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2022年1月29日 (土)

ベームのブルックナー

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ブルックナー/交響曲第3番 ニ短調(ノヴァーク版)

カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1970年9月、ウィーン

英DECCA SXL 6505(ED4 初出)

ベームが指揮したブルックナーの交響曲ですが、今日ご紹介する第3番と第4番はそれぞれ同曲の私的ベストワンの名演であります。

ただですねぇ、この後に独グラモフォンへ録音した第7番、第8番はどういうわけか何も感動を受けないのです。第3番と第4番が圧倒的名演でしたから、当時期待してグラモフォン盤も購入したのですが、見事空振りに終わりました。ブルックナーの傑作である二曲でしたから、ガッカリ感は筆舌に尽くしがたいです。

しかし、この第3番は素晴らしいです。当初はキングレコードの国内盤で聴いていたのですが、それはもう繰り返し聴いたものです。英DECCAらしく、録音がまた良いですね。録音当時のウィーン・フィルは何とも言えない音色に魅力がありました。優秀な録音がその魅力を余すところなく伝えてくれます。

ベームの指揮には文句ひとつありません(おお、生意気)。スタジオでの録音ですとベームは往々にして手堅いだけで終わってしまう事がまま見られるのですが、ブルックナーの楽想が上手くハマったのかもしれません。

終楽章の軽快で美しい第二主題のメロディは一時、NHK-FMのクラシック音楽番組のテーマ曲として使われておりましたので、気が付かずにお聴きになられた方も多いと思います。

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ブルックナー/交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(ノヴァーク版)

カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1973年11月、ウィーン

英DECCA 6BB 171/2(ED4 初出)

第4番の演奏は第3番を上回ると言っても過言ではなく、それまで第4番はワルター盤(コロンビア交響楽団)を愛聴していたのですが、そのワルター盤に負けない名演に私は大きな感動を味わう事が出来ました。

第一楽章冒頭、深い霧の中から、いや・・・深い森の中からと言ったら良いでしょうか、遠くこだまするように聞こえて来るウィンナホルンによる第一主題の提示がもう、素晴らしいという単純な形容詞では言葉足りません。

徐々にクレッシェンドして行き、トゥッティでオケが強奏されるとウィーン・フィルの響きに魅了されます。録音が文句なしで、左右の広がりと前後の奥行き感が表出されているだけでなく、弦楽器、管楽器が実に美しく捉えられております。さすが英DECCAです。この曲だけはウィーン・フィルで聴きたいですね。ウィーン・フィルのために作曲されたのではと思ってしまうくらいで。

この英DECCA盤は二枚組で、それぞれ片面にひとつの楽章が余裕を持ってカッティングされているのでダイナミックレンジが大きく、録音の素晴らしさを十二分に享受する事が出来ます。盤質も良いので私の宝物です。

昨年、TOWER RECORDSさんから今日の二曲がSACD化されて発売されたので、オリジナル盤を持っていながらも興味を持って購入してみました。TOWER RECORDSさんのSACDは良いものが多いからですが。

しかし、今回はハズレでした。オリジナル盤の音とは違いがあり過ぎました。TOWER RECORDSさんの該当ページに「可能な範囲で入念な修復作業を行った」と記述がありますので、マスターテープの劣化が進んでいたのでしょうね。録音から半世紀経っていますから仕方ありません。

英DECCAを代表する名録音、ショルティの「指環」もマスターテープの傷みが酷いらしく、新たなデジタル化は難しいと言われております。こうなると録音が古いほど録音直後に発売されたレコードが貴重になります。今日のブルックナーも録音当時の名演奏、名録音がレコードに刻まれ、そのまま劣化する事なく現在も聴く事が出来るのですから。

古いアナログ録音についてはレコードが貴重な遺産となりますね。現在所持しているオリジナル盤、初期盤は大事に持っていようと思います。未聴の盤がまだ有るのですが、それらは国内盤やCDで聴いている演奏なので、折に触れて取り出す事になるでしょう。

今日は希代の名演、ベームのブルックナーをご紹介させて頂きました。

※「ノヴァーク」は「ノーヴァク」の方が正しい発音に近いそうですが、慣習にしたがって「ノヴァーク版」と表記しております。

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コメント

おはようございます。
「第3番と第4番はそれぞれ同曲の私的ベストワンの名演であります。
この後に独グラモフォンへ録音した第7番、第8番はどういうわけか何も感動を受けないのです。第3番と第4番が圧倒的名演でしたから、当時期待してグラモフォン盤も購入したのですが、見事空振りに終わりました。」
全く同感です。
「録音が古いほど録音直後に発売されたレコードが貴重になります。」
これまた、その通りと思います。
今日は、久しぶりにベームVPOのブルックナー、2組取り出してみます。
一気に聴けるか自信はありませんが、まあ、一日かければ・・・。

Analog親爺さん、おはようございます。
ご同感頂き、嬉しいです。ありがとうございます。
今日の二曲は本当に素晴らしい演奏ですね。
今回、TOWER RECORDSさんから発売されたSACDを聴いてみて、幾らフォーマットが優れていても、元の音源が良くなければフォーマットの真価を発揮出来ないという、当たり前の事を再認識致しました。
今日はベームのブルックナーを楽しんでくださいませ。

 こんにちは。

 ブルックナーの交響曲第4番・・・聴くと、ベートーヴェンの力強い演奏の仲間・・・と言う感じがしました。

 私流にいうと、男性的な演奏です。
 そして、私自身ですが、女性的な演奏の方がなじみが深い・・・と気づきました。

fujileica(pyosida)さん、こんばんは。
ブルックナー、お聴きになられましたか。凄いです。
何が凄いかですが、長年クラシック音楽を聴いている方でもブルックナーは敬遠する方が結構いらっしゃるのです。
私がマーラーをあまり聴かないように。ブルックナーもマーラーも金管楽器の咆哮と曲が長い事は共通しているのですが、楽想は全く違います。
ブルックナーはまだまだベートーヴェンやブラームスの延長線上で聴く事が出来ると思います。
私の記事がきっかけでお聴き頂き、ありがとうございます。

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