« ヤマゲラ君を・・・ | トップページ | 猛暑日に »

2020年9月11日 (金)

ベートーヴェン生誕250年(5)

4478

ベートーヴェン/交響曲全集

グレ・ブラウエンステイン(ソプラノ)
ケルスティン・メイエル(コントラルト)
ニコライ・ゲッダ(テノール)
フレデリック・ガスリー(バス)
聖ヘドヴィヒ教会合唱団

アンドレ・クリュイタンス 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1957年12月〜1960年3月、ベルリンのグリューネヴァルト教会にて録音

TOWER RECORDS TDSA-1/5(SACDハイブリッド)

また交響曲全集のご紹介です。タワーレコードさんが「2点購入すると2割引」というセールをしていた時に購入しました。BOX物の2割引は大きいので。(^^;

半世紀以上前、ステレオ初期の録音ですが、カラヤンが前任のフルトヴェングラーから引き継いでベルリン・フィルの音楽監督に就いた頃でして、カラヤン自身はまだベルリン・フィルとは交響曲全集を録音していない時期にあたります。調べてみるとカラヤンがドイツグラモフォンと契約を交わし、ベートーヴェンの交響曲全集を録音したのは1961年から1962年にかけてです。

クリュイタンスの録音時はまだまだフルトヴェングラー時代の楽員が多く在籍していたでしょうから、カラヤンイズムが浸透する前のベルリン・フィルを聴く事が出来ます。解説によるとベルリン・フィルが一人の指揮者でベートーヴェンの交響曲全集を完成させた最初の録音だそうです。

ベルリン・フィルの最初の全集録音がドイツ、オーストリア系の指揮者ではなく、ベルギー出身で主にフランスで活躍していた指揮者で行われた事が興味深いです。で、タワーレコード さんの解説によると、仏パテ=マルコニー(仏EMI)社が独エレクトローラ(独EMI)社を通じてベルリン・フィルに提案し、完成された録音との事。

解説を読んで成る程と思いました。クリュイタンスは仏EMIにフランスの作曲家作品を多く録音し、評判が良かったようですから、そこで仏EMIがクリュイタンスでベートーヴェンを考えたのでしょう。

クリュイタンスのベートーヴェンは「田園」だけ聴いた事がありましたが、他の8曲は今回初めて聴きました。何故「田園」だけ聴いていたか。

クラシック音楽を聴き始めた十代の頃、音楽雑誌の「名曲名演奏」を紹介する特集などで「田園」の項を見ると、先ず挙がるのがブルーノ・ワルター指揮/コロンビア交響楽団、そしてアンドレ・クリュイタンス指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でした。選者がお歳を召した音楽評論家や音楽学者が多いので、必然と往年の指揮者による古い録音が中心になるのも無理ないわけです。

その紹介で私はクリュイタンスの「田園」を知り、後年廉価盤で発売されていた盤を購入してみました。聴いてみると確かに良い演奏です。「田園」で私が最高の演奏として挙げるカール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を知った大分後でしたけど。

それなりの時を経て、初めて私はクリュイタンスの全集を聴いたわけですが、往年のドイツ、オーストリア系の指揮者で聴く、自分にとってはまさに正当的解釈のベートーヴェンという印象です。ベルギー出身とは言ってもベルギーはドイツと隣り合わせの国ですから、ドイツ、オーストリア系の指揮者と演奏解釈が似ていても何ら不思議はないですね。

「田園」が名演奏なのは前述の通りですが、「運命」もなかなか良かったです。第一楽章のところどころに現れる、例の有名なジャジャジャジャーン♪という運命動機の扱い方が大変上手く、「運命」を堪能しました。

比較的落ち着いたテンポをとるクリュイタンスですが、「英雄」の第一楽章は速めのテンポで推進力を感じる演奏です。自分の好みとは若干ズレはあるのですが、ベルリン・フィルの合奏能力が素晴らしいですね。

第九交響曲の第一楽章も落ち着いたテンポで、ここも名演。各曲、各楽章をあまり事細かに書き記しますと長くなりますので止めておきますが、つくづくベートーヴェンの交響曲は往年の指揮者による演奏が自分好みだという事を再認識。と言うより、現代の指揮者でまともにベートーヴェンを振れる人がほとんどいないという事なのです(おお生意気)。

以前ご紹介したアンドリス・ネルソンスは例外中の例外かもしれません。演奏様式も時代時代で変化するものだとは思いますが、奇を衒うような演奏が最近は多いので、今日ご紹介のクリュイタンスのような演奏に出会うとホッとするのも確かです。

« ヤマゲラ君を・・・ | トップページ | 猛暑日に »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ヤマゲラ君を・・・ | トップページ | 猛暑日に »