2022年4月 7日 (木)

サリエルの命題

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- サリエルの命題 -

著者 : 楡 周平

講談社文庫刊

最近、読んだばかりの本をご紹介。

日本海の小さな島で新型インフルエンザが発生し、島に住む住民すべてが死亡するという事態が生じる。その新型インフルエンザウイルスは米国のカリフォルニア工科大学から流出したウイルスが遺伝子操作によって、強い毒性と感染力を持つ「サリエル」と呼ばれるウイルスだった。

サリエルは東アジアウイルス研究センターの名誉理事長である八重樫個人を狙って送り付けられた郵便物に仕組まれたものであり、それによって八重樫は感染してしまう。八重樫と接した島の住民(高齢者ばかり)、容態が悪化した八重樫を診た医師と看護士も感染し、全員死亡したのである。

八重樫を診た医師は自衛隊にヘリを使って本土の病院に運ぶよう依頼するも、折りからの悪天候のため本土からのヘリは飛ぶ事が出来なかった。しかし、それが不幸中の幸いとも言えるのであった。何故ならもしヘリで八重樫を本土の病院に運んでいたら、サリエルによるパンデミックは防ぎようがなかったからである。

送り付けた主は八重樫に恨みを持っている嘗ての部下、野原という人物で、八重樫個人への攻撃が目的だった。しかし、そのサリエルを野原に渡した人物、レイノルズ博士は余命幾ばくもなく、最後に自分が遺伝子操作で創り上げたウイルスで世界にパンデミックを起こすのが目的だった。

新型コロナウイルスで現在、世界中が疲弊しているわけですが、この小説が書かれたのは新型コロナウイルスが発見される前で、2017年から2018年にかけて「小説現代」に連載され、2019年6月に単行本が刊行されています。

ですから作者は新型コロナウイルスのようなウイルスで世界がパンデミックに陥る事を予見していた事になります。ただ、この小説はウイルスによるパンデミックを描く事が目的ではなく、少子高齢化する日本の社会保障(医療)制度にメスを入れています。

中でも問題視しているのが高齢者医療についてなのです。若手の議員が医療改革について語ると、一番の目的は高齢者を切る事。

なかなか興味深い小説ですが、前半と後半とではストーリーの趣が変わってしまったようにも感じます。ですが、自分の知らなかった事をこの小説で知ったりと、読んだ価値はありました。ワクチン、治療薬の接種優先順位について、案外ご存知ない方は多いと思います。私も知りませんでした。

よろしかったらご一読ください。

2022年3月11日 (金)

11年経ったのですね

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(2011年、宮城県・女川町で撮影)

あれからもう11年が経ちました。

原発の事故のため、未だに住んでいた地域に帰る事が出来ない方たちがテレビニュースで報道されておりましたが、それでも各地の原発再稼働を叫ぶ政治家がおりますよね。

汚染水を海に垂れ流す事が決定しているようですが、漁業に携わる方にとってはまたまた風評被害に悩まさる事になるのでしょう。

毎年の事ですが、拙ブログは通常の記事の掲載を控えさせて頂きました。

2022年3月 5日 (土)

The Cruel War

悲惨な戦争

ロシアよりミサイルをこめて

 

一般市民の住宅地にまで爆撃するのは無差別テロと何ら変わりがないように思うのですが・・・。

未来ある子どもの命まで奪っていますよね・・・(;_;)
ニュース映像を見ていると、気持ちが暗くなって来ます。

 

早く終わってほしいです。

2022年2月21日 (月)

祝! 初の銀メダル

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女子カーリング、史上初のオリンピック銀メダル!

選手の皆さん、おめでとうございます! 素晴らしいです。

写真はメンバーの一部が代わっておりますが、ご容赦。
撮影が少し前なので。(^^;

2022年2月 8日 (火)

店長がバカすぎて

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- 店長がバカすぎて -

著者 : 早見和真

ハルキ文庫刊(角川春樹事務所)

今日は最近読んだ文庫本をご紹介させて頂きます。

いや〜・・・なかなか面白い小説でした。(^^)

主人公は谷原京子、28歳独身で東京・吉祥寺の武蔵野書店に勤務する契約社員。薄給の割には超多忙、おまけにお客様からのクレームは日常茶飯。バカすぎる店長にイライラしながら「マジで辞めてやる!」と、毎日毎日思いながらも仕事に励む、本が大好きな京子。

本作は以下のようなサブタイトルで六話になっていますが、ストーリー自体は繋がっています。

第一話 店長がバカすぎて
第二話 小説家がバカすぎて
第三話 弊社の社長がバカすぎて
第四話 営業がバカすぎて
第五話 神様がバカすぎて
最終話 結局、私がバカすぎて

最近読むものといったら推理小説ばかりでしたが、久しぶりにジャンル違いの本を読んでみたら、とても新鮮でした。中小の武蔵野書店とは比べものにならない大型書店、リバティ書店神田本店のカリスマ店員と目される佐々木陽子と気が合って飲み会を。会話の中で、

「店長って、いつからバカになるのかって思ってさ。不思議。バカだから店長になるのか、店長になるからバカになるのか。どうしてこうどいつもこいつもってさ。まぁ、向こうからしてみれば、こっちの方がバカに見えてるのかもしれないけれど」

これには笑えました。そうですよねぇ・・・、こういう上下関係って書店に限らず、どこの業界にも当て嵌まる事だと思います。山本猛(たける)という名前だけは勇ましい店長が毎日開店前に訓示を垂れる朝礼、ここからイライラが始まる京子なのです。

29歳の誕生日を迎えた日、自分もあと一年で30歳になる事に愕然とするのですが、恐らく女性にとって29歳と30歳とでは大きな違いを感じるのでしょうね。

ストーリーは最後に大どんでん返しがあります。正直、まとめ方にやや急すぎるものを感じました。それまでの話しの進み方がゆっくりとした感じを受けておりましたので。しかし、久々に面白い本を読んだという充実感があり、この本のお陰で自分が知らなかった出版社と書店の関係も分かりました。

よろしければ御一読ください。

2022年1月 6日 (木)

謹賀新年

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- 遠くに富士を見て -

少々遅くなりましたが、新年おめでとうございます。

連日、強烈な寒さに見舞われたものの、関東域は晴れた日が続いて良いお正月になりました。雪国は大変な大雪のようで、お見舞い申し上げます。

私は昨日が仕事始めでしたが、年末年始をお休み出来た方はなかなか仕事気分にならなかったのではないかと想像します。

お正月、私が毎年楽しみにしているのがウィーンから衛星生中継(NHK-TV)されるウィーン・フィルのニューイヤーコンサート、そしてもうひとつは箱根駅伝です。

事前の前評判通り青山学院の圧勝でした。9区、10区では区間新記録、更に復路の大会新記録を記録したばかりではなく、総合でも2020年に出した青山学院自身の記録を上回る大会新記録を叩き出しました。凄いですね。来年も楽しみです。

私自身は肩の変調が続いており、今しばらくは音楽記事が多くなると思います。

それでは本年も拙ブログを、よろしくお願い申し上げます。

2021年5月21日 (金)

M1 iMac登場!

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※ 画像はAppleさんのホームページから借用しております

M1チップを搭載した24インチiMac(解像度は4.5K)が今日から店頭発売されるようです。今回のモデルチェンジでは久しぶりにカラーバリエーションが復活ですね。

インテルのCPUと決別し、自社設計のM1チップを搭載したMacはMacBook Airから始まり、13インチMacBook Pro、Mac miniと、徐々にM1チップ搭載機が増えて来ました。で、iMacに待望のM1チップが搭載され、デザインも今迄以上にスマートになりましたね。シャープと言って良いかも。

尚、iPad ProまでM1チップ搭載となりましたので、下手なノートパソコンより高性能なタブレットになったようです。

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モニター部分は薄くなりましたね・・・。

そうそう、先日或るユーチューバーの動画を見ていたらPhotoshopのCamera Rawに搭載された「スーパー解像度」を使い、インテルのCPU(Core i7)を搭載したWindowsパソコンとM1チップ搭載のMacとで変換に掛かる時間を比べていたのです。

見ていてビックリ仰天。M1チップ搭載のMacは僅か4秒で変換完了。ところがWindowsの方は4分も掛かったのです。元の写真の画素数は失念しましたが、M1チップの高性能ぶりには驚きを禁じ得ません。

試しに拙宅のMac mini(Core i5)を使い、ニコン D700(1200万画素)で撮影した写真でスーパー解像度をやってみたところ、1分10秒も掛かりました。(笑)

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パーソナルコンピュータのデザインはAppleが先導していると言っても過言ではないですね。

この事に異論を持つ方はいらっしゃらないかと思います。

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個人的意見ですが、赤い矢印で示した部分がなくなって、一見ただの液晶モニターに見えるようなスタイルになったら、iMacの最終到達点と思うのですが・・・。

如何でしょうか? 同じような事を思われるユーザーさんもいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、毎度毎度Appleさんの新製品を見る度思う事は、

Macユーザーで良かった・・・と。(^^)

2021年4月22日 (木)

紙媒体の終焉

「日本カメラ」も、とうとう5月号を最後に休刊(廃刊)という事になりましたね。会社そのものも解散だそうで、とても厳しい時代になりました。

新聞、雑誌といった紙媒体はこれからの時代、休刊が増えると思います。私自身も雑誌類はほとんど購入する事がなくなっています。オーディオ誌、カメラ誌なんて随分前から購入していません。

例外はムック本として発売された「間違いだらけのカメラ選び」を購入したくらいです。ネット社会ですから雑誌記事より早く情報が入って来ますので、雑誌は後追いになっていますよね。これでは紙媒体の立ち位置が危うくなるのも仕方ありません。

で、私は数年前から雑誌類は「読み放題」のサービスを有効活用しています。電子書籍で読みますので、タブレットやスマホを利用します。

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年額3,960円(税込)で、週刊誌、月刊誌が読み放題です。月額にすると300円(税抜き)です。300円では紙媒体のオーディオ誌もカメラ誌も、僅か一冊すら買えません。

↑ 上記スクリーンショットは読み放題サービスのアプリの一画面でして、お気に入りのページです。自分が読みたい雑誌をお気に入りに登録しておくと、新刊が発売される度、ここに新刊の表紙が現れますので、ダウンロードすれば直ぐに読めるようになります。

その他の雑誌は「ホーム」をクリックするとジャンル分けされた雑誌の表紙が表示されますので、関心を持った雑誌類をクリックすればダウンロード後に読めるようになります。バックナンバーは一年前まで読めるようです。

こういうサービスがありますから、余計紙媒体が売れなくなりますよね。ハイエンドオーディオ誌「STEREO SOUND」なんて2千数百円もします。そもそも買ってまで読みたいと思う雑誌ではないので、このサービスでサラッと見て終わりです。(笑)

昔・・・と言うほど昔ではないですが、毎号楽しみに購入していました。しかし、現在の執筆陣はボッタクリ価格の機器を一生懸命ヨイショしているだけの記事に終始していて、まったく読む価値がありません。参考になる良い記事を書いていた執筆陣の方たちがお亡くなりになった事もつまらなくなった一因ですね。

カメラ誌もオーディオ誌と一緒で、ライターが新製品をヨイショしているだけの記事内容ですから、身銭を切ってまで購入したいとは思いません。「CAPA」なんてその典型。「デジタルカメラマガジン」も毎号同じような特集記事が続きますね。創刊からしばらくは購入して読んでいましたけど、最近はマンネリですね。

昨年休刊になった「カメラマン」もこの読み放題で読む事が出来たのですが、カメラ誌では一番面白かったです。休刊になった時はがっかりしたものです。あ、私のように身銭を切って紙媒体を買わないから休刊の原因になるのですね。(^^;

まぁ、オーディオ誌もカメラ誌も身銭を切ってまで買いたくなるような、読みたくなるような記事はまったくないですね。唯一、「カメラマン」の特集記事「間違いだらけのカメラ選び」は面白かったです!

2021年3月11日 (木)

あれから10年

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自分が生きている間、忘れる事が出来ない東日本大震災。もう10年が経ったのですね。午後3時前、揺れが来た時の状況を今もありありと記憶が蘇ります。

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昨秋、北海道新幹線に乗車して東北を走っている時、ずっと窓から外を見ていました。

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窓から見える風景、東北の復興は無事済んだように見えてしまいます。

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しかしそれは、オリンピック(聖火リレー等)に合わせて政府が「見える」ところだけを復旧させただけに過ぎません。

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まだまだです、残念ながら。

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各地で原発再稼働を叫ぶ人たち、福島の現状を見て来るべきです。

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以上の写真は震災後の岩手、宮城、福島の三県を、2011年と2012年3月11日に撮影したものです。

2021年1月 6日 (水)

2021年

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横浜大さん橋にて

少々遅くなりましたが2021年、拙ブログを開始します。

昨年の大晦日、音楽は暮れの定番ベートーヴェンの第九交響曲(朝比奈隆指揮)が聴き納めでした。これは12月に購入したCDで。

テレビはあまり見ないのですが、NHK-BSプレミアムで27日に放送(1995年制作)された「刑事〜蛇に横切られる(早坂暁 作)」を見ました。随分昔の作品ですが、高倉健さん主演なので冒頭を少し見る事に。そうしたらそのまま最後まで見てしまいました。犯人の恨みから妻(田中好子さん)を死なせてしまう暗い過去を持つ警視庁捜査一課主任を高倉健さんが演じていますが、良い作品でした。

で、正月最初の音楽鑑賞はこれまた定番、ウィーンから全世界に衛星生中継(日本はNHK-TV)されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートです。黄金のホールから世界中の音楽ファンに贈られるウィンナ・ワルツの数々。指揮は一昨年以来のリッカルド・ムーティ。ムーティは一昨年が良かったので、今年も楽しみでした。

ところが、新型コロナウイルスの感染が蔓延しているという事で、初めて聴衆を入れないでコンサートが開かれました。とても残念です。したがって、アンコール最終曲の「ラデツキー行進曲」ではお馴染みとなっているオケと一体となる聴衆の拍手(手拍子)はありません。

例年、「美しく青きドナウ」が演奏される前に指揮者の音頭でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から全世界に「新年おめでとう」の斉唱があるのですが、今年はムーティさんから全世界に向けて心に響くメッセージがありました。

どこかの国では側近が書いた文言を棒読み(それも実に下手くそ)するだけのコメントしか出来ない首相や官房長官がいますけど、今回のムーティさん自らのメッセージ(カンペ無し)は本当に素晴らしいものでした。

そして、やはり箱根駅伝ですね。今年はいろいろな意味で大きな番狂わせがありましたけど、生身の人間がやるスポーツ、勝っても負けてもエールを送りたいと思います。

もう一つ、フジテレビ系列で放送された木村拓哉さん主演による「教場 II(3日、4日放送)」を見ました。昨年正月に放送された「教場」の続編ですが、木村拓哉さんが役者としての新境地を築いたと言える作品ではないかと。山田洋次監督作品の「武士の一分」で監督から徹底的に演技を鍛えられた事が役者としてプラスになった事と思います。

一般人にはほとんど学校内の様子を知る機会のない警察学校(神奈川県警察)を舞台にしたドラマです。昨年も申しましたが、教官と生徒の関係はほとんど軍隊と一緒です。警察官は、いつ命を取られるか分からない危険な職業です。生半可な教育で現場に送り出す事は出来ないという事がドラマから窺い知れます。

非情とも言える冷徹な教官、風間公親を演じているのが木村拓哉さん。風間公親の右目は義眼です。厳しさの中に隠れているのは、送り出した生徒たちを絶対に死なせるわけにはいかないという思いではないかと。

しかし、第一夜のラストには「え!? うっそー!」と、女子高生的セリフを言いたくなったほどビックリ仰天の結末でした。

では、本年も拙ブログをよろしくお願い申し上げます。

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