言うと、ボンドは「プロ以外は殺さない主義でね。あの女は素人だよ」「あの女は死ぬほど驚いたはずだよ」と。

このシーンに映画のタイトルが反映されているのです。

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映画は原作の短編をプロットとして、そこからストーリーは大きく広がって行きます。さすがに長年シリーズの脚本を担当しているリチャード・メイボームの手腕が生かされていて、シリーズの中でも優れた作品のひとつだと私は思っています。

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本作品でカーラ・ミロヴィというボンドガールを演じているマリアム・ダボ、英国出身の女優さん。この映画出演で知られた後、雑誌でヌードなどを披露したそうですよ。チェリストの役柄で、英国に亡命したコスコフがパトロンであり恋人でもあるのです。このシーンはウィーンですが、ウィーンの綺麗な風景が劇中で見られます。庭園に流れるシュトラウスのワルツの調べに乗ってダンスに興じる人たち。その横を馬車に乗ったボンドとカーラが通り過ぎます。あぁ、行ってみたい・・・(^^)

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武器商人のウィティカーを演じているジョー・ドン・ベイカー。本作品ではボンドの敵役を演じていますが、後にピアース・ブロスナンがボンドを演じた「ゴールデンアイ」と「トゥモロー・ネバー・ダイ」の二本でボンドを補助するジャック・ウェイド(米国海軍)を演じており、その二本ではなかなかユニークなキャラクターでした。(^^)

音楽はジョン・バリーが担当していますから、どのシーンでも画面にピッタリの音楽が流れて来ます。しかし、主題歌を担当したバンド、a-haと意見の対立(アレンジ面で)が激しかったそうで、ジョン・バリーはこれに嫌気が差し、以後シリーズの音楽担当から離れてしまったのです。私はOO7シリーズが世界的に大ヒットした一因として、ジョン・バリーの音楽が大きく貢献していたと思うのです。

誰でも知っているあの「ジェイムズ・ボンドのテーマ」、映画のクレジットでは第1作「OO7/ドクター・ノオ」の音楽を担当したモンティ・ノーマンの名前が未だに映画のメインタイトル中にクレジットされていますが、実際は当時まだ無名だったジョン・バリーが作曲しています。所謂ゴーストライターという事です。これはジョン・バリーが日本でコンサートを開くために来日した際、記者会見で本人の口から言われています。

確かに「OO7/ドクター・ノオ」の音楽を聞いてみれば誰でも簡単に分かります。ジェイムズ・ボンドのテーマとそれ以外の音楽は別物です。ジェイムズ・ボンドのテーマ以外、モンティ・ノーマンの手による音楽は実につまらないですから。(^^;

プロデューサーもジョン・バリーのセンスを認めたのでしょう、第2作以降はジョン・バリーに音楽を任せるようになりましたから。ただ、第7作「OO7/ダイヤモンドは永遠に」の後、しばらくは一作おきに担当。で、第13作から第15作(本作品)まで連続したものの、前述した一件を理由にシリーズから離れてしまったわけです。ファンとしてはとても残念です。

ジョン・バリー担当以外の作品、音楽は実に面白くないです。これはハッキリと申します。まぁ、あくまで私自身の好みの問題ですが。ただ、ジョン・バリーが担当していない作品でも、主題歌だけは良いのが何作かありますね。(^^)

という事で、本作品はシリーズ中でも出来の良い作品なので、ご覧になってないのであれば是非に。当時、ソ連のアフガニスタン侵攻が世界で問題になっていたようですが、映画はそれを上手く利用しています。

※ 劇中画像は今回も市販のBlu-rayソフトから使わせて頂いています。

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コメント

ウィーン舞台でしたね、今年4月は飛行機が飛ばずキャンセルになって残念です。
BSのトラムの番組でウィーンを見ています。来年の予約を入れて捲土重来です。
SIGMAの100-400がDNバージョンがでるので予約しました

roxanne6さん、おはようございます。
今年はコロナ禍で外へ出られなくなりましたからね。
来年、ウィーンですか。羨ましいです。是非、国立歌劇場でオペラを。(^^)
SIGMAのミラーレス用100-400は一眼レフ用より光学性能が上がっているらしいですね。

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