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2022年1月20日 (木)

マゼールの「フィデリオ」初版盤

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲

レオノーレ(フィデリオ): ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
フロレスタン : ジェイムズ・マックラッケン(テノール)
ドン・ピツァロ : トム・クラウセ(バリトン)
ドン・フェルナンド : ヘルマン・プライ(バリトン)
ロッコ : クルト・ベーメ(バス)
マルツェリーネ : グラツィエラ・シュッティ(ソプラノ)
ヤキーノ : ドナルド・グローブ(テノール)

ロリン・マゼール 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

録音 : 1964年3月、ウィーン・ゾフィエンザール

英DECCA SET 272/3(ED1)
(マトリックス番号 1E/1E, 1E/1E 完オリ盤)

昨秋、都内某店でマゼールが指揮した「フィデリオ」全曲盤のオリジナル盤と初めて遭遇したのですが、価格が確か6,600円という事で諦めました。以前も申したようにクラシックの中古レコードについては一枚 1,500円以上のものは買わない主義を貫いておりますので、目の前のオリジナル盤も泣く泣く見送ったわけです。

素晴らしき歌姫(4)でビルギット・ニルソンをご紹介した際、「フィデリオ」ハイライト盤の記事に記したように私にとってマゼールの「フィデリオ」は格別の思い出がある録音でした。ショルティの「魔笛」と共にそれこそ何十回となく聴き込んでいたレコードなのです。

ですからオリジナル盤と遭遇した時はいっその事 1,500円の縛りを破ってしまおうかと店頭で迷いに迷ったものです。しかし、一度破ると歯止めが効かなくなるのではと、我慢しました。暮れに改めて訪れる機会があったのですが、まだそのオリジナル盤は売れずに残っておりました。ですが、その時も買わずに見送っています。

ところが年が改まって今月の事です。偶々或るお店(前述のお店ではないです)の前を通り過ぎたのですが、少し時間に余裕があるから偶には寄ってみるか・・・と、少し戻ってお店に入りました。

やはり入るだけ無駄だったなぁ・・・と思いながらもエサ箱のレコードを見ていると、「!!!」という衝撃が。

その衝撃を受けたブツが今日ご紹介のレコードです。プライス表にはただ単に「英国盤」と表記され、価格が表示されているだけ。それだけではオリジナルのED1なのか、はたまた再プレスを繰り返した後期のED4なのかが分かりません。価格はめちゃ安ですが。

レジの人に「盤の状態を見ても良いですか?」と尋ねると「どうぞ、構いません」との事。ビニール袋から出してケースを開け、リブレットを取り出してみるとインナーの丸窓から見えたレーベルに、「あ、溝が有る!」

更には大きなDECCA文字、左上外周の「ORIGINAL RECORDING BY」という表記が見えた瞬間「え!? これって、オリジナル盤では?」と、それはもうびっくり仰天。

お店の方から「あ、価格間違いをしていました」なんて言われるのではないかと、慌ててそのままビニール袋に戻し「頂いて行きます」と言って精算を済ませました。検盤していません。(笑)

帰宅後に検盤してみると、やはりオリジナルのED1でした。それだけでなく、デッドワックスに刻印されているマトリックス番号を確認すると2枚の両面とも「1E」なのです。これはジャズレコード愛好家が言う「完オリ(完全オリジナル盤)」でして、要するに初版プレスのレコードだったのです。

ちなみにクラシックレコードの場合、この盤がED1であれば例えマトリックス番号が4Eでも12Eでも、中古ショップではオリジナル盤と表記されます。要するにマトリックス番号は無視されるのが常識になっています。拘るのは英DECCAのステレオレコードの場合、ED1かED2か、若しくはED3かED4かという事だけです。

新年早々、とんでもない物に出遭いました。いやいや嬉しかったです。この録音もCDメインに切り替えた昔、キングレコードの国内盤は売却し、輸入盤のCDを購入していました。で、そのCDはオーディオ専用NASにリッピングしてあると勘違いしてCDは一昨年だったか売却してしまったのです。ですから以後は英DECCAのハイライト盤を聴くしかなかったわけで。

今回、思わぬ出遭いからオリジナルの全曲盤を入手出来ましたので、これからまた全曲を楽しむ事が出来ます。中古レコードを購入すると必ずクリーニングしてから聴いているのですが、このオリジナル盤を入手した時は矢も盾もたまらずにそのままの状態で全曲を一気に聴き通してしまいました。そうしたら変なノイズも無く、盤の状態は極上です。スピンドル穴周辺にもヒゲは無いですし。

オペラ入門がベートーヴェンの「フィデリオ」という方はあまりいらっしゃらないと思いますが、私の場合クラシック入門が「運命」で、オペラ入門が「フィデリオ」なのです。ベートーヴェンは私にとって別格という事になります。

「こいつぁ春から縁起がいいわい・・・」と、言いたくなりますね。

今日は個人的に思い出深い録音のオリジナル盤入手の記事にさせて頂きました。ご容赦。

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