ベートーヴェン生誕250年(4)
ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第4番、第5番「春」
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
1987年3月、ベルリンにて録音
独グラモフォン 4794647(CD)
とても面白い演奏です。面白いという表現は適切ではないかもしれませんが、一般的なヴァイオリン・ソナタという曲想とは違い、まるでヴァイオリンとピアノの対決を聴いているかのような演奏なのです。
丁々発止という言葉は、まさにこのような演奏に当て嵌まるのではないでしょうか。普通、ヴァイオリン・ソナタと言えばピアノはヴァイオリンの伴奏的役割と捉え、そうした演奏をするピアニストが多いですが、ここでのアルゲリッチは全く正反対。
「主役はアタシよ。ヴァイオリンは伴奏なの」とでもアルゲリッチが言ってるかのようで、ヴァイオリンとピアノは対等というより、クレーメルのヴァイオリンが地味に聴こえてしまいます。クレーメルも個性的なヴァイオリニストとしてクラシック音楽界では知られていますが、何故かここでは実に大人しく聴こえます。二人の勝負はアルゲリッチに軍配という感じです。(笑)
この演奏が私は大好きで、繰り返し聴いて来ていますので、当初は「私の愛聴盤」で採り上げようかと思っていたのですが、曲がベートーヴェンという事もあり、引き続き「ベートーヴェン生誕250年」でご紹介させて頂きました。
クレーメルとアルゲリッチはヴァイオリン・ソナタを全曲録音しておりまして、他の曲も非常に興味深い演奏が聴けます。上記のCD番号は独グラモフォンが自社の全録音と蘭フィリップス、ルガーノ音楽祭の録音を纏めた全48枚のCD BOXになります。
つい最近、NHK-BSでアルゲリッチ(アルゼンチン出身)さんのドキュメンタリーが放送されました。撮影はアルゲリッチさんの長女(プロの映像作家)でして、非常に興味深いドキュメンタリーでした。結婚は三回しているものの、いずれも籍は入れてなかったとの事。指揮者のシャルル・デュトワさんと別れたのはデュトワさんがヴァイオリニストのチョン・キョンファさんと浮気した事が原因だそうです。
今は長い髪もさすがに白くなっていますが(現在79歳)、映像のところどころで見られた、タバコを雑に吸っている姿は見たくなかったなぁ・・・ファンとしては。(^^;
以上、余談でしたが、ヴァイオリンとピアノがお好きな方は是非お聴きになってみてください。
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