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Jacqueline du Pré - 5 Legendary Recordings on LP
Warner Classics 190295754747(180g復刻重量盤)
未だにファンの多い夭折のチェリスト、
ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945.1.26 - 1987.10.19)の遺産(英EMI録音)から選別された5枚組のアナログレコードセットです。
↑ 5枚のレコードはこのケースに封入されています。素敵な写真ですね。
2017年11月、ワーナー・クラシックスから発売。2011年に96kHz/24bitでデジタルリマスター(LP4を除く)されたマスターを元にレコード化されています。
基本、デジタルリマスターからレコード化されたものは購入しない主義なのですが、一枚当たりの単価の安さに惹かれて発売後しばらくしてから購入しちゃいました。(^^;
何しろその頃は大量のコレクションを処分し始めていて、最初は1,000枚を超える枚数だったので自宅へ引き取りに来てもらいました。(笑)
以後は100枚単位くらいで車に積んで持ち込み。ですから新規にレコードを増やさないようにしていたのです。なので、かなり逡巡しました。でも、結果は購入。(笑)
今、手元に残ったレコードは何回も篩に掛けられ、尚も残った数百枚(これでも多い)なので、これからも繰り返し聴いて行くであろう名盤たちです。五味康祐さんだったか、「大事なのは何枚持っているかではなく、何を持っているかだ」と、おっしゃっておりましたね。
さて、アナログレコードによる復刻盤は180gの重量盤というのが近年の定番になっています。大きなLPのジャケットはやはり良いですね。CDとは違います。それと盤質(多分、ドイツプレス)が非常に良いので、安心して音楽に集中出来る事が何よりです。
LP 1
エルガー
チェロ協奏曲 ホ短調
歌曲集「海の絵」※
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)※
ジョン・バルビローリ 指揮
ロンドン交響楽団
1965年8月、ロンドン、キングズウェイ・ホール(チェロ協奏曲)
アビー・ロード・スタジオ(海の絵)
元は全て英EMIの録音ですが、現在はワーナー・クラシックスが吸収していますので、あの赤いロゴはありません。ワーナーのロゴは好きではありません。仕方ないですね。蘭PHILIPSが英DECCAに吸収されてからはPHILIPSのロゴが見られなくなったのと同じです。今度はその英DECCAから新録音のCDが出なくなっていますし、クラシックのレーベルは厳しい時代を迎えているようです。
「彼女はチェロを演奏するために生まれて来た」と、ニューヨークタイムズに絶賛されたそうですが、そういう彼女を病魔(多発性硬化症)が襲い、26歳の時に早くも最初の症状が出、僅か28歳で事実上の引退を余儀なくされています。その後、チェロの教師に転身したものの、闘病生活の後、42歳という若さで天に召されています。
彼女が最初に名声を得たのがコンサートで弾いたエルガーのチェロ協奏曲だったそうで、バルビローリの指揮による当録音も名演ですね。何度聴いてもしみじみと胸に熱いものが残る演奏です。
「海の絵」のジャネット・ベイカーも素敵な声を披露しています。
LP 2
ハイドン/チェロ協奏曲第1番 ハ長調
ボッケリーニ/チェロ協奏曲 変ロ長調
ダニエル・バレンボイム 指揮
イギリス室内管弦楽団
1967年4月、アビー・ロード・スタジオ
これは国内盤を持っていたのですが、「え!?」と声を上げてしまうほど音に違いがあり、既に国内盤は売却しています。二束三文でしたが。EMIとグラモフォン、国内盤の音が本国盤より大きく劣るのはどうしてなんですかねぇ? カッティングエンジニアのセンスの問題?
第2番も良いですが、この第1番も素晴らしい演奏です。ボッケリーニも含め、やはりこれらの曲では第一に挙げるべき演奏だと思っております。
LP 3
シューマン/チェロ協奏曲 イ短調
サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番 イ短調
ダニエル・バレンボイム 指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
1968年4、5、9月、アビー・ロード・スタジオ
シューマンのチェロ協奏曲はシューマン自身でヴァイオリン協奏曲にも改変しているのですが、チェロ協奏曲として自信がなかったのでしょうか?
チェロ協奏曲としてはシューマンもサン=サーンスも地味目の作品ですが、ここでの彼女はしっとりとしたチェロを聴かせてくれます。
LP 4
R.シュトラウス/交響詩「ドン・キホーテ」
ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ)
エイドリアン・ボールト 指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
1968年4月、アビー・ロード・スタジオ(アナログLP 初発売)
「ドン・キホーテ」は長らく未発表の録音だったようですが、驚いたのは演奏が終了する直後、まだ最後の一音が鳴り止まぬうちに「ブラボー!」という掛け声と共に拍手が沸き起こるのです。これはオケの面々によるデュ・プレに対しての喝采と思われます、多分。しかし、アビー・ロード・スタジオでの録音ですから、レコードとして一般発売する目的だったと思うのですが・・・。
「ドン・キホーテ」は有名な作品ですからフルニエ、ロストロポーヴィチといった名チェリストたちが演奏、録音していますが、デュ・プレのチェロで聴く事が出来るとは思ってもいませんでした。貴重な録音ですね。
LP 5
ドヴォルザーク
チェロ協奏曲 ロ短調
森の静けさ
ダニエル・バレンボイム 指揮
シカゴ交響楽団
1970年11月、シカゴ、メディナ・テンプル
このドヴォルザークには衝撃を受けました。「私の愛聴盤」最初の回でロストロポーヴィチの演奏を採り上げているのですが、デュプレの演奏は全く対照的で、ロストロポーヴィチの演奏が「静」ならデュプレの演奏は「動」ですね。それも激しく動き回る「動」です。(笑)
アタックは激しいですし、ピアニッシモからフォルティッシモまでの幅が広く、極めて情熱的な演奏と申し上げたいです。ドヴォルザークのチェロ協奏曲でここまでの演奏は他に聴いた事がありません。私は、チョン・キョンファのヴァイオリンを初めて聴いた時を思い出しました。同じ衝撃ですね。
若くして天に召された事が残念でなりません。もしもご存命で永く活躍されていたら、どれだけの名演を残した事か。
モーツァルト
ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
クララ・ハスキル(ピアノ)
パウル・ザッヒャー 指揮(K.488)
ベルンハルト・パウムガルトナー 指揮(K.466)
ウィーン交響楽団
米EPIC LC 3163
ルーマニア生まれのピアニスト、
クララ・ハスキル(1895.1.7 - 1960.12.7)が弾くモーツァルトが大好きで、主に蘭PHILIPSに残された録音で楽しんでいます。勿論現役当時の事を知る由もなく、レコードなりCDで楽しんで来ている範疇でありますが。
活躍された年代から残された録音はモノラルが多いのですが、↑ このレコードもモノラル録音です。しかし、どの録音も聴きづらい事は全くなく、ハスキルの音楽を享受する事に何の問題もありません。
人気がないからなのか、僅か700円で購入した中古レコードですが、演奏は繰り返し聴いているほど気に入っている名盤です。レーベルに溝がありますから、相当昔のプレスだという事が分かります。
CLARA HASKIL・MOZART
クララ・ハスキル(ピアノ)
蘭PHILIPS 6768 366(7LP BOX)
LP 1
ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調「ジュノム」 K.271
ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386
パウル・ザッヒャー 指揮(K.271)
ベルンハルト・パウムガルトナー 指揮(K.386)
ウィーン交響楽団
LP 2
ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415
ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K.280
キラキラ星の主題による変奏曲 K.265
ルドルフ・バウムガルトナー 指揮(K.415)
ルツェルン祝祭管弦楽団
LP 3
ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調「戴冠式」K.459
ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
フェレンツ・フリッチャイ 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(K.459)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団(K.595)
LP 4
ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K.573
パウル・ザッヒャー 指揮(K.488)
ウィーン交響楽団
LP 5
ヴァイオリン・ソナタ 第34番 変ロ長調 K.378
ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K.304
ヴァイオリン・ソナタ 第32番 ヘ長調 K.376
ヴァイオリン・ソナタ 第18番 ト長調 K.301
LP 6
ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K.454
ヴァイオリン・ソナタ 第42番 イ長調 K.526
アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
LP 7
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
イゴール・マルケヴィッチ 指揮
コンセール・ラムルー管弦楽団
以上、ピアノはクララ・ハスキル。
この7枚組のBOX、石丸電気さんで購入したのですから勿論中古ではありません。クラシック音楽ファンはパチパチといったスクラッチノイズとは全く無縁の新しいメディア、CDに移行している人がほとんどでしたから、レコードの需要がガタ落ちの頃の購入です。
思えば私が初めて購入したハスキルのレコードはこのBOXの7枚目に封入されている、ピアノ協奏曲第20番、第24番をカップリングしたハスキル生涯最後(亡くなる一ヶ月前)の録音でした。多分、何かの名盤特集のような記事で見て、そのPHILIPSの国内盤を求めたのだと思います。
素晴らしい演奏にすっかりハスキルのファンになってしまったわけです。ウェストミンスターレーベルを含め、それ以来ハスキルのレコードをぼちぼちと購入していたのですが、或る時、石丸電気さんの輸入盤フロアでこのBOXを見つけ、価格の安さもあってニコニコしながら購入。(^^)
お気に入りのヴァイオリニスト、グリュミオーとのヴァイオリン・ソナタも私にとっては掛け替えのない演奏、録音でして、この二人の演奏を凌ぐ演奏、録音を聴いた事がありません。K.378のソナタ、特にお気に入りでして、もう何度も繰り返し聴いています。
レパートリーはあまり重ならないので例として適切かどうか分かりませんが、ピアノのタッチ、打鍵はアルゲリッチとハスキルは対照的ですね。男性ピアニスト顔負けのアルゲリッチの力強いタッチと違い、ハスキルは弱いというより実に繊細で、正に女性的な美しいモーツァルトを聴く事が出来るのです。
自分にとって、ハスキルと言えばモーツァルトなのです。という事で、今日はお気に入りのレコードをご紹介させて頂きました。
プッチーニ/歌劇「トスカ」
レナータ・テバルディ(ソプラノ)
マリオ・デル・モナコ(テノール)
ジョージ・ロンドン(バリトン)
ピエロ・デ・パルマ(テノール)
フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ 指揮
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
ローマ聖チェチーリア音楽院合唱団
キングレコード KIJC-9101/2
久しぶりにキングレコードのスーパー・アナログ・ディスクをご紹介させて頂きます。
このシリーズでは数少ないオペラの全曲盤です。不世出のソプラノ歌手、マリア・カラスのライバルと位置付けられていたというレナータ・テバルディがトスカを歌った全曲盤です。
「歌に生き、恋に生き」は実に美しく歌っています。ただ、クライマックスでスカルピア男爵を刺し殺した後のトスカの内面的叫びは少々物足りないです。しかし、全体的には素晴らしい歌唱が聴けます。
黄金のトランペットと形容されたテノール、マリオ・デル・モナコの歌唱には感嘆するのみです。
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
キングレコード KIJC-9192
若き日のバッハです。最近、全曲を録音しましたが、やはり変化を感じますね。こちらの方が熱っぽいです。
近年、いろいろなヴァイオリニストが登場していますが、皆さんテクニックは凄いと思うものの、チョン・キョンファさんのように熱い演奏で聴き手のこちらに感動を与えてくれるヴァイオリニストが少ないのが残念であります。
ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」第1幕
ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」から
夜明けとジークフリートのラインへの旅
ジークフリートの葬送行進曲
キルステン・フラグスタート(ソプラノ)
セット・スヴァンホルム(テノール)
アーノルド・ヴァン・ミル(バリトン)
ハンス・クナッパーツブッシュ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キングレコード K33C-70012/3
説明不要の名盤中の名盤。通常のレコード、スーパー・アナログ・ディスク、CD、ハイレゾ音源と、多種多様のメディアで聴いて来ましたが、何で聴いても素晴らしい演奏に変わりありません。
ワーグナーに関する限り、未だにクナッパーツブッシュを超える演奏は聴いた事がないというのも困りもの。現役の指揮者では全くと言って良いほど存在しませんね。
ドヴォルザーク/交響曲第8番「イギリス」
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キングレコード KIJC-9017
このジャケットはケルテスがロンドン交響楽団と録音した第8番の英DECCA盤に使われているジャケットですね。カラヤンの通常盤では使われていませんので、日本のキングレコードがスーパー・アナログ・ディスクだけに使ったようです。
カラヤンのドヴォルザーク、私は好みなので、この第8番も名演と思っております。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第一家庭電器(キングレコード) DOR-0168
このスーパー・アナログ・ディスクは第一家庭電器さんがノベルティとしてお客に配っていたもので、勿論キングレコードさんが自社のスーパー・アナログ・ディスクと同じ行程でジャケットの体裁含め製作したものです。
バックハウスとイッセルシュテットによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集は昔から名演と評価がされている、言わば定番的レコードですね。この「皇帝」も素晴らしい演奏です。
個人的にはグルダとシュタインの方を第一と評価しておりますが、バックハウスがグルダより劣るという意味ではありません。
スーパー・アナログ・ディスクでバックハウス盤を聴けるというのは有り難いです。レコード会社からの一般発売とは違いますが。グルダの方は第3、4、5番の三曲がスーパー・アナログ・ディスクで一般発売されましたので、ファンとしては嬉しい限りです。
フランク/交響曲 ニ短調
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
パリ管弦楽団
英EMI ASD 2552(オリジナル)
今日もフランクの作品です。
フランスの作曲家、セザール・フランク唯一の交響曲をカラヤンが指揮した1969年録音の名盤です。一般的に名盤と評価されているかはともかく、私的にはフランクの交響曲として最高の演奏と評価しています。
以前、クラシックのレコードについてオリジナル盤、初期盤ブームが来る遥か前、ジャズのオリジナル盤を求めていた事が切っ掛けでクラシックの中古レコードまで購入するようになった事を記述しました。
中古店の餌箱に、国内盤の中古と一緒に時折ヨーロッパ盤特有のペラペラのジャケット体裁の外盤がほとんど1,000円以下の価格で混ざっていたわけです。それらを見た時、ジャズでいうところのオリジナル盤なのでは? と思ったわけですね。でなければクラシックの中古を購入する事はなかったと思います。
今日のレコードもそうした中の一枚なのです。随分と久しぶりに聴いてみたのですが、やはり素晴らしい演奏です。余談ですが、この頃の英EMIの盤質はとても良いですね。
第一楽章の暗く重々しい楽想をカラヤンは見事に表現しています。オケの響きはフランスのオケとは思えないくらいで、パリ管弦楽団らしい華やかなイメージは微塵もなく、「あれ? ベルリン・フィルだったっけ?」と思ってしまうほどです。
ところが短い第二楽章の後の第三楽章冒頭、楽想がそういう雰囲気という事もありますが、一気に華やかさを伴ってオケが全合奏で鳴り出すところが実に見事な音楽になっているのです。
カラヤンがパリ管弦楽団を指揮する事になった経緯について実際のところ詳しい事は知りませんが、フランスものを振る良い切っ掛けになったのではと思います。何故ならば、今日のレコードのような名演が生まれたのですから。
フランク/バイオリン・ソナタ イ長調
ドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタ
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
ラドゥ・ルプー(ピアノ)
英DECCA SXL6944(1G/1G 初版盤)
つい最近、偶々見たwebサイトでこのフランクのヴァイオリン・ソナタのレコードは、英DECCAがプレスをオランダに移行してからの新譜なので、英国プレスは無い。したがってオランダプレスがオリジナルだという事。
ええ〜・・・自分が持っているチョン・キョンファさんの英DECCA盤は確か全てオランダプレスだよ、と思いながらレコード棚からレコードを引っ張り出して確認してみました。(笑)
で、このレコードですが、マトリックス番号まで確認したところ番号は「1G」です。なので、このレコードは初版オリジナルという事ですが、思い起こしてみれば新譜を購入していたのですからオリジナル盤なのは当たり前の事でした。レーベル写真、マトリックス番号まで入れて切り取っています。
チョン・キョンファさんの英DECCA盤は全てED4時代だと最近読んだ記事でそう思い込んでいたのですが、オランダプレスにもオリジナルがあるという他の記事を読んでから、そう言えば何枚か新譜として購入していたはず・・・と、思い出したのです。
秋葉原の石丸電気さんで購入したもので、当時輸入盤はほとんど石丸電気さんにお世話になっていました。勿論オリジナル盤とかマトリックス番号などは全く意識していませんでしたけど。ただ単にお気に入りのアーティストの新譜を買いまくっていただけで、アルゲリッチさん他、当時現役だった方々の新譜も必ず購入していました。
東京公演の終演後にサインを頂いたのですが、ジャケットを見るなり「Oh! ルプー・・・」と、ニコニコして喜んでいた様子を今も忘れません。ご本人もこのレコードはお気に入りのようでした。
私もこの演奏は気に入っております。後年、再録音していますが、こちらの情熱的な演奏も素晴らしいです。
ベルク/ヴァイオリン協奏曲
バルトーク/ヴァイオリン協奏曲第1番
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
ゲオルグ・ショルティ 指揮
シカゴ交響楽団
独DECCA 6.43 014(初版盤)
こちらはデジタル録音。正直、デジタル録音をレコードで聴く意味合いはあまりないと個人的には思っています。プレスはDMMという特許を持っている独TELDECが行っています。この盤も石丸電気さんで入荷直後に購入しています。デジタル録音になってからDECCAのレーベルデザインが変わりましたけど、イマイチ好きになれないデザインです。
ショルティさんも既にお亡くなりになっていますが、シカゴ交響楽団との来日公演でマーラーの交響曲第5番をNHKホールで聴いた事を思い出します。
ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
リッカルド・ムーティ 指揮
フィラデルフィア管弦楽団
独EMI 7 49858 1(初版盤)
英EMIに録音した演奏で、これまた石丸電気さんでの購入。このレコードも英EMIが独TELDECにプレスを委託しています。この時期、独TELDECのDMMプレスは有名だったようです。
DMMとは、DIRECT METAL MASTERINGの略で、従来のレコードプレスに比べて2行程少なく済むので、音の劣化、特に高音域のロスが少ないというメリットがあったそうです。
当時、独グラモフォン、英EMI、独EMI、英DECCA、独DECCAなど、新譜、旧譜とも1,800円から2,000円ほどでした。時々バーゲンセールがあって、旧譜が1,300円から1,500円くらいで買えたり。その代わり、石丸電気さんでは随分浪費しました。(笑)
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲をムーティ、フィラデルフィア管弦楽団という珍しい組み合わせの演奏。
ラロ/スペイン交響曲
サン・サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
シャルル・デュトワ 指揮
モントリオール交響楽団
日LONDON L00C-5411
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
アンドレ・プレビン 指揮
ロンドン交響楽団
日LONDON P0JL-9005
以上二枚は英DECCAの日本での発売権がキングレコードからポリドールに移行してから発売された国内盤です。
チャイコフスキーはカッティングもプレス(ドイツ)も英DECCAによるもの。ジャケットのみ日本で作られていて、中身のレコードは輸入盤なのです。マトリックスは「1K」なので、カッティングエンジニアの頭文字はKです。初版盤はWですから、エンジニアが違うという事になります。ラロの方はカッティングのみ英DECCAで、プレスは日本です。
先日、チャイコフスキーのオリジナル盤(ED4)を中古店で見つけたのですが、価格は3,900円でした。1,500円以上の中古レコードは買わない主義を通しておりますので、後ろ髪引かれる思いで諦めました。(^^;
これらの英DECCA盤はオランダプレスです。中古で購入したのではなく、どれも石丸電気さんで購入したものなので、全て新品購入です。
CDの新譜って、レコードと違い何か有り難みがないですね。
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第1番、第4番
アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
コリン・デイヴィス 指揮
ロンドン交響楽団
1962年4月、ロンドンで録音
蘭PHILIPS 835 136 AY
音楽ネタが続きます。
TOWER RECORDSさんのwebを覗いたら、「アルテュール・グリュミオー生誕100年記念特集」というのが目につきました。なんと、今日が誕生日だったのです。
アルテュール・グリュミオー(1921.3.21 - 1986.10.16)はベルギー出身のヴァイオリニストで、彼の演奏ではラロのスペイン交響曲とモーツァルトのヴァイオリン協奏曲が大好きなのです。もちろん他にも沢山の名演を残しているわけですが、中でもラロとモーツァルトの演奏が特にお気に入りです。
イ・ムジチ合奏団の中古レコードを求めた時、タイミング良くグリュミオーが弾くモーツァルトの蘭PHILIPS盤を見つけ、安価だったので一緒に購入していたのです。イ・ムジチ合奏団のレコードと同じ色のレーベルなので、1970年代のプレスです。録音が1962年ですから再発ですね。
ジャケット、盤ともイ・ムジチ盤と同じくらい状態が良いので、ひょっとして前ユーザーさんは同じ?
以前、国内盤のヴァイオリン協奏曲全集のBOXを持っていたのですが、CDが有るからと思い切って売却しています。ところがCDと今回入手した蘭PHILIPS盤とを聴き比べると、レコードの方が音は良いです。
音が良いという表現はいろいろな意味を含んでいてひと口に言うのは難しいのですが、ヴァイオリンの艶やかな響きはレコードの方が上回っているように思います(オケの弦楽含め)。機械が方やレコードプレーヤー、方やCDプレーヤーですから、音楽を聴く媒体がまったく違うので比較するのはおかしいと思いながらも、自分的にはレコードに軍配です。
演奏についてはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲について語る際、いの一番にグリュミオーの録音が挙がるのではないかと思います。個人的にはアンネ・ゾフィー=ムターの演奏も好きなのですが、滋味深いのはグリュミオーの方ですね。
今回の一枚によって第3番と第5番をカップリングした蘭PHILIPS盤も欲しくなってしまった。(^^)
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「四季」
ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の幻想」作品3から
フェリックス・アーヨ(独奏ヴァイオリン)
イ・ムジチ合奏団
ESOTERIC ESSD-90238
まさかESOTERICさんからイ・ムジチ合奏団の「四季」が発売されるとは思いませんでした。ヴィヴァルディのファゴット協奏曲集の記事の中でも述べておりますが、クラシック音楽を聴き始めた頃(18歳)に何度も聴いていた演奏なのです。
当時アルバイトで貯めたお金に不足分を父が出してくれた事で購入出来た、懐かしいステレオの音とは違うような気がするなぁ(当然ですが)・・・などと思い出しながら聴いていました。演奏は今聴いても素晴らしいですね。自分にとって、「四季」の原点と言えるでしょう。
現在、拙宅にはカラヤンの新旧二つの録音、ミュンヒンガー盤、チョン・キョンファ独奏盤等、数種類の「四季」が有りますが、改めて聴いてみると「四季」についてはイ・ムジチ合奏団がベストという感想です。
ミケルッチ独奏の新盤も聴いていますが、イ・ムジチ合奏団の「四季」は今日ご紹介のフェリックス・アーヨ独奏盤が自分の好みに一番合います。
尚、DECCAのマークが付いていますが、オリジナル録音はPHILIPSです。PHILIPSがDECCAに吸収された事によります。
Accuphase Special Sound Selection 3(非売品)
1. ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行
2. ショパン/幻想即興曲
3. ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ「春」〜第4楽章
4. プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」〜私のお父さん
他 全15曲
Accuphase Special Sound Selection 4(非売品)
1. チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」〜ロシアの踊り
2. ベッリーニ/歌劇「ノルマ」〜清らかな女神よ
3. チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」〜情景 ピアノ連弾版
4. モーツァルト/セレナーデ「グラン・パルティータ」〜フィナーレ
他 全17曲
以上二枚はアキュフェーズ製のSACDですが、オーディオ機器の音のチェック用に国内外のレコード会社から版権を買って製作しています。
以前、1と2をご紹介していますが、私もこれらのディスクで自分の装置のチェックに時々使っております。さすがに三次元的響きが聴こえる優秀な録音ばかりが散りばめられていますね。
ヨハン・シュトラウス名演集
1. ワルツ「ウィーンの森の物語」
2. ワルツ「ウィーン気質」
3. トリッチ・トラッチ・ポルカ
4. シャンペン・ポルカ
5. ワルツ「南国のバラ」
6. 宝のワルツ
7. ワルツ「酒、女、歌」
8. 常動曲
カール・シューリヒト 指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
TOWER RECORDS TWSA-1004
私がシュトラウスファミリーのウィンナワルツが大好きになった切っ掛けを作ってくれた演奏です。勿論このSACDを聴いて、という事ではなく初めて聴いたのはレコードです。
会員制のレコードクラブから毎月送られて来るレコードの中にこの演奏があり、当時は指揮者カール・シューリヒトに知識がなく、二流、三流の指揮者だろうなんて思っていたものです。(^^;
演奏が良いのかどうかなんて最初の頃は分かりませんでしたが、ワルツやポルカの楽しさをシューリヒトの指揮によって教えられた結果になったのです。ワルツに耳が肥えた今(笑)、じっくりシューリヒトの演奏を聴いてみると、なかなか味があってシューリヒトらしい一見飄々とした感じを受けますが、大好きな「南国のバラ」も良いですし、「ウィーン気質」も楽しめます。
改めて申すまでもない事ですがウィーン国立歌劇場管弦楽団というのは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の母体です。
モーツァルト/クラリネット五重奏曲
ブラームス/クラリネット五重奏曲
レオポルト・ウラッハ(クラリネット)
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
ESOTERIC ESSW-90232
この演奏もまさかESOTERICさんから発売されるとは「四季」以上に思いませんでした。オリジナルは米ウェストミンスターレーベル(1949年設立のマイナーレーベル)ですが、親会社が二度三度と転々としている間にマスターテープが行方不明になってしまった事で有名な演奏なのです。
米ウェストミンスターのオリジナル盤(モーツァルトの方)は多少状態が悪くても中古市場では数万円、状態が良ければ10万円を超える金額が付けられています。LPレコードとしては例外的に稀少価値のあるレコードだと私も思います。何でもかんでも稀少価値が有るように見せてボッタクリ価格を付ける何処かの通販サイトとはまったく意味合いが異なります。
録音(1951年)が古いですから、既に著作権が切れた時点でオリジナル盤からダビングしたレコードが発売されています。実は私もそのレコード(ワーナーパイオニア盤)でウィーン・フィルの首席クラリネット奏者だったウラッハによる、モーツァルトのクラリネット五重奏曲を愛聴していたのです。
ところが、もう大分経ちますが、発売権を持っているMCAビクターがロスに在る倉庫でマスターテープを見つけたのです。で、ようやくマスターテープ起こしのCDが世に出ました。ESOTERICさんのSACDもそのマスターからのSACD化との事。マスターテープが見つかった事で、オリジナル盤の価値は多少落ちるのでしょうか?
このSACD入手後、オリジナル盤からダビングしたレコードとSACDとで聴き比べてみました。そうしたらSACDも良い雰囲気の音になっています。ダビング盤に負けません。マスターテープが発見されたとは言え、録音が1951年ですから磁気テープ特有の経年劣化も有るでしょう。テープがバリバリ新鮮なうちにレコードになったオリジナル盤からのダビング盤も結構いけてます。(^^)
それでも、これからはSACDで聴く事になるでしょう。余談ですが、イ・ムジチ合奏団の中古レコードを探していた時、私も持っているオリジナル盤からダビングしたワーナーパイオニア盤を二枚見ました。多分、オリジナルテープからのESOTERIC製SACDが発売されたので、それまで持っていたダビング盤を所有者の方は手放したのではないかと推測します。
JUNE - FAIR AND WARMER!
1. I Want to Be Happy
2. Imagination
3. I've Never Been in Love Before
4. Irresistible You
5. No More
他 全12曲
ジューン・クリスティ(ヴォーカル)
ピート・ルゴロ楽団
1957年1月 録音
米Capitol T-833(モノラル、プロモーション用)
THE SONG IS JUNE!
1. Spring Can Really Hang You Up The Most
2. The One I Love Belongs To Somebody Else
3. Nobody's Heart
4. My Shining Hour
5. I Remember You
他 全10曲
ジューン・クリスティ(ヴォーカル)
ピート・ルゴロ楽団
1958年7月、8月 録音
米Capitol ST-1114(ステレオ、オリジナル)
スタン・ケントン楽団出身のお気に入りジャズシンガー、ジューン・クリスティ(1925.11.20 - 1990.6.21)をご紹介。
容姿とは裏腹に大変な酒豪だったらしく、アルコール中毒が原因で大事な喉を痛めてしまい、後年は全盛期の張りのある素晴らしい歌声を聴く事が出来なくなったそうです。
しかし、今日ご紹介の二枚はまだまだ素敵な歌声を聴く事が出来ます。私がジューン・クリスティを知る切っ掛けは、ジャズサークルを通じて友人となった先輩宅で「サムシング・クール」というレコードを聴かせて頂いた事によります。ジャズを聴き始めてしばらく経っていたものの、ジャズヴォーカルだけは相変わらず苦手。
それを知っていた先輩がこれなら聴けると思うよ、と言って「サムシング・クール」のオリジナル盤をかけてくれたわけです。聴いているうちにすっかり気に入ってしまい、先輩が「国内盤を持っているから安く譲るよ」という事で、そのレコードが私にとってのジャズヴォーカル入門となり、以後少しずつヴォーカルも聴けるようになったわけです。
その「サムシング・クール」は「私の愛聴盤 第12回」でご紹介しておりますが、前述の通り今日の二枚も張りのある声を聴く事が出来まして、繰り返し聴いています。
最初の「JUNE - FAIR AND WARMER! 」は購入時プライス票(勿論中古)に「プロモ」と添え書きが有ったのです。プロモーション用ディスクという事は発売前に宣伝のため放送局などに配るわけだから、初版プレスと同じではないのかな? と思い、迷わず購入しています。(^^)
やはりマトリックス番号は1番でした。プロモ用という事でレーベルの色は市販盤とは違い、ご覧のようにブラックです。市販された初版プレスはターコイズですが、問題ありません。レーベルの頭に「SAMPLE ALBUM」と印刷されていますね。
スタン・ケントン楽団の花形シンガーで、その後の白人女性シンガーたちに大きな影響を与えたそうです。素人の私でも聴いていると、なるほどと思うくらい素敵なシンガーです。
緊急事態宣言下、音楽を聴く時間が増えました。(^^)
ヴィヴァルディ/ファゴット協奏曲集 PV137, 70, 305 & 382
クラウス・トゥーネマン(ファゴット)
イ・ムジチ合奏団
蘭PHILIPS 6500 919
今月、ESOTERICさんから発売されたイ・ムジチ合奏団の「ヴィヴァルディ/四季」を聴いたら、もう懐かしくて懐かしくて・・・。クラシックを聴き始めたばかりの頃、「四季」ブームの先鞭をつけたイ・ムジチ合奏団のレコードを何度も聴いて楽しんだものです。
そのレコードは後年、生意気にも「もう聴く事はないだろう」と、他のレコードと一緒に売却していました。大分前の事ですが。
で、「四季」を懐かしんだ影響からイ・ムジチ合奏団による他の演奏を聴きたくなり、つい最近中古レコード店を覗いてみたのです。「新入荷コーナー」の餌箱で捲るようにレコードを見ていたら、今日ご紹介のレコードが有りました。何という幸運!
780円というプライスが付いていたので国内盤と思いました。音楽を聴きたいのですから国内盤でまったく問題ありません。盤質表示も「B+」なら問題なし。即購入を決めました。ところがプライス票には更に「赤銀」という表記が。レーベルの色を指しています。
「え!? 外盤?」と思ってジャケットを裏返ししてみると日本盤ではありません。しかし、赤銀のレーベルがいつの時代なのか分かりませんが、まったく問題ないので購入して来ました。帰路、まさかあっさりイ・ムジチ合奏団のレコードに出遭うとはタイミングが良いなぁ・・・と、ほくそ笑みながら戻って来たものです。(笑)
CDがどのくらい発売されているのか調べてみると、ほとんどが廃盤になっています。イ・ムジチ合奏団の親レーベルである蘭PHILIPSが英DECCAに吸収された事も一因でしょう。
購入したのがヴィヴァルディのファゴット協奏曲集で、一度も聴いた事がない曲ばかり。A面の短調による二曲がとても印象深い曲で、すっかり気に入ってしまいました。トゥーネマンのファゴットがまた良いですね。
多分、中古レコードが比較的安価に購入出来るのは、今はモダン楽器によるイ・ムジチ合奏団のレコードを求める人が少ない(いない)からなのでしょう。室内合奏団と言えば古楽器編成が人気の現在ですから。私にとってはジャケット、盤とも綺麗なものを入手出来、実にラッキーな出遭いでした。
二年前まで、部屋二つと部屋の外にまで置き場が広がってしまったコレクションを整理(売却)する事が重要課題でしたので、レコード購入なんて出来るだけ控えていました。ですが、昨年くらいからまたぼちぼちとジャズ、クラシックの中古レコードを購入する機会が・・・(^^;
ただし、昨日の記事で述べた通りクラシックの中古レコードについては、例えオリジナル盤と言えども1,500円以上のお金を出さない事を金科玉条の如く守っております。でもまぁ、この一年ほどで僅か数枚の購入でしたから、さすがにもうコレクションを増やす気はありません。せっかく時間をかけて断捨離が済んだのですから。(笑)
ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
オットー・クレンペラー 指揮
フィルハーモニア管弦楽団
1955年12月、録音
英COLUMBIA 33CX 1346(1N/1N 初版オリジナル)
私のレコードコレクション、クレンペラーの録音は他の有名指揮者に比べると少ないです。なので、自慢出来るようなレコード、CDは有りませんが、今日ご紹介の演奏にはとても感動しました。クレンペラーらしい、とてもオーソドックスな指揮ぶりですが、大変素晴らしい演奏です。
ちなみにこの録音はステレオで全集録音する前、1955年のモノラル録音であり、ステレオ盤は有りません。某通販サイトではこの時代のレコードが幾らくらいで販売されているのか見てみると、このレコードも出ていますが「売り切れ」になっていました。
ところがミスを二箇所、見付けてしまいました。先ずレコード番号が「33CX1345 モノラル」と表記してありますが、正しくは「33CX1346」です。レーベルの写真も掲載しているのですが、そのレーベル写真には「1346」とハッキリ見えます。
更に、「1959年の優秀録音です。」となっておりますが、前述したようにこのレコードの録音は1955年に行われております。1959年、ステレオ録音のモノラル盤と店主は勘違いしているようです。しかし、いい加減な通販サイトですね。金額も8,800円という異常な高価格。購入された方は騙されて購入したのと一緒。
濃紺に金文字のレーベルで、英COLUMBIA(後、英EMIに)のオリジナル盤です。↑ このレーベル写真の下、マトリックス番号も写るように撮影しているのですが、お分かりになりますか?
「XAX 870-1N」と印字されています。マトリックス番号が「1」なので、完全なる初版オリジナルとなります。(^^)
実は購入時、同じレコードが2枚店頭の餌箱に有りまして、レジで検盤させてくれるお店なので見させて頂いたら、最初に見た盤のデッドワックスに「3N」という文字がチラッと見えました。その時はあまり気にしなかったのですが、もう一枚の方を見る際に念のため同じ部分を確認したら、「1N」になっていたので「あ、これはマトリックス番号だ!」と思い、黙って「1N」の方を購入しました。(笑)
いや〜・・・モノラル録音ですが、とにかく音が良いです。奥行き感も感じられますし、演奏が素晴らしいだけに購入して良かった!・・・という嬉しい気持ちでいっぱいです。
尚、イコライザーカーブはCOLUMBIAカーブなので、LUXMAN製真空管フォノイコライザーのLOWを-4dB、HIGHを-2dBにするとバランスの良い音になりました。
この当時のフィルハーモニア管弦楽団の主席ホルン奏者は名手、デニス・ブレインです。第三楽章のトリオやその他で素晴らしいホルンが聴けます。第四楽章の終盤、突然ホルンが強奏で出て来た瞬間、「おお!」と感嘆したり。本当に素晴らしいです。
ステレオ録音の方はCDで交響曲全集が拙宅に有るのですが、「英雄」に関しては今日ご紹介のモノラル録音の方が凝縮された感じで、私はこちらの方が好みです。
ジャケットも前ユーザーさんが大切に扱っていたようで表裏とも大変綺麗です。半世紀以上も経っているようには見えません。勿論レコード盤の方もとても状態が良いです。
購入価格は1,400円でした。私、例えオリジナル盤、初期盤とは言ってもクラシックに関しては一枚1,500円以上の中古レコードは買わない主義を貫いておりますので、1,400円の金額でも実は餌箱の前でしばし思案してしまいました。(笑)
以前申し上げたように、クラシックのLPレコードに稀少価値はないと思っているからで、古いレコードに1,500円以上出すならCDで良いと考えております。
しかし、今は演奏の素晴らしさに購入しておいて良かった・・・という気持ちであります。
ちなみにプライス票に「SAXとは別録音」と表示してあったのです。「SAX」というのはステレオ盤に付けられている一連のレコード番号、頭のアルファベットです。で、最近webで調べてみたら、1955年の録音でその後のステレオ録音とは別の演奏という事を改めて知りました。親切なレコード店ですよね。価格も良心的だし。
良い演奏に巡り遭えて幸せです。(^^)
ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1962年2月 ベルリン、イエス・キリスト教会にて録音
独グラモフォン 138 805(1960年代初期のドイツプレス盤)
多分、クラシックのオリジナル盤、初期盤を蒐集されていらっしゃる方は当たり前としてご存知の事と思いますが、独グラモフォンがステレオ初期に発売したレコードの表ジャケット、「STEREO」表示(大きな黄色いグラモフォンマークの下)の部分が赤く塗りつぶされているものが有ります。
そのジャケットをオリジナル盤、初期盤愛好者、そして販売業者は通称「赤ステレオ」と呼んでいます。どうやら独グラモフォンはモノラル針でステレオ盤を再生しないよう注意を促したのでは? という説が有るのですが、モノラルからステレオへの移行期でしたから、一番の狙いは最新のステレオ録音という事を目立たせたかったのでは?
切り替わった年が何年(196※年)だったのかは知識が有りませんが、途中から赤い塗り潰しはなくなっています。したがって「赤ステレオ」はステレオ初期に発売された・・・という理由(オリジナル盤)から、同じレコードでも塗り潰しが有るか無いかによって中古価格は結構違いがあるようです。
ですが、「赤ステレオ」と「赤ステレオ」ではない盤の音、多分変わらないのではないかと個人的には思っています。売り手側は何かしら理由付けをして少しでも高く売りたいのでしょう。ボッタクリの通販サイト、ベームの「赤ステレオ」に目の玉が飛び出るような値付けをしていますから。
で、私のレコード棚には ↑ 上記カラヤンの「田園交響曲」が有りますので、ジャケット写真をご紹介します。「赤ステレオ」です。「STEREO」という部分が赤くなっておりますでしょう?
先日「クラシックのオリジナル盤について私感」の記事でご紹介した「英雄」と一緒に購入していた盤で、「赤ステレオ」のせいか「英雄」より400円も高かったです。(笑)
これが「赤ステレオ」のセンターレーベルですが、「英雄」のセンターレーベルと見比べてみてください。
「英雄」のレーベル、時計の1時くらいのところから「MADE IN GERMANY BY」と印刷されていますが、今日の「田園」のレーベルでは「ALLE HERSTELLER -」と印刷されているのがお分かりになると思います。ドイツ語です。「ALLE」が先で、途中から「MADE」に印刷が変わっています。
よって「田園」のレーベルは第1版、「英雄」のレーベルは第2版という事で、オリジナル扱いは「ALLE HERSTELLER -」と印刷された盤になるようです。私が持っているカラヤンの「田園」はオリジナル(初版)に近い盤、若しくはオリジナル盤扱いになるわけですね。
あくまでカラヤンのベートーヴェン交響曲全集に限っての話しでして、当然録音年代によっては「MADE」のレーベルがオリジナルになる盤も沢山有りますので、誤解なきよう。また、「ALLE」のレーベルで「赤ステレオ」になっていないレコードも沢山有ります。
レコードは作りの良い内袋に入っていました。盤も国内盤と違って少し重いです。
ジャケット裏右下の印刷、第1版と第2版とでは記載文に違いが有りますが、このレコードのジャケット印刷は1963年8月となっています。録音が1962年2月ですから、この「田園」のレコードは初期のプレスという事が分かります。磁気テープを使ったクラシックのアナログ録音の場合、録音からレコードとして発売されるまで一年から二年掛かるのが普通でした。要するにテープの編集作業があるからです。
昔、クラシックの音楽誌「レコード芸術」を毎月購入して読んでいた時、録音情報のコーナーを見るのが楽しみでした。お気に入りのアーティストが何々をグラモフォンや英DECCAに録音した、なんて記事を読むと発売を楽しみにしたものです。ですが、発売は一年とか一年半とか待たされます。アイドル歌手の録音のようにはいかないのです。(笑)
その点、デジタル録音になってからは発売まで随分と早くなりました。例えばウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(毎年元旦)なんて、ライヴ録音のCDが1月下旬には発売されてしまうのですからメチャ早です。ライヴ録音は編集作業が少ないからなのでしょうが、CD化目的のスタジオ録音も半年くらいで発売されるのは最早普通です。
今日も話しがあちこち飛びましたが、独グラモフォンの初期盤には「赤ステレオ」と呼ばれているレコードが有るという事を話題にさせて頂きました。
本来なら「赤ステレオ」とそうではない盤とを聴き比べた結果を記事にするべきなのかもしれませんが、もう一枚カラヤンの「田園」を購入するというのも自分的には無駄遣いなのでご容赦。
そもそもカラヤンの「田園」はそれほど好きな演奏ではないので。(^^;
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」
ジョーン・サザーランド(ソプラノ)
マリン・ホーン(メゾ・ソプラノ)
ジェイムズ・キング(テノール)
マルッティ・タルヴェラ(バス)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
英DECCA SXL6233(ED3)
比較的地味な指揮者、ドイツ出身のハンス・シュミット=イッセルシュテットが指揮したベートーヴェンです。常任指揮者を置かない主義のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ですが、ステレオでベートーヴェン交響曲全集を最初に録音した指揮者がハンス・シュミット=イッセルシュテットでした。
以前、「スーパー・アナログ・ディスク」のコーナーで第9番と第8番を組み合わせた2枚組(一番下のジャケット写真)をご紹介しましたが、その時に第8番についてはイッセルシュテットの演奏が一番素晴らしいと述べているように、奇を衒うところのない解釈が第8番に上手くハマったのだと思います。勿論その他の交響曲も安心して聴けるのが何よりです。
で、今日はイッセルシュテットの指揮ぶりを話題にするのではなく、英DECCAが発売していたレコードの事についてです。
時々訪れていた或るオーディオマニアの方のブログを見ていたら、コレクションしている2千枚ほどのレコードはすべてオリジナル盤との事。凄い方ですね。その方も私と同じくクラシックとジャズをお聴きになっていらっしゃいます。
過去の記事でヴァイオリンのチョン・キョンファさんのオリジナル盤(バッハのパルティータ)が凄いとおっしゃっており、英DECCAのレコードについて語っておられたのです。
ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調 作品60
ハンス・シュミット=イッセルシュテット 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
英DECCA SXL6274(ED4)
私が持っているチョン・キョンファさんの英DECCA盤の中にバッハのパルティータは無いので、実に羨ましく思ったものです。英DECCA盤ですが、オリジナル盤愛好者は基本4つの世代に分けています。その4つの世代を・・・、
ED1、ED2、ED3、ED4と呼んでいます。誰がこうしたエディションに分けたのでしょうかねぇ? 中古ショップ? 私が気が付いたのは昨年でした。中古店の人に訊くのは恥ずかしいので、ネットでいろいろ調べたわけです。
ED1はレコードのセンターレーベル左上から「ORIGINAL RECORDING BY」と、時計の12時方向へ印刷してあり、円に沿って深い溝が有ります。ステレオ初期から始まるSXL2000番台すべてとSXL6220前後迄とされています。
ED2は「ORIGINAL RECORDING BY」が「MADE IN ENGLAND BY」に変わり、レコード番号SXL6368くらい迄。ED1とED2は「ラージデッカ溝有り」とも呼ばれています。
ED3はED2とレーベルデザインはまったく同じですが、溝が有りませんので「ラージデッカ溝無し」と呼んでいます。SXL6448くらい迄。
ED4はセンターレーベルの直径がED1、ED2、ED3より小さいので「スモールデッカ」と呼ばれており、「MADE IN ENGLAND」が四角いDECCAマークの左上に印刷されています。レコード番号はSXL6449からSXL6912迄とされています。
英国プレスはここ迄で、以後はオランダプレスになります。多分、オランダプレスはPHILIPSの工場ではないかと想像します。若い番号のオランダプレスも当然有ると思いますが、何度目かの再プレスという事になります。既にCD時代で、レコードの需要が急降下して来た時代ですね。
ところで溝あり、溝なしって何? と思われた方、以前ご紹介したジャズのブルーノートレーベルが分かりやすいと思います。↓ これです。
レーベル外周から少し内側に丸い太い溝がご覧頂けると思います。「溝有り溝無し」はこの溝が有るか無いかを言っているのです。当時使われていたプレス機はプレスの際、盤をしっかり固定するために丸い歯のようなものを食い込ませていたそうで、その名残りです。機械が改良されて以降は無くなりました。
これがED3のセンターレーベルです。ED2と同じデザインで左上から12時方向へ「MADE IN ENGLAND BY」と印刷されていますが、溝が有りません。「ラージデッカ溝無し」です。
このイッセルシュテットのベートーヴェンは年代、レコード番号から初版はED2と思われます。ですから私の盤はマニアが言うオリジナル盤ではありません。まぁ、初期盤と呼ばれる一枚でしょうね。
そしてこちらがED4のセンターレーベルです。「MADE IN ENGLAND」が四角く囲まれたDECCAマークの左上に印刷されています。このレコードも初版はED2と思われます。中古店によってはプライス票にEDを表示しているところが在るので、親切です。もっともそれで私は知ったわけですが。
ここまでは世代分けの話しでした。オリジナル盤信奉者にとってED分けは勿論の事ですが、まだまだ拘るところが有るのです、実は。
それは何かと申しますと、「マトリックス番号」です。
マトリックス番号はレコードをプレスするためのメタルマザーに付けられる番号の事です。当然「1」が一番最初に作られたメタルマザーですから、一番音が良いとされています。ビートルズのレコード、「マト1」の初期オリジナル盤などは目が飛び出るような金額になるらしいです。オーディオ誌のステレオとモノラル聴き比べの中で記述がありました。
では、そのマトリックス番号はどこで見るのか? それはDEADWAXに印字されています。DEADWAXとは、針が音溝を再生し終わると、レーベル方向へ行ったり来たりする、あの空白部分のところです。
ちなみに上記の第9番のレコード、A面には「ZAL-7143-20G」と印字されています。DECCAの場合、頭の「ZAL」はステレオを意味します。モノラルは「ARL」です。次の4桁の数字は使われたマスターテープの番号。ハイフンの次がマトリックス番号になるのです。私のレコード、A面が20枚目のスタンパー、B面は30枚目のスタンパーからプレスされていますので、オリジナル盤愛好者からは鼻も引っ掛けてくれません。(笑)
ですが、購入金額が千円でお釣りが来たレコードですから文句は言えません。
マトリックスが20、30番にまで及ぶという、如何にクラシックがジャズとは比較にならないくらい売れているか、お分かり頂けると思います。
隣の「G」はカッティングしたエンジニアの頭文字です。エンジニアの頭文字の右隣に「R」が付いていた場合はイコライザーカーブがRIAAでカッティングされている意味になります。無い場合はDECCAオリジナルの「FFRR」でカッティングされている事になりますが、1970年代中期以降はRIAAに統一されたという事らしいです。(DECCAのエンジニアだった人の談話)
ただ、1960年代のレコードでもRIAAでカッティングされたものが有りますので、DECCAのレコードは聴いて確かめる必要がありますね。「R」の有る無しもあまり当てに出来ないかもしれません。
今日の4番と9番は間違いなくFFRRでカッティングされています。RIAAで再生すると低域が大きく膨らんで高域は少々弱いです。例のLUXMAN製真空管可変イコライザーを通して低域を-3〜-5bB、高域を+2dBに調整すると見違えるような音になり、如何にも英DECCAらしい鮮鋭な音に変わります。
真空管可変イコライザーを購入した理由は、上流でイコライザーカーブを調整出来るからです。アンプのトーンコントロールで調整するのとでは一味違います。アキュフェーズさんのフォノイコライザーは価格の上下関係なくRIAAのみの対応なのが残念です。1970年代以降の新しいステレオ録音しか聴かない人には関係ない話しですが。
第9番のスーパー・アナログ・ディスク(キングレコード)です。日本でカッティングされていますから、英DECCAのオリジナルマスターテープのコピーを使用しているわけで、厳密に鮮度だけを考慮すると当然負けます。ステレオサウンド社から発売されたショルティのリング4部作もキングレコード所有のテープからSACD化されたそうで、あまり煩い事を言い出すとキリが有りません。
では、ED3の英DECCA盤とスーパー・アナログ・ディスクとで聴き比べた結果は?
ご想像にお任せ致します。
ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1962年3月 ベルリン、イエス・キリスト教会にて録音
独グラモフォン 138 802(1960年代半ばのドイツプレス盤)
先月22日、「レコード(Classic)で行こう!」の記事の中で、オリジナル盤について私は以下のように申しています。
「マイナーレーベルが主流のジャズと違ってクラシックはメジャーレーベルが主流でプレス枚数も桁違いに多いのです。ですからジャズとは価値が違うと私は思っています。」
以上の通り、記述しております。例えばドイツグラモフォンを例にしてみましょう。ドイツでプレスされたレコードはヨーロッパ近隣諸国に輸出されるでしょう。英国には英グラモフォンが在りましたから英国については英グラモフォンでプレスされていたかもしれません。ドイツプレスは米国にも相当な枚数が輸出されていたはず。日本は当初、マスターテープのコピーを貰い、国内でプレスしていたようです。
単純にジャズオリジナル盤愛好者から完オリ(完全オリジナル)と言われる初版プレスだけでもクラシックは相当な枚数だという事がお分かり頂けると思います。ドイツグラモフォンのドイツプレスに限定して、という事でも。
対してジャズのレーベルはほとんどが個人経営のマイナーレーベルです。マイナーもマイナー、ジャズ好きが高じて書籍で言うところの自費出版みたいなものです。人気レーベル、ブルーノートさえアルフレッド・ライオン(ドイツ生まれ)の個人経営でした。富裕層の道楽みたいなものです。商売が立ち行かなくなってからすべてをメジャーレーベルのリバティレコードに売却しています。
そうしたジャズのマイナーレーベル、初版プレスは200枚、300枚足らずという事は普通の事だったそうです。勿論輸出なんて有り得ず、アメリカ国内だけの販売です。日本と違い、音楽演劇は生で聴くもの、見るものという習慣から200枚ですら完売は難しかったと何かの本で読みました。クラシックと違い、ジャズは身近でミュージシャンが演奏していたわけですものね。
ですからジャズ(マイナーレーベル)は初版プレスでお終いという事が多く、ジャズのオリジナル盤が如何に貴重(枚数面で)かという事が分かると思います。長い年月の間に家庭内で廃棄されたりもしたでしょう。レコードにもよりますが、実物が残っている枚数は本当に少ないと思います。オリジナル盤に拘る日本では、市場価格が高騰するのも理解出来ます。
クラシックは前述したように初版プレスだけでも相当な枚数です。初期盤(今日掲載したようなレコード)と言われる盤も含めたら、相当な枚数になってしまいます。カラヤンのレコードなんて桁違いの枚数が全世界的に行き渡り、実際売れています。まるで一時のアイドル歌手並みに。(笑)
先月、たまたま通販専門の某クラシックレコード販売サイトを見たら、呆れるほどのボッタクリ価格。全数、ヨーロッパでの買い付けを謳い文句にしているようですが、現地なら相当安価に仕入れ出来るでしょう。
嘗て、アメリカへの「ジャズオリジナル廃盤買い出しツアー」なるものが横行し、商売になると見た現地レコード販売業者は日本人にだけはべらぼうな価格を突き付けるようになったそうです。そもそも現地販売業者にはオリジナル盤という概念がなかったわけで。結果、日本人がジャズの中古レコード(オリジナル盤)市場価格を上げる原因を作ったのです。クラシックも同様な道を辿るかも?
で、件の通販サイトですが、私が持っている今日の冒頭写真に掲載したカラヤンの「英雄」が、なんと5,500円という販売価格。私は数年前から表計算ソフトを使ってレコード、CDの購入は年月日、購入店舗、購入価格を記録しています。
ちなみにこのカラヤンのレコード、私は580円で購入しております。5,800円ではなく、たったの580円です。カラヤンのレコードなんて売れた枚数を考えればドイツプレスでも中古なら1,000円以下が妥当な販売価格だと思います。私が購入したお店は良心的な値付けをしていたという事ですね。国内盤の価格なんて目も当てられません。(^^;
その販売サイトではジャケット写真とレコードのセンターレーベルの写真を掲載し、「ジャケットは1966年6月印刷です」と表記があります。
これです。ジャケット裏、右下にこの当時ドイツグラモフォンは英デッカと同じように印刷年月を表示していたらしいです。ジャケット裏、実際の色はクリーム色、若しくはアイボリーと言ったら良いでしょうか、薄く黄色がかっています。それが当時のグラモフォンのジャケットです。
この写真は印刷文字を分かりやすくお見せするため撮影後、レタッチで露出をオーバー気味にしてあります。私が所有している盤は、ジャケットもセンターレーベルも販売サイトとまったく同じです。方や5,500円、方や580円。まぁ、商売は需要と供給とのバランス。売れるからボッタクリ価格にしているのでしょう。
この盤は私が購入した以降も、あちこちのお店でもう何度も見掛けています。それだけ出回っている枚数が多いという事です。いずれも1,000円前後(状態による)。そんなものだと思いますよ。580円で購入している私のはジャケット、盤とも状態良好です。スピンドル穴周辺にヒゲは無いですし、スクラッチノイズも少ない、とても綺麗な盤です。
その他ではプッチーニの「トスカ(グラモフォン盤)」がなんと11,000円です。もうビックリです。私は新品を3,600円で購入しています。カラヤンのトスカなんて都内の中古レコードショップを歩けば幾らでも見られます。状態、極めて良好で2,000円がいいところです。
あまりそちらの販売サイトを例に挙げると営業妨害になり兼ねませんのでこのくらいにしますが、私が申したいのはそうした異常な価格を見て稀少(貴重)盤なんだと勘違いして欲しくないという事なのです。
クラシックのレコードで本当の意味で稀少盤と言えるのは戦火の被害に遭わずに済んだ(残った)、歴史的アーティストによるSPレコードではないでしょうか?
モノラルLP、ましてやステレオLPなんて相当な枚数が全世界に残っているはず。地方にお住まいの方は近くにレコードショップなんて無い!
と、おっしゃるかもしれません。確かにそういう環境では通販に頼らざるを得ませんね。お金の使い道に困っているならともかく、一応レコードの価値を冷静に考えて頂きたいです。それが今日、私が申したかった事であります。
新幹線、いや・・・青春18きっぷで上京し、観光気分で都内、神奈川他近県の中古レコード店周りなんていうのは如何でしょう? (^^)
カラヤン、ベーム、バーンスタインのオリジナル盤、初期盤なんて、掃いて捨てるほどあちこちに存在していますので。
最後に今日の音源についてですが、昨年最後の記事(ベートーヴェン生誕250年)で採り上げているように、現在は交響曲全集の形でハイレゾ音源がNASに入っています。大分前にそのハイレゾ音源とこのレコードで聴き比べた事があります。媒体が違うので比べる意味はないと思いますが、音の好みで言えばレコードの方です。
マスターテープが新鮮なうちに作られたレコードはやはり良いですね。だからオリジナル盤信奉者がいらっしゃるわけか。
このところ集中的にSPレコードを聴いていたのですが、なんとカビが生えているSPレコードが出て来たではないですか!
そう言えば何年もターンテーブルに乗せていないものがかなり有りましたから、そうしたSPレコードがヘソを曲げてカビを出したのかも。(笑)
ではと、クリーニングの準備を。このマットの上でクリーニングします。
SPレコード専用のクリーニング液って時代的になかなか無いのですよね。
で、見付けました。↑ これです。
上記のクリーニング液をパラパラと盤面に振りかけます。
で、これを使って盤面を少々強く拭きまくるのです。
ビニールで出来ているLPレコードと違い、SPレコードはあまり力を入れると割れてしまう恐れがあるので、その辺は適度に。
クリーニングするのはカビが生えていたものだけではなく、良い機会なのでコレクションすべてをクリーニングする事にしました。
中古購入のLPレコードは以前からこれを使っています。拭き取りはセットで売られているレコクロスを使っていますが、これらは某組合系ショップで販売されています。
大分前、ブルーノートのオリジナル盤を夢中になって買いまくっていた頃は米国製の自動クリーニング機を購入してクリーニングしていたのですが、中古レコードを購入しなくなった頃、売却してしまいました。
最近、オーディオ誌でやたらとそうした自動クリーニング機の記事が掲載されていますが、自分はブームになる遥か前に使っていましたので、「何、今頃騒いでいるの?」と、呆れています。・・・って、何を自慢げに。(^^;
これは静電気除去用のブラシ。
レコードを再生する前にサラッと撫でてあげると静電気がほとんど無くなります。静電気が元のパチパチノイズが出なくなりますので。空気が乾燥している冬季は必需品。
クリーニングは最後、新しいクロスで液を綺麗に拭き取りますが、念のため更に自然乾燥させ、袋にしまう前にこれで一度撫でてからしまうようにしています。
せっかくクリーニングしたのですから、内袋も当然新品に換えます。
クリーニング前に使っていた内袋は廃棄です。もちろんプラスチックゴミの日に出します。
SPレコードやオリジナル盤の収納は厚紙で出来た市販の白ジャケットに入れていたのですが、今までは普通の白ジャケットでした。ところが、レーベル部分がくり抜かれた白ジャケット(上記写真)が有る事を知り、ダンボール一箱丸ごと購入し、宅配便で送ってもらいました。
長年使用していた白ジャケットは経年変化(劣化)で黄色染みが大分目立つようになりましたので、すべてのSPレコードとオリジナル盤を今回購入した穴開き白ジャケットに入れ替えました。以前はレコードの内容をパソコンで作ってラベルを貼っていたのですが、穴開きならそれも必要ありません。
良い機会だったので、レコードジャケットと白ジャケットを同時収納するセロパックも纏め買いし、これまたすべて入れ替えましたので、大量の古びたセロパックがどっさり。これもプラスチックゴミです。同じく大量の古い白ジャケットは古紙回収の日に出しました。(^^;
SPレコードのクリーニング、さすがに一回でコレクションすべては出来ませんので、一日5枚程度にしていました。その方が雑にならないので。
昨年くらいから、たま〜に中古のLPレコードを購入する事がありますので、そうしたレコードは上記のレコクリンでクリーニングしています。一昨年迄、3千数百枚のレコードを処分したというのに。(^^;
ほとんど二束三文でしたが、カラヤンが晩年に録音した独グラモフォン盤は一枚、5千円から6千円で買い取ってくれました。笑いが止まりません。デジタル録音のレコードにはまったく未練はありませんので。デジタル録音の音源はCDで聴けば良いのです。レコードで聴きたいのはアナログ録音の音源なのですから。
厳選に厳選を重ねて残したレコード、それでもまだ数百枚残っています。
数えるのが怖いので、実数は分かりません。(^^;;;;;
昨晩、BSテレ東の「激録!ハンターカメラ」という番組を見ていたら、キタキツネの狩りの瞬間「ジャンピングキャッチ」はなかなか見られるものではなく、知床で環境保全の仕事を長くしている方すら一度も見た事がないとの事。
番組を見ていた私は「え!? そんなに見られない事なの?」と、ビックリしました。何故かと申しますと私は一度見ていて、拙ブログに過去、掲載していましたので。ただ、カメラを連写モードにしていなかったため飛んだ瞬間は撮影出来ませんでしたが、ジャンピングの瞬間はカメラのファインダーで見ていました。
以前、掲載していた記事を以下に再録します。
公園でキタキツネに出遭いました。ラッキー♪
ん!?
何やら獲物を見付けたようです。この直後、ピョーンと飛び跳ねたのですが、シャッターを連写モードにしていないので、その飛んだ瞬間を写せませんでした。(^^;
苦手な方はスルーしてくださいませ。
野ネズミらしき獲物を咥えて出て来ました。
ここで、クシャクシャと獲物を食べる事に。
で、その後、「余は満足じゃ」とも言いたげにまた歩いて行きました。(^^)
※ 以上が2017年12月4日に掲載した記事です。番組ではかなり時間が掛かったようですが、見事ジャンピングキャッチの瞬間を映像に収める事が出来ていました。
シマフクロウがヤマメをハントするところも放送していましたが、あそこ(羅臼)は餌付けをしてシマフクロウを誘い込んでいる、野鳥カメラマンには有名な場所です。シマフクロウは絶滅危惧種なので、そうして保存しているという事でもあるのです。写っていたシマフクロウには足環が付いていました。
フルトヴェングラーの遺産
1. ハイドン/交響曲第88番(1951.12.5 Berlin)
2. モーツァルト/交響曲第39番(1942/43 Berlin)
3. ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」他(1947.5.27 Berlin)
4. シューマン/交響曲第4番(1953.5.14 Berlin)
5. シューベルト/交響曲第8番「未完成」(1952.2.10 Berlin)
6. シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレート」(1951.12 Berlin)
7. ブラームス/交響曲第1番(1952.2.10 Berlin)
8. ブルックナー/交響曲第7番(1951.4.23 Kairo)
9. ワーグナー/管弦楽曲集(1949.12.19 Berlin & 1951.4.25 Kairo)
10. R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」他(1947.9.16 & 1943.11.13-16 Berlin)
11. フルトヴェングラー/交響曲第2番(1951.12 Berlin)
付録 : インタビュー(1950, 1951 & 1954)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
独グラモフォン 2721 202(レコード10枚組)
フルトヴェングラー戦時中のライヴをナチス・ドイツが開発した磁気テープによる録音機を使って録音したものの、ベルリンの一部を占拠した旧ソ連軍がライヴ録音テープと録音機をすべてモスクワに運んでしまった事は以前、「英雄」の記事中で記しました。
ヒトラーというたったひとりの狂人のためにヨーロッパは戦火にまみれてしまったわけですが、科学者たちは極めて優秀だったのですから、その英知を平和利用していたらと改めて思います。
磁気テープを使った録音機も世界に先駆けて開発しており、録音したテープでラジオ放送していたそうで、放送を傍受していた連合軍は生中継ではないのに、何故SPレコードの大きな針音が聞こえないのか不思議に思っていたという事を何かの本で読んだ事があります。
今日ご紹介のレコードはドイツグラモフォンが戦後に録音(一部を除く)した音源を纏めたBOXです。勿論すべてモノラル録音ですが。しかし、時代的に立派なコンサートホールは残っていませんから、録音にはいろいろと支障はあったものと思います。ベルリンでの録音がほとんどですが、ティタニア・パラストという元は映画館だったところでの録音が多いのです。
どの演奏もフルトヴェングラーらしさが横溢した個性的な解釈です。中でも「運命」は戦後、フルトヴェングラーがようやくベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に立てた時の記念碑的な演奏会が記録されています。まさに鬼気迫るという表現がピッタリの「運命」であります!
フルトヴェングラーはナチスに加担していたという疑いを持たれ、戦後ずっと裁判にかけられていたのです。しかし、ユダヤ系の名ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインの証言で無罪になったそうです。
レコードのセンターレーベルですが、「Made in West Germany」と表示してあります。まだ、ベルリンも含め、ドイツが東西に分断されていた時代のプレスです。今となっては貴重かも。
これらの録音で、私が極め付けと思っているのはシューマンの交響曲第4番とブラームスの交響曲第1番です。シューマンはイエス・キリスト教会での録音で、モノラル録音ですが音には何ら不満はありません。ベルリンのイエス・キリスト教会と言えば、長らくドイツグラモフォンのレコード録音に使われた、言わばホームグラウンドです。カラヤンのベートーヴェン交響曲全集初のステレオ録音もここで行われています。
シューマンの交響曲第4番に関しては、未だにこの録音を凌ぐ演奏を聴いた事がありません。クラシック音楽ファンで、もしこの演奏をお聴きになった事がない方は、是非お聴きになる事をオススメ致します。ライヴ演奏ではなく、スタジオ録音でライヴ的名演奏を成し遂げていますので。
ブラームスはティタニア・パラストでの録音(旧自由ベルリン放送局による放送録音)なのでシューマンほど条件は良くないですが、数種類残されているフルトヴェングラーのブラ1の中で、最高の演奏と私は思っています。
シューベルトの「ザ・グレート」も素晴らしいですね。ハイドンやモーツァルトは名演とは言えなくとも、フルトヴェングラーの個性を味わえます。ハイドンの終楽章でティンパニが半拍早く入るところがあるのですが、如何にもフルトヴェングラーの演奏らしいです。フルトヴェングラーの指揮ぶりを残された映像で見た事があるのですが、指揮棒を小刻みに震えるように指揮する様子に、あれではオケも分かりにくいのでは、と思ったものです。
フルトヴェングラーの名前に擬えて、「振ると面食らう」と言った音楽評論家がいましたけど。(笑)
ブルックナーはベートーヴェンやブラームスと同じアプローチで、私にはどうも・・・という気持ちが拭えません。ワーグナーとR.シュトラウスもフルトヴェングラーらしく、現代の指揮者にこういう解釈をする人はいないでしょう。もっとも、これはすべての曲に言える事ですが。
フルトヴェングラー自身の作品、交響曲第2番は朝比奈隆さんも生前演奏しておりましたが、フルトヴェングラー自身が指揮した演奏がここには収録されています。私にはイマイチ掴みどころのない音楽なのですが。
先日ご紹介したベームのモーツァルト後期交響曲集の後、これまた久しぶりにフルトヴェングラーのBOXを取り出して聴いていたわけですが、ジャズも含め、この頃はCDよりレコードを楽しむ時間が多くなっています。あ、そう言えばクリス・コナーのCDを購入していたのに、まだ聴いていなかった。(^^;
CDプレーヤーよりレコードプレーヤーを操作している時の方が、やはり機械を「弄っている感」が強く感じられて楽しいですね。男の性(さが)でしょうか。(笑)
ところで今日のレコードはすべてモノラル録音ですが、先日或るオーディオ雑誌を読んでいたら(iPadでの電子書籍)、モノラル録音を聴いた事がないというオーディオ評論家がいらっしゃいました。いやもう・・・ビックリでした!
CHRIS CONNOR
米BETHLEHEM BCP 1001
今日は10インチレコード(25cm盤)のご紹介。調べてみると78回転SPレコードの時代から米コロンビアレコードがLPレコードを発売したのが1948年。10インチLPレコードは1955年くらいまで発売されていたようです。当然、RIAAカーブが制定される前ですから、イコライザーカーブは各社バラバラの時代になります。
あちこちいろいろ調べました。BLUE NOTEはAES、COLUMBIAは言うまでもなく自社COLUMBIA、PACIFIC JAZZは自社オリジナルカーブのようです。
ジャズの12インチLPレコード(30cm盤)が発売された当初、元々は10インチ盤で発売されていた音源に2〜4曲ほどプラスし、12インチ盤として焼き直されたものが結構ありまして、厳密なるオリジナルは10インチ盤の方というものが結構あります。もっとも10インチ盤もSPレコードを復刻したものがあるわけですが。
人気ジャズ歌手クリス・コナーです。ベツレヘムレーベルでの録音は3枚の10インチ盤で発売されましたが、これらは後年2枚の12インチ盤に編集し直されてから発売されています。
10インチ盤のこのジャケット写真はジャズファンに人気があるのですが、残念ながら12インチ盤では使われていません。12インチ盤のジャケットはつまらないです。(^^;
レコード番号から、ベツレヘムレーベル最初の一枚ですね。
実はこのレコード、もう一枚持っているのですが、そちらはセカンドプレスだと思います。ジャケット全体のグリーン色が薄いですし、レコードのセンターレーベルの文字サイズと位置が微妙に違うのと、デッドワックスの番号もオリジナル盤は手書きですが、セカンドプレスと思われる盤は機械プレスです。
URBIE GREEN SEPTET
米BLUE NOTE BLP 5036
ディキシーからスイング時代に活躍したトロンボーン奏者、アービー・グリーンがブルーノートに残した貴重なリーダー作。
ジャズを聴き始めて間もなく、ブルーノートのオリジナル盤を夢中になって蒐集していた時期がありました。しかし、近年ブルーノートレーベルの看板とも言うべきギンギラギンのハードバップを聴く事は滅多になく、先日ご紹介した数枚を残して皆売却しています。あれは残しておけば良かったと後悔しているのが一枚だけあります、実は。
このアービー・グリーンはハードバップ時代を迎える前の言わばスイング系・・・というより中間派と言ったら良いのでしょうが、現在はこういうジャズを好んで聴いています。
VIC DICKENSON SEPTET
米VANGUARD VRS-8002
こちらもヴィック・ディッケンソンのトロンボーンを楽しめます。この盤もアービー・グリーン盤と同じく入手以来繰り返し聴いていますが、まったく飽きません。ルビー・ブラフのトランペットも良いです。中間派は安心して聴く事が出来ます。
ヴィック・ディッケンソンを知ったのはもう随分前の事。俳優の故藤岡琢也さんがジャズ雑誌の愛聴盤特集のような記事の中で、ご自身の長年の愛聴盤としてヴィック・ディッケンソンのヴァンガード録音を集めた二枚組の国内盤を挙げていたのです。藤岡琢也さんのジャズ好きは知る人ぞ知る、というほどだったそうです。
それからしばらくして、上記米ヴァンガード盤を中古レコード店で見つけ、購入した次第。ジャケットはご覧のようにテープで補修されていますし、盤の状態もあまり良くありません。そのお陰でオリジナル盤にもかかわらず安かったですけど。藤岡琢也さんが愛聴されていた二枚組には曲数が全然足りませんが、ホントに良い演奏です。
LOUIS ARMSTRONG CLASSICS
米DECCA DL 5225
サッチモの愛称で親しまれていたルイ・アームストロングの演奏を楽しめます。
実に楽しいレコードです。「聖者の行進」も入っています。
RED NICHOLS CLASSICS Vol. 1
米BRUNSWICK BL 58008
RED NICHOLS CLASSICS Vol. 2
米BRUNSWICK BL 58009
以上二枚はこれまたディキシーからスイング時代に活躍したコルネット奏者、レッド・ニコルスのリーダー作。
ジャック・ティーガーデン、ベニー・グッドマン、グレン・ミラー、ジーン・クルーパと、錚々たるメンバーの演奏が聴ける5つの銅貨。
CHET BAKER QUARTET
米PACIFIC JAZZ PJLP-6
ジャズファンならどなたもご存知、チェット・ベイカー初期の有名盤。私はこのジャケットに惚れ込みまして、何とかオリジナル盤で入手したいと思い、探しに探して見つけたジャケット、盤とも極上の逸品。
私にとって、中古レコードに支払った額としてのレコードを記録しています。(^^;
お金を有るだけ自由に使っていた時代でしたから。(笑)
CHET BAKER SEXTET
米PACIFIC JAZZ PJLP-15
こちらも同じくチェット・ベイカー初期の10インチ盤ですが、ジャケットの状態はご覧の通りで、盤の状態もまぁBからCランクというところなので、こちらは10インチオリジナルとしては嘘みたいに安価でした。
二枚ともレーベルは黒に見えますが、実際の色は黒に限りなく近い焦茶色です。
10インチ盤を30cmサイズのターンテーブルに乗せるとこんな感じです。盤を乗せる時は12インチ盤と同じ感覚ですが、取り上げる時が少し厄介。ターンテーブルマットが10インチ盤を乗せる事を考えていないので。
再生時、10インチ盤という事をうっかり忘れて聴いていると、思いのほか早く針はセンターレーベルへと行ってしまいます。慌ててレコードプレーヤーへと。(笑)
以上、今日は10インチ盤コレクションの一部をご紹介させて頂きました。
SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
SIDE 1
1. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
2. OLD FOLKS
3. PFRANCING
SIDE 2
1. DRAD-DOG
2. TEO
3. I THOUGHT ABOUT YOU
マイルス・デイヴィス(トランペット)
ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
ハンク・モブレー(テナーサックス)
ウィントン・ケリー(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
ジミー・コブ(ドラムス)
録音 : 1961年3月7、20、21日、ニューヨークで録音
SONY MUSIC SIJP-1021(アナログレコード)
つい最近、自分の知らない中古レコード店がそう遠くないところに在る事を知り、訪れてみました。ジャズとロックが中心のようですが、今回はどういうお店なのか様子見だけでお店を後にしました。お店には申し訳なかったですが。
実はこの日、別の買い物をする事が目的でした。それが今日ご紹介のレコードです。ハイ、大層な買い物をしたわけではありません。(^^;
一昨年だったか、ソニーさんが静岡の自社工場でレコードのプレスを開始した事がニュースになっていましたが、今日のレコードはそのソニーさんによる国内プレスです。ここ数年、世界規模でレコードのプレス枚数が右肩上がりだそうで、満を持してソニーさんも参入したわけですね。
中古店からタワーレコードさんに移動して購入して来ました。「新品のレコード」を購入したのは何年振りになるのかなぁ・・・? もうまったく覚えておりません。新品のレコード、やはり良いですね! ジャケットもレコードも綺麗だし。あ、当たり前か。(笑)
で、このレコードはモノラル盤なのです。CDはステレオ盤(リッピング後、売却済み)でして、偶々タワーレコードさんのサイトでソニープレスのレコードはモノラル盤だという事を知り、これは是非購入せねば、と思った次第。
レコードのセンターレーベルです。オリジナル盤には円に沿って上部に大きく「COLUMBIA」とレタリングされているのですが、日本では日本コロムビアさんが商標権を持っているので、ソニー盤ではカットされています。何となく間が抜けた感じを受けますが、仕方ないですね。せっかくの六っ目デザインですが。ジャケット左上のマークのところにも「COLUMBIA RECORDS」の表記がありません。録音は米コロンビアレコードです。
アルバムタイトルになっている「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」という曲が好きでして、マイルスのこのレコード(CD)もこの一曲のために購入しているようなものです。ご存知だと思いますが、この曲はディズニーの名作アニメ「白雪姫」の中で歌われる名曲ですね。
ジャズピアニストのデイヴ・ブルーベックが採り上げて以来、いろいろなジャズミュージシャンが演奏するようになったようで、御大マイルスもレコーディングしています。マイルス盤は曲名がアルバムタイトルになっているくらいで。
マイルスのミュートによる演奏の後、ハンク・モブレーの茫洋としたプレイが続くのですが、その後を引き継いだウィントン・ケリーのピアノがもう最高なのです。このケリーのアドリブを聴くためにこの盤の価値があると言っても過言ではないほど素晴らしい演奏を聴く事が出来ます。
モブレーと同じテナーのコルトレーンが登場するのですが、何故マイルスはテナーを二人置いたのか理解に苦しみます。モブレーとコルトレーンの力量差が目立つだけで。コルトレーンのソロもまた凄いですが、マイルスの元を離れてインパルスでリーダー作を作り続ける事になる、或る意味大きな変貌がここで垣間見られます。
ステレオ盤ではマイルスは中央、ケリーのピアノは左チャンネルから、テナーサックスは左右チャンネルに分かれています。ステレオも悪くないのですが、中央に固まるモノラルは明らかにマイルスが主役、という感じで前後に奥行きが出ます。
私はモノラル盤を支持します。(^^)
蛇足ですが、ジャケット写真の女性は一時期、マイルスの奥さんだったそうです。
最後に、ソニープレスは盤質も最高です!
盤は180gの重量盤で、ジャケットには挿入されておらず、わざわざ別の白ジャケットに入れてあるのです。で、何度も開閉可能な糊付きセロパックに封入されています。この方式は私がオリジナル盤を保管する時と同じ。これも最高。(笑)
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