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2021年4月24日 (土)

SACDを楽しむ(14)

5293

R.シュトラウス/歌劇「ナクソス島のアリアドネ」

プリマドンナ/アリアドネ : グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ツェルビネッタ : シルヴィア・ゲスティ(ソプラノ)
作曲家 : テレサ・ツィリス=ガラ(ソプラノ)
テノール歌手/バッカス : ジェイムズ・キング(テノール)
音楽教師 : テオ・アダム(バリトン)
水の精 : エリカ・ヴェストマン(ソプラノ)
木の精 : アンネリース・ブルマイスター(ソプラノ)
ハルレキン : ヘルマン・プライ(バリトン)
舞踏教師/スカラムッチョ : ペーター・シュライヤー(テノール)

ルドルフ・ケンぺ 指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

録音 : 1968年6月、7月 ドレスデン・聖ルカ教会

TOWER RECORDS(英EMI) TDSA177/8

四管編成の大オーケストラ作品が多いR.シュトラウス(1864 - 1949)の作品ですが、この「歌劇「ナクソス島のアリアドネ」は僅か36名編成のオーケストラで演奏されるという、珍しい作品です。東西冷戦下の1968年、録音は西独エレクトローラ(独EMI)と東独シャルプラッテンとの共同制作。

このSACDはTOWER RECORDSレーベルからの発売で、本国にあるオリジナルのアナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化したマスターを使い、800セットでの限定販売(シリアル・ナンバー付き)です。発売は昨年12月。

さて、この作品はプロローグと実際のオペラの二部構成で、プロローグではオペラに出演する歌手や作曲家、音楽教師のドタバタぶりが描かれています。本番のオペラはお伽話のような感じで、楽劇「サロメ」を作曲した人とは思えない作品です。

ギリシャ神話に登場するアリアドネの悲劇が描かれているのが本番のオペラなのですが、私はところどころワーグナーの楽劇「ワルキューレ」の第一幕とオーバーラップしました。

バッカスを歌っているのがワーグナーの作品で一時引っ張りだこだったテノールのジェイムズ・キング。ジークムントを歌っているような感じで、アリアドネがまるでジークリンデのよう。R.シュトラウスの音楽もワーグナーを意識して作曲したのではないかと思うほど雰囲気が似ている箇所があるのです。

しかし、R.シュトラウスの音楽も素晴らしいです。室内オーケストラほどの編成でありながら、時にフルオーケストラ並みの響きを奏でます。ですが、全体的にはお伽話に相応しい音楽で、R.シュトラウスに対する印象が大きく変わりました。

アリアドネを歌っているグンドゥラ・ヤノヴィッツがまた素敵な声を聴かせてくれます。声が少し若いですね。私が知っているヤノヴィッツはもっと後の時代なので、とても新鮮に感じました。

シルヴィア・ゲスティのツェルビネッタも見事なコロラトゥーラを聴かせます。ハンガリー出身のゲスティは東ドイツで活躍された方なので、西側での録音が少なかった事が悔やまれます(後に西側へ亡命)。素晴らしいソプラノですね! スウィトナーが指揮したモーツァルトのオペラでも歌っていますが、 3年前に惜しくも亡くなられております。

ところで私が一番驚いたのはバリトン歌手でもっとも贔屓にしているヘルマン・プライがこの作品に参加していた事。聴く前、歌手陣の名前は主役クラスしか注意して見ていなかったのです。
・・・が、

途中で、「あれ? この声ってヘルマン・プライじゃないのかなぁ?」と思ってインレットの配役欄を見直してみると、下の方に記述があるではないですか。ハルレキンというチョイ役にヘルマン・プライの名前がありました。やはり! プライ参加でこの録音の価値が一段上がりましたね。(笑)

ケンペ生誕110周年を記念したディスクですが、TOWER RECORDSさんは埋もれ気味になっている貴重な録音を復刻してくれますので、これからも期待しています。

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