ベートーヴェンのピアノ協奏曲(2)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集
DISC 1
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調
DISC 2
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調
合唱幻想曲 ハ短調 ※
DISC 3
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調
DISC 4
ピアノ協奏曲第4番 ト長調
DISC 5
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
ベルナルト・ハイティンク 指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ロンドン・フィルハーモニー合唱団 ※
録音 : 1975年11月(1, 3)、1976年1月(4)、1976年3月(5)、1977年4月(2, ※)、ロンドン
蘭PHILIPS 6597 017/021(5枚組)
今日はアルフレッド・ブレンデルのピアノによるベートーヴェンのピアノ協奏曲をご紹介。ブレンデルは同一の指揮者との全集を三回、蘭PHILIPSに録音しておりますが、ハイティンクとの全集が蘭PHILIPSでの最初の録音となります。この後、ジェイムズ・レヴァイン、サイモン・ラトルと録音を繰り返しています。
ハイティンク、レヴァイン、ラトル、いずれも私が好む指揮者ではありません。なのでレヴァイン、ラトルとの全集は未聴であります。では何故ハイティンクとの全集を購入したのか?
大分前になりますが、箱入り5枚組セットのこの全集が僅か1,500円というプライスで中古ショップのエサ箱に入っていたのです。1,500円なら聴いて気に入らなかったら売却すれば良いかぁ・・・と思い、購入したわけです。ちなみに盤は前所有者は聴いていたのだろうか?と思うくらい綺麗で、5枚すべて変なノイズはありませんでした。蘭PHILIPSらしく、盤質も良いです。
ハイティンクは昨秋、お亡くなりになりましたが、ニュースでは「巨匠」と呼ばれておりました。これは個人的感想になりますが、私はハイティンクを巨匠と一度も思った事はありません。
蘭PHILIPSでの録音量は相当なものですが、身銭を切って購入したベートーヴェンの交響曲全集、ブルックナーの交響曲全集その他、一曲たりとも感動した事はありません。私はもっとも凡庸な指揮者と見ておりました。
引退直前のウィーン・フィルと演奏したブルックナーの交響曲第7番も何の感動もありませんでした。第二楽章で相変わらずのハイティンク節が聴こえた時は興醒めでした。私が言うハイティンク節とは妙なアクセントやリズムの強調で、私とはとにかく相容れない指揮者なので、ハイティンクファンの皆様、どうぞご容赦を。
さて、ブレンデルのピアノは相変わらずの中庸的解釈の演奏です。同じくベートーヴェンのピアノ・ソナタでも同様の解釈ですね。誤解のないよう申し添えますが、中庸とは良い意味で言っております。ピアノ・ソナタ「テンペスト」ではブレンデルの演奏に大きな感動をもらっていますので。
変に楽曲を捏ねくり回して自分の個性を表現しようとするのではなく、ダイナミクスやルバートも「なるほど」と、こちら聴き手側を上手い解釈だと納得させてもらえる演奏と言ったら良いでしょうか。
ですが、ところどころで・・・例えば第1番第一楽章の展開部から再現部に入る直前、ブレンデルにしては力強い打鍵に「おぉ!」と少し驚かしてくれる解釈も其処彼処で聴く事が出来ます。
ハイティンクの指揮ぶりはただの伴奏の域を出ておりません、残念ながら。あ、このセットはまだ手元にあります。
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