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2021年1月29日 (金)

シュアー M44G の事

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SHURE M44G(生産完了)

適正針圧 : 0.75g〜1.5g
出力電圧 : 6.2mV
再生周波数 : 20〜19,000Hz
自重 : 6.7g
針先形状 : 円錐

以上、SHURE社カタログより

雑誌「STEREO(音楽之友社)」の編集者から現在はフリーのオーディオライターになられている田中伊左資氏が最近、あちらこちらで記事にされていらっしゃるレコード用カートリッジ、米SHURE社のM44Gについて今日は私感を。尚、2018年だったかSHURE社はレコード用カートリッジの生産をすべて完了(交換針含む)した事をアナウンスしています。

SHURE(以降、シュアー)のカートリッジはV-15 Type IIIとM44Gの2個所有していました。「いました」と過去形で書いているのは昨年V-15 Type IIIはすでに売却しているからです。V-15 Type IIIはシュアーを代表するカートリッジとして人気があり、東北・一関のジャズ喫茶「ベイシー」のマスターが長年愛用されている事でも有名ですね。

私も長年持っていたのですが、音色がどうも自分好みではないので使用機会が実に少ないカートリッジでした。後年シュアーはV-15 Type III用のMR(マイクロリッジ)針を発売しましたので、MR針に替えてみたのですが、やはり自分にはイマイチ。カートリッジなんて消耗品と思っていたので中古を扱うオーディオショップでも買取はしないと長年思っていたのですが、ダメ元でお店に尋ねたら「買い取りますよ」との事。

面倒くさがり屋ですからオークションに出す事など考えもせず、オーディオショップに十数個のカートリッジを買い取ってもらいました。その中にV-15 Type IIIも入っていたのです。ですが、M44Gは手元に残しました。何故か?

V-15 Type IIIのすっきり爽やかな音に比べ、M44Gの少々ヤンチャな音がジャズにピッタリなのです。DENONのDL-103(売却済み)などもジャズに向いているのですが、気楽に使えるMM型というところがM44Gの良いところでもあるのです。なので、M44Gは手元に残して今も愛用しています。

前述したようにまとめて売却する前はいろいろ持っていましたので、M44Gの出番もそうそうなかったため針は磨耗していません。ですが、ダンパーはゴム製ですから経年変化で硬化しているかもしれないと思い、交換針を購入する事に。

ですが、生産完了のアナウンスの後、シュアー純正針はプレミア価格に高騰(カートリッジ本体も)。そういうモノを購入するのはなんだかなぁ・・・と、JICO(日本精機宝石工業株式会社)製の互換針を昨年購入しました。

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JICO社製、交換針を装着

カメラの交換レンズもサードパーティ製(シグマ、タムロン等)が多種多様に発売されていますが、レコード針も老舗ナガオカ社始め、複数の企業から発売されているようです。なかでもJICO社は1個から注文を受け付けているらしく、音色もオリジナルに極力近付ける努力をしているそうです。

で、購入したのが上記写真のJICO製交換針。冒頭写真のオリジナル針と聴き比べてみました。オリジナルの音色に近付ける努力をしていると言うだけの事はあります。確かにオリジナルに非常に近い音を出しています。神経を集中して聴き比べると僅かに、それもほんの僅かJICO製交換針の方が高域部分でオリジナルよりおとなしいかな? という感じです。

何より互換針と聴き比べた事によって、心配していたシュアーオリジナルの方も全く問題なく使える事が分かった事。ダンパーの硬化を心配していたわけですがトレーシングも問題なく、まだまだ大丈夫そう。

さて、田中伊左資氏はあれこれカートリッジを使って来たが、カートリッジはM44Gに尽きる、と雑誌記事やご自身の本で書き綴っており、今やM44Gはすっかり有名になっているようです。

M44Gはシュアーのカートリッジの中でも安価でした。私が購入した時は確か5千円(勿論新品)でお釣りが来たはず。ですから気軽に使えますね。もっともディスコンになってしまいましたから、欲しい方は流通在庫を探す必要がありますけど。Amazonで検索したら、何と3万5千円とか3万7千円の価格になっています。アホらしい!

ところでJICO社がM44G他、シュアー用交換針で変化球を投げて来ました。何と木製のカンチレバーで交換針を発売したのです。「黒柿」とか「牛殺」という名称の交換針です。この名前は実際に存在する樹木らしく、どちらも大変な人気であっという間に完売したそうです。これも田中伊左資氏が雑誌で記事にしたからですが。

御多分に洩れず私も「牛殺」を使ってみたくなり、JICO社のwebを見ましたらやはり在庫切れです。針の形態はオリジナルの円錐針と違い丸針ですから、音に興味が湧きます。木製カンチレバーで丸針、面白そう。(^^)

更なる使いこなしではM44Gのハウジングを交換するという事も記事にされております。オルトフォンのSPUもオリジナルのシェルを外し、中のカートリッジ本体だけを取り出して装着出来る専用のシェルがサードパーティから発売されていたりしますが、そこまでやると別のカートリッジを使う事と変わらなくなりますから、さすがに自分は・・・。

それと、田中伊左資氏が聴かれる音楽はロックオンリーなので、私の好みと合うかどうかですね。

という事で、今日は今話題のシュアーM44Gを取り上げてみました。

余談ですがシュアー社はM44-7というカートリッジも発売していたのですが、M44Gとは兄弟機でして軽針圧のM44Gとは対照的な3gが標準で、太めの音です。ボディは共通なのでボディ1個あれば針の交換だけでM44GにもM44-7としても使えます。私もM44-7用のシュアーオリジナルの交換針を持っているのですが、全然使っていません。(^^;

2021年1月28日 (木)

運河の光景

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今年(今月)に入ってカメラを持ち出したのは僅か二回。

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そのうちの一回が今日の写真です。

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お馴染みと申しますか、自分の好きな運河の光景。

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以前もここへは年一、二回訪れると申しておりますが、早くも今年初の訪問となりました。

緊急事態宣言下、用もないのにあちこち歩けませんので自宅から近いところでお散歩です。

2021年1月27日 (水)

モニュメント

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これは目を惹きますね。

新規感染者の数が減って来ていますが、ニュース番組の中で医療関係の方がこうおっしゃっていました。医療の逼迫で入院出来ない人が増える一方。自宅療養で感染者が亡くなると行政の責任を問われますからね。そのためPCR検査の数を絞っているので、見た目の感染者数が少なくなっているように見えるだけ、と。

当初の予定通り一ヶ月で緊急事態宣言を撤回したい政府筋の思惑も関係しているようです。早くGoToを再開したいのでしょうか? 困ったものだ。

2021年1月26日 (火)

JR八丁畷駅にて

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EF 64 1042(JR南武線、八丁畷駅にて)

以前、拙ブログのシリーズ記事「京浜急行線」で京急線全駅をご紹介しましたが、その中に八丁畷駅が出て来ます。今日はその京急線「八丁畷駅」の頭上を走っているJR南武線「八丁畷駅」で撮影した写真です。

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八丁畷・・・「はっちょうなわて」と読みます。

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EF 65 2095

この路線はJR南武線の支線(尻手駅〜浜川崎駅)になるのですが、普段利用する機会はまったくありません。

そもそも南武線を利用する機会がないので。

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EF 65 2091

JR南武線の本線は川崎駅(神奈川県)と立川駅(東京都)を結ぶ路線ですが、この時は貨物を撮影するためにわざわざ出掛けたわけです。緊急事態宣言が発出する前ですが。

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ここで貨物を撮影したのは初めてですが、結構カメラマンがいる事に少々ビックリ。

2021年1月23日 (土)

真空管フォノイコライザー・キットを試してみた

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LUXMAN 真空管フォノイコライザー

音楽之友社からのONTOMO MOOKシリーズでつい先日発売されたムック本(付録・真空管フォノイコライザー・キット 19,800円)を購入してみました。これはAccuphase社と共に日本のオーディオメーカーとして良く知られているLUXMAN(ラックスマン)社の設計による真空管フォノイコライザーのキットです。

ONTOMO MOOKシリーズは今迄「真空管ハイブリッド・プリメインアンプ・キット」、「デジタルアンプ・キット」、「真空管FMチューナー・キット」、「真空管グラフィック・イコライザー・キット」等々、LUXMANと雑誌「STEREO」を刊行している音楽之友社(STEREO編集部)との提携による一連のキット・シリーズを発売しておりまして、私は今回が初めての購入です。

キットですから自分で組み立てるのですが、基板は完成品が同梱されておりますので半田付け等の面倒な作業はなく、ドライバーが有れば誰にでも組み立てられますのでご安心を。

LUXMANと言えば、私は過去に高級CDプレーヤーで大変なガッカリ感を味わっているメーカーですが、同社は真空管に関しては長く豊富な経験がある事と、価格が価格ですから試してみたくなったわけであります。

さて、この真空管フォノイコライザー・キットに使われている真空管はECC82という球です。真空管は知識が乏しいので調べてみると、ギター・アンプなどで需要が有り、現在も生産が続いているようです。

さて、自分で組み立てまして早速使ってみました。↑ 上記写真。

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真空管 ECC82

デフォルトではMMカートリッジ用になっておりますが、もしMCカートリッジを使いたい場合には基板のジャンパーピンを差し替えて使います。ただし、この価格ですからMCカートリッジ用のヘッドアンプや昇圧トランスが内蔵されているわけではなく、入力時のゲインを変更しています。

私は使っていなかった某社の昇圧トランスをレコードプレーヤーと真空管フォノイコライザーの間に接続しましたので、MMカートリッジ、MCカートリッジどちらも使えるようにしてテストしています。

真空管ですから電源オン後、少し時間を置いてからレコードを再生してみたのですが、最初はややカサついた音でした。真空管が安定して動作するには30分くらいは掛かりますので、しばらくそのまま聴く事に。しかし、20分くらい経過すると大分変化して来ました。カサついた高域も艶が出て来て、価格以上の音は十二分に出しています。それとS/N比も高いですね。

この記事は僅か2時間ほど試用してから書いておりますので、これからしばらく使い込めばエージング効果で更に音は良くなると思われます。STEREO誌でオーディオ評論家の福田雅光氏が絶賛記事を書いておりますが、さすがに少々オーバーです。

ただ、この真空管フォノイコライザーは真空管を交換する事で音の違いを楽しめるのは勿論の事、基板上のオペアンプ(チップ)を交換する事も出来ますので、ユーザー自身でグレードアップが可能です。

オペアンプですが、1個25円から3,500円の物まで、交換しての試聴記が同梱の冊子に掲載されていますので、参考にされるのも良いかと。オペアンプは関東圏では秋葉原に行かないと購入出来ないと思いますが。

レコードを聴いてみたいけどお使いのアンプにフォノイコライザーが搭載されてないのであれば、今日ご紹介の真空管フォノイコライザー・キットはオススメ出来ます。

ところで、フォノイコライザーって何?

と思われた方に簡単にご説明しておきます。レコードにはRIAAと呼ばれる特性(カーブ)で音が刻まれています。RIAAとはアメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)が定めた周波数特性(イコライザーカーブ)によってカッティングされたレコードを指します。

レコードに音源をカッティングする際、低音域は振幅が大きくなるため、そのままカッティングすると再生時にレコード針が飛んでしまうのです。それを防ぐために低音域を弱め、高音域を強調してカッティングしています。そのまま再生してしまうと高音は強調されてキンキンし、低音が全くない音になってしまいます。

なので、再生時はカッティング時と正反対の電気的周波数特性(イコライザーカーブ)にしてあげる事で平坦な周波数特性になります。その仕事をするのがフォノイコライザーなんです。

昔、プログラムソースのメインがレコードだった時代はどのメーカー、どのアンプでも当たり前にフォノイコライザーは搭載されていましたが、やがてCDがレコードを駆逐するとアンプからフォノイコライザーが省かれるようになってしまいました。ですから単体のフォノイコライザーアンプがその後、各メーカーから発売されるようになったわけですが、数千円の物から数百万円の物までバラエティに飛んでいます。(^^;

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これが今回購入したムック本の表紙です。

この真空管フォノイコライザー、もしメーカーで組み立てし、化粧箱を用意して発売したら5〜6万円はするのではないかと。それを考えるとやはりキット価格ですね。

最後にひとつ。この真空管フォノイコライザーのユニークなところは高域と低域を少し弄れるのです。RIAAが制定された1954年以降もステレオ初期まで、米COLUMBIAや英DECCAなどは独自のカーブを使い続けたようで、当時の「オリジナル盤」を再生した場合RIAAカーブでは微妙に音が変化します。

この事が昨今一部マニアの間で言われており、近年発売されるフォノイコライザーアンプには上記会社のカーブに対応した製品も幾つかあります。ですが、この真空管フォノイコライザーなら高域、低域を少し弄れるので、そうした上記外盤(オリジナル盤)も微妙な調整が出来ます事を申し述べておきます。

2021年1月22日 (金)

冬にチューリップ

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私の好きな花、チューリップです。チューリップが好みなどと申しますと、やや子供っぽいかもしれませんが。(^^;

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毎年冬のお楽しみ、江の島サムエル・コッキング苑の「ウィンターチューリップ」は今が見頃です。

カメラと使用フィルムは変わらずハッセルブラッドにベルビア100であります。

2021年1月21日 (木)

十勝岳にて

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北海道・十勝岳にて

北の大地、十勝岳で撮影しています。フィルムはベルビア100です。

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雄大な景観に心洗われます。

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さて、スキャニング画像に筋が入る件ですが、昨晩機械の方をいろいろ弄ってなんとか筋が入らなくなりました。このまま再発しなければ良いのですが。

2021年1月20日 (水)

ハッセルで秋の花

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ハッセルブラッドで撮影した秋の花。これはツワブキ(石蕗)ですね。

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秋バラ、名前が分かりません。(^^;

以上、使用フィルムはベルビア100です。

スキャニングした画像に筋が入る件、調べたらエプソン製スキャナーで多く見られる現象だという事が分かりました。私が使用(GT-X830)している機種でも起きている事を価格コムのレビューで発見。メーカーサポートはその事例を認めないようです。ガッカリ。

2021年1月19日 (火)

暗雲立ち込める

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お散歩中、上空は暗雲立ち込める様子に。菅政権の支持率と同じですね。

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先の見えないアウトブレイク日本。

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右も左も分からない状態・・・かな?

※ 補足 : 一枚目の雲のような「天候」を指す場合、正しくは「暗雲が垂れ込める」です。

2021年1月18日 (月)

久々、京都紅葉

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ハッセルブラッドの写真が続きます。季節外れの写真ですが。

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京都の紅葉です。

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一昨年までの数年間、大陸から押し寄せて来た観光客で大変な賑わい(騒ぎ)でしたね。しかし、昨年はコロナの影響で渡航がストップされ、静かになったかと思いきや・・・、

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昨秋はGoToトラブル・・・基、GoToトラベルの影響で国内からの観光客が大集中。嵐山の渡月橋なんて観光客の大渋滞が出来ていましたね。

テレビのニュース映像を見てビックリでした。人が車道にまではみ出ていましたから。結果、京都にも感染が広がってしまったわけですが。

2021年1月17日 (日)

マジックアワーのMt. Fuji

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ハッセルブラッドを持参して富士山を狙いに行った時の写真です。

マジックアワーの富士山。フィルムはベルビア100です。

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静岡県富士宮市

こちらはご存知、白糸の滝。富士のカラーネガフィルム、PRO 400Hです。

2021年1月16日 (土)

四季彩の丘

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北海道・美瑛にて

昨年、過去に撮影した膨大な量のデジタル写真をハードディスクのトラブルから失った事は以前、ブログ記事にしています。消えたフィルム写真のスキャニングデータもこれまた膨大な量でした。デジタル写真は一瞬のうちに消えてしまいますが、フィルム写真はスキャニングデータを失ってもフィルムが「物」として残っています。

さて、そのスキャニングした後のフィルムをきちんと整理していれば良いのですが、「そのうち・・・そのうち・・・」と思いながらも結局やっていませんでした。レコード、CD、書籍はきちんと整理しているのに。(^^;

プロラボやヨドバシカメラに現像依頼しますと二つ折りの封筒にポジやネガを入れて返却されますが、未整理のままとんでもない量が百貨店などで出される大きな手提げの紙袋に突っ込んだままになっています。その数・・・数え切れません。(^^;

緊急事態宣言下、自宅に籠らなければならない事がちょうど良い機会なので、整理する事に。封筒には基本、撮影日・撮影場所・撮影機材を記入するようにしているのですが、それすら怠っているフィルムが相当数ありました。困ったものです。あ、自分の事か。(笑)

データのないフィルムは目視で確認し、つまらない街並み散歩写真等は思い切って破棄しました。その数、70〜80本くらいはあったと思います。

撮影データの書き込みのないフィルムのうち、残したものを少しずつスキャニングしてみる事に。ついでにそれらを時々掲載してみようかと思ったわけです。当然、過去に掲載した写真もあるかと思います。いや、そういう写真の方が多いと思いますが、ご容赦。

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今日の二枚はどなたもお分かりになるかと思いますが、北海道の美瑛「四季彩の丘」です。花の様子から季節は初夏ですね。

撮影機材はフィルムを見ればハッセルブラッドだと分かるのですが、レンズは何を使っているのか分かりません。一時は13本ものレンズを持っていて、標準レンズの80mmだけでもC、CF、CFEと3本も有りましたので。ボディも複数台持っていましたので、機種まで分かりません。尚、フィルムはプロビアです。

写真の左側に筋が入るのでフィルムの傷か?と思ったのですが、どうやらスキャナーの不具合のようです。大分長い期間、使っていませんので。スキャニング時のピントも怪しいですし。今更新規に購入したり修理する気もないので、このままで。

2021年1月15日 (金)

Mt. Fuji

時々は風景写真など。

2021年1月14日 (木)

アトラスタワー

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2021年1月13日 (水)

ぷかりさん橋

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ここへ来たのは一年振り。

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一年なんてあっという間ですね。

新型コロナが毎日ニュースで取り上げられてから一年。いつまで続くのでしょうか?

2021年1月10日 (日)

私の愛聴盤 第33回

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ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

ウィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1944年12月16日 於・ウィーン
ナチスドイツ政権下でのドイツ帝国放送によるラジオ放送のための録音

露国営メロディア・レコード M10 06443(レコード 廃盤)

久しぶりに「私の愛聴盤」をご紹介させて頂きます。緊急事態宣言下、安易に外へ出掛けられませんので今日は音楽ネタで。

暮れに「ベートーヴェン生誕250年」の記事を掲載した際、ROCKSさんから中学一年の音楽の授業で先生がフルトヴェングラーの「運命」を聴かせてくれたとのコメントを寄せて頂きました。音楽の先生がフルトヴェングラーの録音を生徒に聴かせた事に私は驚いたものです。音はモノラルで録音も古いですからね。

で、私が最初に「英雄」を聴いたのが今日ご紹介するフルトヴェングラーの録音なのです。フルトヴェングラーは晩年、英EMIにレコードのための録音を行なっており、一般的にはその録音の方が安心して聴く事が出来ると思います(音も良いです)。

ですが、クラシック音楽を聴き始めたばかりで十代だった私はフルトヴェングラーの知識すらありませんでした。偶々読んでいた音楽誌でオーディオ評論家K氏がフルトヴェングラーについての記事を書いていたのです。そこでK氏は「ウラニアのエロイカ(英雄)」の事に触れており、私はその記事に興味を惹かれ、その演奏をどうしても聴きたくなってしまったのです。

「ウラニアのエロイカ」というのは大分昔、米ウラニア社から戦時下のライヴ録音と称して発売されたフルトヴェングラーが指揮する英雄交響曲のレコードです。オーソライズ盤ではなく、俗に言う海賊盤ではあるのですが、演奏が劇的で稀に見る名演との事。マニア垂涎のレコードだったわけです。

しばらくして、都内の某レコードショップにウラニア盤をディスクコピーした輸入盤(米盤)が入って来たとのニュースを知り、まだ学生だった私ですが都内まで電車を乗り継いでそのショップに行きました。店員さんに尋ねるとまだ在庫は有りますとの事で、奥からレコードを持って来てくれましてレジで支払いです。

驚いたのはその時です。何とレジ処理をしている店員さんの後ろの壁に「ウラニア盤」が展示してあったのです! 初めて見る本物のウラニア盤でしたが、「非売品」と表示されていました。若かった私は羨望の眼差しでそのウラニア盤のジャケットに見入ってしまったものです。

自宅に帰って聴いてみると、私は第二楽章を聴いている途中(後述)で涙が溢れ出てしまったのです。まだまだ純粋でしたから。(^^;

ちなみに数年前、都内の某ショップ(新品、中古両扱い)でウラニア盤が壁に飾られて販売されているのを見ました。売価は15万円の値札が付いていました。(^^;

ところで、ナチスドイツは世界に先駆けて磁気テープを使った録音機器を実用化していまして、フルトヴェングラーの演奏会を開発した大型のテープデッキ(マグネトフォン)で録音させていたのです。ところが敗戦色濃くなった戦時下、ソ連軍がベルリンの一部を占拠し、更に放送局を支配下においた際、初めて見る録音機と録音テープの全てをモスクワに運んでしまったのです。

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露メロディア盤のレーベル

西側各国からソ連に行き来出来るようになった頃、英国の旅行者がソ連を訪れた時、偶然目にしたのがフルトヴェングラー戦時下のライヴ録音を収めたレコード(国営メロディア盤)の数々。それらの録音(レコード)は全て西側では知られておらず、狂喜したフルトヴェングラーファンの旅行者はそれら全てを購入し、英国に持ち帰ってからディスクコピーして「ユニコーン」というレーベルで発売したのです。

その英ユニコーン盤によって戦時下の、それも極限状態の中で開かれていたフルトヴェングラーの白熱した演奏が西側各国のフルトヴェングラーファンに知られる事になったわけですね。英ユニコーンと契約した国内のレコード会社から日本盤も発売されたわけですが、「レコードから権利者に無断で録音する事は法律で禁じられています」という表示をしている日本のレコード会社が無断でコピーしたレコードを発売していたわけですから、何をか言わんやですね。(笑)

ずっと後年、東京神田の輸入業社がソ連国営メロディア・レコードと交渉した結果、「日本国内のみの限定販売」という制限を設けて日本向けに再プレスしてもらう事に成功。

その頃、世界中に広まっていたメロディア盤のディスクを違法コピーした盤の音源が、正真正銘オリジナルテープからプレスした露メロディア盤が日本で発売される事になったのです。私は当然の事ながら全て(二十数点)購入しました。それまで違法コピーである音の悪いレコードで聴いていた音源が、オリジナルテープからプレスしたレコードで聴ける事になったのです。

コピーされた米海賊盤で聴いていたフルトヴェングラーの「英雄」、今日ご紹介のレコードを入手後は当然の事ながら海賊盤は手放しました。

海賊盤ではコピー元のレコードのパチパチ言うスクラッチノイズが聞こえるわけですが、露メロディア盤はオリジナルテープからのプレスですからスクラッチノイズはメロディア盤のものしか聞こえません。音も良くなって、よりいっそう音楽に集中出来るようになったものです。

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露国営メロディア・レコード MEL CD 10 00710(CD 廃盤)

しばらくしてCDでも発売されまして、上記写真がブックレットです。レコードもCDも解説は全てロシア語です。読めません。(笑)

さて、ウラニア盤では1944年12月、ウィーンでのライヴ録音と表記されていたそうですが、聴衆のノイズ(咳払いとか)が一切ありませんので、違法コピーの音源を元に発売された日本盤の解説によるとライヴ録音ではなく、放送のための録音だったのであろうと修正されていました。

しかし、演奏の方は聴衆を前にしたコンサートでの録音と勘違いしてしまうほどテンポの緩急が激しい、実に劇的で圧倒的感動を呼ぶ名演です。これは想像ですが、1944年12月という時期はもうナチスドイツの敗戦間近ですよね。

西側連合国軍の爆撃がいつまた来るのか分かりません。明日、いや・・・この演奏下にも爆撃で自分たちは命を失うかもしれないという、精神的に追い詰められた極限状態だからこそ、歴史に残る超名演が生まれたのではないでしょうか?

初めて聴いた時(米海賊盤)私はまだ高校生でして、前述した通り第二楽章で私は感動のあまり涙がボロボロと流れて来てしまったのです。それほどフルトヴェングラーの指揮によるウィーン・フィルの演奏が凄かったのです。

第二楽章はベートーヴェン自らスコア(総譜)に「葬送行進曲」と記しています。演奏しているウィーン・フィルの団員は自分たちへの「葬送行進曲」と思って演奏していたのかもしれません。

114小節からの弦楽器の悲痛な旋律、その後の管楽器を伴ったフォルティッシモは「阿鼻叫喚」と形容して良いのではないかと思うくらい、私にはオーケストラの「絶叫」に聞こえて来ます。全身が震えるような強い感動が私を襲い、涙が止まらなくなったのです。

第一楽章も尋常ではない演奏です。テンポは大きく動き、トランペットの強奏は凄いの一語。更にホルンの強奏とティンパニの強打。それと342小節からのスタッカートと指示された低音弦のリズムの刻み方はフルトヴェングラーが一番素晴らしいです。他の録音でもそうですが、聴いていて実に気持ちが良いです。まぁ、私の下手な推薦文より、クラシック音楽ファンなら先ずは是非お聴き頂きたいです。

長くなりましたが、メロディアは近年ドイツの放送局にテープを返還しましたので、今は正規盤(返還されたテープによる輸入盤若しくは国内盤)が入手出来るはずです。

とにかく今日ご紹介の演奏を凌ぐコンサート、レコード、CD等、聴いた経験が未だにありません。フルトヴェングラー自身による英EMIへのレコード録音も名演ですが、こちらの音源こそ一度は耳にして頂きたい歴史的名演奏と断言します。

2021年1月 9日 (土)

明暗

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今日は私好みの被写体を。(^^;

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2021年1月 8日 (金)

街(97)

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アンパンマンだ!(笑)

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小学生の頃、「木下サーカス」を見た記憶があります。ライオンに鞭打ちながら演技をさせていた事を未だ覚えています。

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いよいよ1都3県に緊急事態宣言が発出されましたが、遅過ぎますね。

用もないのに、カメラ持ってぶらぶら歩く事が出来なくなりましたが、コロナを貰わない事が大事。

2021年1月 7日 (木)

都市の造形

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カメラ(LUMIX DC-S5)のモノクロモード(L.モノクロームD)を使っての撮影。

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近年の建築物、なかなかユニークな造形を見る事が出来ますね。

2021年1月 6日 (水)

2021年

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横浜大さん橋にて

少々遅くなりましたが2021年、拙ブログを開始します。

昨年の大晦日、音楽は暮れの定番ベートーヴェンの第九交響曲(朝比奈隆指揮)が聴き納めでした。これは12月に購入したCDで。

テレビはあまり見ないのですが、NHK-BSプレミアムで27日に放送(1995年制作)された「刑事〜蛇に横切られる(早坂暁 作)」を見ました。随分昔の作品ですが、高倉健さん主演なので冒頭を少し見る事に。そうしたらそのまま最後まで見てしまいました。犯人の恨みから妻(田中好子さん)を死なせてしまう暗い過去を持つ警視庁捜査一課主任を高倉健さんが演じていますが、良い作品でした。

で、正月最初の音楽鑑賞はこれまた定番、ウィーンから全世界に衛星生中継(日本はNHK-TV)されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートです。黄金のホールから世界中の音楽ファンに贈られるウィンナ・ワルツの数々。指揮は一昨年以来のリッカルド・ムーティ。ムーティは一昨年が良かったので、今年も楽しみでした。

ところが、新型コロナウイルスの感染が蔓延しているという事で、初めて聴衆を入れないでコンサートが開かれました。とても残念です。したがって、アンコール最終曲の「ラデツキー行進曲」ではお馴染みとなっているオケと一体となる聴衆の拍手(手拍子)はありません。

例年、「美しく青きドナウ」が演奏される前に指揮者の音頭でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から全世界に「新年おめでとう」の斉唱があるのですが、今年はムーティさんから全世界に向けて心に響くメッセージがありました。

どこかの国では側近が書いた文言を棒読み(それも実に下手くそ)するだけのコメントしか出来ない首相や官房長官がいますけど、今回のムーティさん自らのメッセージ(カンペ無し)は本当に素晴らしいものでした。

そして、やはり箱根駅伝ですね。今年はいろいろな意味で大きな番狂わせがありましたけど、生身の人間がやるスポーツ、勝っても負けてもエールを送りたいと思います。

もう一つ、フジテレビ系列で放送された木村拓哉さん主演による「教場 II(3日、4日放送)」を見ました。昨年正月に放送された「教場」の続編ですが、木村拓哉さんが役者としての新境地を築いたと言える作品ではないかと。山田洋次監督作品の「武士の一分」で監督から徹底的に演技を鍛えられた事が役者としてプラスになった事と思います。

一般人にはほとんど学校内の様子を知る機会のない警察学校(神奈川県警察)を舞台にしたドラマです。昨年も申しましたが、教官と生徒の関係はほとんど軍隊と一緒です。警察官は、いつ命を取られるか分からない危険な職業です。生半可な教育で現場に送り出す事は出来ないという事がドラマから窺い知れます。

非情とも言える冷徹な教官、風間公親を演じているのが木村拓哉さん。風間公親の右目は義眼です。厳しさの中に隠れているのは、送り出した生徒たちを絶対に死なせるわけにはいかないという思いではないかと。

しかし、第一夜のラストには「え!? うっそー!」と、女子高生的セリフを言いたくなったほどビックリ仰天の結末でした。

では、本年も拙ブログをよろしくお願い申し上げます。

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