妖艶なる元帥夫人
R.シュトラウス/楽劇「薔薇の騎士」ハイライト
元帥夫人: エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
オクタヴィアン : クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
オックス男爵 : オットー・エーデルマン(バス)
ゾフィー : テレサ・シュティッヒ=ランダル(ソプラノ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
フィルハーモニア管弦楽団
1956年12月、キングズウェイ・ホール(ロンドン)
英COLUMBIA SAX 2423(初期盤)
クラシックファン、オペラファンならどなたもご存知の歴史的名録音です。元帥夫人をエリーザベト・シュヴァルツコップが歌っています。
同時期にザルツブルク音楽祭で収録された映像がBlu-rayディスクとして発売されていますが、シュヴァルツコップの元帥夫人は美しいですね・・・気品があります。つくづく歌手って容姿も大事だなぁ・・・と、思ってしまいます。
このレコードは初期盤ですが、全曲盤ではなくハイライト盤です。しかし、この一枚だけでも充分、妖艶・・・というよりシュヴァルツコップの上品なお色気を備えた元帥夫人を堪能出来ます。
全曲盤はCDで聴いております。以前も申した事があるのですが、「薔薇の騎士」って初めて音声だけで聴いた時は有名なわりには面白くない、言い換えれば退屈な音楽だなぁ・・・という印象でした。
ところが、WOWOWさんで放送されたメトロポリタンオペラでルネ・フレミングが元帥夫人を演じていた映像を見たら、そうか・・・そういう事か・・・と、このオペラを理解出来たのです。(^^;
カラヤンが指揮するR.シュトラウスは定評のあるところですが、この「薔薇の騎士」も素晴らしい指揮ぶりです。後年、独グラモフォンに再録音していますが、個々の歌手陣の力量差を鑑みると個人的にはこちらの録音の方を僅差で選びたいと思います。音質だけならもちろん新録音の方ですが。
オットー・エーデルマンのオックス男爵は愛嬌を感じて良いですね。クリスタ・ルートヴィヒのオクタヴィアンも良いですし、テレサ・シュティッヒ=ランダルのゾフィーも可愛らしいです。(^^)
総合点で歴史的名盤という称号を与える事にどなたも依存はないと思います。
R.シュトラウス/楽劇「薔薇の騎士」ハイライト
元帥夫人: マリアンネ・シェヒ(ソプラノ)
オクタヴィアン : イルムガルト・ゼーフリート(メゾ・ソプラノ)
オックス男爵 : クルト・ベーメ(バス)
ゾフィー : リタ・シュトライヒ(ソプラノ)
カール・ベーム 指揮
ドレスデン・シュターツカペレ
1958年12月、ドレスデン、ルカ教会
独Grammophon SLPEM 136 410(赤ステレオ、フラット初期盤)
こちらは作曲者、R.シュトラウスと親交のあったカール・ベームが、1958年に作曲者ゆかりのオケと録音した名盤です。
所有するレコードはカラヤン盤と同じくハイライト盤ですが、収録場面は違うものの、やはりこの一枚でも充分「薔薇の騎士」を楽しむ事が出来ます。
ジャケット裏ですが、このように指揮者、歌手の顔写真が掲載されています。元帥夫人を歌っているマリアンネ・シェヒもお綺麗な方ですね。ステージで元帥夫人を演じたら、シュヴァルツコップに負けないほどの妖艶さと気品を備えた元帥夫人だと思います。
ベーム盤も全曲盤はCD所有です。ベームもR.シュトラウスを得意にしていた指揮者で、「薔薇の騎士」もカラヤンに負けない良さがあります。
元帥夫人を歌っているマリアンネ・シェヒは恥ずかしながらこの盤で初めて聴いた歌手なのです。活躍された年代を考慮すると知識がないのも仕方ないのかもしれませんが、調べてみると幾つかの録音に参加されていますね。しかし、ここで聴かれる元帥夫人も素晴らしい歌唱です。
ゾフィーを歌っているリタ・シュトライヒも素敵なゾフィーです。リタ・シュトライヒは日本でもファンが多いですよね。
それとクルト・ベーメのオックス男爵が私は好きで。クルト・ベーメを初めて聴いたのはマゼールが指揮した「フィデリオ」全曲盤でした。ロッコを歌っているのですが、実に温かみのある歌唱で、印象に残っています。ここでも多少三枚目的役どころを実に巧く歌っています。
今日はカラヤン旧盤とベーム盤をご紹介しましたが、他にもクライバー盤、バーンスタイン盤と、「薔薇の騎士」は名盤が多いです。
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