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2021年11月17日 (水)

素晴らしき歌姫(4)

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ブルーバック仕様(裏ジャケット)

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ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」から

SIDE 1
1. 第1幕への前奏曲
2. 第3幕〜イゾルデの愛の死

SIDE 2
1. 第1幕第3場〜ああ、何という事を耐えねばならぬのか

ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
グレース・ホフマン(メゾ・ソプラノ)SIDE 2

ハンス・クナッパーツブッシュ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1959年9月22-25日、ウィーン・ムジークフェラインザール

米LONDON OS 25138(英DECCAプレス 1E/1E ED1相当)

フラグスタートを採り上げたらこの人も欠かせません、スウェーデン出身のビルギット・ニルソンです。幸い私は80年代に一度だけですがオペラのステージで聴く機会がありました。もうピークは過ぎていた頃でしょうけど、それでも圧倒的なその声にまだ若かった私は驚嘆すると同時に大きな感銘を受けた事を今でも忘れません。

ご紹介の録音はワーグナー指揮者とも言うべきクナッパーツブッシュが指揮するウィーン・フィルをバックに、素晴らしい声を聞かせてくれます。ニルソンのイゾルデはベーム指揮によるバイロイト音楽祭でのライヴ録音(再発盤を所持)もありますし、共に歴史的名録音と称して良いでしょうね。

この初期盤は米LONDON盤ですがプレスは本国の英DECCAです。LONDONレーベルは英DECCAが米国内で販売する時のレーベルですが、英DECCA盤ですとED1に相当するステレオ初期の盤になります。ジャケット裏は米LONDONレーベル初期のブルーバックと呼ばれる仕様になっていますね。

右下に「RIAA CURVE」と表記されていますので、一般的なフォノイコライザーのRIAAカーブで何ら問題ありません。

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プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」ハイライト

トゥーランドット姫 : ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
カラフ : フランコ・コレッリ(テノール)
リュウ : レナータ・スコット(ソプラノ)

フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ 指揮
ローマ国立歌劇場管弦楽団
ローマ国立歌劇場合唱団

録音 : 1965年6月、7月、ローマ国立歌劇場

英EMI ASD 2403(初期盤)

ワーグナー歌手として有名なニルソンですがイタリアオペラでも活躍しており、中でもプッチーニのトゥーランドットはニルソンで決まり! というくらい世界中の歌劇場で引っ張りだこだったそうです。

2006年のトリノ・オリンピック、フィギュアスケートで見事金メダルを射止めた荒川静香さんが決勝の演技で使った音楽がこの「トゥーランドット」でした。お陰で劇中でカラフ王子が歌うアリア「誰も寝てはならぬ」のメロディはすっかり有名になり、テレビCMのBGMに使われたり、近年でも女子フィギュアスケート選手が使っているようです。

この「トゥーランドット」はハイライト盤ですが、充分ニルソンの歌唱を楽しむ事が出来ますので、時々引っ張り出しては聴いております。コレッリのカラフ、スコットのリュウも見事な歌唱で、「トゥーランドット」の録音として長年第一に挙げられるのも分かります。

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」ハイライト

レオノーレ : ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
フロレスタン : ジェイムズ・マックラッケン(テノール)
ドン・ピツァロ : トム・クラウセ(バリトン)
ドン・フェルナンド : ヘルマン・プライ(バリトン)
ロッコ : クルト・ベーメ(バス)
マルツェリーネ : グラツィエラ・シュッティ(ソプラノ)

ロリン・マゼール 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

録音 : 1964年3月、ウィーン・ゾフィエンザール

英DECCA SXL 6276(ED4)

この「フィデリオ」は私にとって非常に思い出深い録音なのであります。私がクラシック音楽を聴き始めた十代の頃、最初に聴いた(購入した)オペラの全曲盤が若きマゼールが指揮していたこの「フィデリオ」なのです。購入したのは17歳か18歳の時です。

当時、レコードショップに行くと2枚組以上のオペラ全曲盤は豪華なカートンボックスに入っていて、それらを羨望の眼差しで見ていたものです。

お小遣い(昼食代まで切り詰めて)を貯めて何とか2枚組のオペラなら購入出来るようになり、さぁ何を買おうか・・・と思案したのですが、ベートーヴェンの「運命」でクラシック入門をしていましたので、ではオペラもベートーヴェンでという事で選んだのがマゼールの指揮による「フィデリオ」でした。

キングレコードから発売されていたマゼールの「フィデリオ」全曲盤は大変豪華な作りのカートンボックスで、30cmLPサイズの解説書(対訳含む)もこれまた立派な体裁でした。ドイツ語のオペラですから解説書の対訳を見ながら繰り返し、繰り返し聴いていたものです。そのうち、歌詞の内容が頭に入り、対訳も見なくなりました。

ですから音楽のテンポ、歌手陣の声と歌い回し、ところどころではドイツ語の歌詞まで頭に入っています。それは今でも覚えているほどで、それくらい熱心に聴いていたのです。まだニキビ面だった私は本当に真摯に音楽に向かっていたわけです。

ところが社会人になってそれなりに欲しいレコードが購入出来るようになると、聴くために購入しているのか、コレクションするために購入しているのか、自信を持って「聴くためです」と言えないようになりました。お恥ずかしい話しですが。

苦労して購入したキングレコードの全曲盤は随分昔に売却しています。で、この録音の事を忘れていた或る日、中古ショップで今日ご紹介の英DECCAハイライト盤と出遭ったのです。エサ箱からジャケットを取り出し、歌手陣の名前を見ていたら熱心に聴いていた十代の頃の事を思い出し、大変懐かしくなって思わず購入してしまいました。格安でしたし。

ニルソンとの最初の出会いはこの録音ですから、かなり早い時期からニルソンの歌声に接していたわけですが、当時はまだまだニルソンの偉大さを分かってはいなかったのです。しかし、フィデリオ(レオノーレ)を歌っているその声には大きな感動を受けていました。

ヘルマン・プライとの最初の出会いもこの録音でしたし、マルツェリーネを歌っているグラツィエラ・シュッティというソプラノの声にも惹かれたのです。とにかく、自分にとっていろいろと思い出があるマゼールの「フィデリオ」であります。

思い出話しが長くなってしまいましたが、若きマゼールの溌剌とした演奏も第一級のものだと思います。

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コメント

おはようございます。
BIRGIT NILSSON 「TRISTAN UND ISOLDE, (excerpts)」SXL2184(1E/1E)。.DECAカーブを知る前は、RIAAで聴いていました。
いま改めて、DECCAカーブで聴いてみると更に高域が奇麗に伸びています。
その昔むかしは、専門店の店主でさえ、LONDON盤は高域がキツイと言ってはばかりませんでしたが、RIAAの高域落ちに馴染んでいたので、今となってはお笑い草です。
むしろ、RIAAに合わせたカッティングをRIAAで聴く方が正解だったのですね。
あ!それと、前回の書き込みで、「フィガロ」は「パパゲーノ」だったかもしれません。もしそうなら、お詫びして、訂正させて戴きます。

Analog親爺さん、こんにちは。
SXL2184をネットで検索してみましたら、赤いジャケットなんですね。米LONDON盤とは全然違います。米LONDON盤はステージの写真のように見えます。
それと米LONDON盤はRIAAの表示がありますので、安心して再生出来ます。多分、アメリカはRIAAのお膝元ですから英DECCAも仕方なしに・・・でしょうか。
「パパゲーノ」って駅から明大前の坂を下って行った右手の小さなお店でしょうか?
もしそうなら覚えております。もっとも「ハーモニー」も「パパゲーノ」も利用させて頂いた事はないのですが・・・。
最近、良い出遭いがありました。それは明日に。

 こんばんは。

  ・・・私の中で、ソプラノというと・・・高い音の連続というイメージがあるのですが、ビルギット・ニルソンは違いますね。
 パワフル、逞しささえ感じました。

 またスウェーデン出身との事・・・一番身近に接した外国人は、スウェーデン人なので、とても好感を持ちます。

fujileica(pyosida)さん、こんばんは。
ソプラノの音域ですが、大まかにスーブレット、リリック、ドラマティックと三つに分かれています。
スーブレットというのは極めて高い音域を歌えるソプラノで、コロラトゥーラとも呼ばれ、人間技とは思えないくらいの高い音域をころころ転がすように歌ってしまいます。
分かりやすいのはモーツァルトの「魔笛」というオペラに登場する「夜の女王」の二つのアリアが典型的なコロラトゥーラです。Amazon Music HDで検索してお聴きになってみてください。
リリックはイタリアオペラなどで美しいアリアを歌うようなソプラノです。
で、ニルソンはドラマティックのソプラノで、ワーグナーの音楽のように力強い歌を求められるソプラノをドラマティックソプラノと呼んでおります。

いずれにしてもオペラ歌手は体力が必要なようで、若い時はスタイルの良いソプラノも年齢を重ねるにしたがって体格が大きくなる方が多いです。
現在、ソプラノで一番人気があると思われるロシア出身のアンナ・ネトレプコさんはデビュー時、美人でスタイル良し、声も素晴らしくて世界中で人気のソプラノ歌手ですが、近年の体型は・・・以下自粛。(^^;

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