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2021年5月 7日 (金)

ケルテスの新世界、聴き比べ

ドヴォルザーク/交響曲第9番 ホ短調「新世界より」

イシュトヴァン・ケルテス 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1961年3月、ウィーン

ドヴォルザーク「新世界より」のケルテス盤、ウィーン・フィルを振った旧録音ですが、二種類のレコードで「音」を聴き比べてみました。いずれも180gの重量盤です。

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SPEAKERS CORNER(英DECCA) SXL2289(180g復刻重量盤)

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キングレコード KIJC-9003(スーパー・アナログ・ディスク)

聴き比べたのは以上の二枚で、オリジナル・ジャケットデザインのレコードは米SPEAKERS CORNERというサードパーティによるレコードですが、正規のライセンス料を払い、オリジナル・マスターテープからカッティングし、プレスはドイツのパラス社で行っています。とても盤質が良いです。

近年、こうしたサードパーティによる180g重量盤による復刻が盛んに行われていて、アナログレコード人気を物語っているように思います。

さて、今回は演奏云々ではなく、両盤の音を聴き比べています。ちなみに両盤ともちょい聴きではなく、全曲をそれぞれ聴いております。キングレコードのスーパー・アナログ・ディスクは聴き慣れていますので、初めに米SPEAKERS CORNERの復刻盤から。

英DECCAのオリジナル盤(高価格らしい)の音を知りませんので、あくまでも米SPEAKERS CORNER盤の印象ですが、録音年月の古さを感じさせない良い音で全曲を聴き終えました。演奏はもちろん素晴らしいです。

SPEAKERS CORNER盤を聴き終えた後、直ぐにキングレコードのスーパー・アナログ・ディスクを再生しました。先ず最初に感じるのは低音域がキング盤の方が深いな、という事。以前にも申した事があるようにキング盤はリミッターをかけずにカッティングしていますから、恐らくマスターテープの低音がほとんどそのままカッティングされているものと思います。

キングレコードはマスターテープを再生するテープデッキから直にカッティングマシンに繋ぎ、両者共スピードを1/2にしてカッティングし、ワイドレンジ化、歪率の低減、トランジェント特性を向上させたそうです。使うマスターテープも新規に英DECCAに依頼したそうで、オリジナルからコピーする際、必ず等速でするようお願いしたとか。

テープデッキとカッティングマシンを繋ぐケーブルもいろいろなケーブルメーカーに理由を言って貸し出しをお願いし、最善のケーブルを吟味。電源周りも6600Vもの高圧配電線から繋いだ大型のトランスから直に太いケーブルを使ってマシンに接続したとの事で、音に良いと思われるすべての事を行なってスーパー・アナログ・ディスクをプレスしていたようです。

こうした事を時代がCD中心になっているにも関わらず行っているのですから凄い事です。改めてプロデューサーの高和さんには尊敬の念を抱きます。

しかし、SPEAKERS CORNER盤の方は180g重量盤とは言え通常のレコードですから、フィルター類、そしてリミッター等、通常の処理を行ってからカッティングしているものと思います。高音域から低音域まで、実にバランス良い再生が出来ていますが、やや音は平坦で低音の深みという点ではキング盤に負けます。

ただ、SPEAKERS CORNER盤はオリジナル・マスターテープを使用している分、音質的にはキング盤とは若干ですが差異を感じます。それはヴァイオリンの高音域や木管楽器の音色に、ほんの僅かですが、「音の鮮度」で優っています。これはもうキング盤が不利になるのは仕方ない事です。キング盤は自社でカッティングするために英DECCAからマスターのコピーを貰うわけですから。

私の個人的感想を申し上げるなら、キングレコードのスタッフが英DECCA本社まで赴き、英DECCA内でキングレコード社内で行っていたカッティング方法を取っていたら、相当素晴らしいスーパー・アナログ・ディスクが出来ていただろうなぁ・・・という事。まぁ、当時そういう事は不可能だったとは思いますが。

オリジナル・マスターテープからのSPEAKERS CORNER盤を聴き終えた後であっても、キング盤もかなり良い音だった事を実感出来た事が嬉しいです。やはりスーパー・アナログ・ディスクは手放せない事を再確認しました。

今回の聴き比べをした結果、スーパー・アナログ・ディスクで持っている音源については、サードパーティ製の復刻盤をわざわざ購入する必要はないという事が分かっただけでも収穫でした。

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絵はブリューゲル作「農民の婚宴」

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イシュトヴァン・ケルテス 指揮
ロンドン交響楽団

録音 : 1966年11月、ロンドン

英DECCA SXL6291(ED4 オリジナルはED2)

こちらは米SPEAKERS CORNER盤ではなく、本物の英DECCA盤です。(笑)

ケルテスの再録音で、ロンドン交響楽団とドヴォルザークの交響曲全集を完成させています。参考までに掲載しましたが、単売のレコードはジャケットにブリューゲルの絵画がそれぞれ使われていて、私はそれに魅せられてロンドン交響楽団とのドヴォルザークを中古ショップで見つける度に購入しています。

ただし、1,500円以上の中古盤は購入しない制限を自分に枷ていますので、再発盤(ED4)を購入しています。ちなみに第7番と第8番はED1、その他はED2がオリジナルです。オリジナル盤になると1,500円以下では購入出来ませんので、私は金額的に安いED4で買い求めています。ジャケット欲しさで購入しているわけですから、ED4で充分。現在手元に有るのは第2、3、4、9番の4枚。

ジャケ買いですから状態の良い(盤含め)ものしか手を出しませんので、発売年を考えると滅多に良い状態のものと遭遇しません。まぁ、良い出遭いを気長に待つ事にしています。

このロンドン交響楽団を指揮した「新世界より」ですが、私としては演奏解釈、オケの音色ともウィーン・フィル盤を上位に取ります。これはもう聴き手の好き好きではありますが、私は演奏だけを取ってもウィーン・フィル盤の方が好みです。

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