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2021年7月13日 (火)

バイロイト引越し来日公演

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ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

トリスタン : ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
イゾルデ : ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
国王マルケ : ハンス・ホッター(バス・バリトン)
ブランゲーネ : ヘルタ・テッパー(アルト)
クルヴェナル : フランス・アンダーソン(バス)
メロート : セバスチャン・ファイアジンガー(テノール)
舵手 : ゲルト・ニーンシュテット(バス)

ピエール・ブーレーズ 指揮
NHK交響楽団
大阪国際フェスティバル合唱団

演出、装置、衣装 : ヴィーラント・ワーグナー

録音 : 1967年4月10日、大阪フェスティバルホール
大阪国際フェスティバルに於けるバイロイト引越し公演

キングインターナショナル KKC2188/90(CD)

随分前に雑誌「レコード芸術」の記事で読んだ事があるのですが、大阪フェスティバルホールでバイロイトの引越し公演が行われた事があったそうで、もしテレビ中継が行われていたのならその映像を見たいものだと思っていました。

つい最近、そのライヴ録音がCDとして発売されましたので、即刻購入しました。当時、ワーグナー歌手として名を馳せていた三名が歌っています。

ヴィントガッセンがトリスタンを、そしてニルソンがイゾルデを歌い、ホッターが国王マルケを歌っているという、当時日本では夢のような公演だったのではないでしょうか?

演出はワーグナーの孫であるヴィーラントによるものであり、まさにバイロイト引越し公演ですね。生で観た(聴いた)方たちはとても貴重な体験をされたと、羨ましく思います。仮に、今また引越し公演が予定されたとした場合、聴きに行くかと問われたら、行きませんと答えるでしょう。

何故か? それは今のバイロイト音楽祭のレベルに魅力を感じないからです。毎年、一演目くらいがNHK-BSで放送されるので必ず録画して見ているのですが、近年の歌手のレベル低下と指揮者に不満を持ってしまいます。演出も破茶滅茶なものがあったりと、残念ながらバイロイトの全体的レベルが下がっているように思われます。

残されたライヴ録音を聴く限りでは、1950年代から1970年代くらいまでがピークで、以後は徐々にレベルが下がって来ていますね。一番の大きな原因は指揮者にあるように思います。重厚長大なワーグナーの音楽をまともに振れる指揮者がいないです。

今日ご紹介の引越し公演ではピエール・ブーレーズが指揮をしています。後年、演出(パトリス・シェロー)が物議を醸した「指輪」も指揮していますが、なかなか興味深いワーグナーです。

何より、主役三人をヴィントガッセン、ニルソン、ホッターで聴く事が出来るのですから、NHKによる録音が正規ルートを通って発売された事に、大きな拍手を送りたいと思います。ニルソンの歌唱の素晴らしさ! ホッターの滋味深いマルケ王にヴィントガッセンのトリスタン。もう最高です。

大阪フェスティバルホールをバイロイトのように造り替えて公演が行われたそうで、ワーグナーの孫に当たるヴィーラントの抽象的な演出も話題になっていたそうな。引越し公演ですから当時バイロイト音楽祭で行われていた演出を舞台装置含め復元しているわけで、是非映像を見たいものです。

大阪フェスティバルホールでは朝比奈先生のコンサートを何度か聴いているのですが、あそこでバイロイト引越し公演が行われたのか・・・と、感慨深いものがあります。

「トリスタンとイゾルデ」と言えば2007年12月、ミラノ・スカラ座で行われた公演(パトリス・シェロー演出、指揮はバレンボイム)が数年前にNHK-BSで放送されたのですが、イゾルデを歌ったワルトラウト・マイアさんが素晴らしかったです。容姿もお綺麗ですが、演技もまた見事でした。

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