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2022年1月14日 (金)

ショルティの「魔笛」

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モーツァルト/歌劇「魔笛」全曲

夜の女王 : クリスティーナ・ドイテコム(ソプラノ)
タミーノ : スチュアート・バロウズ(テノール)
パミーノ : ピラール・ローレンガー(ソプラノ)
パパゲーノ : ヘルマン・プライ(バリトン)
パパゲーナ : レナーテ・ホルム(ソプラノ)
第1の侍女 : ハンエッケ・ヴァン・ボルク(ソプラノ)
第2の侍女 : イヴォンヌ・ミントン(メゾ・ソプラノ)
第3の侍女 : ヘティー・プリューマッヒャー(アルト)
ザラストロ : マルッティ・タルヴェラ(バス)
モノスタトス : ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
弁者 : ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)

ゲオルグ・ショルティ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

録音 : 1969年9月〜10月、ウィーン・ゾフィエンザール

英DECCA SET 479/81(ED4 初出)

昨日、ESOTERICのSACDをご紹介したばかりですが、今日は英DECCAのオリジナルレコードを。昨日の記事に記述した通り、最初に入手したのはキングレコードから発売された国内盤レコードでした。演奏に感動して繰り返し繰り返し聴いていたものです。

パパゲーノを歌っているヘルマン・プライに魅了され、現在まで変わらず大ファンです。ご本人は大分前にお亡くなりになっておりますが。この録音でパパゲーノを歌っているプライ以上のパパゲーノを未だ聴いた事がありません。

幕切れ少し前、世を儚んで首を吊ろうとして「ひとつ、ふたつ、みっつ」と数えるパパゲーノ。ここでのプライの歌唱はぐっと心に響きます。そこへ早まるな!と、三人の少年たちがパパゲーノの首吊りを止めると、おばあちゃんだと思っていたパパゲーナが現れ、実際は可愛い女の子と分かったパパゲーノは一気に元気になります。(^^)

「パ・パ・パ・・・♪」と、そのあとに続くパパゲーノとパパゲーナの二重唱の何と楽しい事。パパゲーナを歌うレナーテ・ホルムのチャーミングな歌声も実に素晴らしいです。悲しい音楽がこれ以上ない程の楽しい音楽に変わるこのシーン、モーツァルトの天才ぶりが窺えます。

ショルティの「魔笛」はパミーナを歌うピラール・ローレンガーも美しく素晴らしい歌声ですし、ザラストロのマルッティ・タルヴェラも申し分ないですね。唯一不満のある歌手は肝心のタミーノを歌うスチュアート・バロウズです。少し力み過ぎな歌唱に感じます。

さて、人間業とは思えないくらい素晴らしいコロラトゥーラを聴かせてくれるのがクルスティーナ・ドイテコムの夜の女王です。恐らくここまで完璧な夜の女王は他にないでしょう。ルチア・ポップも良かったですが、ドイテコムには敵いません。とにかく驚嘆の歌唱であります。

録音も英DECCAらしい先鋭さと美しさがあります。夜の女王が登場する時の雷の音、パパゲーノが飲み食いする時にグラスに注がれる酒の音、修行中のタミーノとパパゲーノを襲って来る動物の叫び声等、英DECCAらしく擬音も豊富です。(^^)

多分、初めて入手したキングレコード盤も英DECCAから輸入したメタル原盤を使ったプレスだったと思います。この英DECCAオリジナル盤に封入されているリブレット(解説&対訳)は一枚一枚が厚手の上質紙で作られており、実にコストの掛かった体裁です。レコードもそれなりに重量がありますし、レコード産業の良き時代だったのですね。

ESOTERIC盤のSACDと比較しますと、歌手陣の声はオリジナル盤レコードの方が若干良いです。特にドイテコムの夜の女王は問題なくオリジナル盤の方です。低域の柔らかい響きと伸びもオリジナル盤の方が良いですが、SACDもかなり肉薄しているように思います。私はどちらも捨て難いので、その時の気分で使い分けて聴いています。

もし、お前が今までに聴いて来たオペラの全曲盤で一枚だけを選べ、と言われたら、迷う事なくショルティの「魔笛」を選びます。

尚、ショルティは1990年にデジタルで再録音しておりますが、問題なく今日ご紹介の旧盤の方が圧倒的に素晴らしいです。

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