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2022年4月12日 (火)

クナッパーツブッシュの「パルジファル」

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プロデュース : ジョン・カルショウ
エンジニア : ケネス・ウィルキンソン

ワーグナー/舞台神聖祝典劇「パルジファル」全曲

パルジファル : ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
グルネマンツ : ルートヴィヒ・ウェーバー(バス)
クンドリ : マルタ・メードル(ソプラノ)
アンフォルタス : ジョージ・ロンドン(バリトン)
ティトゥレル : アーノルド・ヴァン・ミル(バス)
クリングゾル : ヘルマン・ウーデ(バス)
第1の騎士 : ヴァルター・フリッツ(テノール)
第2の騎士 : ヴェルナー・ファウルハーバー(バリトン)
第1の小姓 : ハンナ・ルートヴィヒ(ソプラノ)
第2の小姓 : エルフリーデ・ヴィルト(ソプラノ)
第3の小姓 : グンター・バルダウフ(テノール)
第4の小姓 : ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)

ハンス・クナッパーツブッシュ 指揮
バイロイト祝祭管弦楽団
バイロイト祝祭合唱団

1951年7月、8月、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音

独DECCA NA 25 045-D/1-5(5枚組)

先日ご紹介した「神々の黄昏」と同じく、戦後初めて再開された1951年バイロイト音楽祭でのライヴ録音です。実際は上演とゲネプロを収録し、それらを編集してマスターテープとしているようです。

クナッパーツブッシュはこの年から1953年を除き、亡くなる前年の1964年まで毎年「パルジファル」を指揮しています。過去、非オーソライズ盤ではありますが各年のライヴ盤が発売されていましたし、蘭PHILIPSには1962年の正規ライヴ録音が残されておりますから、「パルジファル」と言ったらクナッパーツブッシュというくらい有名ですね。

「パルジファル」はキリスト教に基づく「聖杯伝説」を題材にした作品で、クリングゾル(邪悪な魔法使い)に奪われた「聖槍」で傷つけられたモンサルヴァート城のアンフォルタス王とクンドリ(クリングゾルの手先き)をパルジファル(無垢で愚かな若者)が救済する物語です。

「救済」というテーマはワーグナー作品すべてに扱われていて、特に女性が自身の身を死をもって神に捧げ、愛する男性を救済するという「さまよえるオランダ人」のような作品もあります。

ですからワーグナーはモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」のような好色な男を主人公にした作品と、男女のくだらない茶番劇の「コシ・ファン・トゥッテ」を評価していなかったようです。「パルジファル」はワーグナー自身で建造したバイロイト祝祭劇場以外での上演を禁じる事を遺言に残しておりましたが、著作権が切れてからは世界各地で上演されております。

「パルジファル」の歌手陣は「神々の黄昏」とほぼ変わりませんので、戦後のバイロイトを代表する歌手たちだったのでしょうね。ヴィントガッセンのパルジファル、ウェーバーのグルネマンツは安心して聴いていられます。何よりクンドリを歌うマルタ・メードルが実に素晴らしい! 1962年盤のアイリーン・ダレスより声も歌唱力も上回っていると思います。

一般的にはステレオで収録された1962年の蘭PHILIPS盤が「パルジファル」の代表盤になると思います。1962年盤も所持しておりますが、今日の1951年盤も名演です。音はモノラルですが、録音エンジニアがケネス・ウィルキンソンですから抜かりありません。「神々の黄昏」と同じく素晴らしい録音です。

ワーグナーはハンス・クナッパーツブッシュという事を再認識させる名盤であります。

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