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2021年1月23日 (土)

真空管フォノイコライザー・キットを試してみた

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LUXMAN 真空管フォノイコライザー

音楽之友社からのONTOMO MOOKシリーズでつい先日発売されたムック本(付録・真空管フォノイコライザー・キット 19,800円)を購入してみました。これはAccuphase社と共に日本のオーディオメーカーとして良く知られているLUXMAN(ラックスマン)社の設計による真空管フォノイコライザーのキットです。

ONTOMO MOOKシリーズは今迄「真空管ハイブリッド・プリメインアンプ・キット」、「デジタルアンプ・キット」、「真空管FMチューナー・キット」、「真空管グラフィック・イコライザー・キット」等々、LUXMANと雑誌「STEREO」を刊行している音楽之友社(STEREO編集部)との提携による一連のキット・シリーズを発売しておりまして、私は今回が初めての購入です。

キットですから自分で組み立てるのですが、基板は完成品が同梱されておりますので半田付け等の面倒な作業はなく、ドライバーが有れば誰にでも組み立てられますのでご安心を。

LUXMANと言えば、私は過去に高級CDプレーヤーで大変なガッカリ感を味わっているメーカーですが、同社は真空管に関しては長く豊富な経験がある事と、価格が価格ですから試してみたくなったわけであります。

さて、この真空管フォノイコライザー・キットに使われている真空管はECC82という球です。真空管は知識が乏しいので調べてみると、ギター・アンプなどで需要が有り、現在も生産が続いているようです。

さて、自分で組み立てまして早速使ってみました。↑ 上記写真。

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真空管 ECC82

デフォルトではMMカートリッジ用になっておりますが、もしMCカートリッジを使いたい場合には基板のジャンパーピンを差し替えて使います。ただし、この価格ですからMCカートリッジ用のヘッドアンプや昇圧トランスが内蔵されているわけではなく、入力時のゲインを変更しています。

私は使っていなかった某社の昇圧トランスをレコードプレーヤーと真空管フォノイコライザーの間に接続しましたので、MMカートリッジ、MCカートリッジどちらも使えるようにしてテストしています。

真空管ですから電源オン後、少し時間を置いてからレコードを再生してみたのですが、最初はややカサついた音でした。真空管が安定して動作するには30分くらいは掛かりますので、しばらくそのまま聴く事に。しかし、20分くらい経過すると大分変化して来ました。カサついた高域も艶が出て来て、価格以上の音は十二分に出しています。それとS/N比も高いですね。

この記事は僅か2時間ほど試用してから書いておりますので、これからしばらく使い込めばエージング効果で更に音は良くなると思われます。STEREO誌でオーディオ評論家の福田雅光氏が絶賛記事を書いておりますが、さすがに少々オーバーです。

ただ、この真空管フォノイコライザーは真空管を交換する事で音の違いを楽しめるのは勿論の事、基板上のオペアンプ(チップ)を交換する事も出来ますので、ユーザー自身でグレードアップが可能です。

オペアンプですが、1個25円から3,500円の物まで、交換しての試聴記が同梱の冊子に掲載されていますので、参考にされるのも良いかと。オペアンプは関東圏では秋葉原に行かないと購入出来ないと思いますが。

レコードを聴いてみたいけどお使いのアンプにフォノイコライザーが搭載されてないのであれば、今日ご紹介の真空管フォノイコライザー・キットはオススメ出来ます。

ところで、フォノイコライザーって何?

と思われた方に簡単にご説明しておきます。レコードにはRIAAと呼ばれる特性(カーブ)で音が刻まれています。RIAAとはアメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)が定めた周波数特性(イコライザーカーブ)によってカッティングされたレコードを指します。

レコードに音源をカッティングする際、低音域は振幅が大きくなるため、そのままカッティングすると再生時にレコード針が飛んでしまうのです。それを防ぐために低音域を弱め、高音域を強調してカッティングしています。そのまま再生してしまうと高音は強調されてキンキンし、低音が全くない音になってしまいます。

なので、再生時はカッティング時と正反対の電気的周波数特性(イコライザーカーブ)にしてあげる事で平坦な周波数特性になります。その仕事をするのがフォノイコライザーなんです。

昔、プログラムソースのメインがレコードだった時代はどのメーカー、どのアンプでも当たり前にフォノイコライザーは搭載されていましたが、やがてCDがレコードを駆逐するとアンプからフォノイコライザーが省かれるようになってしまいました。ですから単体のフォノイコライザーアンプがその後、各メーカーから発売されるようになったわけですが、数千円の物から数百万円の物までバラエティに飛んでいます。(^^;

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これが今回購入したムック本の表紙です。

この真空管フォノイコライザー、もしメーカーで組み立てし、化粧箱を用意して発売したら5〜6万円はするのではないかと。それを考えるとやはりキット価格ですね。

最後にひとつ。この真空管フォノイコライザーのユニークなところは高域と低域を少し弄れるのです。RIAAが制定された1954年以降もステレオ初期まで、米COLUMBIAや英DECCAなどは独自のカーブを使い続けたようで、当時の「オリジナル盤」を再生した場合RIAAカーブでは微妙に音が変化します。

この事が昨今一部マニアの間で言われており、近年発売されるフォノイコライザーアンプには上記会社のカーブに対応した製品も幾つかあります。ですが、この真空管フォノイコライザーなら高域、低域を少し弄れるので、そうした上記外盤(オリジナル盤)も微妙な調整が出来ます事を申し述べておきます。

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