寺内タケシさん逝く
エレキの神様と言われていた、寺内タケシさんが6月18日にお亡くなりになりました。享年82歳。
誤嚥性肺炎で春に横浜市内の病院に入院し、一時は回復傾向だったようですが、18日に急変。病院でご逝去されました。
調べてみると5歳で母の三味線に影響を受け、兄のギターを改造して早くもエレキギターを作ってしまったそうな。
1966年には来日中だったベンチャーズのメンバー、ドン・ウィルソンさんが息子さんの落馬による死亡事故のため急遽帰国。寺内タケシさんがドン・ウィルソンさんの代わりにリズム・ギターを担当した事があるとの事。へぇ・・・、そんな事があったんだ・・・とビックリ。
寺内タケシさんと言えばご自身のバンド、ブルー・ジーンズが有名ですが、私も生で聴いた事があります。
プロとしての自覚が凄く、時にはメンバーに対しリハーサル中にミスをしたりすると鉄拳が飛ぶ事などもあったようで、それが原因でバンドを脱退した人も何人かいたようです。言わば「昭和のオヤジ」というところでしょうか。
寺内タケシさんご愛用のエレキギターと言えば、何と言っても長年お使いになっている米モズライトのベンチャーズモデル(ジャケット写真で手にしているギター)が有名で、ギターキッズなら誰でも知っていますね。独特の太いトーンはロックギタリストたちが好む米フェンダーなどでは聞けない特色です。
演奏面ではクラシックの名曲や日本の民謡をエレキギターに編曲し、演奏して来た事が多くのギターキッズに大きな影響を与えています。中でもベートーヴェンの「運命」と青森の民謡「津軽じょんがら節」は寺内タケシさんの代名詞みたいなものになっていますね。コンサートではこの2曲は欠かせません。
よくベテランの俳優さんがお亡くなりになると「ひとつの時代が終わった」と、テレビ等でナレーションされますが、寺内タケシさんの死はまさに日本のエレキギター界のひとつの時代が終わったと申して良いのではないかと。
私は嘗て、寺内タケシさん宅のご近所に住んでいた事もあって、親しみもありました。生を受けたものは誰しもいつか死を迎えます。仕方ないですね。心よりご冥福をお祈り致します。
合掌
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