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2021年4月11日 (日)

バックハウス & ベームのブラームス聴き比べ

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ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調

マトリックス番号は、

SIDE 1(ZAL-7857-1W)
SIDE 2(ZAL-7858-1W)

米LONDON CS6550(ED2相当 英国初版プレス)

 

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ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調

日LONDON K38C-70020(スーパー・アナログ・ディスク)

以上、

ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1967年4月、ウィーン

新年早々、バックハウスとベームによるブラームスのピアノ協奏曲第2番の米ロンドン盤を見つけ、しばし熟慮した後に購入しました。価格は1,500円でしたので、私が中古レコードに支払うと決めている上限金額です。

直ぐに決められなかったのは、既にキングレコードのスーパー・アナログ・ディスクで持っているからという事でした。しかし、ジャケットの状態が結構良いので、盤も案外綺麗かも? と思い、お店のレジへ。

検盤させて頂くとレーベルのスピンドル穴周辺にはヒゲもなく、とても綺麗な状態。で、マトリックス番号を見ると何と! 両面とも「1W/1W」ではないですか!

初版プレスです。米ロンドンレーベルはワルツの記事で記述したように英DECCAが米国で販売するためのレーベル(日本も同じ)です。戦前、米DECCAと資本提携があったのですが、戦時中にそれが失われ、戦後は提携が切れていたのでDECCAレーベルを米国で使えなくなっていたのです。

そのため新たにLONDONというレーベルを作っただけで、レコードは当然の事ながら英DECCAプレスなのです。録音年代から英DECCA盤のオリジナルはラージデッカ溝有りのED2ですが、私が購入したのはラージロンドン溝有り盤です。したがって英DECCAレーベルと米LONDONレーベルは同じ盤という事で、ただ単に異なるラベルが貼られているだけです。(^^)

もし、同じ盤を英DECCAレーベルで購入しようとしたら、1,500円では買えません。米国はレコードをあまり大切に扱わないお国柄か、日本ではロンドンレーベル(中身は英DECCA盤ですが)はイマイチ人気がありません。しかし、そのお陰で私は初版プレスを大変安く入手出来たわけです。

で、今日の本題。この初版プレスとキングのスーパー・アナログ・ディスクとで聴き比べた結果をご報告します。

ハナから聴き比べをしたわけではなく、最初は勿論初版プレスで全曲を聴いています。せっかく購入したのですから。音も演奏も良いなぁ・・・と、聴き惚れていたのですが、途中で聴き比べを思い付いたのです。

聴き比べは最初にスーパー・アナログ・ディスク(以下SAD)で第一楽章の途中まで聴き、初版盤に交換して同じところまで。その後、またSADで第二楽章の途中まで聴き、再び初版盤で同じところを聴きました。

結果は?

いやいやSADも「なかなか良いじゃん!」という感想を持ちました。ただ、厳密には弦楽器(特にヴァイオリンの高音域)の艶がSADは初版盤に少し劣ります。ヴァイオリンの音色にほんの僅かかすれた感じがあります。初版盤にはそういう事はなく、実に艶やかで伸びのある音を聴かせてくれます。

低弦部はSADの方が少し分厚く、迫力があります。これは二つ理由が考えられます。ひとつはカッティング時のイコライジングで低域を強調させたのでは? という事。もうひとつは、元々マスターテープに入っていた音をそのままリミッターをかけずにカッティングしたから、という、どちらかではないかと。私は後者だと思います。

レコード会社としては各家庭でどういう再生装置・・・それこそポータブルプレーヤーから大掛かりな装置まで、機器問わずレコードはトラブルなく再生出来なければクレームの対象になってしまうわけです。低音部は振幅が大きいので、ある程度リミッターをかけてカッティングしませんと針が飛んでしまいます。

しかし、SADは「音が売り」のディスクです。封入されている説明書にも記述があります。通常盤ではグラフィックイコライザー、フィルター、リミッター等を使いますが、SADではそれらを一切介在させずにカッティングしている事を最大の特徴としています。

ですから、平均的にSADは低音部の厚い音を聴かせますが、リミッターをかけずにカッティングしている事がその最大理由ではないかと思っています。恐らく英DECCAのオリジナルテープには想像を絶する音が記録されているのではないかと思われます。絶対聴く機会はないわけですが。(笑)

使用するマスターテープ次第ではSADもなかなか良い音を聴かせてくれる事を再確認する良い機会となりました。

しかし、ピアノや木管の音色、響き等を考慮すると、やはり初版盤の音を上位と認めざるを得ません。その差が小さいか大きいかは聴き手にもよると思いますが。サブマスターテープによるカッティングですから、僅かながらでも鮮度が落ちるのは仕方ないですね。もっとも、これからまたSADの新譜が出るわけではないですが。

余談ですが、第三楽章で見事な独奏チェロを弾いているのは首席チェロ奏者のエマヌエル・ブラベックさんで、往年のバリリ四重奏団で活躍された方です。実に美しいチェロを聴かせてくれますよ。

聴き比べとは関係ないですが改めて申すまでもなく、時は経ても名演奏に変わりありません。

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