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2021年3月 5日 (金)

フルトヴェングラーの遺産

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フルトヴェングラーの遺産

1. ハイドン/交響曲第88番(1951.12.5 Berlin)
2. モーツァルト/交響曲第39番(1942/43 Berlin)
3. ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」他(1947.5.27 Berlin)
4. シューマン/交響曲第4番(1953.5.14 Berlin)
5. シューベルト/交響曲第8番「未完成」(1952.2.10 Berlin)
6. シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレート」(1951.12 Berlin)
7. ブラームス/交響曲第1番(1952.2.10 Berlin)
8. ブルックナー/交響曲第7番(1951.4.23 Kairo)
9. ワーグナー/管弦楽曲集(1949.12.19 Berlin & 1951.4.25 Kairo)
10. R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」他(1947.9.16 & 1943.11.13-16 Berlin)
11. フルトヴェングラー/交響曲第2番(1951.12 Berlin)
付録 : インタビュー(1950, 1951 & 1954)

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

独グラモフォン 2721 202(レコード10枚組)

フルトヴェングラー戦時中のライヴをナチス・ドイツが開発した磁気テープによる録音機を使って録音したものの、ベルリンの一部を占拠した旧ソ連軍がライヴ録音テープと録音機をすべてモスクワに運んでしまった事は以前、「英雄」の記事中で記しました。

ヒトラーというたったひとりの狂人のためにヨーロッパは戦火にまみれてしまったわけですが、科学者たちは極めて優秀だったのですから、その英知を平和利用していたらと改めて思います。

磁気テープを使った録音機も世界に先駆けて開発しており、録音したテープでラジオ放送していたそうで、放送を傍受していた連合軍は生中継ではないのに、何故SPレコードの大きな針音が聞こえないのか不思議に思っていたという事を何かの本で読んだ事があります。

今日ご紹介のレコードはドイツグラモフォンが戦後に録音(一部を除く)した音源を纏めたBOXです。勿論すべてモノラル録音ですが。しかし、時代的に立派なコンサートホールは残っていませんから、録音にはいろいろと支障はあったものと思います。ベルリンでの録音がほとんどですが、ティタニア・パラストという元は映画館だったところでの録音が多いのです。

どの演奏もフルトヴェングラーらしさが横溢した個性的な解釈です。中でも「運命」は戦後、フルトヴェングラーがようやくベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に立てた時の記念碑的な演奏会が記録されています。まさに鬼気迫るという表現がピッタリの「運命」であります!

フルトヴェングラーはナチスに加担していたという疑いを持たれ、戦後ずっと裁判にかけられていたのです。しかし、ユダヤ系の名ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインの証言で無罪になったそうです。

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レコードのセンターレーベルですが、「Made in West Germany」と表示してあります。まだ、ベルリンも含め、ドイツが東西に分断されていた時代のプレスです。今となっては貴重かも。

これらの録音で、私が極め付けと思っているのはシューマンの交響曲第4番とブラームスの交響曲第1番です。シューマンはイエス・キリスト教会での録音で、モノラル録音ですが音には何ら不満はありません。ベルリンのイエス・キリスト教会と言えば、長らくドイツグラモフォンのレコード録音に使われた、言わばホームグラウンドです。カラヤンのベートーヴェン交響曲全集初のステレオ録音もここで行われています。

シューマンの交響曲第4番に関しては、未だにこの録音を凌ぐ演奏を聴いた事がありません。クラシック音楽ファンで、もしこの演奏をお聴きになった事がない方は、是非お聴きになる事をオススメ致します。ライヴ演奏ではなく、スタジオ録音でライヴ的名演奏を成し遂げていますので。

ブラームスはティタニア・パラストでの録音(旧自由ベルリン放送局による放送録音)なのでシューマンほど条件は良くないですが、数種類残されているフルトヴェングラーのブラ1の中で、最高の演奏と私は思っています。

シューベルトの「ザ・グレート」も素晴らしいですね。ハイドンやモーツァルトは名演とは言えなくとも、フルトヴェングラーの個性を味わえます。ハイドンの終楽章でティンパニが半拍早く入るところがあるのですが、如何にもフルトヴェングラーの演奏らしいです。フルトヴェングラーの指揮ぶりを残された映像で見た事があるのですが、指揮棒を小刻みに震えるように指揮する様子に、あれではオケも分かりにくいのでは、と思ったものです。

フルトヴェングラーの名前に擬えて、「振ると面食らう」と言った音楽評論家がいましたけど。(笑)

ブルックナーはベートーヴェンやブラームスと同じアプローチで、私にはどうも・・・という気持ちが拭えません。ワーグナーとR.シュトラウスもフルトヴェングラーらしく、現代の指揮者にこういう解釈をする人はいないでしょう。もっとも、これはすべての曲に言える事ですが。

フルトヴェングラー自身の作品、交響曲第2番は朝比奈隆さんも生前演奏しておりましたが、フルトヴェングラー自身が指揮した演奏がここには収録されています。私にはイマイチ掴みどころのない音楽なのですが。

先日ご紹介したベームのモーツァルト後期交響曲集の後、これまた久しぶりにフルトヴェングラーのBOXを取り出して聴いていたわけですが、ジャズも含め、この頃はCDよりレコードを楽しむ時間が多くなっています。あ、そう言えばクリス・コナーのCDを購入していたのに、まだ聴いていなかった。(^^;

CDプレーヤーよりレコードプレーヤーを操作している時の方が、やはり機械を「弄っている感」が強く感じられて楽しいですね。男の性(さが)でしょうか。(笑)

ところで今日のレコードはすべてモノラル録音ですが、先日或るオーディオ雑誌を読んでいたら(iPadでの電子書籍)、モノラル録音を聴いた事がないというオーディオ評論家がいらっしゃいました。いやもう・・・ビックリでした!

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