ベートーヴェン生誕250年(6)
交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」(1962年3月録音)
ベートーヴェン/交響曲全集より
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ヒルデ・レッセル=マイダン(メゾ・ソプラノ)
ヴァルデマール・クメント(テノール)
ワルター・ベリー(バス)
ウィーン楽友協会合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1961年12月〜1962年11月、ベルリン、イエス・キリスト教会にて録音
ドイツ・グラモフォン(96kHz/24bit ハイレゾ音源)
ベートーヴェン生誕250年シリーズの記事、最後は私にとって格別な意味のあるカラヤンの「運命」をご紹介させて頂きます。
カラヤンはレコード録音として4回ベートーヴェンの交響曲全集を録音していますが、今日ご紹介の録音は2回目、ドイツ・グラモフォンと契約後の1961年から1962年に1年かけて録音した最初のステレオ録音からの「運命」です。
何故その「運命」なのか?
私がまだ17歳だった時です、初めて購入したクラシックのレコードがカラヤンの「運命」「未完成」をカップリングした一枚だったのです。当時、クラシック音楽の知識はほとんど無く、指揮者についてはカラヤンだけは名前を知っていました。最初に「運命」を聴きたいと思っていたので、必然とカラヤンの「運命」となったわけです。
高校生の頃、夏休み、冬休み、春休みと、私はステレオ欲しさに同じ木工所(東芝テレビのキャビネット製造)でアルバイトをしていました。で、三年生になる前の春休み、アルバイトが終わった後に足りない金額を父が補填してくれたため、念願のステレオが手元に来たのです。嬉しかったですねぇ!
ステレオシステムが来る前からクラシック音楽に少し関心があったのですが、ステレオが来たら良い音で聴きたいと思っていましたので、迷う事なくカラヤンの「運命」を購入したわけです。
学校帰り、横浜駅西口のレコード店で初めて購入したクラシック音楽のレコード。帰りはワクワクしながら帰って来た事を今も覚えています。そして、帰宅してから初めて聴く「運命」の全曲。
ジャジャジャジャ〜ン♪ ジャジャジャジャ〜ン♪
誰もが知っているお馴染みのメロディを聴いた途端、私は全身に鳥肌が立って来ました。クラシックのオーケストラによる全合奏って凄い!
私は全く退屈する事なく全曲を聴き終え、大きな感動を覚えたものです。続いて裏面、シューベルトの交響曲第8番「未完成」です。劇的な「運命」と違い、静的で落ち着いたテンポによる曲想にこれまた感銘を受け、以後私はクラシック音楽に完全にハマる事になってしまったのです。
たった一枚のクラシックレコード。当時私は繰り返し繰り返し聴いていました。ジャケットに記載されていた「運命」全四楽章、各楽章の演奏時間は、今もすらすらっと言えます。そんなくだらない事、だから何だ! と言われそうですが、各楽章の演奏時間をも覚えてしまうほど繰り返し聴いていたという事なんです。数十回・・・多分、五・六十回以上という回数だと思います。
ちなみに「運命」「未完成」というカップリングは日本独自の発想によるものらしいですね。他ではメンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をカップリングしたレコードも日本独自。クラシックファンはこれを「メンチャイのコンチェルト」って言ってます。(^^)
さて、一応今日は交響曲全集でご紹介しておりますが、私がこの全集のレコードを入手出来たのはずっと後年、社会人になってからです。以前触れた事がありますが、クラシックを聴くようになってからレコード、コンサート、テレビ、FMと、いろいろな指揮者でベートーヴェンの交響曲を聴いて来ましたが、何故か第2番だけはイマイチ感動を受けなかったのです。
ところが、カラヤンのこの全集をようやく入手出来、第1番から聴き始めたわけですが、第2番を聴いてようやくこの曲の素晴らしさを知ったのです!
ですからカラヤンの「運命」でクラシック音楽に開眼し、カラヤンの第2番で初めてこの曲に感銘を受けたわけで、当全集は私にとっては記念碑的全集として、忘れられません。
現在はダウンロード購入したハイレゾ音源が手元にあります。CDやSACDでも発売されておりますので、よろしければお聴きになってみてください。
今日は個人的な思い出話になってしまいましたが、ご容赦。(^^;
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