スーパー・アナログ・ディスクの楽しみ(6)
ポピュラー・コンサート
ハンス・クナッパーツブッシュ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キングレコード K38C-70039
ワーグナー指揮者として有名なクナッパーツブッシュが、なんとチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」組曲やシューベルトの「軍隊行進曲」といった、通俗名曲を録音した一枚です。
前回ご紹介した「ウィーンの休日」もそうですが、不器用に指揮した感じがなんとも微笑ましい演奏でもあります。
ですが、ニコライの歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲などは名演です。CDでも発売されていますので、是非一度お聴き頂きたいです。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番 ト長調
フリードリッヒ・グルダ(ピアノ)
ホルスト・シュタイン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キングレコード K38C-70021
これはもう、極め付きの名演です。私にとってこの曲のベストワンでして、今迄何十回聴いて来たか分からないほど。
以前、「私の愛聴盤」で協奏曲全集をご紹介し、本コーナーでも「皇帝」をご紹介していますが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集ではグルダとシュタインの演奏を第一としています。日本ではあまり人気のない指揮者ですが、その指揮ぶりが信じられないほど全5曲とも実に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
オケがウィーン・フィルというのもファンとしては嬉しい組み合わせです。第一楽章、従来の協奏的ソナタ形式をぶち壊すように第一主題が独奏ピアノで奏せられた後、弦楽器が静かに主題を引き継いでいくところなど最高です。
第二楽章冒頭の弦楽器もまた素晴らしい。ここはシュタインの見事な指揮ぶりに感嘆! グルダのピアノ、シュタインの指揮、ウィーン・フィル、三者が見事に演奏解釈で合致した事による超名演。何度聴いても飽きません。
ニュー・イヤー・コンサート 1977
ウィリー・ボスコフスキー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キングレコード KIJC-9188
「ニュー・イヤー・コンサート 1977」とタイトルが付いておりますが、毎年元旦に開催されているコンサートのライヴ録音ではありません。スタジオ録音です。
シュトラウスファミリーのワルツが大好きだという事は拙ブログで何度も申しておりますが、そのワルツで感銘を与えてくれる指揮者が三人おります。前回も申しましたがカルロス・クライバーとカラヤン、そしてボスコフスキーです。ボスコフスキーは英デッカに沢山のワルツとポルカを録音しています。それらの録音、私にとっては何度も愛聴している大切な録音集であります。
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第30番・32番
ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
キングレコード 360R-56011
ベートーヴェン最後のピアノ・ソナタ第32番、私の大好きな曲です。バックハウスと同じドイツ人ピアニストのケンプの演奏も名演ですが、このバックハウスの演奏も堂々としていて、スケールの大きな演奏です。
今更私が蘊蓄をグダグダと述べる必要はありませんですね。(笑)
そういえばバックハウスのピアノ・ソナタ全集のCDを私は持っていたのでした。しかし、もう10年くらいになるか、ピアノを習っている後輩(仕事上)の女性からベートーヴェンを聴いてみたいと言われ貸してあげたのですが、そのCD BOXはとうとう返って来ませんでした。今日の記事を書いていて思い出しました。(^^;
ヴィヴァルディ/合奏協奏曲集「四季」
ウェルナー・クロツィンガー(独奏ヴァイオリン)
カール・ミュンヒンガー 指揮
シュトゥットガルト室内管弦楽団
第一家庭電器(キングレコード)DOR-0172
実はこのレコード、つい最近聴いたばかりなのです。(^^;
第一家庭電器でカートリッジを購入した際、景品として頂いたレコードなのですが、指揮者がミュンヒンガーという事で聴く事をせずにレコードラックに入れたままになっていたのです。ですから、最近取り出すまでレコードには一度も針を通していなかったのです。
三年ほど前から手持ちのレコードとCDを大量に処分しておりまして、その整理の時に「あ、こんなレコード持っていたんだ」と気が付いたわけです。
「四季」かぁ・・・と思いながらも、試しに一度聴いてみるか・・・と、ようやくこのレコードに針を落とす事になりました。そうしたらまぁ・・・良い演奏ではないですか。昔、有名なイ・ムジチ合奏団の演奏で聴き飽きていたヴィヴァルディの「四季」でしたが、久々に新鮮な気持ちでミュンヒンガーの演奏を聴く事が出来ました。
「食わず嫌い」ならぬ「聴かず嫌い」はやはりダメですね。所持している事すら忘れていたレコードでしたが、思わぬ名演に出遭って今は無い、第一家庭電器さんに感謝です。
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