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2022年1月27日 (木)

ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲

レオノーレ(フィデリオ): クリスタ・ルートヴィヒ(ソプラノ)
フロレスタン : ジェイムズ・キング(テノール)
ドン・ピツァロ : グスタフ・ナイトリンガー(バス)
ロッコ : ヨーゼフ・グラインドル(バス)
マルツェリーネ : リザ・オットー(ソプラノ)
ヤキーノ : ドナルド・グローブ(テノール)
ドン・フェルナンド : ウィリアム・ドゥリー(バス)

カール・ベーム 指揮
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団

録音 : 1963年10月29日、日生劇場でのライヴ録音

ポニーキャニオン PCCL-00060(初出CD)

ベートーヴェン唯一のオペラ、「フィデリオ」は失敗作という評価を下す評論家がいらしたそうですが、私にとってはオペラ入門となった思い出深い作品です。言語はドイツ語ですから勿論分かりませんが、対訳を見ながら繰り返し聴いていましたので、今は言葉は分からなくても歌っている歌詞の内容は頭に入っています。

このベームのライヴ録音は本年1月7日の記事で採り上げた第九交響曲のライヴと同じく、日生劇場の柿落とし公演の演目です。もうひとつ、モーツァルトの「フィガロの結婚」も発売されていて所持しているのですが、まだそちらは聴いておりません。(^^;

さて、こちらのキャストは一線級の歌手が揃っている事と、ベームのメリハリのある緩急とダイナミクスによる指揮ぶりで、大変素晴らしい演奏となっています。であるのに、私はCD購入後ずっとほったらかしにしていたのですから情け無いですね。

声の全盛期とも思われるルートヴィヒのタイトルロールが見事な歌唱で、聴き惚れてしまいます。ハマり役とも思えるジェイムズ・キングのフロレスタンも素晴らしいです。

グスタフ・ナイトリンガーとヨーゼフ・グラインドルはバイロイト音楽祭では欠かせない歌手で、私も残されたいろいろなレコード、CDで感銘を受けて来ました。勿論ここでも憎々しいピツァロをナイトリンガーが、逆に憎めないキャラクターのロッコをグラインドルが素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。

ヤキーノを歌っているドナルド・グローブはマゼールの英DECCA盤でも同じ役を担当しているので、私にはもうお馴染みの声です。リザ・オットーのマルツェリーネもそつがなく、この「フィデリオ」を聴いた(見た)日生劇場の聴衆の方たちが羨ましいです。

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲

レオノーレ(フィデリオ) : エヴァ・マルトン(ソプラノ)
フロレスタン : ジェイムズ・キング(テノール)
ドン・ピツァロ : テオ・アダム(バス)
ロッコ : オーゲ・ハウグランド(バス)
マルツェリーネ : リリアン・ワトソン(ソプラノ)
ヤキーノ : トマス・モーザー(テノール)
ドン・フェルナンド : トム・クラウセ(バリトン)

ロリン・マゼール 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

録音 : 1983年8月5日、ザルツブルク祝祭大劇場でのライヴ録音

独Orfeo D'Or C 908 152 I(CD)

マゼールが指揮する英DECCA録音の「フィデリオ」でオペラ入門しましたので、マゼールの「フィデリオ」には格別の思い出がある事は以前申しております。ですから、ザルツブルク音楽祭でのライヴ録音によるこのCDを見つけた時は嬉しかったですね。即、ポチりました。(^^)

歌手陣で興味深いのは英DECCA盤で敵役のドン・ピツァロを歌っていたトム・クラウセが、ここではフロレスタンの窮地を助ける友人、ドン・フェルナンドを歌っている事。まぁ、こうした配役は映画でもある事ですが。

マゼールの指揮はここでもきびきびとしたテンポで歌手陣とオケを引っ張っています。やはりマゼールの「フィデリオ」は聴き応えがあります。ベームに決して負けていません。

レオノーレを歌っているのはエヴァ・マルトン。全盛期が短かった歌手というイメージがあるのですが、やや劇的な歌唱を求められるレオノーレには向いていると思います。

フロレスタンはここでもジェイムズ・キングが歌っていて、見事なフロレスタンです。ジェイムズ・キングはベームのスタジオ録音(独グラモフォン)でもフロレスタンを担当しておりますので、ジェイムズ・キングの全盛期にはフロレスタンで彼を超える歌唱を聴かせる歌手がいなかったのかもしれませんね。

この一年の間に、NHK-BSでヨーロッパの歌劇場で上演された「フィデリオ」が二本、放送されました。そのうちの一本では映画「OO7/スペクター」と最新作でブロフェルドを演じていたクリストフ・ヴァルツが演出を担当していた事にビックリ。常時、ステージ全体に造られた階段状の上で演じられており、演出としては違和感大でしたが。

ちなみに「フィデリオ」はジングシュピールと言われる形式で作曲されたオペラで、セリフと歌で劇が進んで行きます。是非一度、お聴きになってみてください。

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コメント

 こんにちは。

 フィデリオ、全てではありませんが、聴いてみました。
 ベートーヴェンらしい、勇ましい感じですね。歌劇ですが、少し緊張して聞く気がしました。

 ふと、思ったのですが、歌詞は別な人が書いたものなのでしょうか。となると、歌詞があり、曲をつけていくことになりますね。
 作曲家に文才もあると、また別なこととなるのでしょうか。

fujileica(pyosida)さん、こんばんは。
フィデリオ、お聴きになられましたか。
ベートーヴェンらしい力強い音楽だったと思います。
歌劇は演劇や映画と同じく原作、台本があります。フィデリオも原作が有り、その原作を元に別人が歌劇用の台本を書いておりまして、その台本をベートーヴェンが歌劇として音楽を付けたわけです。
シェークスピアの作品も幾つか歌劇になっています。「オテロ(オセロ)」や「マクベス」等々。
ワーグナーは北欧神話などを元に、自分で台本も書いております。
歌劇が演劇と音楽、文学とを合わせた総合芸術と言われる所以は、上記の事からであります。

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