間違いだらけのカメラ選び!!
雑誌「カメラマン」が廃刊(休刊)になったのは本年春の事。4月号が最後になりました。
年に一回だったか二回だったか忘れましたが、「間違いだらけのカメラ選び!!」という特集(カメラマンの座談会)が面白くて、楽しく読んでいたものです。何故かと申しますと、出席しているカメラマン、ライターが結構本音で発言していたからです。
特にキヤノンに関しては出席者が忌憚の無い発言をして(というより正直に発言して)おり、昨年だったか座談会に初めて参加したキヤノンのカメラしか使った事がないという風景写真家、GOTO AKI氏がいみじくも「なんか今日は気分が悪いです」と発言していたのが傑作でした。(笑)
あまりにも出席者が正直に発言して来たせいか今年三月、キヤノンから雑誌への広告を遠慮すると申し入れがあり、その影響かどうか分かりませんが、予告無しに雑誌「カメラマン」は突然廃刊(休刊)になりました。4月号の最終ページには翌月号の特集予告すら載っていたにも関わらず。キヤノン曰く、経費節減のためが理由だそうですが。
嘗て雑誌「CAPA」紙上でEOS 1Vのレビュー時、ファインダーについて正直に記事にしていたカメラマン、サンダー平山氏に対し、今後同氏を使い続けるなら以後御社の雑誌には広告を載せないと言っただけではなく、他誌にも手を回してサンダー平山氏を起用しないようにし、業界から締め出してしまった一件を思い出しました。
まるで何処かの国の政権みたいですね。側近が何か意見を具申すると、即左遷されてしまうそうで、結果国のトップの周りはイエスマンしか存在しなくなるという。テレビのニュース番組の中で、某政治評論家が「旧日本陸軍」の体制と一緒だとおっしゃっていました。しかし、ドイツのメルケル首相、国のトップとして素晴らしいリーダーですね。ドイツ国民が羨ましいです。
閑話休題 その後雑誌「CAPA」は誰がどう見てもキヤノンにヨイショする雑誌作りになりましたよね。「CAPA」はキヤノン系のカメラマン、ライターを起用しての雑誌作り、「カメラマン」は非キヤノン系カメラマン、ライターによる雑誌作りと、実に対照的な雑誌となっており、私は「カメラマン」派でした。(^^;
ちなみに私、キヤノンのカメラは嫌いではないですが、会社の姿勢は大っ嫌いです。キヤノン製品、もう何年も新品購入していません。購入は中古だけ。メーカーにお布施したくないからです。(^^;
赤城耕一氏も「カメラマン」では結構自由に発言していました。同誌が廃刊になった後しばらくしてから「CAPA」に登場するようになりましたが、おとなしくなっちゃいましたね。あまり面白くないです。まぁ、カメラ業界で生きて行こうとしたら仕方ない事だと思います。
で、なんと「間違いだらけのカメラ選び!!」がムック本として臨時発売されたようで、ビックリです。まだ買っていませんが、嘗ての記事をまとめたのではなく、新規に座談会を開いたらしいです。webで知りました。キヤノンの嫌がらせに負けないぞ! という腹づもりなのでしょうか?(笑)
カメラ、オーディオ製品、そして音楽CDなど、それらの試用記事、試聴記事は自腹で購入してから物申している人でなければ私は一切記事を信用しません。したがって雑誌等の記事は全く信用しません。過去に痛い思いをした経験があるからです。
以前、拙ブログでオーディオに関する記事で書いた事がありますが、大分前の事です、長く使っていたマランツのCDプレーヤー(11万円程の製品)もそろそろ買い替えの時期だなと思い、オーディオ雑誌をいろいろ読んで物色していました。当時、私はオーディオ機器にお金を使うくらいなら、そのお金をコンサート通いとソフト(レコード、CD)に使っていろいろな演奏を聴きたいと思っており、オーディオ機器はそこそこの製品で我慢していたのです。
ですが、溜まりに溜まったレコード、CD(どちらも数千枚に!)も封を開けていない(聴いていない)ものが増え続け、そろそろある程度高級と思えるオーディオ機器で聴いてみたくなり、オーディオ雑誌の試聴記事を目を皿のようにして読んでいました。(笑)
で、オーディオ評論家MK氏(現在も活躍中)の記事に目が止まり、その記事で絶賛していたラックスマンの主力高級CDプレーヤーを大枚叩いて購入したのです。当時、自分にとってはまさしく清水の舞台から飛び降りる覚悟でそのCDプレーヤーを購入しました。ところが、自宅に届いたそのラックスマンの音はどう聴き直しても、それまで使っていたマランツの音に負けます。友人二人にブラインドで聴き比べをしてもらったら、二人ともマランツの方が良いという結果に。
オーディオ機器なんて、或る一定水準を超えると販売価格で機器の優劣は付けられない事を身をもって知る良い経験だったとも言えます。ですから、ボッタクリ価格の機器を絶賛している評論家の記事をまともに読んではいけないという事です。
これがトラウマになって、その後ラックスマンの製品に全く興味が湧かなくなりました。オーディオ誌もカメラ誌も、メーカーから広告をもらって成り立っている以上、やはりヨイショ記事になるのは仕方ないですね。この経験以降、雑誌の評価記事はさらっと読む程度にしています。前述したMK氏ですが、今も僅か数万円の機器からボッタクリ価格と言える数百万円の機器まで、全て大絶賛の記事しか書いていません。(笑)
以来、オーディオ機器は自分の耳で聴いて判断し、カメラはメーカーショールーム、量販店店頭で弄りまくって購入を判断するようになりました。
余談ですが、YouTuberジェットダイスケさんの動画を一年くらい前までは良く見ていました。自腹で購入していた頃の彼のカメラ、レンズのレポートは参考になりましたし、作例写真も実に良かったです。ところが、有名になって各メーカーから製品をあれこれ借りられる立場になり、更にはソニーと契約してからはいっそう動画はつまらなくなりました。
明らかに安直に動画を作っているのがこちらに伝わるようになったからです。自腹で購入していた頃のジェットダイスケさんはとても良かったです。身銭を切っていた頃は製品に向かう本気度が全然違いましたから。
さて、ムック本「間違いだらけのカメラ選び!!」、どうしようかなぁ。買うか買わないかで迷っているだけですが。(笑)
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