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2022年5月 7日 (土)

ショルティの「ワルキューレ」

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ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」全曲

ブリュンヒルデ : ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
ヴォータン : ハンス・ホッター(バス)
ジークムント : ジェイムズ・キング(テノール)
ジークリンデ : レジーヌ・クレスパン(ソプラノ)
フンディング : ゴットロープ・フリック(バス)
フリッカ : クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
ワルキューレの戦士たち
オルトリンデ : ヘルガ・デルネシュ(ソプラノ)
ヴァルトラウテ : ブリギッテ・ファスベンダー(ソプラノ)
シュヴェルトライテ : ヘレン・ワッツ(メゾ・ソプラノ)

ゲオルグ・ショルティ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1965年10月~11月、ゾフィエン・ザール(ウィーン)

英DECCA SET 312/16(ED4 初出はED2)

ショルティ指揮による「ニーベルングの指環」、やはり一番の聴きものは「ワルキューレ」ですね。指環四部作の中でも音楽的にもっとも優れた作品であるという事は、ワグネリアンの方であればどなたも異存はないと思います。その「ワルキューレ」、ショルティ盤は歌手陣が素晴らしいです。

私が所持している盤はオリジナル盤(ED2)ではなく、ED4の再プレス盤です。声楽ものは管弦楽曲ほど人気はないので、オリジナル盤でも目の玉が飛び出るほどの金額には現在でもなりません。まして再発盤は一枚あたりの単価が100円から500円くらいでして、アナログレコードの中古は本当に手頃な価格で入手出来ます。

「ワルキューレ」の第1幕と第3幕は単独でもコンサートで取り上げられるほど音楽的に優れていますが、ショルティ盤の演奏も大変素晴らしいです。第1幕ではジェイムズ・キングのジークムント、レジーヌ・クレスパンのジークリンデによる名唱が聴きものです。そこにゴットロープ・フリックが歌うフンディングが名料理のかくし味的妙味で絡み、実に聴き応えがあります。

第1幕単独の録音にはキルステン・フラグスタートとセット・スヴァンホルムによるジークムントとジークリンデ、そこにハンス・クナッパーツブッシュが見事な指揮ぶりでサポートしている英DECCAの名録音が有り、私の愛聴盤でもあります。以前、何度かご紹介済みですね。

有名な二重唱から幕切れまでは若干の若さと勢いを感じるショルティの指揮も、クナッパーツブッシュに負けない見事な演奏であります。

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これは添付されているリブレットの表紙です。ブリュンヒルデを歌うビルギット・ニルソンの颯爽とした姿が写っています。バイロイトでのステージ姿でしょうか。

第2幕以降に登場するニルソンはもう素晴らしいを超越する歌唱で、これまた極めつきと称して良いハンス・ホッターのヴォータン共々、歴史的名録音を聴く事が出来ます。

ヴォータンの妻、フリッカはクリスタ・ルートヴィヒが歌っています。人間も神々の世界も夫は妻に頭が上がらないようで、フリッカに強制的に言い含められるヴォータンが嘆かわしいのですが、ここでのルートヴィヒの歌唱はお見事です。

「ワルキューレ」一番の聴きどころは第3幕です。冒頭の「ワルキューレの騎行」から幕切れまで、息もつかせぬ名演が繰り広げられます。特に「さらば、勇敢で気高い我が子よ」と歌われる「ヴォータンの告別」から「魔の炎の音楽」、そして幕切れまでは何度この録音を繰り返し聴いて来た事か。何度聴いても背筋に鳥肌が立って来てしまうのです。

「ヴォータンの告別」から幕切れまではこれまた英DECCAにはジョージ・ロンドンとクナッパーツブッシュによる名録音が残されていて、自分の愛聴盤としてご紹介しておりますが、ショルティ盤も負けないほどの名演です。

こちらの「ワルキューレ」は1965年の録音と、時代的には半世紀以上も前ですが、ジョン・カルショウのプロデュースによる精鋭の録音エンジニアが贅を尽くした名録音であり、今聴いても決して古さを感じさせません。

英DECCAのオリジナル・マスターテープはもうハイビットでのデジタル化が不可能なほど劣化している事が大分前から報じられております。それだけに、私が所持しているED4の再発盤(1970年代のプレス)ですら今となっては貴重だと思います。以前、ご紹介済みのハイライト盤はED3ですが、同じ部分を聴き比べてもED4でも聴き劣りはほとんどありません。オリジナルのED2ですと違いはあるのでしょうが。

1997年に英DECCAがCD化した「指環全曲」を輸入盤で購入しておりますが、残念ながら英DECCAアナログレコードの音の深みには達していません。仕方ないですね、オリジナルテープそのものが劣化しているのですから。所持している私のED4はケース、リブレット、盤とも大変状態が良いので、これからも大事にして聴き続けて行きたいと思います。

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コメント

おはようございます。
「ワルキューレ」いいですね。
小生もショルティ盤一押しです。
大兄が載せられた盤は皆素晴らしいですが、私的には、第一幕のベーム盤のリザネックに痺れています。
後ホッター、ニルソンのColombia(英)盤(一枚)も忘れられませんね。

今は、ED2の1G/2Gで聴いていますが、昔直接比較した際には、空気感とか情念(?)は若干異なると思いました。
しかし、鑑賞後の感動には違いはありませんでした。

Analog親爺さん、こんにちは。
全曲を聴くならショルティ盤を第一としておりますが、おっしゃるようにベーム盤の歌手陣も優れていると思います。
ベーム盤は昔、秋葉原の石丸電気さんで蘭PHILIPS盤を購入した時、ワルキューレは休憩を取らずに一気聴きした思い出があります。若かったのですね。
リザネックも素晴らしい歌唱ですね。現在は石丸電気さんで購入したレコードは無く、大分前にCDに切り替えてしまい、昨今アナログレコードに回帰している事から手放した事を後悔しております。

>後ホッター、ニルソンのColombia(英)盤(一枚)も忘れられませんね。
そうですね、今日の記事では書いておりませんが、長年のこれまた愛聴盤であります。昨秋記事にしましたが、モノラルですがオリジナル盤を入手出来たのは本当に嬉しかったです。

ワルキューレのED2は良いでしょうね。やはり録音から時を経ずにカッティングされた盤が一番です。
他のレコードで初版プレスの良さを何度も経験しておりますので。大事になさってくださいませ。

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