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2022年1月 8日 (土)

ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」

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ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1962年3月、イエス・キリスト教会(ベルリン)

独グラモフォン 138 804(赤ステレオ 最初期盤)

今日はベートーヴェンの「運命」、お気に入りの演奏をレコードでご紹介させて頂きます。

クラシック音楽にご興味のない方でもベートーヴェンの「運命」は必ずどこかでお聞きになっているはずです。冒頭のジャジャジャジャ〜ン♪だけはテレビドラマなどでも使われていますね。

私のクラシック音楽入門はカラヤン指揮による「運命」「未完成」をカップリングしたレコードで、17歳の時でした。高校生だった私は春夏冬の休みに木工所でアルバイトをしてお金を貯め、足りない分は父が出してくれた事で念願のステレオ装置を購入出来ました。

そして最初に購入したのがカラヤンのレコードだったのです。クラシックに知識がなくとも、カラヤンの名前だけは知っていました。もちろん最初は日本グラモフォンの国内盤です。見開きの豪華な作りのジャケットを初めて手にし、クラシックのレコードは作りが違うなぁと思ったものです。

カラヤンの「運命」と「未完成」は繰り返し繰り返し聴きました。何しろ高校生の小遣いでは月に一枚も買えませんでしたから。後はFM放送のクラシック番組が頼りでした。

カラヤンの「運命」は各楽章の演奏時間を今でもスラスラと言えます。だから何だ、と言われてしまいそうですが、そんな事まで覚えてしまうほど聴き込んでいたのです。

余談ですが昔、ジャズのオリジナル盤蒐集に夢中になっていた頃、見る事のないクラシックの中古コーナーを偶々見たらペラペラジャケットのヨーロッパ盤が激安で散見。モノによっては国内盤中古より安い。前にも申しましたが「これってジャズで言うオリジナル盤?」と思い、以後買い集める事になり、カラヤンのドイツグラモフォン盤と国内盤とを聴き比べたら、昔の女子高生じゃないですけど「え!うっそー」と言うくらいの音の違いに衝撃を受けたものです。

以来、特別な事情のない限り、国内盤を購入する事はなくなりました。後年、円高のお陰で国内盤より輸入盤の方が安く買えるようになった事もあり、秋葉原の石丸電気さんには随分お世話になりました。当時、輸入盤の仕入れ枚数については日本一だったのではないでしょうか。

所持している初期盤ですが、ジャケット裏右下に「3/63」と印刷年月が記載されています。アナログテープの場合、録音から発売まで通常一年から二年ほど掛かるのが普通でした。テープの切り貼りによる編集作業に時間が掛かるからですが。今迄、この年月より前の盤を見た事がないので、最初期盤と表示させて頂きました。

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カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1970年4月、ウィーン

独グラモフォン 2530 062

カラヤン盤の後、大分経ってから入手したのがこのベーム盤です。カラヤンのアプローチとは大分違う演奏ですが、当時はこちらのベーム盤の方を好むようになり、これまた繰り返し繰り返し聴いたものです。やはり最初は国内盤で聴いていましたが。

私、第二楽章の106小節から113小節の第一ヴァイオリンによる、うねるような変奏がとても好きでして、その部分の演奏解釈で一番素晴らしいのがこのベーム盤です。いろいろな演奏を聴いて来ていますが、その短い小節に関してはベーム盤を上回る演奏を未だ聴いた事がありません。またウィーン・フィルの弦の響きが最高!

第一楽章冒頭は比較的地味な解釈のベーム盤ですが、楽章が進むに従って徐々に熱が入って来ます。繰り返しますがウィーン・フィルが実に素晴らしいですね。今のウィーン・フィルよりこの当時の方が良いように思うのは私だけでしょうか?

生で聴いたベーム/ウィーン・フィルは素晴らしかったです。

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交響曲第8番(B面)

ハンス・シュミット=イッセルシュテット 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1968年9月、ウィーン

英DECCA SXL6396(ED4 初出はED3)

これと言って個性的な演奏ではないですが、或る意味安心して楽曲を楽しめるのがイッセルシュテットではないでしょうか。これも最初はキングレコードの国内盤でした。指揮棒を持ったイッセルシュテットの顔がどアップになっている見開きの豪華ジャケットです。

国内盤も英DECCA盤もA面に「運命」全曲がカッティングされ、B面に第8番がカッティングされています。ただ、片面に「運命」全曲は詰め込み過ぎですね。A面に第一楽章と第二楽章、B面に第三楽章、第四楽章をカッティングし、余白に「エグモント」などの序曲でもカップリングしていれば、ダイナミックレンジに余裕を持たせる事が出来た筈です。

イッセルシュテット盤は第9番も一枚に詰め込んでいます。第8番と第9番とで2枚組にすれば良かったのに、と思います。カラヤン盤もベーム盤も、下のクライバー盤も「運命」だけで両面に余裕のカッティングです。

だからと言ってイッセルシュテット盤の音が良くないという事ではありません。なかなか上手くカッティングされてあります。録音も良いですし。

ちなみに交響曲第8番、私のベストワンはこのイッセルシュテット盤です。

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カルロス・クライバー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1974年3月、4月、ウィーン

独グラモフォン 2530 516

スタイリッシュな演奏とも言えるカルロス・クライバー盤です。石丸電気さんで購入した当時はイマイチ自分の琴線に触れず、ずっとレコードラックの中で眠っていました。

ESOTERICさんからSACDが発売された時も購入を迷ったのですが、ついでだからと他のSACDと一緒に購入する事に。久方ぶりにSACDで聴いてみたら結構気に入ってしまったのです。

これは多分、年齢による感受性の違いから来るものではないかと考えます。改めてレコードを引っ張り出して聴いてみると、印象はSACDで聴いたのと一緒。当たり前ですね、同じ演奏なのですから。音は微妙に違いますけど。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1947年5月、ベルリン

独グラモフォン 2562 073(10枚組BOXの1枚)

今日の最後はフルトヴェングラーです。ベートーヴェンの交響曲を語る時、フルトヴェングラーを欠かす事は出来ませんですね。この演奏、私が初めて購入したのは日本グラモフォンの擬似ステレオ盤でした。ご紹介のレコードは以前記事にした事がある、独グラモフォンの10枚組BOXからの一枚です。

フルトヴェングラーの擬似ステレオ盤と言えば独エレクトローラの手によるブライトクランクと呼ぶ擬似ステレオ盤(EMI系)が有名ですが、私の印象ではブライトクランクよりグラモフォンの擬似ステレオ盤の方が楽器の分離がハッキリしていたように思います。まぁ、今は昔・・・の電気的処理の偽ステレオでしたが。

この演奏はフルトヴェングラーがナチの協力者と疑われ、戦後裁判にかけられたもののユダヤ系ヴァイオリニストのユーディ・メニューインの証言などから無罪放免となり、戦後初めてベルリン・フィルの指揮台に立った時の貴重なライヴ録音です。コンサート会場は連合軍の爆撃から残った映画館を改造したティタニア・パラスト。

必ずしもアコースティックは良くないですが、演奏の熱気がそうした事を忘れさせてくれます。ホールに入り切れなかった人たちが大勢外に屯したらしいです。戦後から約二年、ようやく公の場に現れたフルトヴェングラーの指揮をベルリンの人たちは待ち兼ねた事でしょう。

まさに歴史的録音と言えます。もちろん演奏も大変な名演奏です。フルトヴェングラーの「運命」では私が第一に選ぶ演奏であります。

という事で、今日は私お気に入りの「運命」をご紹介させて頂きました。

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