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2022年5月20日 (金)

モーツァルトのピアノ協奏曲(5)

8480

8481

モーツァルト
ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」
ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)

クラウディオ・アバド 指揮
ロンドン交響楽団

録音 : 1981年11月、ロンドン

独グラモフォン 2532 060(レコード)

8482

モーツァルト
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)

クラウディオ・アバド 指揮
ロンドン交響楽団

録音 : 1981年11月、ロンドン

独グラモフォン 2532 053(レコード)

今日はルドルフ・ゼルキン(1903/3 - 1991/5)の演奏をご紹介させて頂きます。ゼルキンはボヘミア出身のユダヤ系ピアニストで、ナチスから逃れるため1939年、米国へ移住したようです。したがって演奏の場は米国が中心でした。

私、どういうわけか米国で活躍しているアーティストを聴く機会が大変少なかったのです。ですから米CBSや米RCAに録音していたアーティストはあまり聴いていません。ブルーノ・ワルターくらいですね、愛聴していたレコード、CDは。

したがってゼルキンも全くと言って良いくらい聴いた事がなかったのです。初めて購入したレコードが上記モーツァルトのピアノ協奏曲第9番、17番をカップリングした独グラモフォン盤でした。デジタル録音ですから何もレコードではなくCDを購入して聴けば良いのですが、理由は覚えておりませんがレコードを購入しています。

で、「ジュノム(ジュノーム)」と副題が付いている第9番を聴いた時は結構な衝撃を受けました。過去聴いて来たどの演奏よりもテンポが遅く、実に堂々たるピアノ協奏曲になっており、私はこの演奏に大変興味を惹かれたものです。と同時に大きな感動も味わいました。

この協奏曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の魁と言っても良く、第一楽章冒頭オケが鳴った直後にピアノがフォルテで登場するのですが、その瞬間からテンポの遅さに気が付かされます。当然、アバドが指揮するオケも遅目のテンポで主題提示が続きます。多分、このテンポはゼルキンに合わせているのだと思います。

第二主題は「フィガロの結婚」で、スザンナとマルチェリーナが睨み合う時に歌われる二重唱に良く似たメロディでして、モーツァルトらしい軽快で実に美しいものです。この第二主題もアバドの指揮によるオケが美しく奏され、ゼルキンのピアノも抑え目に奏でられます。第二楽章の悲劇的な主題もアバドの指揮ぶりは実に素晴らしいです。その後に登場するゼルキンのピアノの美しさと言ったら・・・。

第17番はモーツァルトのピアノ協奏曲の中でも私が好んで聴いている曲目でもあるのですが、ここでも第一楽章冒頭から遅目のテンポで始まり、モーツァルト作品の美しさを十二分に味わう事が出来ます。第二楽章、モーツァルトのアンダンテは何故こんなにも魅力的なのでしょうか? 第三楽章では軽快な弦の刻みが何とも言えない最高の解釈。ゼルキンのピアノも遅目ながらも軽快さを感じさせる表現に魅了されます。

もう一枚の第20番と第12番をカップリングしたレコード。第20番は蘭PHILIPSに録音したクララ・ハスキルの演奏が超一級の名盤として愛好家の間で有名ですが、このゼルキンの演奏も枯れた味わいと申したら良いでしょうか、第二楽章などは本当に聴き惚れてしまいます。そして第三楽章冒頭、一聴何となく辿々しく入る様子が微笑ましく、「あれ? 指が動かないのかな?」などとバカな事を思ってしまうくらい不思議な演奏です。

第12番は第一楽章の第一主題がモーツァルトらしいメロディですが、ここでもアバドの指揮を素晴らしい表現で聴く事が出来ます。そして第二楽章は深刻で奥深い表現に惹き込まれます。その後に登場するゼルキンのピアノは絵も言われぬ美しさ。そして軽快なロンドの第三楽章でこの曲が締められます。

たった二枚のレコードでゼルキンのピアニスティックに酔いしれてしまったわけであります。

最初、しばらくは上記のレコード二枚でゼルキンのモーツァルトを楽しんでいたのですが、偶々ゼルキンが独グラモフォンに録音したすべてを網羅したCD BOXが発売されている事を知り、安価な事もあって購入しました。それがこれ ↓ です。

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ルドルフ・ゼルキン・エディション

モーツァルト/ピアノ協奏曲
DISC 1
第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」
第17番 ト長調 K.453

DISC 2
第20番 ニ短調 K.466
第12番 イ長調 K.414

DISC 3
第27番 変ロ長調 K.595
第8番 ハ長調 K.246「リュッツォウ」
第16番 ニ長調 K.451

DISC 4
第21番 ハ長調 K.467
第23番 イ長調 K.488

DISC 5
第25番ハ長調K.503
第19番ヘ長調K.459

DISC 6
第15番 変ロ長調 K.450
第22番 変ホ長調 K.482

DISC 7
第18番 変ロ長調 K.456
第24番 ハ短調 K.491

DISC 8
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111

DISC 9
ブラームス
チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 Op.38
チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)DISC 9

クラウディオ・アバド 指揮
ロンドン交響楽団
ヨーロッパ室内管弦楽団(第16番)

録音 : 1981年〜1988年

独グラモフォン 483 8830(CD 9枚組)

モーツァルトのピアノ協奏曲、所持しているレコード収録の4曲以外に11曲も聴く事が出来ます。どれも皆名演で、この全9枚はオーディオ専用NASにリッピング済みであります。私はCDを購入すると直ぐにリッピングしてしまいますので、聴く時はほとんどNASからUSB-DACを通して聴いております。

※ SACDは著作権で守られており、リッピング出来ません。

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iPadの画面より

これがルドルフ・ゼルキンのフォルダ(オーディオ専用NAS)で、iPadのネットワーク音楽再生アプリを使って開いたところです。オリジナルジャケットが一望出来ます。(^^)

数千枚に及んでいたCDは、そのほとんどをリッピングしてから売却済みです。もう聴く事はないだろうと思ったCDはリッピングせずに売却でしたが。お陰で二部屋に跨っていたCDがスッキリ無くなり、気持ち良いです。聴きたい音源はオーディオ専用NASに入っていますので。

ベートーヴェンの後期三大ソナタはライヴ録音で、これらも名演です。ロストロポーヴィチとのブラームスのチェロ・ソナタも良いですし、CD9枚組3,600円で15パーセントのポイント還元ですから安いですね。(^^)

あ、音楽配信サイトで聴く方がもっと安いかも。
ですが、私は「ディスク愛」に溢れておりますので。(笑)

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