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2022年2月22日 (火)

カラヤンの「フィデリオ」

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲

レオノーレ(フィデリオ): ヘルガ・デルネシュ(ソプラノ)
フロレスタン : ジョン・ヴィッカース(テノール)
ドン・ピツァロ : ゾルタン・ケレメン(バス)
ロッコ : カール・リッダーブッシュ(バス)
マルツェリーネ : ヘレン・ドナース(ソプラノ)
ヤキーノ : ホルスト・ラウベンタール(テノール)
ドン・フェルナンド : ホセ・ファン・ダム(バス)

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・ドイツオペラ合唱団

録音 : 1970年8月、10月、イエス・キリスト教会(ベルリン)

英EMI SAN 280/2

また「フィデリオ」か、と言われてしまいそうですが、数有るオペラ作品の中でモーツァルトの「魔笛」と共に、私がもっとも好きなオペラ作品なのです。

カラヤンのセッション録音によるこの「フィデリオ」を最初聴いた時、「へぇ〜・・・オペラになると同じベートーヴェンでも交響曲の時と全然違うじゃん!」と思ったのが最初の印象でした。

序曲から早目のテンポで開始されるものと思っていたら、じっくりと落ち着いた歩みで序曲は開始され、とてもシンフォニックな演奏であり名演です。イエス・キリスト教会のアコースティックも独グラモフォンのレコードで聴き慣れていますが、良い響きです。

第一幕オープニングで登場するマルツェリーネ役のヘレン・ドナースとヤキーノ役のホルスト・ラウベンタールがとても良いですね。特に透き通るような美しい声を聴かせてくれるドナースは、マゼール盤のグラツィエラ・シュッティと甲乙付け難いです。オープニングから私をニコニコさせてくれました。(^^)

ロッコを歌うカール・リッダーブッシュはお気に入りの歌手でして、ここでも見事な歌唱を聴かせてくれます。お金が大事だと歌う人間臭いアリアもリッダーブッシュが歌うと「そうですね」、と納得してしまうくらいです。リッダーブッシュを初めて聴いたのはベームの第九交響曲で、その後に同じくベームによるモーツァルトのレクイエムでした。バス歌手としては美しい声です。

ゾルタン・ケレメンのピツァロも憎々しい役を見事に歌っています。しかし、肝心のフロレスタンを歌うジョン・ヴィッカースがイマイチで・・・。カラヤンはオテロやトリスタンでもヴィッカースを起用しておりますが、私は何度聴いてもヴィッカースに不満を持ってしまいます。カラヤンお気に入りのテノールなのでしょうが、私には良さが分かりません。

ヘルガ・デルネシュがビルギット・ニルソンに負けないくらい素晴らしい声でレオノーレを歌っています。デルネシュはカラヤンの「 ジークフリート」と「神々の黄昏」でブリュンヒルデを歌っており、フラグスタートとニルソンの後継と言っても良いくらいのソプラノ歌手でした。

カラヤンの指揮も全曲通して見事な指揮ぶりで、やはりオペラを指揮するカラヤンはひと味違いますね。尚、第二幕のクライマックス後に演奏される「レオノーレ」序曲第3番はカットしています。マゼール盤もカットしているのですが、私はこれに賛成です。

実際のステージでは場面転換の準備に丁度良い演奏時間になると思いますが、レコードやCDでは冗長になるだけです。CDだとリモコンで簡単に曲を飛ばせますが、レコードはそうはいきません。その事はともかくとして、カラヤンとマゼールはさすがです。セッション録音では物語を中断してしまう長尺の序曲を挿入する必要性はないと思います。

カラヤン指揮による「フィデリオ」ですが、ヴィッカースに不満はあるものの、マゼール盤、ベーム盤と並ぶ名演盤と言えましょう。

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