4チャンネルレコード
シューベルト/交響曲全集
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 : 1975年1、12月、1977年9月、1978年1月
独EMI IC 157-03 285/89 Q(5枚組 アナログレコード)
今でこそ5.1チャンネルサラウンドで映画などの映像作品を見るのは特に珍しい事ではありませんが、昔アナログレコードでの4チャンネル再生があった事をご存知でしょうか?
当時はいろいろな方式が乱立し、結局は尻切れトンボのように終わったようです。家庭用ホームビデオがソニーのβ方式とビクターのVHS方式で対抗した事がありましたけど、新規のメディアがひとつに統一していないと迷惑を被るのは消費者になるのですよね。
まぁ、ビクターのVHS方式はβ方式のテープローディング(ヘリカルスキャン方式)を変化させたものなので、β方式でいろいろな特許を取っていたソニーはライバルのVHS方式が売れれば売れるほど特許料が入っていたようですが。
4チャンネルレコードもソニーが考案した方式の他、ビクター、日本コロムビアが考案した方式などが競ったため、統一出来ずに終焉を迎えています。
何より通常のステレオレコードなら前方に左右2本のスピーカーで済むわけですが、4チャンネルステレオは後方にも2本のスピーカーが必要になります。平均的に狭い家屋(部屋)が多い日本ではスピーカーを4本置くのは大変ですよね。更に各方式に対応したアンプも必要になりますし。
ちなみにカートリッジの針先にはいろいろな形状(楕円針、丸針etc.)がありますが、その中に「シバタ針」という特殊形状の針先が現在も存在しています。これはビクター方式の4チャンネルレコードを再生する事を目的(超高域の再生)にビクターの柴田さんが開発した針なのです。針先の形状の命名にご自身のお名前を使われたわけです。
ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調
サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番 イ短調
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
カルロ・マリア・ジュリーニ 指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 : 1977年4月、5月
独EMI IC 065-02 964 Q(アナログレコード)
今日ご紹介するレコードはソニーが考案したSQ方式による4チャンネルレコードです。この方式は4チャンネル録音を2チャンネルでレコードに刻み、再生は4チャンネルという、マトリックス4チャンネル方式のようです。ただし、4チャンネルで再生するためには2チャンネルを4チャンネルにデコードする対応のアンプが必要です。
当然、私は対応のアンプを持っていませんので、上記レコードは通常のステレオ再生で聴いております。幸い、ソニーのマトリックス4チャンネル方式は通常のステレオカートリッジで再生した場合、そのまま2チャンネルステレオで聴く事が出来ます。
映像作品に関し、拙宅では7.1チャンネルサラウンドで楽しんでおりますが、レコードやCDは通常の2チャンネルステレオで聴いています。なので、今日ご紹介のレコードは一度も4チャンネルステレオで聴いた事はありません。対応のアンプを一度も入手した事が無いですし。中古市場で出回る事ってあるのでしょうかねぇ?
今日のジャケット写真とレーベル写真をご覧頂ければ「SQ」という商標にお気付きになるかと思います。4チャンネルステレオで再生したら、どういう音が聴かれるのでしょうね? 興味があります。
ところでカラヤンが指揮するシューベルトの交響曲ですが、「未完成」以外は正直自分の好みではないのです、実は。何故か「未完成」だけはドイツグラモフォン盤も、このEMI盤も名演なのですが。
ロストロポーヴィチのドヴォルザークは大分前に「私の愛聴盤」でご紹介しているように、ジュリーニの指揮を含め、大きな感動を受ける名演です。
調べてみると、アナログレコードによる4チャンネルステレオは針で音を拾うためにノイズも多かったらしいです。カラヤンのシューベルトは秋葉原の石丸電気さんで購入しているのですが、一度くらい4チャンネルで聴いてみたかったです。
ですが、4チャンネルで聴きたくてこれらのレコードを購入したわけではありません。そもそも購入時は4チャンネルレコードという事を意識せずに購入していますので。
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