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2020年7月24日 (金)

これこそ、超・・・超弩級

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TechDAS Air Force Zero(ベルト・ドライヴ)

定価 ¥45,000,000(チタン製トッププラッター・税別)重量 470kg
定価 ¥50,000,000(タングステン製トッププラッター・税別)
写真のトーンアーム、カートリッジは別売

ハイエンドオーディオ、ここまで来たか・・・という感じです。これ、アナログレコードを再生するためのレコードプレーヤーなんです。定価の表示、決してゼロの数を間違えているわけではありません。基本セットで税別4千5百万円です。トーンアームを装着する前の重量が470kgもあります。(^^;

現在、ハイエンドオーディオと言われる分野の製品は「富裕層」を対象にして価格設定をしています(少なくとも私はそう思います)。女性が好むバッグや洋服のブランド品、明らかにボッタクリ価格ですよね。しかし、そうした憧れだったブランド品を購入する事によって、或る意味自己満足の世界に入れるわけです。他人がどうこう言う問題では有りません。

オーディオの世界もいつの間にか、そうなってしまいました。それなり(適正と言って良いでしょうか)の価格のオーディオ製品で音楽を聴く人がめっきり減りました。一時は家電メーカーでさえ参入していたオーディオ機器製造から撤退するメーカーが相次いでしまい、今はもう死に体の世界になっています。

オーディオ機器の主流であるスピーカーとアンプの分野、嘗ては米国が本場とも言える状況でした。スピーカーではJBL、アンプではMcIntosh、両社の製品はオーディオに関心を持っている人たちにとって、ブランド品に憧れる女性たちと同じ気持ちだったわけです。スピーカー分野では英国のタンノイもあります。

しかし、JBLもMcIntoshも凋落の一途で、JBLは韓国のサムスン電子の子会社グループに、McIntoshも今はイタリアの持株会社に買収されています。元々海外のオーディオメーカーは個人経営に近い状態で立ち上げられていましたから、オーディオ不況の波は直撃するようです。英国タンノイも例外ではなく、現在は他国の企業グループに買収されています。

オーディオ界、そういう状況ですから「薄利多売」には縁がなく、「暴利少売」に変化しているわけです。オーディオ機器の価格ですが、6桁の金額なんていうのは入門機の部類です。富裕層相手の現在では7桁がまぁまぁ高級機器、7桁と言っても8桁に近い7桁でしょうか。本当の意味(?)での高級オーディオ機器はもう8桁が普通になっています。(笑)

ですが、価格と中身が一致しているようなオーディオ機器って、案外少ないように思います。英国L社は日本でも人気のメーカーですが、私からしたらこのメーカーの製品はどれも完全なるボッタクリ価格に感じています(個人の感想)。

ですが、購入した人たちが音を聴いて満足されているなら外野がとやかく言う事ではありません。先日、図書館から15年前のハイエンドオーディオ専門誌「STEREO SOUND」を借りて来て読んでいたら、同誌を代表するオーディオ評論家、故菅野沖彦氏が海外の高級機器についてバッサリと物申していて、気持ちが良かったです。現在、同誌で執筆している評論家諸氏は輸入業者と癒着(噂ですが)しているせいか、どの製品に対してもヨイショ記事しか書いていません。

借りた号の特集はソフトの発売から6年経っているSACDを再生するための、SACDプレーヤー試聴記の特集でした。7桁価格の海外製各SACDプレーヤーに対し、菅野沖彦氏は価格にまったく見合わない作りである事を糾弾しています。この点は私もオーディオショーなどで海外製品を見る度に思っている事で、「よくこんな作りの物に何百万円も出す人がいるものだ」と。菅野沖彦氏の記事を読んで「我が意を得たり」と、ほくそ笑みました。(笑)

余談ですが、大分前に2万円ほどのパイオニア製DVDプレイヤーの中身を自社の筐体に入れ、140万円のDVDプレイヤーとして発売していたスイスのゴールドムンド社のボッタクリ製品を話題にした事がありました。前述のSTEREO SOUND誌には、またまた安価なパイオニア製ユニバーサルプレーヤーのメカを積んだゴールドムンド社製SACDプレーヤーの試聴記が掲載されています。価格は税抜きでなんと350万円。で、STEREO SOUND誌お抱えの評論家、Y氏は絶賛していました。まぁ、音の好みは人それぞれなので。(笑)

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昨秋のオーディオショーにて

で、この4千5百万円のアナログレコードプレーヤーです。まさに「超弩級」という言葉がピッタリだと思います。ちなみにこれはTechDASという日本のメーカー製です。大分前に畳んでしまいましたが、アナログレコード関連の機器を製造販売していた「マイクロ精機」に在籍していた方が造り出したアナログプレーヤーなんです。

マイクロ精機は重いターンテーブルを糸やゴムベルトで回転させる重量級の組み合わせ式プレーヤーを発売していました。実は私も以前、金色に輝く9kgの砲金製ターンテーブルを糸でドライヴするプレーヤーを使っており、ターンテーブルの周りには3本のトーンアームをセッティングし、いろいろなカートリッジの音色を楽しんでいました。そのアナログレコードプレーヤーがマイクロ精機製でした。

さて、今日ご紹介のAir Force Zeroですが、プラッター(レコードを載せて回転するターンテーブルの事)だけで101kgもあります。異種金属を5層に重ね合わせての重量だそうです。異種金属を組み合わせているのは金属製プラッターの「鳴き」による、音への影響を押さえ込むためです。異種金属を組み合わせる事によって共鳴を無くしているわけですね。

しかし、基本セットでも470kgです。置き場所、下はコンクリートなどで固めないと床が抜けるでしょう。(^^;

こうした製品を購入される方、ただの富裕層ではなく、「超富裕層」でしょうね。それこそ香港や台湾の大金持ちとか。何台か受注が入ったそうですから。

セッティングも大変そうですね。470kgをいっぺんにセッティングするわけではないですが、個々のパーツの重量もそれなりにありますから何人もの人たちでセッティングするのでしょう。でも、所有者(それなりに高齢でしょうから)が万が一の時、残された家族は処分に窮するのでは。あ、余計な事ですが。

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昨秋のオーディオショーにて

TechDAS Air Force One(ベルト・ドライヴ)

定価 ¥7,000,000(税別)

TechDASの製品第1号のAir Force Oneです。「エア・フォース・ワン」というネーミング、米大統領が搭乗するジェット機のコールサインですね。

Air Force Oneは前述した評論家Y氏がお使いです。Y氏はフォノイコライザーアンプにスイスのHSEスイス製 Masterline 7という製品を導入されていますが、その製品の価格が870万円(税別)。恐ろしいですねぇ。その他の機器も含めますとオーディオ装置だけで数千万円になりますから、溜息が出ます。オーディオ評論家って、皆さん富裕層の方々なんですね。(^^;

この後、Air Force Two(副大統領機のコールサインと同じ)が発売され、さらにAir Force III、Air Force Vと順次発売されているようです。Air Force Vはかなりコンパクトに作られており、価格も僅か¥1,150,000(税別)です。安いですね。買えないくせして4千5百万円、5千万円という価格の後では激安に錯覚してしまいます。(笑)

Air Force Zero、さぞかし素晴らしい音を聴かせてくれるのでしょう。一度、聴いてみたいものです。

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コメント

 こんにちは。

 音の世界、高額になりがちですが、今日のは驚愕レベルです。
 ・・・それほど高額てなくていいのですが、Tannoyのスピーカーとそれを鳴らすことができるシステム・・・いつか実現したいものです。

fujileica(pyosida)さん、こんにちは。
今日のアナログプレーヤーの価格は常軌を逸していますね。
例え、販売対象者が一般人でないとはいえ。
ハイエンドオーディオの世界も、そう遠くないうちに崩壊すると思います。
タンノイは私も憧れでした。

お好きにどうぞ^^ゞ、、、の世界なんですが、こりゃ常軌を逸してますね。
20代の頃に当時の物価で30万円程度のセットがバランスが良い、と専門誌で言われており、それなら!と思ったのを思い出します。
しかし、この価格が強烈なバイアスで、ちゃんと判断できないかも^^;;;

ROCKSさん、こんばんは。
本当にお好きにどうぞの世界ですね。
この超弩級のプレーヤーですが、昨年度「STEREO SOUND」誌が選ぶステレオサウンドグランプリ2019に選出されています。
・・・ですが、なんだかなぁ・・・と思います。STEREO SOUND誌もこのままの路線で進むと、休刊への道へひたひたと近づいて行くような気がします。
あ、私はもう大分前から自費購入はしていません。お金を払ってまで読みたいと思わなくなったからですが。(^^;

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